女「はい？　デートですか？」

2019年02月27日

女「デートとはなんでしょう……？」

男「えーっと、つまり、その男女の仲を深めるというか……。二人で遊ぶというか……」

女「遊びですね！　何をして遊ぶのですか？」

男「えーっと、散歩とか……」

女「さんぽ……いいですね！　さんぽ！　散歩しましょう！」

男「よ、よかったぁ……」

女「どこを散歩しましょう？　公園とかでしょうか？　それとも、街中を？」

男「じゃあ、駅前の商店街に行かない？」

女「はい！」

_
女「うわー！　いつも栄えていますね、ここは！」

男「そうだね」

女「甘い、美味しそうな、いい匂いもしますねぇ」ｸﾝｸﾝ

男「いく？」

女「ええ！　いいのですか！？　食べましょう！」

男「うん」

女「ありがとうございます！」

男「ここの今川焼きが美味しいんだよね」

女「へー、そうなのですねー！」ﾜｸﾜｸ

男「はい」

女「ありがとうございます！」

男「ど、どうかな？」

女「あむっ……。美味しいです！　とても甘くて柔らかです！　私、初めて食べました！」

男「よかった、喜んでもらえて……。冬に食べる今川焼きがまた一段と美味しくなるんだ！　また食べに行こう！」

女「はい！」

_
女「本当にとても美味しいですね、このお店の今川焼き……」ﾊﾑﾊﾑ

男「そうだね」

女「……次は、あそこのゲームセンターに行きませんか？」

男「いいよ」

女「私、あそこのUFOキャッチャーの景品が気になるんです！」

男「ゲームセンターは、初めてなの？」

女「はい！　どういうところか知らなくて、初めてです！」

女「ここの中に入ってる、ぬいぐるみとても可愛いです！」

男「へー、じゃあ取ってあげようか！」

女「よろしいのですか？」

男「任せてよ！」

女「取れませんね……」

男「うぐっ……」

女「あ、あの……私もやって見ていいですか？」

男「えっ、ああいいよ！」

_
女「はぁ、取れません……やっぱり難しいです……」

女「とても可愛いのに、近くにあるのに取れない……。なんともどかしい……」

男「うん」

女「どうすればいいのでしょう、何かコツとかあれば」

男「おちついて」

女「そうですね、いったん冷静にならないと……ふぅ……」

女「やったー！　取れました！」

男「おおお！　すごい！」

女「カワイイです～このブタさん！」

男「え、これクマじゃないの？」

女「えー、ブタさんですよー！　この鼻とまん丸お目目と肌の色合いがブタさんですよ！　ブーブー」

男「か、かわいい……！」

女「カワイイですよねー！」

男「うん！　かわいい！」

_
女「ふふっ、また一つぬいぐるみが増えました！」

男「うん」

女「うーん、それじゃあそこの公園で休みませんか？」

男「いいよ」

女「それじゃ、いきましょ！」ｷﾞｭｯ

男「……」

男「ぬぉぉ！　はぁはぁ……緊張で……！　息が……やばい……。ハァハァ……」

女「？　どうしたんですか？　男さん？」

男「い、いや……」

女「？　疲れてるのですか？」

男「いや大丈夫……」

女「あそこにベンチがありますよ！　あそこで休みましょっか！」

男「あ、うん！」

_
女「まったりとしてますね～」

男「そうだね」

女「ほんとうに落ち着きます……」

男「うん」

女「……」

男「……」

ﾋｭｰ

女「肌寒くなってきましたねー季節を感じますねー」

男「そうだね」

女「……」

男「……」

男「あ、あの……」

女「？　なんでしょう？」

男「あの……えっーと、その……」

女「？」

男「おおおおお女さんは、その、すしなひと……」

女「すし？」

男「ち、ち、ちがった！　好きな人って……い、いいいるんですか！？」

女「えっ」

男「っ……」

_
女「……」

男「……」

女「男さんは、好きな人いますか？」

女「好きな人ですよ、心の底から好きだって言える人……。愛しい人……」

男「……」

女「私は、います……」

男「え、ま、マジで……？」

女「はい……」

男「……」ｶﾞｸｰﾝ

女「……」

男「……」

女「ふふっ、冗談です……私まだ、恋愛とか恋とか分からないんです」

男「な、なんだ……。びっくりした……」ﾎｯ

女「私のことより、男さんはいるんですか？」

男「えっ？」

女「好きな人です」

_
男「……」

女「……」

男「……」

女「ふふっ、ごめんなさい、言えないですよね……」

男「……」

女「でも、聞きたいです……」

男「……」

男「ぼ、ぼ、ぼぼぼぼぼ僕は！」

女「えっ！　は、はい……！」

男「あ、あああ、あなたが好きです！」

女「えっ……」

男「す、好きです！　付き合ってください！」

女「……」

男「好きです！　大好きです！　お願いします！」

女「……冗談ですか？」

男「えっ」

_
女「私、何も取り柄ないし、誰かを幸せになんかできないし……どうして私みたいなのを……」

女「好きに……なって……」

女「くれたのかな……」

男「女さん？」

女「あ、あの、なんで私なんかを……」

男「そ、それは……。好きになっちゃった、から……」

女「好きになったから……？」

男「はい」

_
女「ふふっ、好きになったからかー」

女「確かにそれなら仕方ないですもんね……」

女「……」

女「恋ってこういうことだったんですね……」

女「やっとわかりました……」

男「ダメですか……？」

女「……」

女「私で良ければ、付き合ってもらえませんか？」

男「えっ」

女「……」///

男「……え、ええ！！　えええ！？　あえ、ええ！　もも、もちろんです！　お願いします！」

女「ふふっ」

男「あ、ははっ……ははっ！　やったー！　ｺﾞｯﾎｺﾞﾎ！　ヤッター！」

女「ふふっ、喜びすぎですよ！　男さんっ！」

_
女「デートって楽しいですね……」

女「それじゃあ、もう時間なので、帰りますね……」

女「私、大事にしますね、このウサギさん……」

女「また……。またデートしましょうね、男さん……」

女「バイバイ」

終

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