高木さん「じゃあ今日も一緒に……」西片「あ、今日はごめん」【からかい上手の高木さんSS】

2018年11月19日

高木さん「じゃあ今日も一緒に……」西片「あ、今日はごめん」

高木「あははは！」

西片「うぅー……」

西片(クソー！今日も散々からかわれたな……)

高木「じゃ、帰ろっか西片」

西片「あ、今日はごめん」

西片「ちょっと用事があって」

高木「……そっか」

高木「また明日ね、西片」

西片「うん、さよなら高木さん」

帰り道

高木「あれ、西片？」

高木「おーい、西か……」

西片「……」

女の子「……」

高木「！？」ササッ

西片「ん？」

女の子「どうしたの西片くん？」

西片「今呼ばれたような……」キョロキョロ

西片「気のせいだったみたい」

女の子「えっと……それでね」

西片「うんうん……」

高木「…………」

高木家

高木「……」

高木「西片……」

高木(あの子と、付き合ってるのかな……)

高木(それともあの子が西片を好きなのかな……)

高木(もしかして、西片があの子のこと……)

高木(そうなのかな……)ジワッ

学校

西片「高木さん、おはよう」

高木「あ、おはよう、西片……」

西片「……」

高木「……」

西片「……」

高木「……」

西片(おかしい！)

西片(いつもなら何かしらの行動をしてくるはずなのに……)

西片(……なら、こっちから攻めてみるか)

西片(丁度とっておきの作戦があることだし！)

西片「ねぇ高木さん」

高木「な、何？」

西片「実は俺……」

西片「彼女がいるんだよ！」

高木「！？」

西片(ふっふっふっ、どうだい高木さん)

西片(昨日の100%片想いから学んだこの作戦は！)

西片(今回こそはと恥ずかしさを我慢して言おうと決めていたのさ！)

西片(彼女がいる素振りを全く見せなかった俺が言えば、高木さんも多少は動揺するはず！)

西片(いや、まぁ、実際いないんだけど……)

高木「え、あ……」

西片(高木さんが動揺している！)

西片(しかも演技っぽくない！)

西片(なんていい気分なんだ……)

高木「そ、そう……なんだ……」

高木(西片……やっぱり……)ジワッ

高木「うっ……」ポロポロ

西片「えっ！？」

西片「た、高木さん大丈夫！？」

高木「大丈夫、大丈夫……」

高木「心配しなくて大丈夫だよ」

高木「ありがとう」ニコッ

西片「あ、う……うん……」

西片「いや、でも……」

高木「ホント大丈夫だから！」

西片「……うん」

放課後

高木「西片……今日は……」

西片「その、今日も用事が」

高木「そ、そうだよね、ごめん……」

西片「別に謝ることじゃ……」

高木「それじゃさよなら」

西片「さよなら、高木さん」

西片(やっぱり今日の高木さん、スゴイ変だったな……)

西片(大丈夫かな……)

西片(あ、そう言えば)

西片(彼女がいるの嘘だって言い忘れてた……)

帰り道

高木「……」

高木「あっ……」

西片「んー……やっぱり……」

女の子「こういうのとか？……」

高木「……そっか」

高木「やっぱり、そうなんだね……」

高木家

高木「う、ひっく……」

高木「うぅぅ、あぁ……」

高木「あっ、あぁぁぁぁぁぃぁぁあ！」

高木「やだよ西片ぁ！やだよ！」

高木「うぁぁぁあぁぁ！」

高木「もう明日から、迷惑だよね……」

高木「楽しかったのにな……」

高木「私だけ……だったのかな？……」

高木「うぅ……」グスッ

高木「西片ぁ…………」

学校

西片「おはよう高木さん」

高木「おはよう、西片」

西片「……」

高木「どうしたの？」

西片「いや、なんて言うか……」

西片「元気ないなーって思って」

高木「……」

高木「そんなことないよ」

高木「私はいつも通りだよ？」

西片「でも、目がすごい赤くなってるけど……」

高木「えっ！えと、これはちょっと色々あってね」

高木「気にしないで！」

西片「そ、そっか……」

西片(本当に大丈夫なのかな？)

西片(からかうための準備ってことでもなさそうだし……)

西片(高木さん……)

放課後

高木「それじゃ、さよなら西片」

西片「あ、あの高木さん今日は……」

高木「じゃあね」

西片「あ、うん……さよなら……」

この日から

俺が高木さんにからかわれることは無くなった

高木「おはよう、西片」

西片「うん、おはよう高木さん……」

別に仲が悪くなった訳ではないと思う
こんな風に挨拶をしたり、普通に会話をしたりはしてるし……

でも

何だろう

この数日間、学校が楽しくない

別に嫌なことがあるとかじゃない

むしろ、やっとからかいうのを辞めてくれて平和になったはずなのに
平穏に授業も受けれるし
望んでいた日常のはずなのに……

それなのになんだろうこの気持ちは

物足りない……
何かが足りないこの気持ちは……

………………

いや、
もうわかってるじゃないか

この気持ちの正体なんて

なんでこうなったかなんて

そんなのっ！

西片「高木さん！」

高木「……何？西か……」

西片「ちょっと来て！」

高木「えっ？何っ！？」

屋上

高木「はぁ、はぁ……」

高木「どうしたの西片？」

西片「……」

西片「高木さん！」

西片「どうしてからかわなくなったの？」

高木「……」

高木「そんなの……」

西片「俺は好きだったんだよ！」

西片「高木さんとからかい合うのが、勝負するのが！」

西片「もうそれが、俺の日常になってたんだよ！」

西片「だから！」

西片「だから、またいつもの高木さんに戻ってよ！」

高木「西片……」

高木「うっ……」ポロポロ

西片「高木さん！？」

高木「嬉しいんだ……」

高木「私だけじゃなかったんだって」

高木「私だけ楽しくて、西片は私にただ付き合ってくれているだけだって思ってて……」

高木「西片は優しいから、こうしてくれてるんだって」

高木「でも、そうじゃなくて……」

高木「私たち同じ気持ちだったんだね」ニコッ

西片「そ、そう……だね////」

西片(なんか、凄い恥ずかしいことを言った気がしてきた///)

西片「あっ」

西片「この数日一緒に帰れなくてごめんね」

高木「ううん、いいよ別に」

西片「女子に相談されてさ」

西片「男子って何をプレゼントしたら喜ぶのーって」

西片「それで色々協力してたんだ」

高木「！？」

高木(もしかして……)

高木「前に、彼女がいるって……」

西片「あー、それは嘘だから」

高木「っ！」

西片「すっかり言うの忘れてたよ」アハハ

西片「だってあまりにも高木さんが驚くから……」

高木「……」

西片「あれ？高木さん？」

高木「西片、私に嘘ついたんだね」

西片「え！？いや、まぁ、嘘って言うか冗談って言うか……」

高木「私、西片に嘘ついたことないのに」

西片「それは……はい……」

高木「じゃあ、私の言うこと一つ聞いてくれたらいいよ？」

西片「うぅー、わかったよ」

高木「ホント？聞いたからね」

西片「いいから早く言ってよ！」

高木「それじゃあ、言うね？」

高木「この先もずっと

私にからかわせてね」

おわり

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