僕「へい、おやびん!」

2019年01月29日
僕「へい、おやびん!」

1: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:14:55.384 ID:mE8HmkJe0
親分「おやびんじゃなくて親分だ」

僕「へい、おやびん!」

親分「話通じねえ!」

2: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:15:27.751 ID:mE8HmkJe0
親分「おい!今日もやるぞ」

僕「へい」

親分「へへへ・・・これであいつらを困らせてやるんだ」

僕「おやびん、今日も悪でやんすね!」

親分「煽てたって何も出ないぜ」

僕「母乳が出るかもしれない」

親分「出ねぇよ!」

3: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:15:40.731 ID:mE8HmkJe0
僕「ゴミ全部拾い終わりでやんす」

親分「ボランティアの奴らが困る姿が目に見えるぜ」

お爺さん「おやおや、関心だねぇ」

僕「むっ、おやびん・・・ナメてますよこいつ・・・ヤっちゃいますか」

親分「ふん、ほっておけ。牙が抜けて相手の力量も悟れなくなってやがるのさ」

お爺さん「おい無視してんじゃねえぞガキコラ」

僕「ひぇぇぇ」

親分「ふぇぇぇ」

4: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:15:51.394 ID:mE8HmkJe0
僕「おやびん!今日はどんな悪をしやすか!」

親分「さっき落とし物を拾ったんだがよぉ」

僕「まさかおやびん・・・」

親分「この落し物を・・・警察に届けてやらぁ」

僕「なんて悪なんだおやびん、日夜忙しい警察にこの程度の落し物で迷惑をかけようってんすね」

親分「へっへっへ」

6: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:16:51.912 ID:mE8HmkJe0
僕「おやびん、する事なくなりやしたね」

親分「じゃあ・・・ナンパすっか」

僕「え、でもおやびん・・・」

親分「うるせえ!デパートだ、ついてこい!」

僕「へい!」

7: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:17:16.766 ID:mE8HmkJe0
親分「お嬢さん、どうかしましたか?」

ょぅι゙ょ「ままが、ままがいないのぉ」

親分「おい、アナウンスだ」

僕「へへっ、なんて悪なんだおやびん、親に恥かかせてやろうってんすね」

親分「察しがいいじゃねぇかぁ」

ょぅι゙ょ「・・・?」

親分「大丈夫ですことよ、すぐにお母さん来てくれますからね」

ょぅι゙ょ「うん!」

8: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:19:03.150 ID:mE8HmkJe0
僕「あのガキ完全におやびんにイカれてましたよ」

親分「あァそうだろうなぁ~?」

僕「親も半べそで謝ってましたよ!さすがは悪の権化っすわ!」

親分「へへへへ」

9: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:20:21.898 ID:mE8HmkJe0
僕「あ!自転車を倒して遊んでるガキどもがいやすぜ!」

親分「うちの島で滅多な事してくれるじゃねぇかぁ」

僕「やっちまいますか?」

親分「オレがでらぁ」

僕「いや・・・だめでしょ・・・」

親分「あ?」

僕「僕がいきやすぜ、この程度の事でおやびんの手を煩わせるまでもねぇや」

親分「そ、そうかぁ?」

10: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:20:44.087 ID:mE8HmkJe0
僕「コヒュー・・・コヒュー・・・」

親分「だ、大丈夫ですか!」

僕「いや一方的に殴られただけでさぁ、おやびんがサツ呼んでくれて助かったでやんす」

親分「あ、ああ・・・そうだな・・・とりあえず家来いよ、手当てしてやる」

僕「・・・どうして僕は目隠しされるでやんす?」

親分「ひ、ひみつ!」

11: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:22:18.992 ID:mE8HmkJe0
???「お帰りなさいませ」

親分「ええ、至急応急処置を」

僕「お、おやびんのアジトでやんすか?」

???「あ、アジト・・・?」

12: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:23:10.160 ID:mE8HmkJe0
僕「おやびん!おやびんのおかげで大事にならなかったでやんす」

親分「そうかぁ・・・まぁ手下はいざというときのために取っておかねぇとなぁ」

僕「ところでおやびん、おやびん他にも手下が居たでやんすね」

親分「お、おう?そうだぞ、オレぁビッグだからな!」

僕「さすがでやんす!」

13: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:23:28.376 ID:mE8HmkJe0
僕「おやびんってお洒落でやんすよね」

親分「え、そ、そうでしょうか?」

僕「もちろんでやんす!でかいグラサンに虎の毛皮でできたコート!じゃらじゃらとつけた安物のアクセサリー!
首元に見える少女チックなペンダントも洒落てるんでやんす」

親分「え、えへへ・・・初めてこのファッションを褒められました」

僕「口調がおかしいでやんす」

親分「む!ご、ごほん!お前もそれなりの格好してこいよ、いつもコンビニ帰りみたいな服装じゃねえか」

僕「反社会集団の一員だからお金ないんでさぁ」

親分「ニートかよ!」

14: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:24:13.231 ID:mE8HmkJe0
僕「さておやびん、今日はどんな悪をしやしょうか」

親分「あー・・・それなんだけどなぁ」

僕「へい」

親分「しばらく・・・ていうか、やめる事になった」

僕「えぇ!?」

親分「わりぃな兄弟・・・」

僕「何ででやんすか!僕なんか足らなかったでやんすか!?」

親分「お前は色々足りないけどな!頭とか!そういう事じゃねえんだよ!」

僕「じゃあなぜぇ?」

親分「ご、めんなさい」

僕「・・・」

15: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:31:18.957 ID:mE8HmkJe0
僕「今日から僕がおやびんだ・・・僕がこの島で唯一悪事を働いていいんだ・・・」

僕「・・・ゴミ拾い行こ」



僕「かーっ!おやびん、どうでやんすかこの収穫!」

僕「あ、僕がおやびんだった」

僕「1人でやってっと奇異の目に耐えがたいものがあるな・・・見るな女子高生たち、僕はこの市で最も悪いんだぞ」

僕「・・・きゃわわ」

僕「・・・ん・・・?」

17: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:39:01.445 ID:mE8HmkJe0
僕「・・・よく見るとお嬢様学校の生徒だな」

女子高生「そっかぁ、寂しくなるね」

女子高生2「まあ遠くいってもうちら友達でしょ」

お嬢様「そういってもらえると嬉しいです」

女子高生「それよりさ・・・後ろの人ずっとついてきてない?」

僕「わかる、怖いよね」

女子高生2「お前だけど?」

僕「だってよ」

女子高生2「いやお前だけど!」

お嬢様「・・・え、いや、どうして・・・?」

僕「おやびんの座は譲らせてもらった、今日から僕がおやびんだ、つまり君は手下なわけだ」

女子高生「あの、ほんと、これ以上付きまとうなら警察呼びますよ」

僕「悪は警察に屈しない」

18: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:43:25.729 ID:mE8HmkJe0
警察「うーうー!警察だ!」

僕「しまった!本当に警察を呼ばれてしまった!」

警察「ちょっとこっち来てもらえるかな」

僕「あ、悪は警察には屈しないと言っておろうが!」

お嬢様「ちょっと待ってください!この人は私の、その、兄なんです!」

僕「衝撃の事実」

お嬢様「ちょっと口裏合わせてくださいまし、ほんとに捕まっちゃいますよっ!」

僕「いやぁでへへ、実はそうでしてね、善良な市民ですよ、ほら見てゴミ拾いしてる」

警察「たしかに!」

僕「わかる!」

女子高生「えぇ・・・」

19: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:48:28.269 ID:mE8HmkJe0
僕「友達はいいの?」

お嬢様「そんな状況じゃないでしょう」

僕「そっか」

お嬢様「それにしても、どうして私だとわかったんですか?」

僕「こっちずっと見てたから」

お嬢様「それだけで!?」

僕「いや・・・おやび・・・お嬢様のペンダントだよ、少女チックなペンダント」

お嬢様「ああ・・・」

僕「決め手はやっぱり、惹きつけられたからかな」

お嬢様「惹きつけ・・・?なぜです?」

僕「世界一の美少女は世界に1人しかいないから」

お嬢様「な、なにばかな事言ってるんですか!」

20: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 22:53:58.001 ID:mE8HmkJe0
僕「なんで、突然やめるなんて言ったの?」

お嬢様「・・・それは」

僕「ごくり」

お嬢様「口で言わないでくださる!?」

僕「めんご」

お嬢様「手下だった頃からおかしいなとは思ってましたけど・・・素だともっとおかしいんですのね」

僕「まあね」

お嬢様「こほん、それでえっと・・・引っ越す事になったんです」

僕「引越し」

お嬢様「遠く、遠くですのよ、もうあなたとも会えませんわ」

僕「なるほど?」

お嬢様「・・・寂しい、と思ってくださります?」

僕「思ってなかったらこんな事してないよ」

21: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 23:01:19.606 ID:mE8HmkJe0
お嬢様「だから、その、最後の、お別れに、その・・・」

僕「うん?」

お嬢様「・・・」

僕「セックスしたいの?」

お嬢様「ち、違いますし!ちゅーです!」

僕「セックスだろうと、ちゅーだろうと、しないよ」

お嬢様「は、はっきりと断らないでくださいまし・・・」

僕「これっきりなんて、そんなの認めないよ」

お嬢様「でも、仕方ない事なんです、お父様の言う事は・・・」

僕「それでも悪か!悪の権化か!」

お嬢様「っ!」

僕「引っ越したっていいよ、転校して友達とさよならして、僕ともさよならしたっていいよ」

お嬢様「・・・」

僕「君が納得してるならいいんだよ、でもしてないでしょ」

お嬢様「それは、えっと」

僕「大体予想はついたよ、堅苦しい家で堅苦しい学校で、ちょっとした反抗でやってたんでしょ」

お嬢様「そうですね、そうですよ!でも私程度で抗える事ではないのです!ニートにはわからないでしょうけど!」

僕「それを言われると弱い」

お嬢様「えっ・・・そこは反論してくださいまし・・・」

22: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 23:05:17.556 ID:mE8HmkJe0
僕「最後に聞くけど、反抗、やめていいの?」

お嬢様「・・・」

僕「まった、今のじゃ弱いな・・・言葉変えさせて」

お嬢様「ムードがないですね!?」

僕「悪は潰えるのか?」

お嬢様「・・・悪、は・・・?」

僕「悪は正義に屈するのか?最後まで屈せずに華々しく散るのが悪じゃないのか?」

お嬢様「散っちゃだめでしょう・・・」

僕「やっと笑ってくれた・・・そうでやんすよ、おやびん。おやびんは悪い事してあくどい笑いを浮かべなきゃだめでやんす」

お嬢様「返してくれっかぁ・・・?オレに、その座をよぉ・・・」

僕「僕のおやびんは、おやびんしかいないでやんす!」

お嬢様「最後まで抗ってやらァ・・・親という正しさの権化に、不良になっちまった悪の権化のオレがなァ!」

23: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 23:08:31.889 ID:mE8HmkJe0
親分「ふぅ・・・大方片付いたぜ」

僕「しばらく来なかったから、マジで行っちゃったかと思ったでやんす」

親分「ちゃんと待っててくれたんだな」

僕「勿論でやんす!僕はいつまでもおやびんの忠実な手下でやんす!」

親分「じゃ、じゃあそろそろ舎弟の儀でも交わすかぁ?」

僕「おお!やっとでやんすね!」

親分「目、目ぇつむれぇ」

僕「へい!」

親分「・・・」

僕「・・・」

お嬢様「・・・えへ」

僕「け、結局すんの・・・」

お嬢様「これで私とはお別れです、これからは舎弟ですからね」

24: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 23:09:06.439 ID:mE8HmkJe0
親分「さて、今日はどんな悪事を働こうかなーってな!へへへ」

僕「楽しみでやんすね!」

親分「お、さっそくあそこにゴミが落ちてるぞ!行くぞ兄弟!」

僕「へいおやびん!」

25: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 23:10:58.018 ID:mE8HmkJe0
僕「御悪」

親分「それたぶん何て言ってるかわかんねーぞ」

僕「じゃあ変わりにおやびんどうぞ」

親分「しゃあねえなぁ・・・」

僕「オラァ!世界中の三下ども!おやびんの美しい美声を聞くでやんす!」

親分「お、終わり・・・」

僕「おやびん照れてるでやんす!」

26: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 23:56:54.991 ID:78p+mLUsa

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