妹「テレビ見るからどけてよ」僕「え…でも僕もこれ見てて…」

2019年02月21日
妹「テレビ見るからどけてよ」僕「え…でも僕もこれ見てて…」

1: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:09:02.364 ID:xaXefHrY0
妹「見てて?何?」

僕「今いいとこだし…見せてほしいです…」

妹「私が毎週この時間松潤の番組見てんの知ってるじゃん」

僕「はい…」

妹「なんで今日だけ?そんなのあとでYouTubeあげられるでしょ」

僕「その通りです…どうぞ見てください…」

妹「最初からそう言いなよ」ピッ

僕「ごめんなさい…」スタスタ

2: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:09:36.756 ID:xaXefHrY0
ガラガラ

妹「姉ちゃん帰ったんだ、おかえり」

姉「…」

妹「無視かよ…早く晩御飯作ってよ、お腹すいた」

姉「自分で作れば」

妹「は?」ガタッ

7: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:10:17.902 ID:xaXefHrY0
姉「あんたもう子供じゃないんだから、自立しなよ」

妹「うっざ、死ね」

僕「喧嘩はおやめください」

姉「洗濯も掃除も料理も誰がしてやってると思ってんの?当たり前って態度が鼻に付くのよね」

妹「あ~はいはい、今日はコンビニでお弁当買ってきます~」

姉「勝手にしろ」スタスタ

8: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:10:42.683 ID:xaXefHrY0
僕「今日は僕が作りますよ」

妹「あんたは黙ってろよ」

僕「はい…」

姉「あと、今日から自分のものは自分で洗ってね、掃除もしないから」

妹「チッ、早く部屋戻れよ」

姉「…」スタスタ

10: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:11:20.801 ID:xaXefHrY0
~妹の部屋~

妹「あーあイライラするなぁもう…」

妹「私なんでこんな家に生まれちゃったんだろ…顔はこんなに可愛いのに、家族があんなんじゃやってらんないよ…」

妹「姉ちゃんはグチグチうるさいし、兄貴はオドオド気持ち悪いし、あれさえなくなればなぁ…」

妹「家族 ウザい…検索と…」カタカタ

妹「はぁ…ん?」

妹「人間代理人?」ポチ

妹「家族、友人、先輩後輩、その他人間関係で困ってる人へ、代理人を用意します、まずはお試し期間1ヶ月…」

妹「まあいいや、モノは試しだし」ポチ

購入しました

14: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:12:08.423 ID:xaXefHrY0
~次の日~

妹「ん…ふわぁ~…今何時?」

妹「あれ?どこなのここ!?」

妹「…真っ白な部屋にでっかいモニター、テレビベッドその他家具が色々置いてある…なんなの」

妹「そしてこのでっかいモニターに映っているのは、私の部屋!?」

妹「私の部屋の鏡の前に立っいるのは、私だ、どういうこと…」


17: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:12:40.628 ID:xaXefHrY0
~朝~

新妹「おはよう」

僕「おはようございます…」

姉「…」

新妹「あれ?なんで兄ちゃんがご飯作ろうとしてるの?」

僕「いや…ほら、その…」

姉「…なに?何見てんの?」パクパク

新妹「あ、そうか…それなら私がやるよ」

19: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:13:44.561 ID:xaXefHrY0
僕「え、やってくれるんですか…」

新妹「私も一応料理できるようになりたいし」

僕「…」

新妹「スクランブルエッグとサラダでいい?」

僕「はい…もちろん…」

新妹「兄ちゃんは座っててよ」

僕「…はい」

姉「…」

23: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:15:07.055 ID:xaXefHrY0
妹「はえ~こりゃいい!見た目も完全に私だし、普通に生活できてんじゃん!」

妹「何の説明もなかったけど、普通に代理人してくれんだね、てことはこの間私はいつでも自由に昼寝もできるしご飯も食べられるんだ!」

妹「学校も普通に行ってくれるし、勉強も宿題もやってくれるみたいだし、ラッキー!」

~学校~

新妹「おっはよ~」

友「妹おはよー」

友「なんか雰囲気変わった?」

新妹「何が?どこか変わった?」

友「いや、気のせいかも…よく見たら普通に妹だね」

新妹「怖いこと言わないでよw」

友「ごめんごめん」

24: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:15:56.413 ID:xaXefHrY0
~家~

新妹「ただいまー」

僕「おかえりなさい」

新妹「姉ちゃんは…まだ帰ってないよね」

僕「はい」

新妹「ご飯もまだだよね」

僕「はい、あとお姉ちゃんがまだ怒ってるらしくて、やっぱりご飯は自分達で作れって…」

新妹「分かってるよ、私が作るから」

僕「え…」

26: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:16:29.914 ID:xaXefHrY0
新妹「何その顔…私が作ったら悪い?」

僕「あ、いや滅相もございません…」

新妹「兄ちゃんなんでずっと敬語なの?気持ち悪いんだけど」

僕「え…だって妹が敬語で喋れって…」

新妹「…まだそんな話覚えてたの?そんなのいいって、普通に話してよ気持ち悪いから」

僕「あ、うん…分かった…」

27: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:17:06.459 ID:xaXefHrY0
ガラガラ

新妹「おかえり、姉ちゃん」

姉「…」

新妹「今日は私が作るから」

姉「意地になった?どうせ続かないでしょ」

新妹「私だって家事くらいできるよ」

姉「…勝手にしなよ」

31: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:18:13.407 ID:xaXefHrY0
~夜~

新妹「夜ご飯できたよー」

僕「うわっ八宝菜だ…すごい」

新妹「勉強したの」

新妹「あれ?姉ちゃん降りてこないね」

新妹「姉ちゃんご飯できたよ」ガチャ

姉「いい…私自分で作るから」

新妹「え~姉ちゃんの分も作ったよ~」

姉「…」

新妹「分かった…一応残しとくから良かったら食べて…」バタン

33: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:19:02.832 ID:xaXefHrY0
新妹「姉ちゃん後で食べるって」

僕「ふーん…」

僕「これ凄く美味しいよ」

新妹「ほんと?よかった」

僕「なんで急に料理を?昨日姉ちゃんに言われたから?」

新妹「まあそんなとこ、姉ちゃんには今まで家事してもらってたからさ、今日から私がやるよ」

僕「え、ほんとに?どうかしたの?」

新妹「だからどうもしてないって!あんま言うと殴るよ」

僕「ご、ごめんなさい」

38: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:20:10.903 ID:xaXefHrY0
姉「…」スタスタ

新妹「あ、姉ちゃん来たの?」

姉「別に、お腹すいたしカップ麺作りにきただけ」

新妹「えー余ってるし、八宝菜食べてよー」

姉「…」

姉「じゃあそれ食べる」

新妹「やったー、じゃあ入れるから」

姉「いいって自分で入れるから」

新妹「うん…」

姉「…」パクッ

新妹「どう?」

姉「…」パクパク

姉「まあまあ」

40: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:21:04.599 ID:xaXefHrY0
新妹「お姉ちゃんには敵わないよー」

姉「これなら私が作ったほうが美味いよ」

新妹「じゃあ明日姉ちゃん作ってよ」

姉「…しょーがないな」

新妹「ふふふ口車ってやつだよ」

姉「ふんっ」

僕「…」ニコニコ

43: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:22:07.202 ID:xaXefHrY0
~次の日~

新妹「ただいまー」

僕「おかえり」

新妹「あれ?どうしたの?怪我してるじゃん」

僕「いや、今日自転車で転けて…溝に足が引っかかって…」

新妹「それで放置してるの?手当は?」

僕「そういうのよく分からないし…ごめんなさい!!」

新妹「もう、何してんの」

新妹「救急箱持ってくるから待ってて」

46: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:22:57.173 ID:xaXefHrY0
僕「…?」

シュッシュッ

僕「いだい゛!」

新妹「あとちょっとだから!…ほらおわり」

僕「うん…ありがと…」

新妹「もう転ばないでね」

僕「うん」

52: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:23:58.927 ID:xaXefHrY0
~外~

ザアアアア

姉「はぁ…急に雨降るやん」

姉「もういいや、傘買うか…」

新妹「姉ちゃーん」

姉「妹?なんでいんの?」

新妹「なんでって、傘届けに来たんだけど」

姉「えぇ…そんなのいいのに」

新妹「だって今日は姉ちゃんが作ってくれるんでしょ、お腹すいて待てなかったから」

新妹「早くスーパー行って材料買いに行こ」

姉「一緒に?」

新妹「せっかく来たんだし」

姉「はぁ、まったく」

55: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:24:48.349 ID:xaXefHrY0
~夜~

新妹「あー美味しかった、やっぱり姉ちゃんには敵わなかったよ」

姉「何も出ないわよ」

僕「妹のも美味しかったよ」

新妹「ありがと、お風呂沸かしてくるね」

新妹「あと洗濯物私が畳むからやらないで置いといてね!」

姉「いやでも」

新妹「いいから!」スタスタ

64: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:25:51.447 ID:xaXefHrY0
僕「あれー?」ガサゴソ

新妹「どうしたの?」

僕「昔やってたゲーム久しぶりにやりたいんだけどカセット見つからなくてねー」

新妹「なんてやつ?」

僕「レッツポリスってやつ」

新妹「ふーん、何色?」ガサゴソ

僕「え、なに?」

新妹「いや、探してあげるんじゃん」

僕「え、いいよそんな…」

新妹「なんで?」

僕「いいの?」

新妹「いいよ」

僕「あ、ありがと…」ガサゴソ

69: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:27:19.657 ID:xaXefHrY0
~30分後~

新妹「兄ちゃんカセット多すぎだよ…」

僕「もう大丈夫だよ、動画でも見るよ」

新妹「えーいいの?」

僕「妹、ありがとう」

新妹「え?」

僕「妹がこんなに優しい奴だったって知らなかった…正直今まで酷い奴だって思ってたよ」

僕「敬語使わなくていいし、家事もしてくれるし、怪我しても馬鹿だって罵ってこないし、妹はちゃんとしてればちゃんとした人になれるんだね」

新妹「兄ちゃん、恥ずかしいよ急に…」

僕「へへ、ごめん」

71: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:28:17.222 ID:xaXefHrY0
新妹「洗い物終わったー、あ、姉ちゃん今日も洗濯私がやるって」

姉「ねぇ」

新妹「なに?」

姉「ごめんなさい、あんたのこと馬鹿にして」

新妹「どうしたの急に?気持ち悪いよw」

姉「やっぱり家事は全部私に任せて?私は二人のために家事する自分が好きだったみたい」

姉「あんたが充分できる子だっていうのは分かった、今まで馬鹿にしてたこと撤回する」

72: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:29:16.106 ID:xaXefHrY0
ギュッ

姉「妹、ごめんね、ありがとね」

新妹「姉ちゃん…」

新妹「両親とも死んで、大変だったのに、今まであーして姉ちゃんに任せてたのがおかしかったんだよ?ごめんなさい、私が謝らないと」

姉「私のせいなんでしょ?妹が今頑張ってるのは…姉ちゃんね、今の妹大好きだよ」

姉「変わってくれてありがとう」ポロポロ

新妹「泣かないでよ姉ちゃん!私も泣いちゃいそう!」

姉「ごめんね」ポロポロ

74: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:30:32.095 ID:xaXefHrY0


妹「…」

妹「もうすぐ1ヶ月経つ、家に戻るチャンス…」

妹「…」

妹「今の私が戻って、どうするんだ…?」

妹「なんだよこれ、なんで家庭内平和になってんだよ…人格だけが変わっただけだろ?なんでこんな」

妹「私自身は必要ないってこと?」

妹「二人ともこんなに幸せそう…兄貴はなんかデレデレしてるし、姉ちゃんも全然怒らなくなってる…」

妹「もう嫌だ、こんなの、私が必要ないってことに他ならない!こんなところに戻れるわけないじゃん…」

79: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:32:01.277 ID:xaXefHrY0


新妹「ねぇ、二人とも」

姉「ん?」

僕「なに?」

新妹「もしね、私が急に前みたいに戻ったらどう思う?」

姉「そりゃイヤだよ、できれば今のままでいてほしい」

新妹「そっか」

姉「でも妹に真心があるって分かったから、どっちでもいいわ!」

新妹「え…」

僕「僕も前の妹の罵りも、嫌いじゃなかったよ」

新妹「ほんと?」

姉「うん」

僕「うん」

新妹「…分かった、ありがとう」

86: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:33:59.315 ID:xaXefHrY0
~次の日~

僕「おはよー」

姉「おはよ、妹まだ起きてないの?」

僕「みたいだね」

スタタタタ

妹「おはよー」

僕「あ、来た来たおはよー」

姉「今日寝坊気味じゃん」

妹「ちょっと昨日考え事してて…」

姉「朝ごはんできてるよ、ほら」

妹「うん…ねぇ二人とも?」

僕姉「ん?」

89: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:35:05.802 ID:xaXefHrY0
妹「私って妹だよね?ちゃんと妹だよね?」

姉「まーた訳分からんこと言い出したよ」

僕「妹は妹だろ?」

姉「あんたはたった一人の妹だよ、なんか悩んでるなら相談しなよ」

妹「ふふっ…だよね、ありがと」

姉「なんだよ気持ちわりー!」

妹「ごめんごめん、食べよー」

僕「いただきまーす」

93: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:36:13.484 ID:xaXefHrY0
旧妹「生涯契約…これで一生あの家庭には戻らなくていいんですね?」

経営者「はい、こちらでの生活も保証しましょう」

旧妹「ありがとうございます…それじゃあ眠たいんで…寝ます」

経営者「なんだか疲れきった顔をしてらっしゃいますね、ゆっくり休んでください」

旧妹「はい…」

旧妹(私にはもう何も残っていない…私の生き方は間違いだったらしい)

旧妹(間違いの人格で生きていてもしょうがない…もはや選択は一つだけ)

100: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:37:32.922 ID:xaXefHrY0
~自殺所~

旧妹(この施設は人を快楽足らしめる設備が複数ある…その一方で私のように変わった現在の家庭を見ることで絶望した人間のために、死を選ぶ事も許容されている)

旧妹(寧ろここへ来た人間のほとんどが早いうちにこの場所で命を絶つらしい)

旧妹(整った施設だが、死体の処理だけはされない、広い部屋にある大きな大穴に無残に投げ込まれた死体が転がっている)

旧妹(この大穴に首を突っ込めば、キッパリ頭部を切断してくれるらしい、さよなら私の人生)

旧妹「あっ」

108: VIPがお送りします 2018/01/18(木) 23:38:59.831 ID:xaXefHrY0
旧僕「」

旧姉「」

旧妹「…」

旧妹「そっか…私さいごだったんだ」

スパン

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