女の子「君ってなんだかミステリアスでつかみどころがないよね?今度一緒にどっか行かない?」ぼく「別にいいけど?」

2019年01月28日
女の子「君ってなんだかミステリアスでつかみどころがないよね?今度一緒にどっか行かない?」ぼく「別にいいけど?」

1: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 20:10:34.948 ID:St5Bt8iF0
女の子「あたしの話最後まで聞いてくれてありがとう」

ぼく「どういたしまして」

女の子「じゃああたし、もう行くね?」

ぼくたちは別れ話をしていた。

あの時は、こんな未来が来るなんて予想もしていなかった。

だってぼくたちは、まだ付き合ってすらいなかったのだから。

4: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 20:15:32.555 ID:St5Bt8iF0
女の子「わーい!遊園地だー!」

ぼくたちは地元の小さな遊園地にきていた。

季節は夏。

家族連れや、ぼくたちと同じような男女の二人組で溢れている。

ただ他の男女の二人組と違うのは、僕たちは友達ですらないということだ。

女の子「ねぇ!次はあれに乗ろうよ!」

ぼくは女の子のレザーの白いバッグを手に、後を歩いて追いかける。

女の子「観覧車、怖いんでしょ?」

ぼく「別に怖くないけど?」

本当は緊張していた。

狭いところも、高いところも、どちらも苦手なのだ。

そして気がつくと、ぼくは女の子と二人きりで観覧車に乗っていた。

ぼくは恐怖と興奮でガタガタ震えていた。

6: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 20:18:34.874 ID:mAqaZJ5R0
ミステリアスな君が見捨てる明日

8: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 20:22:36.552 ID:St5Bt8iF0
>>6

素敵なリリックですね。

7: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 20:22:09.487 ID:St5Bt8iF0
女の子「わー!高いー!」

ぼくはなるべく下を見ないようにして、窓を少しだけ開けた。

女の子「ねぇ!一緒に写真撮ろう?はい!せーの!」

女の子の肌が僕の上半身に密着する。

彼女は一体、どんな気持ちで僕と遊園地に来たのだろう。

「もうおしまいかー!もう一周するぞー!」

僕たちはそんな風にして、夏の遊園地を楽しんだのだった。

9: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 20:27:52.339 ID:St5Bt8iF0
学校での昼休み、ぼくはいつものように机に突っ伏して時間をやり過ごしていた。

「あいつ、いるんだかいないんだかわかんねーよな」

「喋ってんの聞いたことある?」

「ないわー」

僕は休み時間だけは耳が聞こえないモードに入る。

目も見えない。

全ての言葉がこの世界から消えてしまえばいいのにと思う。

チャイムが鳴って、僕は再び目を覚まし、耳を澄ます。

どこかに女の子の気配を感じるから。

10: VIPがお送りします 2018/08/03(金) 20:28:55.026 ID:St5Bt8iF0
終わり

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