【ss】旅人「ここらに飯屋はあるか?」村人「やぁ、ここはザンドラの町だよ!」

2019年01月17日
【ss】旅人「ここらに飯屋はあるか?」村人「やぁ、ここはザンドラの町だよ!」

1: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 20:32:33.931 ID:8tV8lUrb0.net
旅人「あ?」

村人「昔は鉱山が発達していて豊かだったが今じゃk」

旅人「んなこと聞いてねーんだよ、飯屋はどこにあるかって言ってんだよ」

村人「‥‥あっちに」

旅人「なんだよ、ちゃんと言えるんなら初めから言えよ、なぁ?」

村人「すいません」

旅人「まさか、来た奴全員にいってんのか?」

村人「‥‥あの」

旅人「他力本願じゃ何も変わらねーぞ」

旅人「じゃあな」


2: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 20:33:20.350 ID:8tV8lUrb0.net
バタンッ

旅人「‥‥」

ザワザワ

娘「いらっしゃい」

旅人(疎外感あるなぁ‥‥)

娘「何にしますか?」

旅人「あー、水を。」

旅人「それからこの一番安いランチな」スッ

娘「かしこまりました」

娘「どうぞ」

コトッ

旅人「」ゴクッゴクッ

旅人「はぁっ‥」

娘「旅人さんかしら?」

旅人「‥‥」

娘「ここら辺じゃ見ない顔だから珍しくって」

旅人「旅人だったらなんなんだ?さっさと飯をもってきな」

4: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 20:34:19.546 ID:8tV8lUrb0.net
娘「ごめんなさい」

大男「おい、お前」

ガタ

旅人「あ?」

大男「他所の地ででかい顔したいのはわかるけどよ」

大男「調子に乗ったらいけないな」

旅人「は?当たり前の事言ってるだけだが?」

旅人「それにデカい顔はお前だろ、てっきりオークかと思ったよ」

大男「てめぇ、それは俺の鼻の事を言ってのかッ?!」

旅人「おお、オークにも皮肉って通じるんだな」

大男「てめぇ表にでろッッッ!!」

娘「や、やめてください!!」

旅人「だとよ」

大男「ここは、娘ちゃんに免じておさめるが」

大男「街中は気をつけて歩くことだな」

旅人「それは親切にどうも」

大男「ふん」

5: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 20:36:04.110 ID:8tV8lUrb0.net
娘「悪いわね、ここの人は仲間意識が強くて」

旅人「こんな世の中だしな」

娘「そう言ってくれると助かるわ」

娘「どうぞ」

コトッ

旅人「こんなに頼んでないけど?」

娘「ふふっ、サービスです」

旅人「礼は言わないからな‥‥」

ガツガツ

6: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 20:41:36.943 ID:8tV8lUrb0.net


旅人「さて、天気もいいし裏路地で野宿するか‥‥」

旅人「よし」

ゴソゴソ

‥‥

『それはホントか‥‥』ヒソヒソ

『はい、まだ半年も経ってないのに』

旅人(この家から‥‥)

『しかしこれ以上女を生け贄になんて‥‥』

『次はパブの娘を‥‥』

『しかし娘はまだ若い‥‥』

『村長‥‥決断を‥‥』

旅人「これは‥‥」

旅人(金になるな‥‥)

7: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 20:43:29.416 ID:8tV8lUrb0.net


バタン

娘「いらっしゃい」

ザワザワ

大男「また、来たのか‥‥」

旅人「‥‥」

旅人「水を」

娘「はい」

8: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 20:50:20.693 ID:8tV8lUrb0.net
旅人「あんたここのマスターだよな?」

娘「?」

娘「はい、そうですよ」

旅人「じゃあ、聞きたいんだけど生け贄ってなんだ?」

娘「!?」

大男「おい!きさま!」

旅人「あ?」

大男「出ていけ!」

旅人「出るのはおまえのほうだ」

旅人「こいつはパブのマスターで俺は旅人だ」

旅人「情報を聞いてなにがわるい」

旅人「お前はこいつをマスターとして認めてないっていうのか?」

大男「そ、それは‥‥」

9: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 20:57:52.733 ID:8tV8lUrb0.net
娘「若い女性は生け贄になるんです」

大男「‥‥」

旅人「生け贄‥‥」

娘「東の塔に住み着いた魔獣レオパルド‥‥」

娘「今は亡き魔王の幹部で、百獣の王を名乗る魔物です」

旅人「ふーん」

娘「昔この町が鉱山で栄えていた頃に目を付けられ‥‥」

娘「多くの人が殺されました」

娘「その後はこれ以上犠牲を出したくないなら‥‥」

旅人「生け贄を出せと‥‥」

娘「それからは強力な魔物が統治していると人足が遠退いて」

娘「以前の活気はなくなってしまって‥‥」

11: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 21:02:15.297 ID:8tV8lUrb0.net
旅人「ありがとうな」スッ

ゴクッゴクッ

旅人「じゃあな」ガタッ

娘「あのっ‥‥」

娘「いっちゃった‥‥」

大男「は、勝手にさせてろ」

12: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 21:07:51.243 ID:8tV8lUrb0.net
バァンッ

村長「な、何事だ!」

旅人「よう」

村長「だ、誰じゃきさま!?」

旅人「旅人に名前は必要ないだろ」

村長「なんて不躾なやつだ」

旅人「そうか?レオナルドを倒してやると言ったら?」

村長「レオナルド‥‥レオパルドか?」

旅人「レオパルドだ」

村長「やめてくれ‥‥」

旅人「は?」

村長「レオパルドが貴様一人に倒せるとは思えん」

村長「それにもし失敗してしまえばどんな報復されるか‥‥」

旅人「‥‥」

村長「今度こそ町は全滅してしまう‥‥」

14: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 21:09:54.533 ID:8tV8lUrb0.net
旅人「じゃあ、全滅しろよ」

村長「な、なんじゃと」

旅人「結局お前らはなんの行動も起こさず」

旅人「」

15: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 21:09:54.816 ID:8tV8lUrb0.net
旅人「じゃあ、全滅しろよ」

村長「な、なんじゃと」

旅人「結局お前らはなんの行動も起こさず」

旅人「」

17: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 21:16:25.085 ID:8tV8lUrb0.net
途中送信すまない

旅人「じゃあ、全滅しろよ」

村長「な、なんじゃと」

旅人「結局お前らはなんの行動も起こさず」

旅人「女一人に全てを押し付けてのうのうと暮らす」

旅人「そんな腐った町はとっとと全滅した方がいい」

村長「‥‥現実は甘くないんじゃ」

旅人「そうかもな、しかしこのままでもこの町は終わる」

旅人「その前に俺に賭けてみろよ」

村長「‥‥」

村長「わかった‥‥」

旅人「よし、契約完了だサインしろ」

村長「ふむ」カキカキ

旅人「じゃあ、1000万を明日までに用意しておけ」

村長「わかった‥‥」

村長「1000万!?!?!」

旅人「おおっと、もう契約完了だぞ?」

18: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 21:20:01.375 ID:8tV8lUrb0.net
村長「い、1000万なんて大金この町には」

旅人「そうか?町中かき集めればそれくらいあるんじゃないか?」

村長「ま、町中!?」

旅人「そうだよ、這いつくばってでも集めろ、少しでも足りなければ俺がこの町を滅ぼすからな」

村長「そ、そんな‥‥」

旅人「これは今までのツケだ」

旅人「そろそろその足で行動してみろよ」

旅人「村長なんだろ‥‥じいさん」

村長「‥‥‥‥」

旅人「じゃあな」

19: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 21:24:26.141 ID:8tV8lUrb0.net
~東の森

大男「すまねぇな‥‥娘‥‥」

大男「俺に力がなくて‥‥」

娘「いいのよ、別に」

娘「大男さんが店に来てくれるだけで助かってましたよ」

娘「ありがとう」

大男「すまない‥‥すまない‥‥」

娘(もう来ちゃったんだなぁ‥‥)

娘(私の‥‥番が‥‥)

娘「ここまででいいよ、大男さん」

大男「娘ぇ‥‥」

娘(母さん、もうすぐ行くよ)


20: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 21:28:36.508 ID:8tV8lUrb0.net


旅人「おい」

大男「?」

大男「てめえは、クソガキ」

旅人「のこのことまた一人」

旅人「生け贄を出したか」

大男「なんだと!?!」

旅人「どんだけ正義ぶっても結局やってることは糞だな」

大男「おまえに何がわかるって言うんだ!?!」

旅人「おう、じゃあケリ着けてやろうか」

旅人「その伸びきったきたねぇ髭を切り落としてやるよ」

大男「てめぇぶっ殺してやる!!!!」

ガッ


22: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 21:38:38.914 ID:8tV8lUrb0.net
門番1「ギギ?」

門番2「きたか、イケニエ!」

娘「‥‥」

門番1「門を開けろ!」

ガガガガガ

門番2「任せたぞ‥‥」

門番1「任せろ‥‥ギギ!」

門番1「こい、イケニエ!」

娘「‥‥」スッ

ガガガガガ

門番2「‥‥‥‥」

門番2「ふう、やっとサボれるぜ‥‥」

門番2「ギギ?」

「‥‥」

門番2「女か?イケニエを二人とは殊勝な心がけだな人間?」

門番2「よし、こっちに来い!」

「‥‥‥‥」スッ

門番2「ん?」

ズバッ

門番2「ギィヤッッ」

スッ

旅人「てめぇ、ママに言われなかったか?」

旅人「人間は信じるなってよ?」

旅人「にしてもおっさんの髭は臭すぎるぜ」ポイッ

旅人「ふっ」ギギギギ

旅人「この門こっちからは空かねえのか」

旅人「別ルートを探すしかないな‥‥」

24: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 21:47:26.258 ID:8tV8lUrb0.net
~謁見の間

ギギィ

衛兵「レオパルド様」

衛兵「生け贄をお連れしました」

レオパルド「ほう、なかなかの上玉だな」

娘「‥‥」

レオパルド「ん?お前‥‥」

レオパルド「なるほど、この前の生け贄の娘か?」

娘「!!」

レオパルド「あいつも上玉立ったんだが脆くてなぁ」

レオパルド「すぐに死んでしまったからなぁ」

娘「ひどい‥‥」

レオパルド「なぜ女が生け贄になるかわかるか?」

レオパルド「もちろん子孫を残すためだ」

レオパルド「貴様は脆くない事を祈るぞ」

娘か「うぅ‥‥」

レオパルド「衛兵、下がれ」

衛兵「はっ‥‥」

バタン

レオパルド「ふふふ、では楽しませて貰うぞ」

娘「」ブルブル

レオパルド「はぁ」ビリビリ

娘「い、いやぁ!!」

25: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 21:52:05.247 ID:8tV8lUrb0.net
レオパルド「なぁに、すぐに良くなるさおまえの母のようにな」バキバキッッ

娘「‥‥」

バァンッ

レオパルド「ん?」

衛兵「」

レオパルド「おい、入ってくるんじゃない」

衛兵「」ツカツカ

レオパルド「おい‥‥緊急か?」

衛兵「おらぁ!!」

グサッッッ

レオパルド「ぎゃぁぁぁあ!!」

衛兵「おい、娘大丈夫か?」

娘「!!」

娘「た、旅人‥‥さん?」

26: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 22:04:26.928 ID:8tV8lUrb0.net
レオパルド「貴様!生きて帰れると思うなよ!」

旅人「黙ってかかってこいよ」

レオパルド「うおおおおお」

ドドド

旅人(は、はえぇ)

旅人(防げないッッッ)

旅人(横に避けッ)

旅人(いや前だッッッ!!)

レオパルド「ハァァァ!」ブゥンッ

ズサァォォ

レオパルド「股の間を‥‥」

旅人「‥‥」

旅人(ダメだ、二度目はない‥‥!)

レオパルド「うおおおおお」

旅人「目潰し!」

バッ

レオパルド「グッ、なんだこれは」

旅人「死ねや!!」

ザクッ

レオパルド「ッッッッッッ」

旅人「これでお別れだ、息子に挨拶しとけよ」

レオパルド「ウオオオオオオオオオオ」ガクッ

旅人「おい、娘!!」

旅人「走るぞ!!」

ガシッ

娘「は、はい」

バタバタ

27: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 22:09:53.979 ID:8tV8lUrb0.net
バタンッ

「「「侵入者だ!」」」

「「門番がやられてるぞ」」

「「「いた!上だぁ!」」」

旅人「くそ、下は無理か」

旅人「上にいくぞ!」

娘「は、はい!」

ドドド

旅人「はぁ、はぁ」

旅人「この扉‥‥宝物庫か‥‥」

ギィ

旅人「開いてる!」

娘「旅人さん!魔物が!」

旅人「お前はここに入れ!」

娘「え!旅人さんは!?」

旅人「お前がいると足手まといなんだよ!」

娘「そんな‥‥」

旅人「中から鍵を賭けるんだぞ」

バッ

娘「た、旅人さん!!」

28: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 22:18:22.370 ID:8tV8lUrb0.net
旅人「はぁ、はぁ」

旅人「こんなデカい螺旋階段を作ったアホは誰だ‥よ‥」

旅人「お、この扉‥‥酒の貯蔵庫」

旅人「ん、まだ来てねぇな」

旅人「」ゴクッゴクッ

旅人「はぁっ!いい酒だなオイ」

「「「ギィ!居たぞ!侵入者だ!!」」」

旅人「きたきた」

旅人「お前らも一杯どうだ?」

旅人「樽ごとな!!」

ドンッ

ゴロンッゴロンッ

衛兵「ギィッ!」

衛兵「ヤバい!逃げろ!」

ドカンドカン

「「「ぎゃぁぁぁあ!!」」」

旅人「ははっ、命綱なしにバンジーか」

旅人「ほらもう一個」

ドンッ

ゴロンッゴロンッ

29: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 22:22:54.783 ID:8tV8lUrb0.net
『ウオオオオオオオオオオ』

旅人「生き返ったか‥‥レパルド」

ドドド

旅人「おまえも飲んでいけよ!」

ドンッ

ゴロンッゴロンッ

レオパルド「ガァッ!!」

バコンッ

べしゃぁぁぁ

旅人「だめだ、止まらない」


30: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 22:31:28.411 ID:8tV8lUrb0.net
~頂上

旅人「‥‥」

レオパルド「もう、逃げられんぞぉ!」

旅人「お前もな」

レオパルド「最後まで口の減らん奴だな!」

レオパルド「しねぇ!!」

旅人「目潰しぃ!」

バッ

レオパルド「ぐうっ」

レオパルド「また砂か!」

旅人「いまだ!」バッ

ガシッ

旅人「なッ!?」

レオパルド「目が見えずとも鼻が利くんだよ」

旅人「ッッ」

レオパルド「ふんっ!」

ビタンッッッ

旅人「が‥‥‥‥」

ギリギリ

旅人「そ、そんなに握られると腕が千切れるって‥‥」

レオパルド「楽には死なせんぞ、まずは四肢をもいでやる」

旅人「いやだ!いやだ!」

旅人「死にたくない!殺さないでくれええぇ!」

旅人「頼む!頼むよぉ!!」

レオパルド「ふははは!無様なやつだ!!」

31: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 22:41:31.759 ID:8tV8lUrb0.net
旅人「最後に願いを聞いてくれ‥‥」

レオパルド「はっ!いいだろう」

旅人「ひ、左手で酒を取らせてくれ」

旅人「これだけは飲みたいんだ‥‥」

旅人「いいだろう?」

レオパルド「いいだろう‥‥」

旅人「」スッ

旅人「お前が飲め!!」

バカンッッッ

レオパルド「ぐっ」

ポタポタ

旅人「どうだ、美味しいか?」

レオパルド「その左腕から貰うぞ!」

レオパルド「ガァッ!!」

ガキン

レオパルド「?」

旅人「とっくに義手なんだよ、俺は弱いからな」

旅人「おまえ程度には噛みきれ無いけどな」

レオパルド「なんだと!?俺を舐めるなぁ」

ガギンッッガギンッッッ

ボウンン

レオパルド「あが‥‥アアアアアアア」

旅人「はっはっはっ!バカが!」

旅人「やっと火花が着火したか!」

旅人「飛びっきりの酒によ!!」

レオパルド「あがぁぁぁう」メラメラ

旅人(結局酒程度の火じゃすぐに消えるか‥‥)

旅人「こっちだぁぁあレオパルド!!」

旅人(ギリギリまで引き付けて)

旅人(こいつだけ、塔の上から落とす!!)

32: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 22:50:39.366 ID:8tV8lUrb0.net
レオパルド「しねぇぇぇぇええ」

ドドドッッ

旅人(なっ!、嘘だろ‥‥)

ドゴン

旅人(こいつ、初めから道ずれ狙いの捨て身タックル‥‥)

レオパルド「ふははは!お前の強さを認めた上での心中だ!!」

レオパルド「あの世でもう一度戦おうぞ!!」

旅人(俺‥‥死ぬのか‥‥)

旅人(しかもこんな高いところから落ちるなんて‥‥)

旅人(あぁあ、死ぬときまで助けなければ良かったと思って俺はやはりクズか‥‥)

旅人(これが勇者と凡人の差か‥‥)

旅人(勇者に慣れなかった者の末路‥‥‥‥)

旅人(俺が弱かったから‥‥だろうけどな‥)

「旅人さん!!!」

旅人(こんな時にも幻聴が‥‥)

娘「手を!!」


33: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 22:52:38.454 ID:8tV8lUrb0.net
ヒュウウウウウン

ズドオオオオオオオオン!

門番1「ひい!レオパルド様が落ちてきた!?」

衛兵「おい!レオパルド様が殺られたぞ!!」

「「にげろおおお!あいつは」」

「「ヤツに違いない!!!」」

「「ぎゃああああああにげろおお」」


34: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 22:56:25.608 ID:8tV8lUrb0.net
~宝物庫

旅人「はぁ、びっくりしたぁ‥‥」

娘「それはこっちの台詞ですよ!」

娘「大きな音がしたと思ったら上から落ちてくるんですもの」

旅人「礼は言わねぇからな‥‥」

娘「礼なんて‥‥」

娘「旅人!う、腕が!」

旅人「あぁ、これは義」

旅人(‥‥まてよ)

旅人「頼む‥‥町から医者を‥‥」

娘「わ、わかりました!」

旅人「‥‥達者でな」

娘「そんな不謹慎なこと言わないでください!!」

娘「すぐに戻りますから!」

ドドド

旅人「‥‥今のは」

35: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 23:01:25.723 ID:8tV8lUrb0.net
~ザンドラ

娘「誰か!!」

大男「おお!!娘ちゃん!!無事だったか!!」

娘「大男さん!そ、その髭は切っちゃったんですか!?」

大男「こ、これはまぁ、それより」

大男「あの男は?」

娘「そ、そうでした!旅人さんが助けてくれて」

娘「レオパルドもやっつけたんです!」

村長「旅人‥‥やりおったか‥‥」

大男「村長‥‥」

村長「町中に頭を下げて集めた金‥‥二百万ある」

村長「残りはツケにと言ってくれるか‥‥」

娘「その旅人さんが腕が無くなってて‥‥」

娘「重体なんです!!」

大男「なんだと!すぐに動ける奴でパーティーを組んで行こう!」

村長「ワシもいくぞ!」


36: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 23:09:27.384 ID:8tV8lUrb0.net
~東の塔

大男「この宝物庫か!?」

娘「そうです!!」

大男「おい!旅人!!」

バァンッッ

大男「あれ?」

若者「だ、誰もいない‥‥?」

村長「はぁ、はぁ、老体には堪える階段じゃ」

村長「旅人は?」

大男「それがいないんです‥‥」

娘「そん‥な‥‥」

娘「もしかして残党に?!」

村長「それはないじゃろう」

村長「血もなければ争った形跡もないからの」

大男「あいつ‥‥報酬も貰わずに消えたのか‥‥」

大男「なんていい奴だったんだ‥‥それなのに」

大男「俺は‥‥」

村長「それに、これだけの宝があれば街も再建できる!」

村長「また、あの日のように!」

若者(お、これは一番いい宝箱だな‥‥)

大男「おぉ、噂に聞いた宝箱だな」

大男「レオパルドのやつ相当に金貨を溜め込んでいたようだから」

大男「これで街が」

パカッ

村長「‥‥‥‥」

大男「あのやろぅ‥‥」

若者「か、カラだ‥‥」

大男「これも空だ!」

村長「この宝箱も!!」

「「「くそったれええええ!!」」」

37: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 23:19:27.749 ID:8tV8lUrb0.net
~数ヵ月後

ガヤガヤ

「こっち酒追加!」

「こっちにもくれよ!!」

「ザンドラの酒は最高のだな!」

娘「はーい!今すぐ!」



レオパルドが倒された噂は瞬く間に広がり、また旅人や鉱山員が戻ってきました。

残されたお宝を使い街は以前よりも活気に満ち溢れています。

私のパブもマスターとして多くの人と接して目の回るような忙しさですが充実しています。

大男さんは鉱山が動き出すと言うことで、また鉱山長に戻っているみたいです。

大男「おら!もっと腰を入れて掘れや!」

鉱山員「は!はいぃ!」

村長も今までより街を大きくしようと、あの日以来尽力しています。

でもふと思い出すんです。生け贄だった私をどこかの旅人さんが助けてくれた事を‥

口は悪いけど‥‥

私にとっては、勇者様です。

宛のない手紙をまた、出します。

38: VIPがお送りします 2017/07/25(火) 23:22:06.403 ID:8tV8lUrb0.net
~いつかのどこか

「このままではヒトクイトロールに村が‥‥」

「村人が全員食われてしまう‥‥」

『おい』

「あ、あなたは?」

『誰でもいいだろう』

「ならば片腕の‥‥助けてくださらぬか?」

『いいぜ』

『いくら出す?』

~fin

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