男「泉に金玉落としちゃった!」女神「あなたが落としたのはこの金の玉ですか? それとも銀の玉ですか?」

2018年12月14日
男「泉に金玉落としちゃった!」女神「あなたが落としたのはこの金の玉ですか? それとも銀の玉ですか?」

1: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 01:36:54.646 ID:4uMhi1g80
男「あっ!」ポロンッ

ボチャンッ…

男「しまった……!」

男「泉に金玉落としちゃった!」

ブクブクブク…

男「……ん?」

5: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 01:39:40.280 ID:4uMhi1g80
ザブ…

女神「……」

男「わっ!?」

女神「私はこの泉に住む女神です」

女神「あなたが落としたのはこの金の玉ですか? それとも銀の玉ですか?」

男「えーっと、金玉です!」

女神「この金の玉ですか」キラキラ…

男「いや、それじゃない!」

6: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 01:41:16.174 ID:4uMhi1g80
男「フツーのです!」

男「男なら誰でも股間にぶら下げてる、フツーの金玉です!」

女神「あなたは正直者ですね」

女神「ご褒美に、この金の玉をぶら下げてあげましょう」キラキラ…

男「えっ……」

8: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 01:43:10.407 ID:4uMhi1g80
ズシッ…

男「重っ……!」

男(そりゃそうだ……純金製の玉を二つもぶら下げてるんだから……)

男「女神様ーっ!」

男「俺の金玉返してーっ!」

男「……出てこない」

男「仕方ない、家に帰るか」

10: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 01:45:34.566 ID:4uMhi1g80
男「……」ヨタヨタ…

男「……」ヨタヨタ…


通行人A「なんだあの人?」

通行人B「ハハハ、すごいがに股だな」


男(あ~……恥ずかしい! なんでこんなことに……)ヨタヨタ…

14: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 01:48:41.014 ID:4uMhi1g80
DQN「おい、てめえ」

男「はい?」

DQN「さっきから態度のでかい歩き方しやがって」

DQN「ここらをシメてるのが誰か知らねえのか? ケンカ売ってんのか? ああん?」

男「あ、いや、わざとやってるわけじゃなく……」

DQN「うるせえ! そのがら空きの金玉蹴り上げてやる!」

ガンッ!

15: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 01:50:41.730 ID:4uMhi1g80
男「……」

DQN「……い」

DQN「いってぇ~! どうなってやがる! まるで金属蹴ったみたいだ!」

DQN「足がっ、足がぁぁぁっ!」ピョンピョン

男(おお……この金玉、結構役に立つかも!)

16: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 01:53:04.368 ID:4uMhi1g80
会社――

男「おはようございまーす!」ヨタヨタ…

課長「お、おはよう」

同僚「やけにがに股だけど、一体どうしたんだ?」

男「金玉が重くってね」ヨタヨタ…

同僚「えええ……!?」

課長「いったいどれだけ溜め込んでいるんだ……。今夜、いい店紹介しようか?」

男「あ、そういうのじゃないんで」

20: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 01:56:23.234 ID:4uMhi1g80
取引先「……この条件では契約するわけにはいきませんなぁ。もっと価格を下げてもらわないと」

男「そんな……」

男「前回の商談では、価格をここまで下げたら絶対ウチにするっておっしゃったじゃないですか!」

取引先「君ィ、商売の状況や条件というものは常に移り変わっていくものだよ」

男「うぐぐ……」

取引先「たとえばの話だが……」

取引先「もし、君が金玉で空手家のように瓦を割れたら、君のとこにしてもいいけどねえ」

取引先「まあ、できるわけないがね。ククク……」

男「!」

22: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 01:58:43.156 ID:r2VIblKRa
空手家がみんな金玉で瓦を割れると思うなよ?

23: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 01:59:11.519 ID:4uMhi1g80
男「でしたら……やってみせましょう!」

取引先「え」

男「この瓦を割ればいいんですね?」

取引先「お、おいやめたまえ! 金玉が壊れてしまうぞ! 子孫を残せなくなる!」

男「でやっ!」

パキィィィィンッ

取引先「な……!?」

男「いかがです?」

取引先「私の負けだ……君の会社と契約しよう」

24: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:01:10.946 ID:4uMhi1g80
女「男さんの足、すごーい!」

男「え?」

女「ムキムキじゃないですかぁ~。まるで陸上選手みたい!」

同僚「ホントだ!」

男「いつの間に……」

男(そうか、いつも純金の金玉をぶら下げてたから、足や太ももが鍛えられたのか……)

26: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:05:14.748 ID:4uMhi1g80
忘年会――

男「それじゃ隠し芸やりまーす!」

ヒューヒュー!

ピーピーッ!

男「金玉でスイカを割りまーす!」

男「てやっ!」パカンッ

オォォォォォ…

パチパチパチパチパチ…

スゲー… コウテツノキンタマダ… イタクナイノカ…?

28: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:07:02.976 ID:4uMhi1g80
男(だいぶ、この新しい金玉にも慣れてきたな……)

男(もう一生このままでもいいかな……なーんて)

男「――ん?」

幼女「……」シクシク…

男「どうしたの? なんで泣いてるの?」

幼女「あのね……」

30: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:09:51.338 ID:4uMhi1g80
男「えっ、お父さんが病気?」

幼女「うん、病気の治療には大金が必要なんだって」

幼女「だけど、うちは貧しいから、そんなの集められっこないよう……」

幼女「このままじゃお父さんが死んじゃう……どうしよう……」

男「……」

31: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:12:15.360 ID:4uMhi1g80
男「だったら、これをあげよう」キラキラ…

幼女「わっ、キレイ! なにこれ?」

男「おじさんのきんのたまだよ。これを二つとも売れば、お父さんの治療費の足しになるはずだ」

幼女「もらっていいの?」

男「いいとも」

幼女「わーいっ! ありがとう!」タタタタタッ

32: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:14:14.601 ID:4uMhi1g80
男「……」

男「あーあ、金玉を二つともあげちゃって玉無しになっちまった」

男「だけど、気分は清々しい……とてもいい気分だ」

男「さ、帰ろう」スタ…



男「!?」

34: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:18:05.855 ID:4uMhi1g80
ビューンッ!!!

男「なんだ!?」

男「歩こうとしたら、体がものすごい高さまで跳び上がった!」

男(そうか……! 下半身が鍛えられたのに加え、金玉がなくなって体重が減ったから)

男(ちょっと足に力を入れただけで、こんなにジャンプできるようになってたのか!)

男「どこまで跳ぶんだ!?」

男「うわっ! 落ちるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」ヒュルルルルル…

36: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:20:25.376 ID:4uMhi1g80
男「あ、あれはっ!」

男(前に金玉を落とした泉……!)



ザッバーンッ!


ブクブクブクブクブク…

37: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:23:23.665 ID:4uMhi1g80
ブクブクブクブクブク…


男(ううう……)

女神「またあなたですか」

男「あっ、あなたはあの時の女神様……」

女神「前は金玉を落としましたが、今度は自分が落ちてしまったのですね」

男「面目ありません……」

女神「ところで、玉袋が空っぽですけど、私があげた金の玉はどうしました?」

男「ああ、あれは二つとも貧しい女の子にあげました」

女神「まぁっ、なんと立派な心の持ち主なんでしょう」

38: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:26:20.313 ID:4uMhi1g80
女神「私はあなたの黄金よりも輝いている心に惚れました。結婚しましょう」

男「こりゃまた唐突ですね」

女神「恋はいつだって唐突なのです」

女神「私と結婚すれば、あなたは自動的に神となります」

女神「神となり、私と次世代の神となる子供を作りつつ、この世界を統治しましょう」

男「願ってもない話ですが、残念ながら今の俺は玉無しなんですよ」

男「どれだけ腰を振ろうが、あなたと子供を作ることはできません」

42: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:28:53.017 ID:4uMhi1g80
女神「大丈夫、あなたが以前落とした金玉はちゃんと残してあります」サッ

男「おおっ!」

女神「さっそくあなたの玉袋に収納しましょう」

男「……」

女神「いかがですか?」

男「たとえるなら、幼い頃仲が良かった友と大人になって久しぶりに再会した……そんな気分でしょうか」

女神「それはよかった。では、結婚式を挙げましょう」

男「はいっ!」

44: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:32:50.379 ID:4uMhi1g80
……

…………

神「――以上が、私が母さんと結婚し、人間から神になるまでの経緯だ」

神「母さんがちゃんと玉を残していなかったら、お前たちも生まれていなかったのだ」

息子「ふーん……」

娘「へぇー……」

神「これがホントの“玉のこし”! ……なんちて!」

息子「なぁ、このバカ親父の金玉蹴り上げていいか?」

娘「思いっきりやっちゃって」




おわり

48: VIPがお送りします 2018/12/14(金) 02:38:07.048 ID:r2VIblKRa
なるほどそのオチから逆算で発想したのか感心した!!

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