男「監禁されて始まる恋?」
1: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 22:42:13.19 ID:E98teO+t0
どうも。
初SSで遅筆ですが良かったら見てやって下さい。
あと変なところとか感想とかもあったらどんどん下さい。
初SSで遅筆ですが良かったら見てやって下さい。
あと変なところとか感想とかもあったらどんどん下さい。
2: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 22:47:09.55 ID:E98teO+t0
男「……目が覚めたらベッドに縛られてた。何を言ってるのか分からねーと思うが俺も何を言ってるのか分からねぇ」
女「……おはよう。男くん」
男「おぉ、お前はクラスメイトでクラス委員長の女じゃん」
女「な、なんか棒読みで説明口調な気がするけど……まぁいっか」
男「?」
3: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 22:53:10.85 ID:E98teO+t0
女「目、覚めたみたいだね」
男「あぁ」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……え? この状況について何も聞かないの?」
4: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 22:54:51.38 ID:E98teO+t0
男「それもそうだな。じゃあなんで俺は縛られてんの?」
女「……」
男「……」
女「……男くんが悪いんだよ……」
男「えっ、マジで? ごめんな」
女「……」
男「……」
5: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 22:58:42.04 ID:E98teO+t0
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「?」
女「……いやいや。だからさぁ、もっと掘り下げてよ!詳しく説明求めてよ!」
6: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 23:04:05.15 ID:E98teO+t0
男「了解。じゃあなんで俺が悪いの?」
女「私がいるのに他の女と仲良くしてるからいけないんだよ……」
男「友達と仲良くしちゃいけないのか?」
女「だめ。ダメ。駄目。男くんは私だけ見てればいいの。他の雌共なんて眼中になくて当然なの」
男「なんでそんなに拘るんだ?」
女「あなたが好きだから。大好き。ずっとずっとずっとずっとずっと大好きだった。好き好き好き好き好k」
男「おう……つーかしつこい。一回言えば分かるって」
女「えっ……あ、その…………ごめんなさい」シュン
男「いいよ。許す」
7: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 23:07:14.10 ID:E98teO+t0
女(……あれ? なんかおかしいなぁ)
男「どうした?」
女「えーっと、今まさに男くんは縛られてるよね?」
男「あぁ。つーかお前が縛ったんだろ?」
女「……要するに人質みたいな感じだよね?」
男「まぁそうなんじゃない?」
女「縛られてるから、当然何もできないよね?」
男「あぁ。痒いところを自由に掻けないのは辛いな」
女「……」
男「……」
8: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 23:12:33.00 ID:E98teO+t0
女「……なんで?」
男「何が」
女「なんでそんな……その、余裕なの?」
男「というと?」
女「ほら、こういう時って普通は怖がったり萎縮したりするんじゃないのかな?」
男「お前は俺に怖がったり萎縮したりして欲しいの?」
女「えーっと……どう、だろう?」
男「……」
女「……」
9: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 23:15:10.54 ID:E98teO+t0
男「……でも案外怖いぜ。内心ビクビクだぜ」
女「無表情に見えるのは気のせいかなぁ?」
男「気のせいだろ。ほら、ちょっと薄暗くなってきたし」
女「昼間なんだけどね」
男「マジか。時間感覚無くなってんなー」
※男は今、縛られています。
11: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 23:20:26.39 ID:E98teO+t0
女「……じゃあ話を戻すよ?」
男「了解」
女「男くんが他の女に現抜かすからいけないんだよ」
男「だからってそれが拘束に繋がるのかよ……つーか現抜かしてなんかねぇぞ」
女「あの雌共……男くんの事これっぽっちも知らない癖にベタベタしやがって……!」
男「あれ? 聞いてる?」
女「私の男くんに近づくな近づくな近づくな近づくな近づくな近づくな……」
男「あぁ、俺の意見はスルー的なアレか」
13: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 23:23:10.42 ID:E98teO+t0
女「…………」ブツブツ
男「おーい」
女「…………」ブツブツ
男「おい」
女「…………」ブツブツ
男「……」
14: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 23:25:52.00 ID:E98teO+t0
男「――女ぁぁぁっ!」
女「!? な、ななな何っ!?」ビクッ
16: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 23:28:32.44 ID:E98teO+t0
男「やばい……なんかやばいぞ!」
女「ど、どうしたの!? 何がやばいの!?」
男「くそっ……このままじゃ説明出来ない!」
女「えっ!? えっ!?」
男「これを外してくれ!そうすれば……こう、やばいアレがアレで何とかなる!」
女「え、あっ……う、うん!ちょっと待ってて!」カチャカチャ
男「よし、なるべく早めに頼むぞ!」
女「うんっ!」カチャカチャ
17: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 23:31:15.89 ID:E98teO+t0
女「……よしっ!外れたよ!」
男「おっしゃあ!よくやった!」
女「そ、それで……どうしたの?」
男「あぁ……次は外が安全かどうか確かめないとな!」
女「あ、安全……!?」
男「女、お前はここで待ってろ。俺が行ってくる」
女「わ、私も一緒に行くよ!」
男「……いや、俺だけでいい。お前が怪我なんてしたら……」
女「男くん……////」
男「よし、行ってくる!帰りが遅くても心配するな。またすぐ会える!」
女「うんっ!気をつけてね!」
18: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 23:34:45.65 ID:E98teO+t0
女「…………」
女「………」
女「……」
女(……あれ? もしかして私、騙された?)
19: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/14(水) 23:37:43.90 ID:E98teO+t0
男「……まさか本当に解放してくれるとは。何がしたかったんだあいつは……」←普通に帰宅中
男(……明日学校あるし、友にでも相談してみっか)
28: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 17:05:18.49 ID:GyO/PqCl0
――翌日、学校。
男「――って事があってよぉ」
友「マジか」
男「どうしたらいいのかね?」
友「うーん……」
男「昨日はなんとか命からがら逃げきったし」←割りと余裕でした
友「また監禁されるくらいだったら逆にこっちから襲っちゃえば?」
男「よし、殴る」
友「めんご」
29: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 17:06:51.98 ID:GyO/PqCl0
友「しっかし、あの委員長がねぇ……」
男「俺も驚いたよ。あいつの部屋って案外質素なのな」
友「えっ」
男「えっ」
30: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 17:09:05.44 ID:GyO/PqCl0
男「まぁそれは置いといて。どうしたらいいのかね?」
友「うーん……好きにしろよ。本当にやばいんなら警察行けば?」
男「んー……でも正直被害があんまりなさそうなんだよな」
友「お前さっき『命からがら逃げきった』って言ってなかったっけ」
男「気のせいじゃね?」
友「……あ、なんかそんな気がしてきた」
男「一体あいつには何の目的があるんだ……」
32: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 17:11:22.41 ID:GyO/PqCl0
友「かわいいもんじゃん。好きな人を独占したい――なんて」
男「まぁ、好いてくれてるのは嬉しいな。俺のどこが良いのか分からんけど」
友「幸せ者だろ、委員長に好かれるなんて。オレなんか姉貴に何回も包丁で―――」
男「ん?」
友「……つーかさぁ、なんなら本人に聞いてみろよ」
男「そりゃ盲点だった……!じゃあ行ってくる!」
友「あいよ。気ぃつけてなー」
33: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 17:14:11.64 ID:GyO/PqCl0
男「おい、女ぁー」
女「……男くん」
男「ちょっと聞きたい事あるんだけど、いいか?」
女「……うん」
~屋上~
男「早速聞かせてもらおう」
女「……」
男「なんで俺を監禁した?」
女「えっ」
男「?」
34: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 17:16:13.08 ID:GyO/PqCl0
女「いや、えっと……好き、だからだよ?」
男「好きなのはもう分かった。でもだからって監禁していい事にはならねぇだろ?」
女「……そんなの関係ないもん」
男「?」
女「他の雌共に取られるくらいなら……私が……!」ブツブツ
男「……」
男(……腹減ったな)
35: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 17:21:10.08 ID:GyO/PqCl0
女「そういう男くんこそ……私の事騙したよね?」
男「あれ? そうだったっけ?」
女「私……信じてたのに……グスッ」
男(な、泣きっ!?)
男「いや待て。確かに俺はそのまま帰宅したけど――」
女「……グスッ……ううっ……」
男「……」
36: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 17:23:53.96 ID:GyO/PqCl0
男「分かった。分かったよ」
女「……え……?」
男「お前の言うこと一つだけ聞いてやる。だから許せ」
女「ほ、ほんと……?」
男「おれ、うそつかない」
女「じゃあ……今日の放課後、私の家に来て」
男「了解」
女「や、やった……!」
37: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 17:26:55.50 ID:GyO/PqCl0
友「そんなこんなで考えも無しに約束をしてしまった男(笑)。さて、あいつの運命やいかに……!?」
43: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 21:50:52.04 ID:GyO/PqCl0
簡単なキャラ紹介。
・男……基本的に無感動で無表情なクールガイ。なのに馬鹿。
「緊急事態に脱力を」がモットーで好きなものは砂時計。
唯一の弱点は女の涙。(本人談)
・女……クラス委員長なだけあって成績は優秀。なのに馬鹿。ていうかもはやアホ(ry
好きなものは男くん。男くん男くん男くん男くん男くん男(ry
・友……わりとぶっ飛んだ相談事を持ちかけても親身になってくれる凄い奴。実は苦労人。
「なるべく傷は浅く」がモットーで好きなものは鳩。
22時頃になったら再開します。
・男……基本的に無感動で無表情なクールガイ。なのに馬鹿。
「緊急事態に脱力を」がモットーで好きなものは砂時計。
唯一の弱点は女の涙。(本人談)
・女……クラス委員長なだけあって成績は優秀。なのに馬鹿。ていうかもはやアホ(ry
好きなものは男くん。男くん男くん男くん男くん男くん男(ry
・友……わりとぶっ飛んだ相談事を持ちかけても親身になってくれる凄い奴。実は苦労人。
「なるべく傷は浅く」がモットーで好きなものは鳩。
22時頃になったら再開します。
44: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 22:09:45.15 ID:GyO/PqCl0
女「男くん。か・え・ろ……?」
男「おう。つー訳だ友、お前とは帰れない」
友「え?」
男「は?」
友「……」チラッ
女「……?」
友「ちょっとだけ男借りるなー」
男「?」
45: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 22:15:02.68 ID:GyO/PqCl0
友「一体何がどーなったんさ?」
男「何が?」
友「委員長と話したんだろ? 監禁した理由は何だって?」
男「俺の事好きだからだってさ」
友「いやいや。それで納得したんかい」
男「まぁ俺にも悪いところが無かった訳じゃないからよ、仲直りに女の家に行く事にした」
友「あっはっはー馬鹿だこいつー♪」
46: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 22:21:04.01 ID:GyO/PqCl0
男「なんだと」
友「馬鹿かお前。お前が馬鹿で馬鹿がお前でって感じかコラ」
男「……」
友「そんな『うわぁ……』みたいな目で見んな!」
男「うわぁ……」
友「声に出すな!」
男「まぁそういう訳だから、お先ー」
友「待て。お前また監禁されたらどうすんだよ」
男「大丈夫だろ。女も『そんな事しないと思う』って言ってたし」
友「思うってなんだよおい!」
47: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 22:25:37.37 ID:GyO/PqCl0
男「なんだよ。女子の部屋に行けるのが羨ましいのか?」
友「文面だと羨ましく感じなくもないがやっぱ気のせいだったわ」
男「とにかく大丈夫だって。ただ友達ん家行くだけだぜ」
友「不安しかないぞ……」
男「そんじゃあな」
友「―――男!」
男「今度は何だよ?」
友「これ、持ってけ」
男「なんだこのサロン○スみたいなのは」
友「発信機」
男「マジかよ」
48: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 22:31:32.37 ID:GyO/PqCl0
友「そうだな……足の裏とかに貼っとけ。いざって時の為にな」
男「了解」
友「あと明日になってお前が学校に来なかったら、昼頃お前の携帯に五分おきに二回だけ電話する。
あんまり沢山電話して警戒されたら終わりだからな」
男「ふむふむ」
友「一回でも取れたらお前は脱出したと見なす。二回とも取れなかったらすぐ女の家に突入する。
発信器が壊されても同じだ」
男「……なんかお前凄いな。そもそも発信機とか持ち歩いてねーぜ普通」
友「……あぁ、なんせ慣れてるもんで……」ハァ
男「?」
49: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 22:37:51.55 ID:GyO/PqCl0
――そして。
男「お邪魔しまーす」
女「いらっしゃい」
男「昨日も思ったけど、でかい家だよなー」
女「うふふ。そうかな? さ、上がって上がって」
男「よっこいせ」
女「じゃあ先に私の部屋行ってて。分かる?」
男「階段上がってすぐ左の部屋だったっけ」
女「うん。私は飲み物取ってくるから」
男「お構いなく」
50: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 22:41:51.31 ID:GyO/PqCl0
男「……」
男「……」
男(……暇だな)
男「……」
51: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 22:46:17.32 ID:GyO/PqCl0
男(……どうすりゃ仲直りできるかな)
男(普通に謝るか? それとも拳で語り合うか? うーん……)
男(……つーか腹減ったな)
52: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 22:49:35.29 ID:GyO/PqCl0
女「お待たせ」ガチャッ
男「おう」
女「はい」
男「どーも。紅茶か」
女「うん。最近寒いし…………どう? 美味しい?」
男「んー。美味い」
女「……少ないけどお茶菓子も。どうぞ」
男「サンキュ。つか仲直りなのにこんな一方的にもてなしてもらって悪いな」
女「……ううん。気にしなくていいよ」ニコッ
53: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 22:54:53.74 ID:GyO/PqCl0
* * * * * * * *
54: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/15(木) 22:57:18.13 ID:GyO/PqCl0
()
(…)
(……)
男(……!)ハッ
女「……目、覚めた?」ニコッ
64: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 15:46:01.55 ID:jfuO7Aqc0
男「女……」
女「……」ニコッ
男(―――って、また縛られてる……)
男「悪い悪い。なんかいつの間にか居眠りしちまったみたいだ」
女「へ?」
男「ベッドまで移してくれたのは嬉しいけど、縛る必要はないよな」
女「……相変わらず冷静だね……」
65: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 15:48:19.84 ID:jfuO7Aqc0
男「……」
女「……」
男「……女!」
女「は、はいっ!?」
男「やばい!アレがこう、何となくやばいからこれ外してくれ!」
女「こ、今度は騙されないよ!」
男「……」
女「……」
男「……成長したな、女……」
66: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 15:57:31.28 ID:jfuO7Aqc0
女「……と、とにかくこれでずっとずっとずっとずっと一緒だよ?」
男「……」
女「私は男くんの事何でも知ってるし何でも受け入れるんだよ?」
男「……はい、質問!」
女「どうぞ」
男「俺の言うことは聞いてくれますか?」
女「うん。男くんが望む事なら」
男「じゃあこれ外して」
女「え? 嫌だけど……」
男「ちっ」
67: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 15:59:35.59 ID:jfuO7Aqc0
男「なんだよー。『何でも言うこと聞く』とか嘘かよー」
女「ち、違っ……違うもん!嘘じゃないもん!」
男「えー。俺嘘つく人嫌いだなー」
女「嘘じゃないもん……何でも言うこと聞くもん……!」
男「だってこれ外してくれないじゃんよー」
女「だって……だって、男くんの事好きなんだもん……グスッ」
男(……こんなに弄られてんのに俺の事嫌いにならないのか。えぇ娘や)
※男は今、縛られています。
68: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 16:02:29.83 ID:jfuO7Aqc0
女「グスッ…………と、とにかく。私は男くんを愛してる」
男「おう。そりゃ嬉しいな」
女「そして男くんも私を愛してる。だから私達は結ばれるべきなの。ううん、結ばれなきゃいけないの」
男「いや、そのりくつはおかしい」
女「男くんとずっと一緒……どんな時でもずっと一緒にいてあげる……死ぬまで一緒だよ……ううん、死んでも放さない」ブツブツ
男「……はい、質問!」
女「どうぞ」
69: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 16:04:59.60 ID:jfuO7Aqc0
男「学校とかどうすんの?」
女「あんな所行かなくても大丈夫だよ。私も辞めてずっとあなたの傍にいてあげるから……」
男「トイレとか食事とかは?」
女「全部私に任せて。男くんは私の事だけ考えてればいいの」
男「でも人間って長い事同じ体勢でいると身体がおかしくなるんだってよ?」
女「大丈夫。どんな男くんでも私は大好きだよ?」
男「そりゃすこぶる嬉しいが、動けないのは辛すぎるな……」
70: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 16:11:11.97 ID:jfuO7Aqc0
女「……」
男「……」
女「……」
男「……女」
女「なに?」
男「暇だからスマブラやろうぜ」
女「……別に、いいけど。どうしたの急に?」
男「何となくな」
女「じゃあ準備するから待っててね?」
男「了解」
71: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 16:15:37.61 ID:jfuO7Aqc0
男「あ、そうだ。俺も準備手伝うから先にこれ外してくれよ」
女「ふふっ、ありがと。ちょっと待っててね」カチャカチャ
男「いえいえ。どういたしまして」
女「はい、外したよ」
男「サンキュ。ちょっとついでにトイレ行ってくるな」
女「うん。行ってらっしゃい…………ふふっ。なんだか新婚さんみたいだね」
男「そうだな。じゃあまた明日」
女「うんっ」
73: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 16:18:36.04 ID:jfuO7Aqc0
女「……」
女「……」
女(……あれ? 『また明日』ってどういう事だろう?)
75: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 16:20:28.74 ID:jfuO7Aqc0
女(……)
女(……)
女(……もしかして私、また騙された!?)
76: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 16:22:29.65 ID:jfuO7Aqc0
男「……またしても脱出成功。もしかして女ってお馬鹿さんなのか?」←普通に帰宅中
男(発信機、結局使わなかったな。明日友に返すか……)
83: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 22:49:47.55 ID:jfuO7Aqc0
――翌日、学校。
男「よう」
友「おう。おはよ」
男「最近寒ぃよなー」
友「あぁ、全くだ」
男「……」
友「……」
男「……」
友「……いや、おい」
男「?」
84: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 22:51:41.72 ID:jfuO7Aqc0
友「なに? お前普通にピンピンしてんじゃん!」
男「おう。危なかったが……なんとかな」←割りと余裕でした
友「大丈夫だったか? 何もされなかったか?」
男「あぁ、なんか女ん家行って少ししたらすぐ眠くなってな。そんで気づいたら縛られてた」
友「よく無事に脱出できたな……ん?」
男「どした」
友「『女ん家行って少ししたらすぐ眠くなった』?」
男「おう」
85: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 22:53:15.21 ID:jfuO7Aqc0
友「その『少し』の間に何かしたか?」
男「いや、特に」
友「……そうか。じゃあなんで急に眠くなったんだ?」
男「分からん。紅茶入れてもらったくらいしか……」
友「……」
男「……」
友「……いや、どう考えてもそれだろおい」
86: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 22:58:01.35 ID:jfuO7Aqc0
男「?」
友「だから、紅茶だよ紅茶。紅茶に入ってたんだよ」
男「何が? ナトリウムが?」
友「アホか。んなもん大抵の食品に入ってるっつーの」
男「?」
友「本気で分かってねぇのか……睡眠薬だよ。お馴染みのな」
男「マジか」
友「恐らくな」
87: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:02:30.75 ID:jfuO7Aqc0
男「うーん……睡眠薬ねぇ」
友「複合して使うと市販のでも効果倍増するからな……多分間違いない」
男「……よし、じゃあ女に聞いてみるか」
友「いやいや、何一つ『よし』じゃねぇよ!」
男「その方が手っ取り早くね?」
友「そりゃそうだけど答えてくれる訳ねーだろが」
男「いや、案外試供品をくれるかも……」
友「清々しくも何ともない馬鹿かお前は。薬局じゃねぇんだよ」
88: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:07:02.32 ID:jfuO7Aqc0
男「……つーかさっきから思ってたけど、お前腕どうしたん?」
友「あぁ、これ? 切らr……じゃなくて、間違えて切っちまった」
男「うお。痛そうだな……どうして切ったんだ?」
友「妹―――じゃねぇや。オレが料理してたら急にGが出やがってな……」
男「ははっ。で、驚いて切っちまったと」
友「……まぁ、そんなとこ」ハァ
男「……あれ? でもお前、料理できないって言ってなかったか?」
友「……あ、そうだったっけ」
89: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:11:42.07 ID:jfuO7Aqc0
――そんでもって昼休み。
友「おい」
男「……」ボー
友「おい」
男「……」ボー
友「……ったく。オレ先に教室戻ってんぞ」
男「んー」
女「……」
90: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:12:38.97 ID:jfuO7Aqc0
男「……」ボー
女「……男くん」
男「……」ボー
女「……男くん」
男「……」ボー
女「……男くん?」
91: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:14:20.03 ID:jfuO7Aqc0
女(すごいボーッとしてる……かわいいなぁ)
女(……あれ? この状況……)
無防備な男くんが目の前に→キスしちゃえ→ゴールイン☆
女「か、完璧!やった!私って天才っ!?」
男「うるせーなぁ…………あれ、女じゃん」
女「」
92: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:17:36.71 ID:jfuO7Aqc0
女「お、おはよう」
男「……」
女「べ、別に何もしてないよ? 襲っちゃおうとか全然考えてないよ?」
男「……」ボー
女「ちょっ、ちょっと!戻ってきて!」
男「どうした?」
女「……男くんさぁ、また昨日嘘ついたよね?」
男「え?」
女「なんで嘘ついたの? せっかく仲直りしたのに……ねぇ、なんで?」
男「……」
女「なんで何も言わないの? あ、分かった。クラスの雌共に唆されたんでしょ?」
男「……」
93: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:19:12.60 ID:jfuO7Aqc0
女「きっとそう。あの豚共のせいなんだ」
男「……」
女「ごめんね、男くんを疑っちゃって。男くんは私を愛してるんだもん……嘘なんて絶対につかないよね?」
男「……」
女「ね? 男くん?」
男「……」
男「……」ボー
女「」
94: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:21:44.49 ID:jfuO7Aqc0
男「……おっと。悪い、何か言ったか?」
女「うぅ……何も言ってないよもぉ……」グスッ
―――キーンコーンカーンコーン
男「やっべ、授業始まる。早く戻ろうぜ」
女「う、うん……」
96: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:32:28.06 ID:jfuO7Aqc0
――放課後。
男「友ー、帰ろうぜー」
友「おう」
男「そういや明日は創立記念日で平日ながら休みなんだよなー」
友「いや知ってるよ。つーかなんで棒読み?」
男「だって言わなきゃ分かんないだろ?」
友「えっ」
97: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:34:39.21 ID:jfuO7Aqc0
友「なー、明日暇か?」スタスタ
男「いやー。予定ある」スタスタ
友「マジかー。何すんの?」スタスタ
男「女ん家行ってスマブラやるー」スタスタ
友「ふーん。インドアだなー」スタスタ
男「ほっとけ」スタスタ
98: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:37:54.42 ID:jfuO7Aqc0
男「……」スタスタ
友「……」スタスタ
男「……」スタスタ
友「……」ピタッ
男「どうした?」
友「なぁ。そろそろいいか?」
男「……え? よく分からんけど、いいよ」
友「お前は馬鹿か!!!!」
99: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:40:50.35 ID:jfuO7Aqc0
友「なんだ? 委員長ん家行って? スマブラやるだぁ?」
男「うん。昼休みに誘われてな。昨日は出来なかったし」
友「……馬鹿か……やはり馬鹿か」
男「なんだよ? もしかして羨ま――」
友「――しくねぇよアホか」
男「ならどうしたんだよ」
友「お前また監禁されたらどうすんの?」
男「大丈夫だろ。ゲームやりに行くだけだぜ」
友「昨日も似たような事言ってただろが……」
100: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:42:55.31 ID:jfuO7Aqc0
友「いい加減学べよ……それともなにか? お前はMなのか?」
男「Sが七割、Mが三割かな。最近気づいたんだけど」
友「どうでもいい情報までありがとよ」
男「大丈夫だ。俺を信じろ」
友「お前を信じられても委員長を信じられねぇよ」
男「なんならお前も来るか?」
友「遠慮しとく。殺されたくねぇしな」
男「大袈裟だな」
101: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/17(土) 23:45:29.85 ID:jfuO7Aqc0
友「……じゃあ無理には止めねぇよ。昨日渡した発信機、まだ持ってるか?」
男「あぁ」
友「あいよ。そんじゃあ昨日と同じ流れで」
男「おう。悪いね」
友「悪いと思うなら自分から蟻地獄に飛び込むなよ……」ハァ
男「じゃ、また明後日な」
友「あぁ。気ぃつけてなー」
112: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 12:42:02.96 ID:Fe+tSugu0
ちょっとだけ投下します。
誰もいなさそうな今のうちに……
誰もいなさそうな今のうちに……
114: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 12:46:30.01 ID:Fe+tSugu0
――はい、翌日。
男「……」ピーンポーン
女「いらっしゃい」ガチャッ
男「早いな出るの」
女「だってずーっと待ってたもん。上がって上がって」
男「了解。お邪魔しまーす」
女「先に私の部屋に行ってて。私は飲み物持って来るから」
男「お構いなく」
115: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 12:47:17.57 ID:Fe+tSugu0
男「……」
男(……暇だな)
男(……スマブラでどのキャラ使うか決めとくか)
116: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 12:48:10.84 ID:Fe+tSugu0
女「お待たせ」ガチャッ
男「おう」
女「はい。どうぞ」
男「お、紅茶か」
女「今日はアップルティーだよ」
男(……なんかこれ、デジャヴだな)
117: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 12:49:27.99 ID:Fe+tSugu0
男「……悪い、やっぱ俺あんまり喉渇いてないわ」
女「え?」
118: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 12:51:45.86 ID:Fe+tSugu0
男「だからお前だけ飲んでくれよ」
女「……」
男(残念だったな……薬を飲ませようったってそうはいかねぇぞ)
女「……そっか……ごめんね。余計なことして……」グスッ
男(泣きっ!?)
女「……ごめんね。嫌いにならないで」
男「お、おう……?」
119: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 12:53:37.48 ID:Fe+tSugu0
男「……」
女「……」
男(……ったく。しゃーねぇなぁ)
男「……あれ? なんか急に喉が渇いてきたぞ?」
女「ほ、ほんと!?」
男「だからやっぱり紅茶貰おうかなー」
女「うんうん!どーぞ!」
男(――よし、ここが勝負だ!)
120: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 12:55:34.46 ID:Fe+tSugu0
男(向かって俺に近い方のカップが俺用の―――つまり睡眠薬入り。なら上手い具合に女用のカップを取れば……!)
男(無事に紅茶を飲めて女は熟睡。そして一人でlevel9のCPU三人相手にスマブラ無双できる……!)
男(……恐ろしく完璧だな。よし)
121: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 12:59:55.90 ID:Fe+tSugu0
男「じゃ、頂きまーす」スッ
女「……うん」
男(悪いな。銀色のコントローラーは俺が独占すんぜ)ゴクッ
女「……」
男「……どうした? お前は飲まないのか?」
女「……うん。もう済んだから」ニコッ
122: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 13:00:53.44 ID:Fe+tSugu0
女「おやすみなさい……」
131: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 22:42:43.56 ID:Fe+tSugu0
男「……ん」
女「おはよう」
男「おぉ。また居眠りして悪いな。どうやら俺は紅茶を飲むと意識が途切れやすくなるらしい」
女「あ、うん……そうなんだ……」
男「つーかまた縛られてるし」
女「だって男くんがすぐ逃げるんだもん」
男「そりゃあな。『縛られてからが勝負』みたいなところあるからな」
女「……相変わらずだね。なんか安心したよ」
132: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 22:45:11.55 ID:Fe+tSugu0
女「でも今度は違うよ。今度こそずっと一緒だから。今までが甘すぎたんだよね?」
男「俺も今度こそスマブラやりたかったんだがな」
女「もう絶対絶対絶対絶対ぜーったい放さないから……安心して?」
男「分かった。安心する」
133: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 22:46:30.81 ID:Fe+tSugu0
女「じゃあ……大人しく待っててね?」
男「どっか行くのか?」
女「うん。男くんに近づく雌豚共を粛清してくるから……」
男「マジか」
134: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 22:48:51.24 ID:Fe+tSugu0
男「……え? なに、殺しちゃうの?」
女「うん。あんな泥棒猫共は死んで当然でしょ?」
男「過激だねぇ」
女「私の男くんに色目使いやがって………!」
男「いやだから色目使われた覚えはねぇし、他の女子となんて大して仲良くもねぇぞ?」
女「……刺す千切る潰す砕く殴る抉る捩る裂く……」ブツブツ
男「聞いちゃいねぇや♪」
※男は今、縛られています。
135: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 22:51:23.28 ID:Fe+tSugu0
女「じゃあ行ってきます……」
男「お前一人だとなんか不安だな」
女「大丈夫だよ」
男「本当か?」
女「うん。私には男くんの愛がついてるから」
男「マジか。なら大丈夫だな」
136: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 22:53:32.24 ID:Fe+tSugu0
女「じゃあ……すぐ戻るから待っててね」ニコッ
男「あ、そうだ。ちょっと待って」
女「?」
男「俺も手伝うからさ、これ外してくれよ」
女「え? 嫌だけど……」
男「ちっ」
137: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 22:56:39.19 ID:Fe+tSugu0
男「やっぱり人殺しなんて良くないだろ」
女「……」
男「俺らまだ高校生だし」
女「……関係ないもん……」
男「……でもさぁ、やっぱ俺としても(俺の事が)好きな女子に殺人なんてして欲しくないんだよ」
女「ふぇっ!?」
138: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 22:58:19.90 ID:Fe+tSugu0
男「ん?」
女「…………」
男「あれ? 聞いてる?」
女「……き……私の事が……好き……///」ブツブツ
男「おーい」
女「えへへ……知ってたことだけどさ、改まって言われると恥ずかしいね……」
男「……恥ずかしい? 何が?」
女「えっ」
男「えっ」
139: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:00:17.23 ID:Fe+tSugu0
女「仕方ないなぁ。男くんったら寂しがり屋さんなんだから……特別だよ?」
男「やったぜ」
女「一人残らず駆逐したいところだけど、どうせここから一歩も出ないもんね? 大丈夫だよね?」
男「おう。俺に任せとけ(?)」
女「うふふふふふふふふふふ……」
140: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:02:13.63 ID:Fe+tSugu0
男「……よし、そんじゃあスマブラやろうぜ」
女「だめ」
男「ちっ」
※男は今、縛られて(ry
142: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:04:52.54 ID:Fe+tSugu0
女「そんな事よりさぁ……私はあいつらから男くんを助け出したんだよ……?」
男「ん? そうなる……のか?」
女「そうだよ。だから褒めて? ねぇ、褒めてよ……褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて?」
男「よし、ならば頭をなでなでしてやろう」
女「ほ、ほんと!?」
男「おれ、うそつかない」
女「やったぁ!」
143: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:06:18.81 ID:Fe+tSugu0
男「そんじゃあこれ外してくれ」
女「うん。待っててね!」カチャカチャ
男「おう。焦らなくてもいいぞ」
女「???♪」カチャカチャ
男(随分と嬉しそうだな……可愛いじゃねぇか)
144: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:07:49.26 ID:Fe+tSugu0
女「外れました!」
男「褒めてつかわす。近う寄れ」
女「はいっ」
男「……よし、では始める」スッ
女「……」ドキドキ
男「……」
女「……」ドキドキ
男「……」ポフッ
女「っ……!」ピクッ
145: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:09:29.62 ID:Fe+tSugu0
男「大丈夫か?」
女「う、うん……早く続けて……」
男「おう」ナデ
女「!」ピクッ
男「……」
女「……」ドキドキ
男(……もしかして、女って案外ウブなのか?)
146: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:11:41.97 ID:Fe+tSugu0
女「……?」ドキドキ
男「……」ナデ
女「っ……!」
男「……」ナデナデ
女「!?☆*Ω>>0�#……!///」
男「いや、マジで大丈夫?」
147: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:12:54.90 ID:Fe+tSugu0
女「だいじょぶ、だから……つづけて……」
男「……」ナデナデ
女「……え、えへへへへ…………」グデー
男「……」ナデナデ
女「……うふふふふふふ…………」グデー
男「……」ナデナデ
女「あは……あはははは……」グデー
男(……なにこれツボ押されたカピバラみたい)
148: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:14:29.06 ID:Fe+tSugu0
―――そして。
男「結局、五分くらいずっと撫でてたらいつの間にか女は寝てしまいました」
女「すぅ……すぅ……」
男「なんたる無邪気で可愛い寝顔だろうか。つーか俺、もしかして撫でる才能あんじゃね?」
女「……zzz……」
男「……まぁ、風邪引かないように毛布くらいは掛けておいてやるか」
149: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:18:17.40 ID:Fe+tSugu0
女「……ムニャ……大、好き……男……くん……」
男「!」
男(……寝言でも好かれてるなんて、幸せもんだねぇ)
女「……すぅ……すぅ……」
男(さて、帰るか――)
女「……グスッ……」
男(っと、起こしちまったか?)
150: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:21:02.06 ID:Fe+tSugu0
女「…………んね……」
男(ん?)
女「……グスッ…………ごめん…ね……男、く…ん……」
男(……)
女「……すぅ……すぅ……」
151: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:21:57.23 ID:Fe+tSugu0
男「……」
男「……」ナデナデ
男「……また明日な、女」
152: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/19(月) 23:23:21.25 ID:Fe+tSugu0
男(そういや結局スマブラできなかったけど……まぁいっか)
男(……明日学校めんどくせーなぁ……)
165: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 22:39:43.88 ID:n37FtWJQ0
―――翌日、学校。
男「おはよー」
友「よう。無事に脱出できたみたいだな」
男「おう」
友「……相変わらず軽いな」
男「……いや、お前も大概だろ」
166: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 22:41:45.22 ID:n37FtWJQ0
友「で、今回はどうだった? スマブラはできたか?」
男「いや。女ん家行く→縛られる→撫でる→帰宅って感じだった」
友「なにそれこわい」
男「あとさ、俺撫でんのめっちゃ上手いかもしれん」
友「……は?」
男「え?」
友「撫でる?」
男「うん。撫でる」
167: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 22:43:00.41 ID:n37FtWJQ0
友「まぁ、その件は一旦置いといて……お前また縛られたのか」
男「そうなんだよ。紅茶飲んだら眠くなった」
友「いい加減学べよ……」
男「いや、流石に俺も警戒して女用のカップで飲んだんだよ。でも眠くなったぞ?」
友「あぁ、そりゃアレだ。両方に睡眠薬入ってたんだろ」
男「これはやはり俺が紅茶を飲んだら意識が途切れやすくなる体質だということを――」
友「いやいやいや。わりと常套手段だぞ?」
男「でも両方に入れるとか回りくどいし面倒じゃね?」
友「その前に人を監禁すること自体がよっぽど面倒だっつーの」
168: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 22:46:15.85 ID:n37FtWJQ0
男「あとさ、案外あいつウブなんだな。すぐ赤面するし」
友「……へぇ。そうなのか」
男「寝顔とか凄ぇ可愛かったぞ」
友「そ、そうか」
男「まだ来てないみたいだけど……風邪でもひいたのかね?」
友「……」
男「大丈夫かな? 毛布一枚だけじゃ寒かったか?」
友「……」
男「どうした?」
169: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 22:49:24.32 ID:n37FtWJQ0
友「あのさぁ…………ぷっ。くくくっ……!」プルプル
男「何故に笑う」
友「いやいや……」
友「……お前、なんだかんだで女のこと好きなのかなーって思って」
男「―――え?」
170: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 22:51:53.71 ID:n37FtWJQ0
男「俺が、女のことを好いてる?」
友「なんだ。自覚無かったのか?」
男「……? ?? ?」
友「……おーい?」
男「なに? 俺ってあいつのこと好きだったの?」
友「オレに聞くなよ」
男「…………??」
友(うわー、こいつマジで悩んでる……仕方ねぇなぁ)
171: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 22:53:42.66 ID:n37FtWJQ0
友「――お前さぁ、女に監禁されて本当に嫌だと思ったことあるか?」
男「んー……特には。危害は加えて来ないし」
友「だよな。本当に嫌だったら(つーか大抵の場合は)警察にでも行くよな?」
男「まぁな」
友「じゃ次な。どういう状況下かはともかく、女と一緒にいて詰まんないって思うことはあるか?」
男「それも特に思ったことはないな。たまに話が噛み合わないけど」
友(……そりゃ多分お前のせいだろ……)
172: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 22:55:26.69 ID:n37FtWJQ0
友「じゃあ最後の質問な」
男「おう。バッチ来い」
友「これからも、その気持ちは変わらなさそうか?」
男「んー……」
友「……」
男「……なんでだろうな。変わらないって言い切れる気がする」
友「……そっか」フッ
173: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 22:57:00.57 ID:n37FtWJQ0
友「寝顔を可愛いと感じ、ちょっといないだけで心配になって、なんだかんだで一緒にいて楽しいんだろ?」
男「簡単に言うとな」
友「……そりゃお前、恋だよ」
男「そうなのか? 正直分からん。確かに俺ん中で女は嫌いじゃない。でもかといって好きかって言うと……」
友「言うと?」
男「なんつーか、曖昧なんだ」
友「……それくらいで丁度いいんだよ」
男「え……?」
174: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 23:00:31.62 ID:n37FtWJQ0
友「恋なんて曖昧でいい。いや、曖昧であるべきなんだよ。だからこそすぐ冷めたり熱したり出来るんだ」
男「……」
友「そんで、余裕が出来たら本当に好きか嫌いか考えて判断すりゃいい。葛藤なんてあってナンボだしな」
男「……そんなもんなのかな」
友「そんなもんさ」
男「……そんなもんか」
175: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 23:01:52.05 ID:n37FtWJQ0
男「―――なぁ」
友「なんだ?」
男「ありがとよ」
友「……おう。今のはお袋の受け売りだけどな」
男「ははっ」
176: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 23:03:19.00 ID:n37FtWJQ0
――昼休み。
男「……」スタスタ
男(……女のことが好き、か……)スタスタ
男(それが本当だとしたら…………俺は、俺は……!)
男(……M、だったのか……!)
男(前にSが七割、Mが三割とか言ったが……真逆まであるか? ……いや、最悪二対八くらいの可能性すら……)
177: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 23:05:13.18 ID:n37FtWJQ0
ボフッ。
「――きゃっ!」
男「おっと」
「ご、ごめんなさい……」
男「あぁいや、俺こそ――」
男「――って、女か」
女「お、男くん……」
178: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 23:06:25.95 ID:n37FtWJQ0
男「……」
女「……」
男「……よ、よう。来てたのか」
女「……う、うん。ついさっき来たの」
男「……」
女「……」
男・女((……なんだか気まずい……))
179: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 23:07:42.71 ID:n37FtWJQ0
男「……」
女「……」
男「……今日は」
女「?」
男「監禁、しないのか?」
女「……ここ、学校だよ?」
男「……あぁ。そうだったな」
180: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 23:08:43.62 ID:n37FtWJQ0
女「……」
男「……」
女「……男くんこそ逃げないの?」
男「ここ、学校だぞ」
女「…………そうだね」
男・女((……き、気まずい……))
181: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 23:11:01.74 ID:n37FtWJQ0
男(……なんか知らんが女の顔をまともに見れない……)
女(……男くん、さっきから目を合わせてくれない……)
男(目線を反らしちまう……まさかこれもMになる兆候なのか!?)※違います
女(……そりゃそうだよね……)
男(これはいよいよやばいか……?)
女(……嫌われちゃった、かな……)グスッ
183: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 23:12:03.60 ID:n37FtWJQ0
女(……やっぱり、謝らないと……)
男(――駄目だ。耐えられん)
女「お、男く―――」
男「わ、悪い!そういや友と約束があったんだった!」
女「……え、と……」
男「すまん。また今度な!」
女「あ……!」
184: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 23:13:44.89 ID:n37FtWJQ0
女「……」
女「……」
女「………………男くん…………」
187: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/20(火) 23:24:13.39 ID:n37FtWJQ0
うわああああ抜かった……
友くんの女さんへの呼び方は「委員長」固定です。脳内変換をお願いします。
友くんの女さんへの呼び方は「委員長」固定です。脳内変換をお願いします。
196: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 15:37:27.30 ID:wD3O14jP0
――翌日。
197: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 15:39:31.80 ID:wD3O14jP0
友「よう。今日は早いんだな」
男「お前が遅いんだよ。もう朝のHR終わったぞ」
友「ちょっと一悶着あってな……それよりどうだ? 昨日は大丈夫だったか?」
男「……あぁ。何もされなかった」
友「そりゃ良かったな――と言いたいところだけど……」
男「……」
友「……」
友「……お前、どうかしたのか?」
198: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 15:42:09.61 ID:wD3O14jP0
男「……なぁ」
友「ん?」
男「……俺さ……」
友「うん」
男「……俺……」
友(……おっ。まさか委員長の件、踏ん切りがついたか?)
男「結構なMかもしれん」
友「…………そんな事だろうと思ったよ……」ハァ
199: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 15:43:45.37 ID:wD3O14jP0
友「お前さぁ、ちょっと今シリアスになりかけてんだからボケんなよ」
男「……」
友「そんな目で見るな。オレは悪くねーぞ」
男「……あぁ……」
友(…………)
200: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 15:46:30.53 ID:wD3O14jP0
友「―――委員長」
男「……」ピクッ
友「……まだ来てないみたいだな」
男「……あぁ」
友「昨日は昼休み頃に来てたけど」
男「……あぁ」
友「そもそも委員長が遅刻すること自体珍しいよな」
男「……あぁ」
友(……こりゃ重症か……)
201: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 15:48:51.93 ID:wD3O14jP0
先生「――ではここを……男くん、解いて下さい」
男「……」ボー
先生「……男くん?」
男「……」ボー
先生「男くん」
男「……」ボー
先生「こら!」
男「……」ボー
先生「……良かろう。それほど私のチョークの錆になりたいか……」
友「せ、先生!オレが代わりに解きます!解かして下さい!」
202: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 15:50:02.20 ID:wD3O14jP0
―――結局その日、女は学校に来なかった。
203: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 15:59:02.66 ID:wD3O14jP0
――そして、放課後。
友「おーい、帰ろうぜ」
男「……あぁ……」ボー
友「……」
男「……」ボー
友「……」
204: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 16:01:00.65 ID:wD3O14jP0
男(……どうすっかなぁ……)
男(…………)
男(……女ん家、行くか……?)
男(いや……行ってどうする?)
男(……でも、様子見も兼ねて……それに放課後に友達ん家行くくらい普通だよな……)
男(…………)
男(……『友達』か……)
205: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 16:02:44.53 ID:wD3O14jP0
* * * * * * * * * *
206: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 16:06:38.51 ID:wD3O14jP0
男(……来てやったぜ、女)
―――時刻は16:30。
男(よし、行くか……!)
場所は―――。
男(……恋は曖昧っ!)ピーンポーン
女「はい」ガチャッ
男(えっ、出るの早っ!あれ?)
213: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:29:14.60 ID:wD3O14jP0
女「お、男くん……どうしたの?」
男(んん? 普段通りか?)
男「いや……なんだ、その……」
女「……?」
男(どうする俺? 『スマブラやりに来た』か『お前が心配で来た』かどっちにする? まずい、どっちも捨て難い……)
女「……」
男「……」
女「……でもまぁ、来てくれて嬉しいよ。上がって」
男(おぉ、やっぱりえぇ娘や……)
214: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:30:20.97 ID:wD3O14jP0
男「お邪魔しまーす」
女「どうぞ」
男「あー、なんだかんだ言ってこの部屋も見慣れたもんだな」
女「……そう、だね」
男「……」
女「……」
215: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:31:40.99 ID:wD3O14jP0
男「……なぁ」
女「……な、なに?」
男「……」
女「?」
男「……いや、何でもない」
216: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:33:23.82 ID:wD3O14jP0
男(気まずい……やっぱり『スマブラやりに来た』って言った方が良いか?)
女「……」
男「……」
女「……」
男「……今日はさ」
女「?」
男「紅茶、無いんだな」
女「……」
男(あれ? とりあえず話しやすそうな話題を出してみたんだが……)
217: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:35:01.36 ID:wD3O14jP0
女「……う…………ら…」
男「ん?」
女「……もう………めたから」
男「??」
218: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:37:33.32 ID:wD3O14jP0
女「……もう、遠回りするのは止めたから」スッ
男「――え?」カチャッ
219: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:38:53.41 ID:wD3O14jP0
男(カチャッという金属音と手首の冷たい感触……また手錠ですね分かります)
男(そして一瞬にしてベッド上で馬乗りになられた訳です。流石に手慣れてますね――と言ってる間にもう一方の腕にも手錠がね。うん)
女「……えーっと、リアクションは?」
男「……ん? あぁ、正直手際が良すぎて何されたかよく分からんかったわ。流石だな」
女「男くんも流石だよ……」
220: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:41:49.74 ID:wD3O14jP0
女「……まぁ、もう別にいいけどね」ゴソゴソ
男「……はい、質問!」
女「な、なに?」ヌギヌギ
男「どーして女さんは服を脱いでるんですか?」
女「……分からないの?」ヌギヌギ
男「分かりません。これって、ト○ビアになりませんか?」
女「……」ヌギヌギ
男(……おいおい、待て待て待て。マジか)
221: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:44:31.45 ID:wD3O14jP0
女「……わ、分からないなら教えてあげる」
男「そうしてくれ」
女「私達は、今から一緒になるの」
男「マジか」
女「う、うん。マジだよ」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「顔、真っ赤だぞ」
女「―――っ!!??////」
※男は今、縛ry(
222: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:46:05.20 ID:wD3O14jP0
女「……も、もう関係ないもん。男くんは動けないんだから私の好きなようになるんだよ?」
男「……」
女「……」
男「……勝手にしろ」
女「うん。そうするね」スルスル
男「……」
224: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:50:05.02 ID:wD3O14jP0
女「ねぇ男くん。み、見てよ。私の……か、身体……っ」
男「あぁ。薄目開けたら顔がまだ真っ赤なのは分かった」
女「ちょっ!!??////」
※男は今(ry
225: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:51:57.17 ID:wD3O14jP0
女「で、でもほら……自分で言うのもなんだけど、結構大きいんだよ?」ムニュッ
男「なんか当たってるけど気のせいだなうんきっとそうだ!」
女「そんなこと言っても、その……ち、ち、ち……////」
男「ち?」
女「……ゴホン。こ、ここは正直だよ……?」
男(……やっぱこの娘ウブだ。凄ぇウブだ)
※男(ry
226: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:54:51.16 ID:wD3O14jP0
男「顔真っ赤だぞ」
女「……うぅ……」
男「――で、どこが正直だって?」
女「こ、ここだよ!ほらっ!」
男「……」
女「……」
男「……」
女「そ、そんな……」
女「変化なし……だと……!」
男「……ふふん」
227: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:56:39.88 ID:wD3O14jP0
女「な、なんで? なんでなんでなんでなんでなんでなんで?」
男「……ククク……」
女「あ、分かった。私の身体って魅力無いんだ。そりゃそうだよね。こんな汚い身体見ても気持ち悪いだけだよね。ごめんね……」ブツブツ
男「……いや、そんなことは全然ないけど?」
女「嘘。だって…………は、反応しないじゃない」
228: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 22:57:41.61 ID:wD3O14jP0
男「あぁ、これは局部に血液が集中するのを防ぐために交感神経ではなく副交感神経に意識を向けてるだけさ」
女「えっ」
男「だから俺はいま両足の指に意識を集中してる。こうすることによって副交感神経が優位になり、仁王立ちが収まってるって訳だな」
女「なにそれすごい」
※事実です。
229: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:02:25.05 ID:wD3O14jP0
男「でも耐えるのがまた辛くて辛くて。何回流されかけたことか」
女「……そ、そんな……」
男「という訳で俺の勝ちだな。お前はもっと自分を大切にしなさい」
女「……」
男「……」
女「……」
男(危ねぇ危ねぇ、友がこの技教えてくれてなかったらマジでやばかった…………でもちょっと惜しいことしたな)
230: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:05:50.06 ID:wD3O14jP0
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「………………ッ……」
男(……ん? 今、女が泣いてたような―――)
232: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:06:56.32 ID:wD3O14jP0
女「…………」
男「な、なぁ―――」
女「……やっぱり、ダメだったかぁ……」ボソッ
男「ん?」
女「……ううん。何でもないよ」スッ
男(俺の上から降りて服を着始めた……)
233: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:08:26.53 ID:wD3O14jP0
女「……」カチャカチャ
男(俺の手錠も外した……?)
女「……」
男「……なぁ」
女「……」
男「えっと、その…………どうかした、のか?」
234: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:12:15.95 ID:wD3O14jP0
女「……私、分かってた。男くんは私を見てないって」
男「!」
女「どんなことをしても……私だけを見てくれることは無かったよね」
男「……それは」
女「……前まではさ、私だけを見てくれないならいっそのこと二人で……って思ってた」
男「!」
女「ふふっ……。でもね、どうしても出来なかったんだ」
男「……」
235: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:13:29.94 ID:wD3O14jP0
女「……あなたのことが、本当に大好きだったから」
男「!」
236: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:15:29.93 ID:wD3O14jP0
女「笑っちゃうよね。男くんに迷惑ばっかりかけてた癖に……」
男「……」
女「……いざとなったら怖じ気づいてたの」
男「……」
女「あなたが本当に本当に大切で、傷つけることなんて絶対に出来なかった……」
男「……」
女「最後の手段で……なんて思ったけど、それでも男くんは私を見てくれなかった」
男(……だって俺も凄ぇ恥ずかしかったしまともに見たら絶対抑えられなかったもん)
237: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:17:41.19 ID:wD3O14jP0
女「……私……」
男「……」
女「……私、男くんが好き。きっとこれからもずっと……」
男「お、女……」
女「……たくさん酷いことして、ごめんなさい」
男「……」
女「もう……二度と男くんに近づかないようにする、から……」ポロッ
男「!」
238: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:21:05.04 ID:wD3O14jP0
女「グスッ、うっ……ふぇぇ……!」ポロポロ
男「女……」スッ
女「こ、来ないで……」
男「でも――」
女「……いいの……」グスッ
男「……」
女「……もう、いいの……」ニコッ
男(……なんでだよ。どうしてそんな悲しそうに笑うんだよ……)
239: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:25:38.19 ID:wD3O14jP0
女「……本当に……ごめんなさい」
男(……もう謝んなよ。俺が本当に嫌がる事は一回もやらなかっただろ)
女「今まで……ありがとう」
男(なんでお前はそうやって……)
女「……さよなら……」
男(勝手に進めんな。俺は……)
『……お前、なんだかんだで委員長のこと好きなのかなーって思って』
男(―――あぁ。認めるよ)
240: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:28:24.37 ID:wD3O14jP0
男「……よし」
女「……」
男「……今から抱き締めるけど、いいか?」
女「え……?」
女「―――ひゃっ!?」
241: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:31:08.56 ID:wD3O14jP0
女「お、男くん……!?」
男「ありがとよ」
女「え……?」
男「……ようやく、俺にも余裕が出来た」
女「そ、それって……」
男「……女。俺はお前のことが好きだ」
242: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:34:45.56 ID:wD3O14jP0
女「え……?」
男「やっと気づいた。どうやら俺もお前が好きらしい」
女「……は、放して。そんなこと言われたら私、また男くんを……」
男「大丈夫だよ」
女「……!」
243: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:38:55.58 ID:wD3O14jP0
男「……ウブなところも、そのくせ積極的なところも、どこか抜けてるところも……」
女「……」
男「全部、好きだ」
女「……っ……!!」
246: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:41:23.49 ID:wD3O14jP0
男「だから、大丈夫だよ」ナデナデ
女「……男くん……グスッ……男、くん……!」
男「おう。ここにいるぞ」
女「…………っ……!」ポロポロ
男「よし泣け。そりゃもう思いっきり泣け」
女「う、うわぁぁああぁん……!」ポロポロ
247: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:43:33.74 ID:wD3O14jP0
* * * * * * * * * * *
251: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/22(木) 23:58:08.63 ID:wD3O14jP0
――翌日。
252: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:00:10.41 ID:HEjZBWb10
男「――という訳で、女と付き合うことになりました」
友「おぉ。おめでとう」
男「……あんまり驚かないんだな」
友「まぁな。正直オレは予想出来てたし」
男「マジか」
友「あぁ」
男「……」
友「……」
男「……いや駄目だ。もっと驚け」
友「なにその独裁者ぶり」
253: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:00:58.05 ID:HEjZBWb10
友「――それにしても不思議なもんだよな」
男「ん?」
友「だってさ、最初は(つっても五日前だけど)訳も分からず監禁されてたんだぜ?」
男「そうだな……つーかまだ五日しか経ってないのか。随分昔のことのような気がするよ」
友「それが今や彼氏彼女だもんな」
男「な」
254: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:02:52.55 ID:HEjZBWb10
友「これだけは言える。一週間も経たずして四回も監禁されたのは全世界でお前が初めてだ」
男「そうかね?」
友「当たり前だろ……つーかお前のノリが軽すぎんだよ。監禁されてたんだぞ監禁」
男「俺は至って普通に接してただけだけどな」
友「だから余計に心配だったんだっつーの」
男「……」
友「……」
友「…………でもさ、やっぱり平和なのが一番だろ?」
男「まぁ……そうだな」
255: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:05:34.37 ID:HEjZBWb10
友「……おら、報告終わったんなら早く女んとこ戻ってやれよ」
男「でもそうしたらお前、寂しくなんないか?」
友「無表情で言うな。心配してねーだろ」
男「あ、それと――ほら。これ」ポイッ
友「ん……あぁ、発信機ね」
男「ありがとよ。なんだかんだ言って一回も使わなかったけど」
友「そうかい」
男「おう。じゃあ休み時間にな」
友「あいよ」
256: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:06:26.28 ID:HEjZBWb10
友(……)
257: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:09:12.78 ID:HEjZBWb10
友(……)
友(監禁されて始まる恋、か……)
友(……)
友(……あぁ、今日は平和だ)
258: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:11:11.56 ID:HEjZBWb10
男「おーい、女」
女「なぁに?」
男「いや、相変わらず可愛いなぁ……と」
女「なっ、なななななに急にっ!!??////」
男「ほら。筆箱が」
女「えっ」
男「えっ」
259: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:12:13.10 ID:HEjZBWb10
男「冗談だよ」
女「ほ、ほんとに?」
男「………………あぁ」
女「ちょ、その間は何!?」
男「大丈夫、マジで冗談だから」
260: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:17:30.14 ID:HEjZBWb10
女「それならいいけど……」
男「まぁ女が可愛いのは元からだよな」ポフッ
女「℃▲〆↑☆っ……!!??」
男(本当に弄りがいがあるなーこいつ。つーか、やっぱ俺ってMじゃなくね!?)
261: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:21:45.32 ID:HEjZBWb10
女「か、からかわないでよ……///」
男「ははっ。悪い悪い」
女「……それで、どうかしたの?」
男「おぉ、そうだそうだ」
262: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:23:13.74 ID:HEjZBWb10
男「……今日の放課後、暇か?」
女「う、うん。特に予定は無いよ」
男「よし。それじゃあ―――」
263: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:25:12.17 ID:HEjZBWb10
男「―――学校終わったら、お前ん家行っていいか?」
264: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 00:27:10.34 ID:HEjZBWb10
女さんの返事は……もう決まってますよね。
―――という訳で、これにて終了です。
短い間でしたが、皆さんお付き合いただき有難うございました。
ある日急に「監禁→脱出を繰り返すのって面白そうじゃね?」とか思い立ったせいでこんな文が出来てしまいました。
実は後ほんの少しだけ繰り返すつもりだったんですが、あまりやり過ぎるとマンネリ化しそうだったんで……
本当に有難うございます。いつかまたどこかで投下することがあれば見てやってくれると嬉しいです。
282: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/23(金) 18:28:39.77 ID:HEjZBWb10
どうも、>>1です。
皆さんコメント有難うございます。短いながらも頑張った甲斐がありました。
正直なところ、男くんと女さんの後日談は書くつもりはありません。ていうか多分書けないっす。ごめんなさい。
……という訳で、前にも声が上がっていた友くんの日常を新しく書こうと思ってます。
それについてはまだ書き溜めすらしてないんで、ちょっくらお時間頂きますね。
ではまた、近い内に。
293: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/25(日) 23:42:15.23 ID:dcIHxQZJ0
ジリリリリリリリ……
「……ん……」
リリリリリリリリ……
「……っ……っ……!」
リリリリリリリリ……
「……っ……おらっ!」ポチッ
リリリッ
「…………」
友「……寒ぃ……」
294: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/25(日) 23:44:00.02 ID:dcIHxQZJ0
* * * * * * * * * * *
295: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/25(日) 23:45:20.69 ID:dcIHxQZJ0
友「おはよー……」
妹「あ、おはよ」
友「眠……」
妹「そろそろ朝ご飯出来るってさ」
友「おう。今日の当番は……姉貴、か」
妹「うん」
友(……牛乳でも飲むか)
296: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/25(日) 23:47:01.63 ID:dcIHxQZJ0
友「……おはよ」
姉「……」←料理中
友「……姉貴?」
姉「……あ?」ギロリ
友「おはよ」
姉「……」
友「……」
姉「……」
友「……」
姉「……ちっ……」
友(……おっ、今日はわりと機嫌が良いみたいだな)ゴクゴク
297: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/25(日) 23:49:48.33 ID:dcIHxQZJ0
友「よっこらせ」ドサッ
妹「……」
友「……どうした?」
妹「……お姉ちゃんへの挨拶、あたしの時より1オクターブほど高かったんだけど」
友「え? そうか?」
妹「……まさかあたしの事嫌いになったの? 見捨てるの? この家から追い出すの?」
友「いや、そんな訳ないだろ」
妹「なーんだ。良かった」
298: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/25(日) 23:53:24.50 ID:dcIHxQZJ0
姉「……おら」コトッ
友「お、頂きます」
妹「頂きまーす」
姉「……」
妹「……あっ。この目玉焼き、半熟だね」
友「だな」
299: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/25(日) 23:55:26.54 ID:dcIHxQZJ0
妹「ねぇ、兄貴」
友「ん?」
妹「……これって暗に『お前は人間としても半熟で中途半端だ』ってあたしに伝えてるのかな?」
友「あははー。そんな訳ないだろー!」
妹「だよねー」
姉「黙って喰え」スッ
友「そんでもってナチュラルに包丁突きつけないでくれよー」
300: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/25(日) 23:55:57.83 ID:dcIHxQZJ0
妹「ねぇ、兄貴」
友「ん?」
妹「……これって暗に『お前は人間としても半熟で中途半端だ』ってあたしに伝えてるのかな?」
友「あははー。そんな訳ないだろー!」
妹「だよねー」
姉「黙って喰え」スッ
友「そんでもってナチュラルに包丁突きつけないでくれよー」
301: ◆rbnDpFBcoNc6 2011/12/25(日) 23:58:16.75 ID:dcIHxQZJ0
妹「あ、お姉ちゃん。今日の夜、『世にも微妙な物語』やるらしいよ」
姉「……大して怖くないからつまんねぇ」
妹「そう? じゃああたしの感覚がおかしいのかぁそっかぁ病院行こうかなぁ」
姉「…………おかわりは?」
妹「あ、うん。ありがと!」
友「……」
友(………いや、これでも平和な朝の食卓の風景なんです。マジで)
302: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/26(月) 00:02:08.35 ID:uHjI1HOj0
キャラ紹介。
・友……わりとぶっ飛んだ相談事を持ちかけても親身になってくれる凄い奴。実は苦労人。
「なるべく傷は浅く」がモットーで好きなものは鳩。
臨時で主人公。
・妹……友くんの二つ年下で中学二年生。被害妄s…ではなく感受性がとても豊かな女の子。
ちょっとした些細な事もネガティb…ではなく多角的に捉える豆腐メンタルの持ち主。
そのくせすぐ立ち直る明るい性格してんだから世の中は面白い。
情緒不安t…冗談が通じない事が多いのが珠に傷。
・姉……友くんの三つ年上の大学一年生。鋭い眼光を放つヤンk……華の女子大生。一応姉妹仲は良好。
会った事のある男くん曰く、「あの目付きはカタギじゃない」とのこと。
主な武器は独自に改良を加えた出刃包丁。
美人で料理も出来て成績も優秀で運動神経も良いのに、ちょっとだけアレな娘。どうしてこうなった。
どうか友くんを応援してあげて下さい。
311: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/26(月) 00:37:12.10 ID:uHjI1HOj0
友「ごっそーさん」ガタッ
姉「……おい」
友「ん?」
姉「どけ」
友「いや、洗い物くらいやるよ」
姉「……」ギロッ
友「……」
姉「分かりやすく言ってやる。私と代わるか、十分ほど気絶するか選べ」スッ
友「分かったから包丁しまって!?」
312: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/26(月) 00:39:26.28 ID:uHjI1HOj0
妹「じゃあ行ってきまーす」
姉「……あぁ」
友(あんにゃろう……自分だけそそくさと逃げやがって)
姉「……で?」ギロッ
友「うん。オレも学校行ってきまーす!」
姉「ちっ……最初からそうしろよ」
313: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/26(月) 00:41:08.40 ID:uHjI1HOj0
――そして。
友「ふぁーあ……」
友(……男の奴はまだ来てないのか)
友(妹も姉貴も機嫌良さそうだったし、今日は平和な日になりそうだ――)
男「おはよーっす」
314: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/26(月) 00:42:37.12 ID:uHjI1HOj0
友「よう。おはよう」
男「……いやー、最近寒いな」
友「な。今日は布団から出るのが億劫だったぜ」
男「……」
友「……」
男「……」
友「……」
男「……あ。そういや俺、昨日監禁されたんだけどさ」
友「うん」
友「……うん?」
315: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/26(月) 00:44:32.58 ID:uHjI1HOj0
男「?」
友「えっ……何? 換金?」
男「……いや、多分だけど字が違う」
友「監禁?」
男「そう。そっち」
友「……」
男「いやー、大変だったよ」
友「そ、そうか……」
男「……」
友「……」
316: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/26(月) 00:46:57.15 ID:uHjI1HOj0
友「いや待て。自己解決すんなよ」
男「?」
友「だから詳細を聞かせろっての。お前もそのつもりだったんじゃねーのか?」
男「おぉ、そうだな。実は―――」
友「ふむふむ」
317: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/26(月) 00:49:52.33 ID:uHjI1HOj0
男「――って事があってよぉ」
友「マジか」
友(あぁ……平和な日が遠のいていく…)
322: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/26(月) 19:42:56.70 ID:5IQOr47W0
乙!
友が鳩好きなのって鳩=平和の象徴だからか?wwww
友が鳩好きなのって鳩=平和の象徴だからか?wwww
324: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 22:46:47.21 ID:YD15RqY50
>>322
一応そうですw
では始めます。
一応そうですw
では始めます。
325: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 22:48:46.16 ID:YD15RqY50
友「ただいまー……」
妹「あ、おかえり。遅かったねぇ。やっぱり見捨てられたのかと思ったよ」
友「はは……そんな訳ないだろー……」
妹「元気ないけど、どうしたの? あたしなんかとは話したくない?」
友(果たして他言して良いものか……)
妹「兄貴ー?」
326: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 22:51:09.49 ID:YD15RqY50
友(こういう時は話題を変えよう……)
友「ていうかなんでお前が夕飯の準備してんの? 姉貴は?」
妹「なんか用事あって夜ご飯までには帰れないんだって。だからあたしが作ってるの」
友「ほう。悪いな」
妹「まぁ、暇だしねー」
友「そっか」
妹「…………そうだよね。やっぱり勉強とか部活とかしろって思うよね。あぁもう学校やめようかなー」
友「いやまだ何も言ってないんですけど!?」
327: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 22:54:44.42 ID:YD15RqY50
――夕方。
友「……」
TV〈 やはり心理学の見地から申しますと、特定の人物への依存心が――
友「……」
TV〈 「対象者を傷つける」や本当の意味で「束縛する」という行動に出ることもあり――
友「……」
TV〈 事実、前例としてそのまま無理心中に至ったケースも――
友「……」
友(いや……あいつ大丈夫か? これ凄ぇ心配になってきたぞ!?)
328: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 22:56:57.68 ID:YD15RqY50
友(連絡は……無し、か)
妹「どうしたの兄貴ぃ? 携帯ばっか見て」トントントントン
友「あぁいや、何でもねーよ」
妹「ふーん。あと少しで出来るから待っててー」トントントントン
友「あいよ」
妹「―――っ!!!?」ビクッ
友「ん? どうし―――」
329: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 22:58:09.16 ID:YD15RqY50
妹「きゃあぁああああああぁぁっ!!!!」
友「えっ!? ちょ、何があった!?」
330: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 22:59:45.47 ID:YD15RqY50
妹「にゃあああああぁああああぁ出たぁぁああああぁ!!!!」ダダダッ
友「な、何が!? つーか何処へ行く!?」
タンタンタン……ガチャッ、バタンッ!
331: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 23:01:17.68 ID:YD15RqY50
友(部屋に閉じこもりやがった……)
友(つーか『出た』って、何がだ? 確かキッチンの方で――)チラッ
カサカサカサ……
G〈 やぁ。私だ
友(……お前か)
332: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 23:03:20.13 ID:YD15RqY50
友(……ったく。妹の奴、怖がり過ぎなんだっつーの)タンタンタン
友「おーい」コンコン
友「……」
友「おーい?」コンコン
友「虫なら退治したぞー。大丈夫だから出てこいよ」
友「……」
友「妹ー?」コンコン
333: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 23:04:55.90 ID:YD15RqY50
友「……」スッ
カチャッ……
友(おっ。鍵は掛かってないのか……)
友「入るぞー?」ガチャッ
妹「覚悟ぉぉぉおおおおっっ!!!!」バッ
友「えっ」
334: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 23:06:11.84 ID:YD15RqY50
―――ざくっ。
335: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 23:08:35.38 ID:YD15RqY50
……急な質問だが、皆さんは刃物で切られた事はあるだろうか。
学校の図工の時間にカッターや彫刻刀で――とか、料理中に間違えて――とか、ガラスや石で――とか、ふとした拍子に紙で――とか。
しかしこれらは飽くまで「切ってしまった」に過ぎない。
ではなく「切られた」である。
故意か過失かはともかく、人に切られるというのは途徹もなく痛い。
あの「切られた」と意識してから一瞬遅れて襲い来る激痛や、骨伝導によって耳に残る形容しがたい不愉快な音。
―――あぁ、やはりアレは幾度経験しても慣れないものである。
(友著・『平和よ、いずこへ』より抜粋)
336: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 23:12:26.19 ID:YD15RqY50
友「――いってぇぇぇぇぇっ!!」
妹「あ、兄貴っ!!??」
337: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 23:13:50.58 ID:YD15RqY50
友(超痛ぇ!何!? オレなんかした!?)
妹「えっ、なんで兄貴が!?」
友「おまっ……何しやがる!」
妹「ご、ごめん!虫が来たと思って……」
友「……喋ってドア開けられる虫がいるんなら是非見てみたいもんだよ……」ボタボタ
妹「だっ、大丈夫!?」
友「死ぬほど痛いっつーの。と、とにかく手当てしないとな……」ボタボタ
妹「あ、あたしがやるよ!」
338: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 23:15:52.62 ID:YD15RqY50
―――そして。
妹「……頂きます」
友「……痛だきます」
妹「……」
友「……」
妹「……ほんとにごめん」
友「……まぁ、左腕だからまだマシだ。気にすんな」
妹「……ごめん……」
339: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 23:17:00.42 ID:YD15RqY50
妹「……」
友(……)
妹「……」
友(っ……!)ズキッ
妹「……だ、大丈夫?」
友「あぁ……」
妹「……」
友(……)
妹「……」
340: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/27(火) 23:19:54.93 ID:YD15RqY50
友(……今日は平和にゃ程遠い日だったな……)
友(……)
友(でも……飯は美味いし、まぁいいか)
351: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:25:17.72 ID:UL1GvGzb0
では始めます。
352: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:26:33.44 ID:UL1GvGzb0
ジリリリリリリ……
「……っ……」
リリリリリリ……
「……らっ……!」ポチッ
リリリッ
「……」
友「痛っ……」
353: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:29:10.93 ID:UL1GvGzb0
友(眠ぃし寒ぃし痛ぇ……)スタスタ
友(……)スタスタ
友(結局男から連絡は無かった。委員長のこと警戒しとくか……)
友(……)スタスタ
友(――あれ? リビングの灯りが点いてる……誰だ?)
354: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:30:28.68 ID:UL1GvGzb0
友「……」ガチャッ…
友「あ……」
姉「……」
友「……姉貴? どうしてこんな朝早くに台所にいんの?」
姉「……」
355: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:33:40.51 ID:UL1GvGzb0
友「今日の当番はオレだよな?」
姉「……」
友「……いや、そりゃ確かにオレ料理下手だけど姉貴がやる必要ねぇって。昨日帰って来たのも遅かったんだろ?」
姉「……ちっ」ギロッ
友(おぉっふ。相変わらず姉貴の一睨みは眠気覚ましに丁度良いぜ……)
356: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:35:50.57 ID:UL1GvGzb0
姉「…………腕」
友「ん?」
姉「ちっ……」
友「……まぁ良いや。ほら、とりあえずまだ寝てろよ」
姉「……」
姉「 失 せ ろ 」スッ
友「だから包丁は止めてよぉ!――っていうか今どっから出した!?」
357: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:38:17.75 ID:UL1GvGzb0
姉「……」
友「……」
姉「……腕、怪我したんだろ」
友「あ、まぁ……一応。でも大したことねぇよ」
姉「……」
友「パン焼くくらいなら余裕だし」
姉「ダメだ」
友「……いやでも目ぇ覚めちまったし―――」
姉「私が寝かしつけようか?」スッ
友「大人しくしてるんで包丁はしまって下さいお願いします」
姉「ちっ……」
358: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:39:39.69 ID:UL1GvGzb0
姉「……」←料理中
友「……」
姉「……」
友(やっぱりまだ男からの連絡は無い……か)
姉「……」
友「……」
姉「……おい」
友「何?」
姉「……」
姉「………………か?」ボソッ
友「え?」
360: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:41:50.46 ID:UL1GvGzb0
友「今なんて?」
姉「…………か……つってんの……」ボソッ
友「?」
姉「だ、だから…………腕、だいじょぶか……っつってんの」ボソッ
友「ごめん聞こえないわ」スタスタ
姉「こっち来んな!」ギロッ
友「えぇぇぇ!? 理不尽過ぎんだろ!」
361: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:45:00.38 ID:UL1GvGzb0
姉「黙れ黙れ黙れ。妹起こしに行けっつったんだよ」ギロッ
友「あー、成る程ね。了解」スタスタ
姉「……ちっ」
姉「……」
姉「……」
姉「…………はぁ……」
362: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:47:34.02 ID:UL1GvGzb0
――そんでもって、学校。
友(あいつはまだか……不安だ)
友(昼頃……12時になったら電話、だな)
友(もしあいつが来なくて委員長だけが来たら……どうすっかな。一応保険で電話するか)
友(それでまだ監禁されてるようだったら、委員長が学校にいるなら脱出のチャンスだしな……)
男「よう」
363: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:48:54.91 ID:UL1GvGzb0
友「おう。おはよ」
男「最近寒ぃよなー」
友「あぁ、全くだ」
男「……」
友「……」
男「……」
友「いや、おい」
男「?」
364: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:49:59.41 ID:UL1GvGzb0
* * * * * * * * * * *
366: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:54:06.24 ID:UL1GvGzb0
――自宅。
友(今日はかなり疲れた……特にツッコミで体力使った気がする……)
友(……男の奴、危ない目にあわなきゃいいけどな)
友(……)
友(やべぇ、眠くなってきた……部屋で寝ないと風邪引くぞ……)ウトウト
友(……くっ……)ウトウト
友(……ダメだ、我慢できん……)
367: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:57:42.98 ID:UL1GvGzb0
妹「ただいまー」ガチャッ
妹(――って、あれ?)
友「……zzz ……」
妹(なんでリビングで寝てるのかな?)
姉「……おかえり」
妹「あ、ただいまー」
368: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/29(木) 21:59:58.72 ID:UL1GvGzb0
妹「あたしも夕飯の準備手伝うよ」
姉「……別にいい」
妹「そっか。あたしほんとは役立たずだったんだ。二人ともあたしに気を使って今まで言わなかったんだね。分かった」
姉「……ちっ。じゃあ野菜切っといて」
妹「はーい」
友「……zzz……」
――こうして夜は更けていく。
375: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:06:06.93 ID:5VZdYjZM0
姉「……」←洗い物中
友「……」←TV鑑賞中
妹「……」←同じくTV鑑賞中
376: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:07:47.44 ID:5VZdYjZM0
友「……」
妹「……」
TV〈 なんでやねん!
友「……」
妹「あははは!」
TV〈 なんでやねんッ!
友「……」
妹「あはっ!あははは!」
TV〈 なぁぁぁんでやねぇぇぇん!!
友「……」
妹「あっはっはっは!あはっ、あははゲホゲホッ!」
友(つまんねぇ……笑いのツボ浅すぎだろ、妹よ)
姉「……」←洗い物中
377: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:09:00.14 ID:5VZdYjZM0
友「……」チラッ
妹「……」
友「……」
妹「……」
友「……」チラッ
妹「……ねぇ、さっきから携帯ばっか見てどうしたの?」
友「あ、えーと」
妹「昨日もそうだったよね?」
友「……まぁ、ちょっとな」
姉「……」←洗い物中
378: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:11:16.34 ID:5VZdYjZM0
妹「……ふーん」
友(こいつならここで「やっぱりあたしの相手するのなんて面倒だよね。ごめん。お詫びに自分の携帯へし折ってくる!」とか言い出すだろう……)
友(……まぁすぐ立ち直るから別に良いんだけどさ)
妹「……」
妹「もしかして彼女でもできた?」
友「―――はい?」
379: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:13:08.97 ID:5VZdYjZM0
妹「あれ? 動揺してるって事は――」
友(予想の斜め上なんだよ畜生!)
――ガシャァン!!
妹「えっ?」
友「!」
姉「…………」
380: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:15:05.54 ID:5VZdYjZM0
妹「お、お姉ちゃん!?」
友「おいおい。大丈夫か?」
姉「…………手が滑った」
妹「怪我とかしてない?」
姉「……大丈夫」
友「あー、危ねぇからオレが片付けとくよ」
姉「ちっ。だから大丈夫だっての……」サッサッ
友「いや、箒とちり取り使い方逆だぞ!?」
妹(お姉ちゃんの方が動揺してる!?)
381: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:16:40.00 ID:5VZdYjZM0
姉「いい。テレビ見てろ」
友「飽きた」
姉「じゃあ自分の部屋に戻れ」
友「だから危ねぇっての。どいたどいた」
姉「……」
友「?」
姉「も・ど・れ」ギロッ
友「わかりました。なのでどうかほうちょうをしまってくださいおねがいします」
382: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:18:57.68 ID:5VZdYjZM0
そして更に夜になりました。
友「……」ペラッ
友「……」
友「……」ペラッ
――コンコン。
友「んー」
妹「お邪魔しまーす」ガチャッ
友「どうした?」ペラッ
妹「スマブラやりに来た!」
友「仕方ねーなー」
妹「サンキュー」
383: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:20:18.96 ID:5VZdYjZM0
友「……」
妹「……」
友「……」ペラッ
妹「……ねぇ」
友「んー?」
妹「早くキャラ選んでくれないと始まらないんだけど」
友「……なんでコントローラー二つ用意してんの?」
妹「はーやーく!」
友「オレはいいや。今良いとこだし」ペラッ
妹「……」
384: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:22:36.84 ID:5VZdYjZM0
友(本当は腕の傷も痛いんだけど……言わないでおくか)
妹「……」
友「……」ペラッ
妹「……」
妹「……そっか。あたし弱いし、あたしなんかとやっても面白くないよね。ちょっとスマブラ強い妹に生まれ変わってくる」
友「あーなんかいきなり暇になったからゲームでもやろっかなぁー!?」
385: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:24:17.65 ID:5VZdYjZM0
妹「よっしゃー!あたしのヨッ○ーの錆にしてやるぅぅぅ!」
友「どんな錆だよ。まぁ、お手柔らかに」
386: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:26:55.05 ID:5VZdYjZM0
――そして。
妹「……そういえば兄貴、明日学校休みなんだっけ?」
友「あー、そうね」
妹「いいなぁ。あたしも明日は午前授業ではあるんだけどさ、一日休めるのは羨ましいよ」
友「だろ」
妹「……あ、そうだ。明日暇だったら午後から買い物付き合ってくれない?」
友「んー……午後からなら別に良いぜ」
妹「サンキュー」
387: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:28:49.34 ID:5VZdYjZM0
友(ま、男から連絡来たときの為に携帯は肌身放さず持っときゃ大丈夫か……)
妹「……」
友(……正直なところ、大して心配でもないけどな)
妹「……」
友「……」
妹「……だって仕方ないじゃん学校の友達は皆午後から部活なんだからさぁ!」グスッ
友「いやオレ何も言ってないんだけど!? なんで涙目!?」
388: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:31:14.13 ID:5VZdYjZM0
妹「……ねぇ、兄貴」カチャカチャ
友「なんだ?」カチャカチャ
妹「さっきの、実際のところ……どうなの?」カチャカチャ
友「さっきの?」カチャカチャ
妹「ほ、ほら……その、彼女が……」カチャカチャ
友「……あぁ、ちょっと面倒があっただけだ。彼女なんかいねぇよ」カチャカチャ
妹「…………ふーん。そっかぁ」カチャカチャ
友「……なんでニヤついてんだ?」カチャカチャ
妹「別にー?」
友「ふーん。おっと、隙あり」カチャカチャ
妹「ちょ待っ……あああぁぁ!狡いよぉぉぉ!」
389: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:34:11.65 ID:5VZdYjZM0
妹「あ、あたしのヨッ○ーが……」
友「相変わらず弱いなーお前」
妹「……」
友(ははっ。ふて腐れちゃったか? やっぱりまだまだ子供なんだな)
妹「……」
妹「やっぱりそうだ。あたしが役立たず過ぎるからこうやって躾てるんだ。兄貴は優しいからこうやって遠回しにあたしに罰を与えてるんだ。暗に『悪い事するとヨッ○ーみたいに星にするぞ』って伝えてるんだきっとそうだ……」ブツブツ
友(や、やりにくっ!!!)
390: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:36:50.63 ID:5VZdYjZM0
――ガンッ!
妹「?」
友「んー?」
ガチャッ。
姉「風呂」
バタン。
391: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:39:44.91 ID:5VZdYjZM0
友「……あ、はい……」
妹「……今のノックだったんだ……」
妹「……っと、隙ありぃぃぃ!!」カチャカチャ
友「あ!狡ぃぞお前っ!」
妹「へへん。油断大敵だよ」
友「くっそ……アピールまでしやがって……!」
妹「兄貴も大したことないねぇ」
友「……上等だ」
392: ◆4dEEs59OFQ 2011/12/30(金) 22:43:57.15 ID:5VZdYjZM0
―――その後も、風呂にも入らずひたすら遅くまでスマブラをやっていた二人。
そしてめでたく友くんは妙に機嫌の悪い姉に刺されかけましたとさ。
405: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 21:44:07.61 ID:uexngmpy0
――翌日。
友「ふぁーあ……」
友「……」
友(十二時……そろそろ妹が帰ってくるか?)
友(……顔洗お)スタスタ
406: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 21:45:08.10 ID:uexngmpy0
ガチャッ。
友(お、帰って来たか)スタスタ
友「……おーい、今日どこ行くつもりなんだ?」チラッ
姉「……あ?」ギロッ
友「あ、姉貴っ!?」
407: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 21:46:33.13 ID:uexngmpy0
姉「……」
友「……今日は早いんだな」
姉「……」
友「……」
姉「……」スタスタ
友(……)
408: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 21:47:33.32 ID:uexngmpy0
友(……あれ? まだ機嫌悪いのか? なんで?)
友(昨日の……そうだな。夜飯食った時までは普通だったのに)
友(あの時お気に入りの皿割っちまったからか?)
友(???)
409: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 21:49:20.93 ID:uexngmpy0
ガチャッ。
妹「ただいまー」
友「おう」
妹「あれ? お姉ちゃんも帰ってるの?」
友「あぁ、たった今な」
妹「じゃあ今日お姉ちゃんも連れて行こうよ!」
友「良いけど……来るかな?」
妹「大丈夫だって。じゃあ聞いてくるねー」
410: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 21:51:12.89 ID:uexngmpy0
友「―――で、何か買いたい物でもあんの?」
妹「あたしは普通に冬物の服とか」
友「……姉貴は?」
姉「……」
友「……姉貴?」
姉「……」ギロッ
友(おうふ)
姉「…………私も同じ」
友「へぇ……」
411: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 21:52:22.30 ID:uexngmpy0
友(あれ? これわざわざオレまで付いていく意味なくね?)
妹「なんか言った?」
友「何でもねぇ。早く行こうぜ」キリッ
姉「……」
412: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 21:54:37.48 ID:uexngmpy0
そして―――。
妹「どう? 似合う?」
友「あぁ」
姉「……」
妹「……どう? 似合う?」
友「あぁ」
姉「……」
妹「……どう? 似合う……?」
友「あぁ」
姉「……」
妹「……」
友「あぁ」
姉「……」
413: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 21:56:03.23 ID:uexngmpy0
妹「……」
友「……」
妹「……グスッ……」
友「いやお前ならもう少し明るい色の方が良いんじゃねぇか?」キリッ
妹「ほんと!? 兄貴にそう言われたら迷うなぁー」
姉「……」
419: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:31:26.36 ID:uexngmpy0
友(――はい。そしていつの間にか二人とはぐれてしまいました……っと)
友(ったく。面倒くせぇなぁ――ん?)
〈 キミタチカワウィーネ!
〈 ダレデスカー??
友(……まさか……)
420: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:32:35.60 ID:uexngmpy0
DQN1「君達何処から来たのー?」
DQN2「今暇ー?」
妹「暇じゃないでーす!」ニコッ
姉「……ちっ」
友(……あ、ヤバい。これはヤバい。主に向こうの人達が)
421: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:33:37.50 ID:uexngmpy0
DQN1「君達可愛いねー」
妹「あはは。よく言われまーす」
DQN2「どっか遊びに行かない?」
妹「だから暇じゃないでーす。ていうかまだ買い物の途中でーす」ニコッ
DQN1「そっちの娘は?」
姉「……」
妹「あ、お姉ちゃん人見知りなんですよー」
422: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:36:09.89 ID:uexngmpy0
DQN1「お姉ちゃん?」
DQN2「へぇ、姉妹なの? 全然似てないねー」
妹「あはは。それもよく言われまーす」
姉「…………」
友(うわあああああぁぁ姉貴の目付きがヤバくなってるぅぅぅ!!)
友(止めねぇと!主に向こうの人達の為に!!)
423: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:38:19.33 ID:uexngmpy0
DQN2「よし。じゃあ何処行こっか?」ガシッ
姉「―――っ!」イラッ
妹(あ、これはヤバいかも……)
DQN2「どうしたの?」
姉「……」スッ…
友「はいストォ――――ップ!!」ガシッ
424: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:39:42.70 ID:uexngmpy0
妹「あ」
姉「……」
DQN1「あぁん? 誰だよあんた」
友「危ねぇ……ぎりセーフか……」
DQN2「誰だって聞いてんだよ」
友「ったく……そうやってすぐ光り物出したらダメだっての。前にも言ったろ? しかも店ん中で」
姉「……ちっ」
DQN1「だから誰だよ答えろコラァ!」
425: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:43:31.71 ID:uexngmpy0
DQN1「格好つけてんじゃねぇぞオイ!」
DQN2「誰なんだコラァ!」
友「……じゃ、そろそろ出るか」
妹「あ、うん」
姉「……」
DQN1「待ってよコラァ!」
DQN2「無視しないでよコラァ!」
427: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:46:01.02 ID:uexngmpy0
友「はぁ……ナンパされたからって限度があるだろ?」
姉「……」
友「おい、聞いてんのかよ」
姉「…………急に手、掴むから」
友「だからってなぁ……いつもみたいに無視するか睨めば良かったのに」ハァ
姉「……」
友「……」
428: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:48:14.66 ID:uexngmpy0
友「……」
妹「……」
友「……って、お前は珍しく静かなんだな」
妹「さっきからお姉ちゃんの心配ばっかり……やっぱりあたしって要らない娘なのかな? いまいちキャラも立ってないし……」ブツブツ
友「いやお前は軽くいなしてたから心配なかったんだよ!つーかキャラがどうとか言うの止めて!?」
429: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:50:01.21 ID:uexngmpy0
――そして、夜。
友「……」ペラッ
友「……」
友(……姉貴の様子がおかしい。ていうか怖い)ペラッ
友(夜飯の時もどこか放心状態だったし、なにより目付きと機嫌がいつもの三割増しで悪い)
友(と思ったら妹とは普通に話してるし……オレ、なんかしたか?)
友(さっきのナンパの事か……?)
友(……??)
430: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:51:49.39 ID:uexngmpy0
コンコン。
友「あいよー」
妹「おじゃま」ガチャッ
友「どうした?」
妹「スマブラやろーぜ!」
友「却下。やるなら一人でやれ」ペラッ
妹「えー」
友「……」
妹「……」
431: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:54:03.35 ID:uexngmpy0
妹「やろーよぉ」
友「断る」
妹「……」
友「……いや、マジで。悪ぃけどまだ腕が痛ぇんだ。ごめんな」
妹「あ……そっか。ごめん」
友「んーん」ペラッ
432: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:56:10.19 ID:uexngmpy0
妹「……じゃ、おやすみ」
友「――あ、ちょい待って」
妹「?」
友「ちょっと聞きたい事があってさ。姉貴の事なんだけど」
妹「お姉ちゃんがどうかした?」
友「……なんかさ、機嫌悪くね?」
妹「そうかな? 普通だけど……」
友「お前にはな。でもオレにはいつも以上にシビアというかドライというか……」
妹「いつから?」
友「多分昨日の夜飯食った後くらいからだと思う。買い物の時も帰り道くらいでしか話してねぇしさ」
433: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 22:58:11.17 ID:uexngmpy0
妹「……昨日の夜って、あのお笑い番組見てた時らへん?」
友「そうそう」
妹「……」
友「なんなんだろうな一体……」
妹「……えーっとねぇ」
友「おっ。分かるのか?」
妹「分かるって言うか……その……」
友「いいから教えてくれ。流石にこれ以上死と隣り合わせの生活は辛いしな」
妹「あはは……えっと、多分だけど―――」
友「ふむふむ」
434: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 23:00:25.96 ID:uexngmpy0
友(……結局、確信出来る事は無かった)
友(妹から言われたのは「『とある言葉』を姉貴に言え」とだけ……)
友(ほんとにそんなんで機嫌が直るのか……些か心配である)
友(……ていうか今の姉貴に近付くなんて出来ません。怖いから。)
友(どうすっかなぁ……)
――コンコン。
435: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 23:02:21.83 ID:uexngmpy0
友(このノックは……また妹か。どうしたんだ?)
友「なんだ? スマブラはやんねぇぞ―――」ガチャッ
姉「……は? スマブラ……?」
友(ちょ、ミュ○ツーが来なすったぁぁぁぁぁ!!?)
436: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 23:05:33.49 ID:uexngmpy0
友「あぁいや、何でもない」
姉「……」
友「……で、どうした―――んですか?」
姉「なんで敬語……」
友(やっぱ怖いぜ……どうか刺されませんように)
姉「……」
友「……」
姉「……」
友「取りあえず、座れば?」
姉「……」スッ
437: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 23:07:48.71 ID:uexngmpy0
友「……」
姉「……」
友「……どうかした?」
姉「……ちっ……」
友(怖い)
姉「……」
友「……」
438: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 23:09:10.67 ID:uexngmpy0
姉「…………きは……めん……」ボソッ
友「……はい?」
姉「……だ、だから!」ギロッ
友「は、はいっ!!」
439: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 23:10:21.21 ID:uexngmpy0
姉「さ、さっきはごめん!!」
友「……え?」
440: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 23:12:05.63 ID:uexngmpy0
友「さ、さっき……って買い物ん時のナンパの件、か?」
姉「……ちっ」
友(あ、そうなんだ……)
姉「……」
友(……そんな事をわざわざ謝りに来るなんて……)ホロリ
姉「……何泣いてんの」ギロッ
友「……いや。何でもないっす」
姉「……ちっ」
441: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 23:15:00.94 ID:uexngmpy0
姉「と、取りあえずそれだけだから」スクッ
友(……あ、そうだ)
姉「……」スタスタ
友「姉貴」
姉「……」ピタッ
友(えーっと、確か……)
友「『オレ、別に彼女とかいないから』」
442: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 23:17:37.98 ID:uexngmpy0
姉「……」
友(……おいおい、固まっちまったぞ。ホントにこんなんで機嫌直るのか妹よ?)
姉「……」
友「……えっと、姉貴ー?」
姉「……」
姉「……ちっ!」
ガチャッ、バタン!
友(……あれ? なんかもっと怒らせちゃってなかったか?)
443: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/02(月) 23:19:45.22 ID:uexngmpy0
友(…………)
友(……まぁ、分からん事を考えても仕方ない。もう寝るか)
友(…………)
友(結局男からは連絡なし、か……)
459: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:20:03.16 ID:yoKDzkMF0
短いですが始めますね。短いですが。
461: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:22:00.48 ID:yoKDzkMF0
ジリリリリリリ……
「……ぁ……?」
リリリリリリ……
「……っ……っ!」ポチッ
リッ
「……」
友「……ふぁーあ……」
462: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:23:19.11 ID:yoKDzkMF0
友「っはよー……」
妹「おはよー」←料理中
姉「……ょ…」ボソッ
友「あー……眠っ……」スタスタ
姉「……」
妹「ふんふふーん」
463: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:25:13.32 ID:yoKDzkMF0
妹(あーにき!)ヒソッ
友(ん?)ゴクゴク
妹(お姉ちゃん、すっごく機嫌良さそうだよ!)ヒソヒソ
友(あぁ。みたいだな)ヒソッ
妹(やっぱりあたしの言った通りだったでしょ?)
友(……あぁ)
464: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:26:56.36 ID:yoKDzkMF0
友(……まぁ、なんでかは全く分からんが)
妹(色々あるんだよ。女の子にはね)
友(ふーん。女の子ねぇ……)
妹(……そりゃあたしはこんな起伏の少ない体型だけどこれでも女の子なんだよね。でもそうだよね全然女の子らしくないよね。あ、そうだちょっと豊胸手術してくる)
友(だから何も言ってねぇから落ち着け!皆違って皆いいんだよ!)
465: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:28:45.71 ID:yoKDzkMF0
姉「……何話してんの」ジロッ
妹「あ、いや。何でもないよ」
姉「……」
友「さ、さーて。今日の朝飯はなーにっかなー!?」
妹「今日は食パンとハムエッグでーす!」
友「やったぁいつも通りだ!」
姉「……ちっ……」
466: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:30:09.77 ID:yoKDzkMF0
――学校。
友(よしよし。このまま行けば今日こそ平和な一日になる筈だ)
男「おはよー」
友「よう。無事に脱出できたみたいだな」
男「おう」
友「相変わらず軽いな……」
男「お前も大概だろ」
467: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:32:13.27 ID:yoKDzkMF0
* * * * * * * * * * *
468: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:34:02.72 ID:yoKDzkMF0
―――昼休み。
友「……」スタスタ
友(それにしても男の奴、委員長の事好きになってるとはね……)
友(なんか似たようなのあったよな。人質が犯人に惚れる――みたいな)
友(何とか症候群、だっけ?)
友(……)スタスタ
友(……)スタスタ
友(……つーかあいつ、どこ行ったんだ?)
469: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:35:56.01 ID:yoKDzkMF0
友(……)
〈 ネェネェ、ホウカゴカイモノイコー!
〈 イイヨー
友(……)
〈 ブカツオワッタララーメンクオーゼ
〈 リョーカイ
〈 ダガコトワル
友(……)
〈 キミタチ、サイキンセイセキガ――
〈 スミマセン……
友(……平和って、良いよね……)ホロリ
470: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:37:08.73 ID:yoKDzkMF0
友(あれ? なんか目から暖かいものが――)
〈 よ、よう。来てたのか
〈 う、うん。ついさっき来たの
友(――ん? この声は……)ソーッ
男「……」
女「……」
友(おぉ、やっと見つけたぜ。つーか委員長まで……)
471: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:39:29.72 ID:yoKDzkMF0
友(今までだったらこの状況は危険だったけど、朝にあんな話したから正直面白そうにしか思えない……)
〈 今日は……監禁しないのか?
〈 ここ、学校だよ?
友(よりによって何言ってんのあいつ!? 馬鹿か!あぁそういや馬鹿だったな!)
〈 ……男くんこそ逃げないの?
〈 ここ、学校だぞ
友(えぇー……ちょっともう何この会話……)
472: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:41:10.39 ID:yoKDzkMF0
友(……なんか急に二人とも黙っちまったな)
男(……なんか知らんが女の顔をまともに見れない……)
女(……男くん、さっきから目を合わせてくれない……)
男(目線を反らしちまう……まさかこれもMになる兆候なのか!?)※違います
女(……そりゃそうだよね……)
男(これはいよいよやばいか……?)
女(……嫌われちゃった、かな……)
友(……あ、こりゃ多分アレだ。考えてる事が微妙に噛み合ってないパターンだ)
473: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:42:51.85 ID:yoKDzkMF0
男「……」
女「……」
友(見つめ合ってもないのに素直にお喋り出来てねぇぞこいつら……)
女「お、男く―――」
男「わ、悪い!そういや友と約束があったんだった!」
友(ちょ、オレをだしに使うな!委員長に警戒されたらどーすんの!?)
女「……え、と……」
男「すまん。また今度な!」
女「あ……!」
474: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/03(火) 22:44:32.95 ID:yoKDzkMF0
友(あーあ。行っちまった……)
友(……委員長の方は、っと……)チラッ
女「………………男くん…………」
友(……)
友(こりゃ平和な一日……とはいかないかな?)
482: 以下、あけまして 2012/01/05(木) 02:54:01.94 ID:cmHJPrSwo
ちょっと待て。友の家が超絶不安定なほのぼの状態なのはわかったけど、なんで発信機なんて持っていた?
483: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:14:55.48 ID:ydC3CvAv0
>>482
ぎくっ……
えーと設定としては一応、姉妹と外出するとよくはぐれる(特に妹が)→痺れを切らした友くんが発信機を→外出する時は常に持ち歩くようになった
みたいな感じです。一応。
入手ルートは…………まぁ、その……
……ごめんなさい。始めます。
ぎくっ……
えーと設定としては一応、姉妹と外出するとよくはぐれる(特に妹が)→痺れを切らした友くんが発信機を→外出する時は常に持ち歩くようになった
みたいな感じです。一応。
入手ルートは…………まぁ、その……
……ごめんなさい。始めます。
484: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:17:58.53 ID:ydC3CvAv0
友(……)ボーッ
TV〈 待って!お願い!私を捨てないで!
友(……)ボーッ
TV〈 ごめん。他に好きな人が出来たんだ……
TV〈 う、嘘……だよね……?
友(……)ボーッ
485: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:20:02.73 ID:ydC3CvAv0
友(……)ボーッ
TV〈 ごめん……
TV〈 ま、待って―――
友(……)ボーッ
妹「なんか今日の兄貴、変じゃない?」←片付け中
姉「……」←同じく
486: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:21:41.04 ID:ydC3CvAv0
妹「普段はドラマとか殆ど見ないのに。しかもドロドロな恋愛系なんて」
姉「……」
妹「何かあったのかな?」
姉「『何か』って?」
妹「うーん……」チラッ
TV〈 グスッ……○○くん……
友「はぁ……」
妹「恋愛ドラマを見て、悟ったかのように軽く溜め息……これは……!」
姉「?」
487: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:22:28.54 ID:ydC3CvAv0
妹「恋、だね!」
姉「……」
――パリンッ!
友「ん? どーした?」
488: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:24:36.04 ID:ydC3CvAv0
妹「あ、いや、何でもないよぉー」
姉「……手が。滑った……」
妹「もう。大丈夫?」
姉「……ちっ」サッサッ
妹「ちょ、それちり取りじゃない!フライパンだよ!?」
姉「……」
489: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:26:53.98 ID:ydC3CvAv0
妹「……でもまぁ、なぁんの根拠も無い勘だけどねぇ」
姉「……ちっ」ギロッ
妹「はい分かってます紛らわしい事言ってごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
姉「……」
姉(……)
490: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:29:31.40 ID:ydC3CvAv0
――そして。
友(……今日は特に寒ぃな……)
友(……)
友(……)ペラッ
友(……)
友(……)ペラッ
491: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:30:58.02 ID:ydC3CvAv0
友(さっきの……昼休みの時……)
『………………男くん…………』
友(……男の奴、惚れた相手にあんな悲しそうな顔させて良いのかよ)
友(……多分だけど今日あいつは普通に帰宅してる筈だ)
492: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:31:57.37 ID:ydC3CvAv0
友(……)
友(男に、連絡してみるか……?)
友(……)
友(……いや、あいつは馬鹿だけど冷静に物事を判断出来る奴だ。馬鹿だけど)
友(……多分あの二人は相思相愛だ。あとは男の方が意識するだけなんだが……)
友(……)
493: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:34:17.01 ID:ydC3CvAv0
友(……)
友(……委員長もどっか抜けてるし、すれ違って変な事にならなきゃ良いが……)
友(……オレからどうこう言うのはもう止めとこう。あとは二人の問題だしな)
友(……)
友「……今日はホントに寒ぃな……」
494: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:36:55.90 ID:ydC3CvAv0
* * * * * * * * * * *
495: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:39:14.00 ID:ydC3CvAv0
――夜中。
妹「……ん……」ムクッ
妹「……」
妹(……トイレ……)ヒタヒタ
496: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:40:27.12 ID:ydC3CvAv0
妹(……寒…い……眠……い)ヒタヒタ
妹(……早く……お布団に……戻りたい……)ヒタヒタ
カチャッ……
……パタン。
妹(……ん……)モゾモゾ
妹(……あれ……? なんだか…凄く…暖かい……)モゾモゾ
497: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:42:10.75 ID:ydC3CvAv0
妹(……抱き枕なんて……持ってたっけ……?)モゾモゾ
妹(…………)
妹(……)
498: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:44:00.32 ID:ydC3CvAv0
――はい、翌朝。
499: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:46:17.40 ID:ydC3CvAv0
友「…………」
妹「……んぅ……」モゾモゾ
500: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:48:35.31 ID:ydC3CvAv0
友「……落ち着け、落ち着くんだオレ。取りあえず深呼吸をしよう」
友「すーーはーー」
友「…………よし」
友「……なんで妹がオレの布団にいんの?」
妹「……zzz……」
501: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:52:04.67 ID:ydC3CvAv0
友(ここは間違いなくオレの部屋。ってことはこいつの方から来たって事だ)
友(寝巻きは乱れてない……状況証拠的に人間失格な事をした訳じゃなさそうだ。良かった)
友(しかしなんでオレの部屋に? まぁ、取りあえず起こすか)
友「おい」
妹「ん……?」
502: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:53:16.80 ID:ydC3CvAv0
妹「……はれ? 兄ひ……?」ムクッ
友「うん。寝惚けてるところ悪いんだけど、なんでお前がオレのベッドにいるんだ?」
妹「……へ?」
妹「……」
妹「!!!!」
503: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:55:22.14 ID:ydC3CvAv0
妹「え? え? え!?」
友「……」
妹「な、なんで兄貴が――えっ!?」
友「……」
妹「……」
妹「ま、まさか……あたしに何かしたの!?」
友「あぁ、予想通りの反応をありがとね」
504: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:56:19.79 ID:ydC3CvAv0
※説明中です。暫くお待ち下さい※
505: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 14:58:58.37 ID:ydC3CvAv0
友「――って訳だ。だからオレは悪くないな。うん」
妹「あ、あたしだって―――あっ」
友「ん?」
妹「……いや、何でもない」
友「……ったく。もう一緒に寝るような歳でもないんだから」
妹「……うっ……」
友「それとも何か? 怖い夢でも見たとか?」
妹「……ぐぐぐ……///」
友「やっぱりまだまだ子どもなのかねぇ―――」
506: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 15:03:18.85 ID:ydC3CvAv0
妹「――るっさいなぁ!兄貴こそここぞとばかりに寝てる妹の身体触りまくったんじゃないの!? このシスコン!」
友「し、シスコン!? そんなん言ったら皆のオレへの見る目が変わるから止めてくんない!?」
妹「そうだよね……こんな貧相な身体触っても楽しくないよね。ごめん。ちょっと肉付きの良い大人の女になってくる」
友「待て待て!なんで机の引き出し開けてんの!?」
妹「五年後……いや、十年後の方が良いかな……」ブツブツ
友「あぁもう相変わらずメンタル弱ぇなオイ!」
※今は早朝です。
507: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 15:06:37.88 ID:ydC3CvAv0
友「と、とにかく下に降りるか」
妹「あ、うん……」
友「姉貴にこんなとこ見られたら刺されるぜ―――」
――ガンッ。
妹「あ……!こ、このノック音は……!!」
友(こんなの絶対おかしいよ……)
508: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 15:08:22.62 ID:ydC3CvAv0
姉「―――早く起きろ」ガチャッ
515: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:26:53.74 ID:ydC3CvAv0
姉「早く起きろ」ガチャッ
516: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:27:53.90 ID:ydC3CvAv0
友「あ」
妹「あ」
姉「…………」
517: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:29:39.60 ID:ydC3CvAv0
……急な質問だが、皆さんは「走馬灯」を見た事はあるだろうか。
走馬灯とは元々、影絵が写るように細工された灯籠の事である。
近年では「死に際を体験した時に今までの記憶がフラッシュバックする」現象を指し、前者よりもこちらの意味が広く使われている。
閑話休題。筆者は幸か不幸かその珍しい現象を幾度か体験している。
人間とは不思議なものであり、死の脅威が目の前に迫っていると、頭では「逃げなくては」や「死にたくない」などと考えてはいるものの、本当に身体が動かないのだ。
侮るなかれ、本当に微動だにしてくれないものなのだ。
もはや死後硬直どころか死前硬直である。
(友著・『現代和平辞典』より抜粋)
518: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:31:19.60 ID:ydC3CvAv0
姉「―――!!!!!」ギロッ
妹(ああぁぁ目付きがヤバいぃぃぃぃ!!!!)
友(やべー遺書まだ書いてねぇや)
520: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:33:13.03 ID:ydC3CvAv0
友「……あ、あの……」
妹「……」
姉「……たち……」
妹「?」
姉「……あんた達……」
友「は、はい?」
姉「……あ、あんた達……何やって……」グスッ
妹(えっ!?)
友(あ、あの姉貴が……泣いてる!?)
521: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:34:36.57 ID:ydC3CvAv0
姉「…………兄妹、なのに……」
友「ちょっと待った!誤解だ!」
妹「そ、そうだよ!何もしてないよ!」
姉「……グスッ」
友「……話、聞いてくれ」
姉「……」
522: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:35:59.29 ID:ydC3CvAv0
友「な? すぐ済むし」
姉「……」
友「よし、じゃあ――」
姉「―――おい」グスッ
友「はい?」
姉「……二人とも正座しろ」
523: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:36:51.70 ID:ydC3CvAv0
姉「じゃあ説明しろ」ギロッ
友「……」←正座中
妹「ううぅ……」←同じく正座中
友「いやぁ、あのですね……」
姉「……」ギロッ
友(怖ぇ!何も後ろめたい事なんて無いのに弁解出来ない!!)
妹(ついさっきまでの涙目お姉ちゃんはどこに!?)
524: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:38:29.48 ID:ydC3CvAv0
友「だ、だから……何もしてない、です」
姉「……」スッ
友「あ、当たってます!刃が首に当たってます!」
姉「動くな。分かりやすく説明しろ」ギロッ
友「は、はいっ!」
友(目が充血してる分いつもよりヤべぇぇぇぇ!!)
妹「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」ガタガタ
525: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:40:01.83 ID:ydC3CvAv0
友「だ、だから……確かに朝起きたら、その……こいつがオレの布団に入ってました」
姉「続けろ」
友「……でも何もしてないです。ホントに」
姉「……」ギロッ
妹「嘘偽り全く無いです!本当です!」
姉「……」
友「……」
妹「……」
526: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:43:34.79 ID:ydC3CvAv0
姉「……」
友「……」
妹「……」
姉「……分かった。信じる」
友(よ、良かった!)
妹(助かったぁ!)
姉「……まだ終わってない」ギロッ
友「はいっ!」
妹「はいっ!」
姉「……妹?」
妹「は、はいっ!? なんでしょうか!!」
姉「なんで自分のベッドで寝てない?」
527: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:45:43.10 ID:ydC3CvAv0
姉「説明しろ」
妹「え、えーっと……あたしも記憶が曖昧なんですが、多分昨日の夜中トイレに起きた時に寝惚けて兄貴の部屋に間違って入ってそのまま寝てしまったんだと思います。以上です」
姉「ご苦労」
友(……ていうかすぐそうやって説明すれば姉貴をキレさせる事も無かったんじゃね?)
528: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:48:58.85 ID:ydC3CvAv0
妹「……と、いう訳です……」
姉「……」
友(あーヤバい。そろそろ脚の感覚が……)
姉「……」
妹「お、お姉ちゃ……お姉様?」
姉「……」ギロッ
妹(ひゃっ!?)ビクッ
529: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:51:01.46 ID:ydC3CvAv0
姉「……」
友「……」
妹「……」
姉「……朝ご飯、出来てるから」スクッ
530: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:53:37.52 ID:ydC3CvAv0
ガチャッ……バタン。
友「……」
妹「……」
友「ふぅううぅぅぅ………ヤバかったぁぁぁぁぁ!!」
妹「よ、良かった!あたし達まだ生きてる!生きてるよ!」
友「オレ首から血出てないよね!? 大丈夫だよね!?」
531: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/06(金) 23:58:07.23 ID:ydC3CvAv0
友「つーかお前!さっさと寝惚けてましたって言ってれば穏便に済んだかも知れねぇだろ!」
妹「ご、ごめん……なんか負けたみたいで嫌だったから」
友「なんだそりゃ」
妹「でも兄貴の布団すっごくあったかかったよ?」
友「あーそうかい」
妹「お姉ちゃんも一回兄貴のベッドで寝てみれば分かると思うなぁ。よく眠れるのに」
友「そりゃ良かったな……悪いけどオレは朝から疲れたよ……」
532: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/07(土) 00:01:37.42 ID:FV5mx1FC0
友「……という訳でなんとか無事に纏められました。いやぁ、人間話せば分かるもんだね」
友「ぶっちゃけ姉貴が泣いてるところを見たのは久し振りだった。今回ばかりは頸動脈とさようならするかと思ったよ……」
友「……でも姉貴の作った朝飯はいつも通り美味かったし、妹はいつも通り豆腐メンタルでした」
友「……」
友「あ、でも学校は普っ通に遅刻しました(笑)」
540: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 22:47:07.32 ID:D7D6u2IV0
友「――よう。今日は早いんだな」
男「お前が遅いんだよ。もう朝のHR終わったぞ」
友「ちょっと一悶着あってな……それよりどうだ? 昨日は大丈夫だったか?」
男「……あぁ。何もされなかった」
友「そりゃ良かったな――と言いたいところだけど……」
男「……」
友「どうかしたのか?」
541: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 22:48:14.64 ID:D7D6u2IV0
男「……なぁ」
友「ん?」
男「……俺さ……」
友「うん」
男「……俺……」
友(……おっ。まさか委員長の件、踏ん切りがついたか?)
男「結構なMかもしれん」
友「……そんな事だろうと思ったよ……」ハァ
542: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 22:50:02.90 ID:D7D6u2IV0
友「それからというもの、男は心ここに在らず……といった感じでした」
友「先生に指されても完全にシカト、昼飯食う時も箸を逆に持ち、授業中は常にシャーペンを分解しては組み立て、分解しては組み立て……」
友「なんかもう、目に見えて放心状態でした」
友「オレが話しかけても空返事ばかり」
友「……結局、委員長は学校に来ませんでした」
543: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 22:52:07.67 ID:D7D6u2IV0
――放課後。
友「おーい、帰ろうぜ」
男「……あぁ……」ボー
友「……」
男「……」ボー
友「……」
544: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 22:53:37.84 ID:D7D6u2IV0
男「……」
友(……)
男「……」
友(……)
男「……」
友(……じゃ、オレは帰るか)
545: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 22:56:33.40 ID:D7D6u2IV0
友(……)スタスタ
友(ありゃ腹括ろうとしてる奴の顔だった……)
友(……)スタスタ
友(……オレが口出すまでも無かったかな)
友(……)スタスタ
友(…………上手くやれよ、男)フッ
546: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 22:57:55.84 ID:D7D6u2IV0
* * * * * * * * * * *
547: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:00:55.26 ID:D7D6u2IV0
友「ただいまー」ガチャッ
友(……まぁ、まだ誰も帰ってないんですけどね)
友(……)
友(夜飯作るの面倒だな。今日は外食にすっかなぁ……)
友(……よしそうだそうしよう)
548: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:02:07.72 ID:D7D6u2IV0
友(……となったら二人にメールしとくか)
友(『今日は外食。何時頃帰る?』……っと)
友(よし。これで―――)
ヴーッヴーッ
友(返信早っ)
549: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:04:26.87 ID:D7D6u2IV0
12/20 17:32
from 妹
sub:無題
―――――――――
あと十分くらい!
どこ食べに行くの?
友(うーん……どこにすっかな?)
――ガチャッ。
妹「ただいまー」
550: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:05:51.61 ID:D7D6u2IV0
友「えっ」
妹「えっ?」
友「……」
妹「……」
友「……えっ?」
妹「えっ??」
551: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:07:17.38 ID:D7D6u2IV0
友「……あぁ、おかえり」
妹「ただいまー。外寒いよぉ」
友「……」
妹「……」
友「……えっ? 今のメール嘘じゃね?」
妹「へ?」
友「ほら、『あと十分くらい』っての」
妹「あ、うん。嘘だね」
友「なんで?」
妹「……ごめん。何となく」
友「……」
552: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:09:52.18 ID:D7D6u2IV0
友「いかんいかん、しょうもない嘘によって無駄に時間を浪費してしまった。本題に戻ろう」
妹「りょーかい」
友「で、どこにするよ?」
妹「そういえばお姉ちゃんは?」
友「まだ返信来ない……つっても全然経ってないけど」
ヴーッヴーッ
友「おっ」
553: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:11:30.87 ID:D7D6u2IV0
12/20 17:35
from 姉貴
sub:無題
―――――――――
五、任
友「あと五分くらいで帰るって」
妹「なんだ、割りとすぐ近くにいたんだね」
友「それでどこにするかはオレらに任せるってよ」
妹「ふーん」
554: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:16:03.04 ID:D7D6u2IV0
友「――という訳で、近場に最近できたパスタ屋さんに来ました」
妹「いや、分かってるけど?」
友「でも取りあえず言っとかないと分かんないだろ?」
妹「へ?」
姉「……」
555: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:17:28.14 ID:D7D6u2IV0
友「……」
妹「……」
姉「……」
友「頼むもん決まったか?」
妹「うん」
友「姉貴は?」
姉「……ん」
友「じゃあ呼ぶわ」ピンポーン
556: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:20:30.18 ID:D7D6u2IV0
店員「いらっしゃいませー。ご注文をお伺いします」
妹「ミートソースを一つ!」
店員「ミートソースをお一つ」
友(姉貴、先いいぞ)チラッ
姉(……後でいい)
友(あいよ)
友「じゃあこの『伊勢海老のクリームソースパスタ』ってのを」
557: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:23:02.94 ID:D7D6u2IV0
店員「伊勢海老のクリームソースパスタをお一つ」
姉「……」
店員「……お客様はどうなさいますか?」
姉「……あ、えっと、私も同じやつを……」
店員「畏まりました。ミートソースをお一つ、伊勢海老のクリームソースパスタをお二つで宜しいですか?」
友「はい」
558: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:26:01.45 ID:D7D6u2IV0
妹「……」
友「……ん? どうした?」
妹「……あたしだけミートソース……子供っぽい……伊勢海老のほうが大人のチョイス……負けた……完全に……」ブツブツ
友「いやお前まだ子供だろ」
妹「良いじゃん別に……ミートソース美味しいじゃん……」ブツブツ
友「……もう突っ込まんぞ。あぁもう突っ込まんとも」
姉「……」
559: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:28:40.93 ID:D7D6u2IV0
妹「―――ところでさぁ」
友「立ち直り早ぇなオイ」
姉「……」
妹「兄貴よくこんな店知ってたね」
友「あぁ、クラスの奴に教えて貰ってな」
姉「……」
妹「ふーん。同じクラスの人に」
友「あぁ」
560: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:33:04.89 ID:D7D6u2IV0
妹「それいつごろ?」
友「んー、確か一週間と少し前……くらいかな?」
姉「……」
妹「教えてくれた人って男の人? 女の人?」
友「なんでそこまで……」
妹「いいじゃんいいじゃん」
姉「……」
友「……まぁ、女子だけど」
姉「……」ピクッ
561: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:36:46.43 ID:D7D6u2IV0
妹「ふーん……女の人にねぇ。へぇーえ」
友「あ、あぁ」
姉「……」イラッ
妹「そっかぁ。ふーん……」
姉「……ちっ」イライラ
友「え、オレなんか悪い事言ったか?」
562: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:39:28.94 ID:D7D6u2IV0
妹「……因みにそれ、どんなシチュエーションで言われたの?」
友「へ? えーっと……確か学校で昼休みに『良い店だから今度一緒に行こうよ』とか言われたような……」
妹「……」
姉「……」ピシッ
友「あ、姉貴? グラスにヒビ入ってますけど……」
563: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:43:29.56 ID:D7D6u2IV0
店員「お待たせしました。ミートソースのお客様」
妹「あ、はーい」
店員「伊勢海老(ryのお客様―――」
姉「……」ギロッ
店員「ひぃっ!?」ビクッ
友「あああごめんなさいテキトーに置いといてくれて結構です!!」
564: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/08(日) 23:47:10.58 ID:D7D6u2IV0
友「い、頂きまーす!」
妹「……」
姉「……」
友「……」
妹「……頂きまーす」ボソッ
姉「……頂きます」ボソッ
友(なにこれこわい)
575: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 22:54:55.82 ID:3hwi1F3/0
友「……」
TV〈 やっぱり俺、お前の事が好きだ!
TV〈 ○○くん……!私、ずっと待ってたんだよ……!
TV〈 あぁ……あぁ!ごめんな……!
友「……」
姉「……」ジーッ
576: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 22:56:04.22 ID:3hwi1F3/0
妹「お姉ちゃーん、髪とかしてー」ガチャッ
姉「……あ、うん」
妹「……またドラマ見てるんだ、兄貴」
姉「二夜連続放送なんだって」
妹「ふーん」
姉「ほら。座れ」
妹「はーい」
577: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 22:57:26.45 ID:3hwi1F3/0
友「……」ボーッ
妹「あれ? また放心状態になっちゃってるね」
姉「……」サッサッ
妹「どうしたのかな?」
姉「……」サッサッ
妹「……」
578: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 22:59:08.35 ID:3hwi1F3/0
姉「……」
妹「うーん……やっぱりこれは恋―――」
姉「……」ギリギリ
妹「痛い痛い痛い!櫛っ!!お姉ちゃん櫛食い込んでる!!」
友「……」ボーッ
※特に何も考えてないです。
579: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:00:11.51 ID:3hwi1F3/0
妹「兄貴ー」
友「んー?」
妹「さっきからボーッとしてどうしたの?」
友「んー……いや、別に」チラッ
TV〈 暖かい……
TV〈 ずっとこうしてたいね……
友「……」ボーッ
580: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:02:02.22 ID:3hwi1F3/0
友「……」
友「…………なんかオレも人肌恋しくなってきたな……」ボソッ
姉「!!」グサッ
妹「だから櫛痛いよぉぉぉ!!」
581: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:03:57.49 ID:3hwi1F3/0
姉「あっ」
妹「うぅ……痛い……」
姉「ご、ごめ……」
妹「もう……じゃあいつも通り結んでくれる?」
姉「……あ、うん」
友「……」ボーッ
582: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:05:56.32 ID:3hwi1F3/0
――そして。
友(……)ペラッ
友(……)
友「……へっくしっ!!」
友(あー寒い。風邪引いちまったかな……?)
友(……そろそろ寝るか……)
583: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:07:11.88 ID:3hwi1F3/0
――ガンッ。
友「ん? はーい」
ガチャッ……
姉「……」
584: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:09:47.27 ID:3hwi1F3/0
友「あれ? こんな夜中にどうした?」
姉「……」
友「まさか……スマブラやりに来たとか?」
姉「……」
友「……つーかなんで枕持参してんの?」
姉「……」
友「……」
585: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:11:49.58 ID:3hwi1F3/0
姉「……さ、さっき……」
友「?」
姉「……」
友「さっき? さっきって何?」
姉「……」
友「……」
姉「……」
友「……取りあえず、座れば?」
姉「……」スッ
586: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:13:46.98 ID:3hwi1F3/0
姉「……」
友「……」
姉「……今日は」
友「ん?」
姉「……今日は、寒い」
友「あぁ。そりゃとっくに冬だしなぁ」
姉「……」
友「……」
587: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:15:29.03 ID:3hwi1F3/0
姉「……」
友「……」
姉「……寒い、から。」
友「寒いから?」
姉「……」
友「……」
姉「……」
友「……?」
姉「…………ちっ」ギロッ
友「えぇぇ!? な、なんか知らんけどごめんなさい!!」
588: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:19:28.12 ID:3hwi1F3/0
友(なんで今オレ睨まれたの!? 怖いよもう!!)
姉「……」
友「あ、あの……」
姉「……今日は寒い」
友「はい。すこぶる寒いです」
姉「……だから。」
友「????」
589: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:22:52.73 ID:3hwi1F3/0
友「あ、あの……」
姉「……」
友「もう少し分かりやすく説明して貰えますか……?」
姉「……寒いし」
友「はい。寒いです」
姉「……そ、それにさっき…………って言ってたよな?」
友「はい…………はい?」
590: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:25:03.38 ID:3hwi1F3/0
姉「……だ、だから!さっき『人肌恋しい』って言ってただろ!!」ギロッ
友「はい言いましたごめんなさい刺さないで下さい!!!!」
591: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:28:04.11 ID:3hwi1F3/0
姉「……」
友「……」
姉「……そういう事、だから」
友(自信は無いが、枕持ってるっつーことは……)
姉「……」
友「……えーっと、つまりオレの部屋に寝に来たって事――ですか?」
姉「…………っ!」ギロッ
友「あああ違いますよねそんな訳ないですよねごめんなさい!!!!」
592: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:30:30.46 ID:3hwi1F3/0
姉「……」
友「……」
姉「……ってる」ボソッ
友「はい?」
姉「そ、それで……あってる……///」ボソッ
友(か、顔赤っ!何これマジギレする兆候!?)
593: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:33:29.36 ID:3hwi1F3/0
友「……わ、分かったよ。じゃあ布団敷くから―――」
姉「は?」
友「え?」
姉「……」
友「……」
姉「……さっきから何回も言ってる。今日は凄く寒い」
友「えぇ、まぁ十二月ですし」
姉「……」
友「……」
594: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:36:16.55 ID:3hwi1F3/0
友「あの……まさかとは思うけど、オレのベッドで寝る、と……?」
姉「……ちっ……」
友(ええぇぇ!? マジですか!?)
姉「……」
友「……」
姉「……寒いから、だから」
友「いやー、あのですね。寒いからって姉弟で一つのベッドで寝るってのは……流石に、ねぇ?」
姉「……妹とは昨日寝てたのに」
友「だ、だからあれは事故というか……」
596: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:39:37.64 ID:3hwi1F3/0
姉「……つ、次は私の番」
友「顔赤いぞ? 熱でもあるんじゃないのか?」
姉「……」
友「だ、だから今日のところはちゃんと自分の部屋に戻って―――」
姉「……」ギロッ
友「―――っしゃあ!さっさと寝るぞ姉貴!!」
友(あっはっはー☆もうどうにでもなーれ♪)
597: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:41:59.58 ID:3hwi1F3/0
――そして。
友「……」
姉「……」
友「……」
姉「……」
友「……な、なぁ」
姉「……ん」
友「狭くないか?」
姉「別に」
友「……」
姉「……」
598: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:45:29.53 ID:3hwi1F3/0
友「……なぁ、やっぱり―――」
姉「だ、黙れ」
友「……」
姉「……」
友(はぁ……ったく。なんでオレなんかと……)
姉「……」
姉「…………き……だからだよ……」ボソッ
友「ん? どうかしたか?」
姉「……別に」
599: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:46:35.94 ID:3hwi1F3/0
姉「……」
友「……」
姉「……」
友「……」
姉「……」
友「……起きてる?」
姉「……ん」
600: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:50:03.04 ID:3hwi1F3/0
友「……あ、悪い。起こしちまったか?」
姉「……いや」
友「……」
姉「……」
友「……」
姉「……」
友「……り……りんご」
姉「……」
友「……」
姉「……は?」
友「何でもないですごめんなさい」
601: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:52:22.51 ID:3hwi1F3/0
* * * * * * * * * * *
602: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:54:16.13 ID:3hwi1F3/0
チッ…チッ…チッ…チッ…チッ…
友(なんだか眠れない……さっきまであんなに眠かったのに)
チッ…チッ…チッ…チッ…チッ…
友(さっきから時計の針の音が妙に耳につく。なんか良い匂いもするし)
友(……流石に姉貴はもう寝たかな?)チラッ
603: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:58:15.86 ID:3hwi1F3/0
姉「……すぅ……」
友(寝てる……か。姉貴の寝顔なんて何年振りだ? つーか初めてかもな。薄暗いから鮮明ではないけど)
姉「……すぅ……」
友(普段のしかめっ面からは考えられんほど安らかな寝息だな……)
友(……)
友(……ま、寝たんなら丁度いい。オレは床に布団敷いて寝るか)
604: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/09(月) 23:59:34.70 ID:3hwi1F3/0
友(起こさないように……っと)ソーッ
―――ガシッ。
友(ん?)
605: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/10(火) 00:02:32.76 ID:05aiBDow0
姉「…………だいじょ……ぶ……」
友(……え?)
姉「……ぉ姉ちゃん……が……いる……よ……」
友(!)
姉「……すぅ……すぅ……」
友(…………ははっ。なんつー寝言だよ……)フッ
606: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/10(火) 00:05:32.86 ID:05aiBDow0
姉「……すぅ……すぅ……」
友(……姉貴の手って、こんなに小さかったのか……)スッ
友(……)
友(……おやすみ……)
607: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/10(火) 00:10:33.14 ID:05aiBDow0
今日のところはここまでです友くん爆発しろ。
次回が多分最後になりそうなのでもう少しお付き合い下さい。
ではまた、明日か明後日に。
621: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 22:54:48.50 ID:W/0MhAvy0
――翌朝。
622: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 22:57:05.89 ID:W/0MhAvy0
姉「……」
姉「……」モゾッ
姉「……ん……っ」
姉「……」
姉(……あったかい……)
623: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 22:59:07.68 ID:W/0MhAvy0
友「…………」モゾモゾ
姉「……」
友「……ZZZ……」
姉(……あ……)
姉(……ずっと、手握っててくれた……?)
624: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:01:26.95 ID:W/0MhAvy0
姉(……)
友「ZZZ……」
姉(……)
姉(……)ナデナデ
625: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:03:03.64 ID:W/0MhAvy0
* * * * * * * * * * *
626: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:06:43.07 ID:W/0MhAvy0
ジリリリリリリ……
「……ん……」
リリリリリリ……
「……らっ!」ポチッ
友「…………」ムクッ
627: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:09:44.95 ID:W/0MhAvy0
友(……)
友(あれ? 姉貴は……もう起きたのか)
友(……)
友(……なんだか、凄ぇよく眠れた気がする。疲れが殆どとれたような……)
友(……妹が言ってた事も案外正しいかもな)
628: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:13:03.68 ID:W/0MhAvy0
友「っはよー」
妹「おはよ」
姉「……」←料理中
友(さーて今日も牛乳ーっと)ゴクゴク
姉「…………おはよ」
友「……」
姉「……」
友「―――え!?」
姉「……な、なに」
629: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:18:14.89 ID:W/0MhAvy0
友「今、おはようって……!」
姉「……は? それが?」
友「……いや、なんでもない。なんでもないんだ……」ホロリ
姉「?」
妹(分かる……分かるよ兄貴っ……!)
姉「まぁいいけど。……お皿、運んどいて」
友「おう。任せろ」
VIPサービスの新スレ報告ボットはじめました。→http://twitter.com/ex14bot
630: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:21:23.94 ID:W/0MhAvy0
友「頂きまーす」
妹「頂きまーす!」
姉「……頂きます」
631: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:24:00.99 ID:W/0MhAvy0
* * * * * * * * * * *
632: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:26:25.26 ID:W/0MhAvy0
――学校。
友「……」ボーッ
男「よっ、友」
友「おう。おはよ」
友(……ん? なんとなく男の顔が緩んでる気がする……)
男「あー寒っ」
633: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:31:54.35 ID:W/0MhAvy0
友(一応聞いておくか……)
友「そういや昨日は委員長ん家行ったのか?」
男「ん? あぁ。つーか凄ぇな、なんで知ってんだよ」
友「で? どうだった?」
男「……また監禁された」
友「へぇ」
男「そして押し倒されかけた」
友「マジか」
友(……委員長の奴、ウブだって言ってたのになんて大胆な……)
634: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:35:54.08 ID:W/0MhAvy0
友「かけた……って事は未遂だったのか」
男「あぁ」
友「良かったな……いや、残念だったな――か?」ニヤリ
男「お前から教わったあの技が役に立ったんだが……正直、惜しい事した気がする」
友「……そうか」
男「あぁ」
635: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:41:29.93 ID:W/0MhAvy0
友「……」
男「……」
友「……で?」
男「ん?」
友「他には報告するべき事、ないのか?」
男「……あぁ。実は―――」
636: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:44:24.65 ID:W/0MhAvy0
男「――という訳で、女と付き合うことになりました」
友「おぉ。おめでとう」
637: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:47:14.08 ID:W/0MhAvy0
友(良かった……やっとだ……)
638: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:48:04.49 ID:W/0MhAvy0
友(やっと……やっと言える……!)
639: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:49:43.36 ID:W/0MhAvy0
友(……あぁ、今日は平和だ!)
おわり。
640: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/11(水) 23:52:57.78 ID:W/0MhAvy0
これにて友編は終了です。
裏で暗躍してた分、普通に友くんの方が苦労人のような気がします。気のせいでしょうか。
これからも男くんは監禁されたり、友くんは妹さんに振り回されて姉御に刺されそうになったりするんでしょうね。
とにかく、お付き合い頂き本当に有難うございました。
またいつか駄文を書くことがあったら見てやって下さい。
ではまた。
……あぁ、可愛い娘に監禁されたい。
650: NIPPERがお送りします 2012/01/12(木) 21:16:26.27 ID:gfRRnt020
おつ!
後日談書いて欲しいぜ・・・
後日談書いて欲しいぜ・・・
655: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 22:59:15.95 ID:sLJwSvP00
コンコン。
友「はいよー」
ガチャッ……
妹「……」
656: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:00:48.58 ID:sLJwSvP00
友「……」
妹「……あのさぁ」
友「やだ」
妹「え!? まだ何も言ってないよ!?」
友「スマブラだろ? やだ。つーかオレこれから出掛けるし」
妹「ち、違うって!」
友「えっ」
657: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:01:41.79 ID:sLJwSvP00
友「じゃあどうしたんだ?」
妹「ちょっと相談事があって……」
友「……ふーん。言ってみ」
妹「……」
友「あ、なるべく手短にな」
妹「……」
妹「あたし人気ないみたいなんだけど」
友「は?」
659: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:03:47.81 ID:sLJwSvP00
友「人気ない? 誰に?」
妹「ううん。皆に」
友「皆? どこの皆だよ」
妹「だから、見てくれてる皆だよ」
友「は?」
妹「え?」
友「……」
妹「……」
友「見てくれてる皆?」
妹「うん。見てくれてる皆」
660: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:04:39.49 ID:sLJwSvP00
妹「お姉ちゃんは可愛い可愛い言われてるのに『妹可愛い』って言ってる人全然見たことないもん……」ブツブツ
友「姉貴も関係してんの?」
妹「なんでかな? あたしも『こんな妹が欲しい』とか言われたいんだけど」
友「皆に、か?」
妹「皆に」ウン
友「……えーっと、すまん。一から十まで話が分かんねぇわ」
661: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:05:18.98 ID:sLJwSvP00
妹「なんでかな? なんでだろ?」
友「……要するにアレか。お前は可愛い可愛い言われたいのか」
妹「う、うん……まぁね」
友「OK分かった。お前は可愛いよ。じゃあ留守番頼むわ」
妹「待って待って!そうじゃない!あたしは皆に言われたいの!」ガシッ
友「えぇー……」
妹「そんなの兄貴に言われたって―――うん、まぁ嬉しいけどさ」
友「いや、オレにどうしろと?」
662: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:06:43.89 ID:sLJwSvP00
妹「……」
友「……」
妹「お兄ちゃん!」
友「は?」
妹「……どう?」
友「何が」
妹「……」
友「?」
663: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:08:29.78 ID:sLJwSvP00
妹「……おはようございます。兄さん」
友「え?」
妹「いかがですか?」
友「いや、だから何が」
妹「……」
友「……」
妹「……」
友「?」
妹「……」ツー
友「無表情のまま泣くなよ!怖ぇわ!!」
664: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:10:13.27 ID:sLJwSvP00
妹「……」グスッ
友「……ったく。そんな下らんこと気にすんなって」
妹「下らなくないよ……」
友「大丈夫だよ。お前は可愛いから」ポン
妹「……」
友「な?」
妹「……ん……」コクッ
友「じゃ、行ってくるわ」
妹「……あ、兄貴っ」
665: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:11:20.41 ID:sLJwSvP00
友「ん?」
妹「……」
友「どうした?」
妹「え、えっと……その……」
友「……」
妹「……あ、あ、あ……」
友「あ?」
666: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:12:07.53 ID:sLJwSvP00
妹「……アイス買ってきてくれる? 帰りにでいいから」
友「行ってきまーす!!」
670: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:16:12.35 ID:sLJwSvP00
とあるファミレス。
店員「いらっしゃいませー。何名様ですか?」
友「一人っすけど……待ち合わせしてるんですよね。先に一人来ませんでした?」
店員「いえ……まだいらっしゃってませんが」
友「……あ、じゃあ待ちます。禁煙席で」
店員「ではこちらにどうぞ」
671: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:18:22.60 ID:sLJwSvP00
友「……えーっと、取りあえずドリンクバーを一つ」
店員「かしこまりました。グラスの方はあちらにございますので」
友「うっす」
友(……)
友(……遅ぇな、男の奴……)
672: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:21:06.43 ID:sLJwSvP00
――そして十分後。
男「よっ」
友「よう」
男「わり、遅れた」
友「ったく、お前から呼び出しといてよぉ……」
男「すまんすまん。……あ、ドリンクバー一つ」
店員「かしこまりました。グラスの方は(ry」
673: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:22:35.14 ID:sLJwSvP00
友「……で?」
男「ん?」
友「何の用だよ?」
男「用?」
友「あぁ」
男「……」
友「……」
男「いや、ねぇよ。そんなの」
友「よし表出ろ」
674: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:24:15.66 ID:sLJwSvP00
男「?」
友「用もねぇのに呼び出しやがったのか?」
男「あぁ」
友「……」
男「……」
友「右ストレートか左アッパー、どっちか選べ」
男「……あ、わり。ちょっと飲みもん取ってくるわ」
友「……」
友「この会話の噛み合わなさ……うん、なんか懐かしいね」
675: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:26:11.05 ID:sLJwSvP00
男「……やっぱ砂糖とミルクは二対八の割合だよな」ドサッ
友「……」
男「どうした? 頭抱えて」
友「いや、何でもねぇ……」
男「ふーん」ズズー
友「……」
男「……あぁ。そういや俺、さっきまで監禁されてたんだけどさ」
友「ほぉ……」
友「……お?」
676: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:29:39.60 ID:sLJwSvP00
友「お、お前まだ監禁されてんの!?」ガタッ
〈 カ,カンキン?
〈 ナンダナンダー?
〈 ザワ…ザワ…
男「声でかいぞ」
友「あ、あぁ……悪ぃ」
677: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:31:41.12 ID:sLJwSvP00
友「……いや、それマジ?」
男「あぁ。大体週に三回くらいのペースで」
友「バイトみたいに言うなよ」
男「……」ズズー
友「つーか委員長と付き合ってから一ヶ月以上経つよな?」
男「あぁ。時が経つのは早いな」
友「なのにまだ監禁されてんのかよ……」
男「あぁ」
678: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:33:31.57 ID:sLJwSvP00
男「最長で二日間縛られっぱなしってのはあった」
友「二日か…………って、二日?」
男「おう」
友「なんか案外短いんだな」
男「あぁ。大抵は俺が怒った振りすりゃ女が泣きそうになって解放してくれるからな」ズズー
友「お前、やっぱ隠れSじゃね?」
男「……逆に最短記録は十八秒だったっけな」
友「それ一体何が起きたの!?」
679: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:35:26.77 ID:sLJwSvP00
男「……」ズズー
友「つーか『さっきまで監禁されてた』って……大丈夫なのか?」
男「大丈夫。ちゃんと『友と遊ぶ』って置き手紙しといたし」
友「なるほど。オレをだしに使った、と」
男「そうなるな」
友「少しは否定しろよ……」
友(つーか委員長の奴、男と付き合えば少しは大人しくなると思ってたんだが……)
680: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:36:29.49 ID:sLJwSvP00
友「ま、見たところ大丈夫そうだったんだな」
男「あぁ」
友「今回はどんな感じだった?」
男「今回? 今回は……そうだな……」
ホワンホワンホワン……
681: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:40:16.90 ID:sLJwSvP00
男『……おっ』
女『目、覚めた?』
男『あぁ』
女『……』ニコッ
男『――おっ、手錠新しいのに変えたのか?』
女『うん』
男『ほぉー、格好良いな。ふーん』
女『……き、気に入ってくれたなら良かったよ』
682: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:42:35.88 ID:sLJwSvP00
男『……今日って何曜日だっけ』
女『金曜日だよ』
男『えっと……今週はこれで確か三回目か』
女『ううん。四回目だよ』
男『あぁ、そうだったっけ』
女『ふふっ。うっかり屋さん』ツンッ
男『あはは』
女『うふふ』
683: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:44:35.38 ID:sLJwSvP00
男『で、今日はどうやった? 何も飲み食いしてないよな?』
女『今回はなんと睡眠ガスを使いました!』
男『マジか。これまた思い切った事したなぁ』
女『手に入れるのが大変だったよ。でも効果てきめんだったね』
男『……あぁ、道理でガスマスクしてた訳だよ。成長したな』
女『ふふっ。ありが
友「はいごめんね!ちょっと一旦回想止めてもらえる!?」
684: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:46:44.06 ID:sLJwSvP00
男「なんだよ急に。良いとこだったろ」
友「……なんだよと言われたら言いたい事は沢山あるんだけど、取りあえず全体的に一言」
男「おう」
友「何だよこの会話!!?」
男「えっ」
685: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:49:49.53 ID:sLJwSvP00
友「お前縛られてたんだろ!?」
男「あぁ」
友「なんかもう全体的に軽すぎんだよ!『あはは』『うふふ』じゃねぇよ!!ガスマスクしてたら警戒しろよ!!!」
男「うるせぇな……周り見てるぞ」
友「馬鹿かよこいつら……あぁ馬鹿だったなそういえば……」
男「……でも毎回こんな感じだったけどな」
友(……慣れって怖いね……)
686: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:51:50.81 ID:sLJwSvP00
友「頼むよ……頼むから学べよ……」
男「じゃあ続けるぞ?」
友「……好きにしろ」
男「はい、リスタート」
ホワンホワンホワン……
687: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:56:04.06 ID:sLJwSvP00
男『女、これ外してくれ』
女『だめ』
男『マジか』
女『うん』
男『……』
女『……』
男『女』
女『はい?』
男『これ外してくれ』
女『いや、だから―――え?』
688: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:57:33.26 ID:sLJwSvP00
男『外して』
女『いやいや、今―――』
男『外してー』
女『ちょっ……』
男『外してくれ』
女『待っ……』
男『外してくれさい』
女『だ、だからダメだってばぁ!』
友(つ、ツッコミてぇ……!)ギリッ
男「何お前歯ぁ食い縛ってんの?」
689: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/17(火) 23:59:19.25 ID:sLJwSvP00
女『……じゃ、失礼します……』ギシッ
男『相変わらず体重軽いなーお前』
女『……』ゴクリ…
男『?』
女『……』ヌギヌギ
男『おーい、なんで上着脱いでんの?』
女『……ほ、ほら。今日は凄く寒いじゃない?』
男『……まぁ、まだ真冬だしな』
女『だから人肌で暖め合おうかなぁ……なんて……』
690: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:01:26.35 ID:mTDmQPig0
男『……』
女『……』
男『……』
女『……』
男『……と、言いつつも相変わらず顔が真っ赤な女であった』
女『っ……!////』
691: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:04:35.37 ID:mTDmQPig0
女『……今日こそ……今日こそ……』ブツブツ
男『なんか怖いぞお前』
女『……大丈夫。私はやれば出来る子……やれる子……』ブツブツ
男『……』
女『深呼吸……』スーハースーハー
男『……』
女『……最初は痛いって聞くけど……大丈夫。男くんとなら……』ブツブツ
男『……』
692: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:06:32.89 ID:mTDmQPig0
男『……ん?』
女『?』
男『おい、髪にゴミついてんぞ』
女『へ? どこ?』サッサッ
男『あー違う違う。もう少し上』
女『こ、この辺?』サッサッ
男『あー行き過ぎ。もう少し左の方に――』
女『取れた?』サッサッ
男『いや、全然』
693: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:10:30.54 ID:mTDmQPig0
女『うぅ……!』サッサッサッサッ
男『……』
女『と、取れた?』
男『……あぁもう焦れったい。これ外してくれ。俺が取ったる』
女『あ、なんかごめんね。お願い』カチャカチャ
男『おう。気にすんな』
女『……はい。外れたよ』
694: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:12:23.21 ID:mTDmQPig0
男『えっと、この辺に……』スッ
女『っ……』ピクッ
男『ん?』
女『あ、大丈夫。何でもない』
男『んー……なんか引っ掛かってて取りにくいな』サワサワ
女『んっ……そ、そう……?』
男『……』サワサワ
女『……んぅ……』モジモジ
695: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:14:18.74 ID:mTDmQPig0
男『……おし!取れたぞ』スッ
女『あ、うん。ありがと……』
男『……』サワサワ
女『……』
男『……』サワサワ
女『あのー……男くん?』
男『なんね』サワサワ
696: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:15:59.38 ID:mTDmQPig0
女『……もうゴミは取れたんでしょ?』
男『あぁ』サワサワ
女『……』
男『……』サワサワ
女『な、なのになんでまだ髪の毛触ってる、の……?』
男『なんか凄ぇサラサラだからずっと触りたくなってきてな』サワサワ
女『ちょっ……///』
697: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:17:14.40 ID:mTDmQPig0
女『……』モジモジ
男『……すまん。嫌だったか?』サッ
女『あっ……!だ、だめ!』
男『ん?』
女『や、やめないで……』
男『良いのか?』
女『……ぅん……///』
698: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:18:55.19 ID:mTDmQPig0
男『じゃ、失礼して』
女『はい……』
男『やっぱ柔らけぇなぁ』サワサワ
女『あ、あ、あり……がと……』
男『ずっと触ってたいぜー』サワサワナデナデ
女『そう…………嬉しい……///』
男『……』サワサワナデナデ
699: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:20:39.61 ID:mTDmQPig0
男『……』サワサワナデナデ
女『……っ……』
男『……』サワサワナデナデ
女『……んー……』
男『……』サワサワナデナデ
女『……気持ち…ぃぃ……』ウツラウツラ
700: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:23:11.59 ID:mTDmQPig0
……ホワンホワンホワン
男「―――で、いつの間にか女が熟睡したから、俺は普通に抜けてきたって訳だ」
友「……」
男「こうして俺は一流の撫でプロへの道を―――って、どうした?」
友「……今のって監禁された時の回想だよな?」
男「あぁ」
友「……」
男「?」
701: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:24:53.97 ID:mTDmQPig0
男「……あ、でも今度はちゃんと毛布も布団もかけてやったから風邪は引かないと思うぜ」
友「……そういう事じゃねんだよ」
男「??」
友「なんだよ今の回想!後半全部のろけ話じゃねーか!!」
男「え? そうか?」
友「自慢か。自慢か畜生……」
男「じゃあ自慢って事にしとくわ」
友「だから少しは否定しろよ!!」
702: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:27:24.30 ID:mTDmQPig0
友「それにしてもお前からのろけ話を聞かされるとはな……」
男「まぁ、さっきも言った通り毎回こんな感じだけど」
友「……ちっ……」ズズー
男「あ、それと女の寝顔は相変わらず可愛いのな」
友「くそっ、爆発しやがれ」
男「(笑)」
友「笑ってんじゃねーよ。ついでに飲みもん取ってこい」
703: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:31:04.80 ID:mTDmQPig0
友「……つーかお前、毎回こんな感じだって言ったよな?」
男「あぁ」
友「じゃあ何か? お前毎回押し倒されてんの?」
男「あぁ。ここんとこずっとな」
友「……でも、その、なんだ。そういう事はしてねぇんだろ?」
男「あー、そういうのはまだ早いだろ。うん」
友(……委員長、このアホは強敵だ。頑張れよ……)
704: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:35:42.94 ID:mTDmQPig0
男「……で、お前の方はどうなんだ?」
友「オレ?」
男「あぁ。姐さんと妹ちゃんは元気か?」
友「……あー、二人とも相変わらずだよ」
男「ふーん。って事は相変わらず姐さんは光り物常備してんのか」
友「まぁな」
男「……で、妹ちゃんは超絶豆腐メンタルと」
友「まぁな……」
男「お前も大変だな」
友「……まぁな……」
705: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:38:41.66 ID:mTDmQPig0
男「なぁ」
友「ん」ズズー
男「……お前はさぁ、彼女作んねぇの?」
友「んー……まぁ今は自分の事で精一杯だしな」
男「ふーん」
友「それに、お前みたいに自分の事を一途に想ってくれる娘が同じクラスにいました!なんて事がありゃ苦労しねぇしな」
男「もしかしてそれが本音か?」
友「悪ぃかよ。大体なぁ―――」
706: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:40:56.83 ID:mTDmQPig0
* * * * * * * * * * *
707: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:41:44.26 ID:mTDmQPig0
友「……おっと、もうこんな時間か」
男「マジだ。早いな」
友「そんじゃあこの辺でお開きにすっか」
男「まぁファミレスで駄弁っただけだけどな」
友「てめーが呼んだんだろうが。その上ご丁寧に惚気てくれやがって」
男「めんご」
友「……ったく……」
708: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:43:08.50 ID:mTDmQPig0
友「―――じゃあまた明日」
男「おう。学校で」
709: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:44:22.53 ID:mTDmQPig0
友「もう監禁されないようにな」
男「お前こそ刺されないようにな」
おわり。
711: ◆4dEEs59OFQ 2012/01/18(水) 00:47:57.26 ID:mTDmQPig0
これにて終了です。ホントに終了です。
蛇足だったかも知れませんが、どうか生暖かい目で見てやって下さい。
長々と書くのもアレなんで、最後に一言だけ。
今まで本当に有難うございました!