男「うわぁぁぁぁぁ! 腐女子だぁぁぁぁぁ!」腐女子「うばしゃぁぁぁぁぁ!!!」ドロドロ…

2019年02月07日
男「うわぁぁぁぁぁ! 腐女子だぁぁぁぁぁ!」腐女子「うばしゃぁぁぁぁぁ!!!」ドロドロ…

1: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:25:40.847 ID:eyMcWOzC0
男(やっと会社終わった……)

男(さて、今日は家でじっくり絵でも――)

男「……!」

男(なんだ、この強烈な腐臭は……?)


腐女子「うばしゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ドロドロドロ…


男「うわぁぁぁぁぁ! 腐女子だぁぁぁぁぁ!」

4: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:27:55.167 ID:eyMcWOzC0
腐女子「ぐしゅ、ぐしゅしゅ……」

男(なんつう強烈なニオイだ……! 一瞬にして鼻が曲がりそうだ……!)

男(一応話しかけてみるか……)

男「あ、あの……」

腐女子「あ、あんたぁぁぁぁぁ……」ズルズル…

男「ひっ!」

男(やっぱ無理! 逃げよう!)

7: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:30:44.397 ID:eyMcWOzC0
男「うわぁぁぁぁぁ!!!」タタタタタッ

腐女子「まぁてえぇぇぇぇぇぇ!!!」ベチャベチャベチャ

男「!」


グジュグジュグジュ…


男(うわぁ……腐女子が踏んだ地面が腐ってく!)

男(絶対逃げ切らなきゃ!)

8: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:32:29.177 ID:eyMcWOzC0
男「……」チラッ

男(俺の方が足はちょっと速いみたいだ……。このままいけば逃げ切れるか……?)


腐女子「……うぅぅぅぅ」

腐女子「あづまれぇぇぇぇぇ!!!」

プ~~~~~~ン…


男「!?」

男(号令したら、蝿が集まっただと!?)

9: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:34:24.956 ID:eyMcWOzC0
腐女子「いげぇぇぇぇぇ!!!」


ブワァァァァァ…


男「ひっ!」

男「は、蝿が……! 蝿がまとわりついてきて……!」

男「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

11: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:36:13.973 ID:eyMcWOzC0
腐女子「これでぇ……もううごけないぃぃぃ……」ドロドロ…

男「うぐぐ……」

男(蝿に捕まって、身動きが取れない……!)

腐女子「ぐしゅしゅしゅしゅ……」ニタァァァ…

男(俺の人生も、ここまでか……!)

12: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:38:05.628 ID:eyMcWOzC0
腐女子「もどして……」

男「?」

腐女子「あたしを、もどして……」

男「何をいっている?」

腐女子「だってあなた……防腐剤メーカーの、人でしょ……」

男「!」ハッ

14: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:40:24.153 ID:eyMcWOzC0
男「そうか、君は俺が防腐剤メーカーの開発部に勤めてることを知って……」

腐女子「そうよ……」

腐女子「あたしのからだは、いつの頃からか腐り始めて……」

腐女子「いつもこの容姿で、いじめられてきたわ……」

男「……」

15: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:42:07.950 ID:VTkQVRa/p
防腐剤って腐ってからじゃ遅いだろ

16: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:43:20.698 ID:eyMcWOzC0
腐女子「ゾンビゾンビとからかわれ、友達もできやしない……」

腐女子「もちろんバイトも受からない……」

腐女子「恋人どころか、男の人に自宅に誘われたことさえない……」

腐女子「ついにはあたしを産んでくれた、親にも見捨てられたわ……」

腐女子「それで、ワラをもすがる気持ちで……あなたのところにやってきたのよ……」

男「……」

18: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:45:30.771 ID:eyMcWOzC0
男「分かったよ」

腐女子「!」

男「俺のこれまでの知識や研究を全て注ぎ込み」

男「君の腐食を食い止め、元通りの人間に戻してみせる!」

腐女子「ありが……とう」グジュグジュ…

男(どこまでできるか分からないが……こんな可哀想な子を放ってはおけない!)

21: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:47:41.546 ID:eyMcWOzC0
男「うーん……」

先輩「このところ、毎日遅くまで研究してるが、なにやってんだ?」

男「腐ってるものを戻す方法を研究してるんです」

先輩「ハァ?」

先輩「オイオイオ~イ、んなもんできるわけねーだろ!」

先輩「腐らせないようにするんならともかく、一度腐ったものを戻すって……」

先輩「んなことできたら、ノーベル賞もらえちまうぜ!」

男「ですよね……」

25: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:49:36.917 ID:eyMcWOzC0
男「だけど、俺はやらなきゃならないんです!」

先輩「……ほう」

先輩「どうやらお前にはお前で、事情があるみたいだな」

先輩「よく分かんねえけど……あんま無理すんなよ」スタスタ

男「はいっ!」

男(俺は必ず……腐女子を救ってみせる!)

27: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:51:55.697 ID:eyMcWOzC0
一ヶ月後――

男「さ、これを飲んでみて」

腐女子「これは……!?」

男「うちの社で最高の防腐剤に、独自の改良を施してみたんだ」

男「もしかしたら、君の体を戻せるかもしれない!」

腐女子「ありがとう……飲んでみる」ゴクッ

シュオォォォォォ…

28: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:52:50.414 ID:eyMcWOzC0
腐女子「あら……?」シュオォォォォォ…

男「!」

腐女子「あたしの体が、まともに……」シュオォォォォォ…

男「や、やった!」

女子「戻っていくわ!」シュオォォォォォ…

男「成功だ! これで君はやっと腐女子じゃなくなった!」

30: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:55:05.535 ID:eyMcWOzC0
女子「い、いえ……!」

男「え!?」

ドロドロドロ… グジュグジュグジュ…

腐女子「やっぱりダメだわ……すぐ戻っちゃった……」

男「くっ……!」

男「だけど惜しかった! 次は必ず君を戻せるものを作ってみせる!」

腐女子「うん……」

32: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:57:31.998 ID:eyMcWOzC0
しかし、その後も――

腐女子「あっ、戻っちゃった……」グジュグジュ…

男「……!」



男「ダメか……」

腐女子「ううう……」ドロドロ…



腐女子「あたしの中で、薬品に耐性がついてきてるみたい……」グジュグジュ…

男「ちくしょう……」

33: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 01:59:44.673 ID:eyMcWOzC0
男「今日もダメだったか……」

腐女子「ごめんなさい……」

男「いや、次こそ――」

腐女子「いいえ、もういいの……」

男「え?」

腐女子「あたしはもう十分満足してるわ……」

腐女子「だってあなたは、あたしみたいな腐女子に、ここまでしてくれたんだから……」

34: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 02:03:01.977 ID:eyMcWOzC0
男「ちょっと待てよ、腐女子。なに勝手に諦めてるんだ」

腐女子「?」

男「諦めるのは、俺が諦めてからにしてくれ」

腐女子「あなた、どうしてそこまであたしのことを……」

男「決まってるだろ、俺は君に惚れちゃったからだよ」

腐女子「嘘よ! デタラメよ!」

男「デタラメじゃない……もちろん最初は君の見た目とニオイに耐えられなかったけど」

男「今は、君の内面に潜む心のキレイさにすっかり魅了されてしまったんだ!」

35: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 02:06:02.202 ID:eyMcWOzC0
男「君は、男から自宅に誘われたことがない、と嘆いてたけど……」

男「だったら俺が誘ってやる。今日、うちに遊びに来ないか?」

腐女子「!!!」

腐女子「嬉しい……」

腐女子「ありがとうぅぅぅぅぅ~~~~~っ!!!」ドバァァァァァ

男「おいおい、大げさだな……なにも泣かなくても……」

腐女子「あら……?」シュワァァァ…

女子「涙に濡れた箇所が、浄化されて……!」シュワァァァァ…

男「そ、そうか、分かったぞ!」

36: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 02:08:41.478 ID:eyMcWOzC0
男「昔から、塩は防腐剤として使われてきた……」

男「そして、涙にも塩は含まれる……」

男「ましてや、感動で流した涙なら、浄化作用は……無・限・大!!!」

女子「なるほどぉ~~~~~!!!」ドバァァァァァ

男「さぁ、もっと! もっと泣くんだ! 涙のダム≪ナミダム≫を作るつもりで!」

女子「分かったわ!!!」ドバァァァァァァァ

…………

……

39: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 02:10:56.707 ID:eyMcWOzC0
新鮮女子「フレーッシュ!!!」シャキーンッ

男「おおっ、なんて新鮮な……果汁100%って感じだ!」

男「本来の君は、こんなにも可愛かったんだね!」

新鮮女子「あなたのおかげで、やっと元に戻れた……ありがとう」

男「いや、俺は何もしちゃいないよ」

新鮮女子「ううん、あなたがいなきゃあんな綺麗な涙、流せなかったもの」

男「……」

新鮮女子「……」

40: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 02:13:08.704 ID:eyMcWOzC0
新鮮女子「ところで、さっきのは本当?」

男「さっきのって?」

新鮮女子「家に来ないかっていってくれたじゃない」

男「もちろん本当だとも。ぜひ遊びに来てくれ」



新鮮女子「あなたって家では何をやってるの?」

男「趣味で絵を描いて、ネット上に公開したりしてるよ」

新鮮女子「へぇ~、すごい!」

男「さ、入ってくれ。どうぞ」

新鮮女子「お邪魔しまーす」

41: VIPがお送りします 2018/06/24(日) 02:15:11.296 ID:eyMcWOzC0
男「どうだい、俺の作品は?」

新鮮女子「……!」

男「今は新撰組の隊長たちを美男子化して、裸同士で絡ませる絵を描くのにハマってるんだ!」

男「たとえばほら、これは土方と沖田を……」

新鮮女子「へ、へぇ~……」







― 完 ―

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