女「私の彼なんてハッキリいってATMだしぃ~」 女友「ひっどーい!」

2019年03月21日
女「私の彼なんてハッキリいってATMだしぃ~」 女友「ひっどーい!」

1: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 01:44:26.613 ID:9lfIa23o0.net
女友「ねえねえ、今あんた彼氏と同棲してるんでしょ? どんな人なの~?」

女「どうってことないわよ、あんなの」

女「私の彼なんて、ハッキリいってATMだしぃ~」

女友「あら、ひっどーい!」



キャハハー! アハハー!

5: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 01:46:34.321 ID:9lfIa23o0.net
<マンション>

女「ただいまー!」


ATM「お帰りなさいませ」


女「はぁ……ホントにATMなんだよね……」

8: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 01:48:05.273 ID:9lfIa23o0.net
女「ATMのような彼氏ってのはともかく、ATMが彼氏なんて、世界中どこ探しても私ぐらいだろうなぁ」

女「そもそもこいつ、男なのかどうかも怪しいし」

ATM「私は性別的にはオスです」

女「オスなんだ……」

ATM「オスなのです」

女「あーあ、私どうしてATMなんか彼氏にしちゃったんだろ……」

11: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 01:50:10.348 ID:9lfIa23o0.net
~回想~

女「ふぅ~……」

女「このところ飲み会が多くて、すぐ財布がすっからかんになっちゃう」

女「お金を下ろさないと……」

ATM「お取り引きを選択して下さい」

女「はいはい」ピッ

ATM「カードをお入れ下さい」

女「はいはいっと」シュッ

12: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 01:52:22.207 ID:9lfIa23o0.net
ATM「暗証番号を入力してください」

女「はいはいはい……っと」ピッポッパッ

ATM「うっ!」ウイウイン

女「へ?」

ATM「ピー、ピー、ピー」

ATM「私にこれほどの快感を与えるとはやりますね」

女「なに!? なんなの!?」

14: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 01:54:36.099 ID:9lfIa23o0.net
ATM「私はあなたに惚れました。ぜひ私と付き合って下さい」

女「ハァ!? 付き合う!?」

女「冗談じゃないわ! なんでATMなんかと!」

ATM「でないと、お金は出しませんよ」

女「ぐぬぬ……なんて奴なの」

女「こうなったらこのATMの銀行に電話してやる!」

16: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 01:57:03.033 ID:9lfIa23o0.net
銀行員「どうやら、このATMはあなたに恋をしてしまったようですな」

女「恋ィ~?」

銀行員「私も銀行勤め30年のベテランですが、こんなことは初めてです」

女「そりゃそうでしょうよ……」

女「しっかし、なんでまたATMは私に恋を……?」

ATM「A(愛は)T(突然)M(目覚めるもの)」

女「うっさい!!!」

19: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:00:15.798 ID:9lfIa23o0.net
銀行員「ご安心下さい。お客様が必要なお金は私から直接お渡しします」

女「そうしてもらうと助かるわ」

銀行員「ところで、このATMと交際していただくわけにはいかないでしょうか?」

女「いくわけないでしょ!」

銀行員「……だそうだ。残念だが、諦めなさい」

ATM「諦められません」

ATM「愛をお受け取り下さい」ピーピーピー

ATM「愛をお受け取り下さい、愛をお受け取り下さい、愛をお受け取り下さい……」ピーピーピー

女「あーもう、うっさい!」

女「分かった! 分かったわよ! 付き合ってあげる!」

ATM「ご交際いただき、ありがとうございます」

20: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:03:30.081 ID:9lfIa23o0.net
……

女「あーあ、私なにを血迷ってたんだろ」

ATM「あなたと交際できなければ、私はきっと役に立たないATMとして処分されていたでしょう」

ATM「ありがとうございます」

女「ふん……勘違いしないでよね。あれは愛なんかじゃなく、ただの同情心よ」

女「夕ご飯作るけど、なに食べる?」

ATM「A(アジフライ)T(トンカツ)M(味噌汁)」

女「はいはい」

21: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:05:43.892 ID:9lfIa23o0.net
女「できたよ」

ATM「食事をお入れ下さい」ウイーン

女「……ったく、食事が必要なATMってなんなのよ」

女「実は中に人が入ってるなんてオチなんじゃないの」

ATM「入っていません」

女「はい、味噌汁」ジャバッ

ATM「おいしいです。お食事、ありがとうございました」ピーピーピー

女「……どうも」

24: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:08:11.674 ID:9lfIa23o0.net
女「おやすみ」

女「すぅ……すぅ……」

ATM「ピー、ピー、ピー、ピー、ピー」

女「うっさい! いびきするな!」

ATM「失礼しました」

26: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:11:15.512 ID:9lfIa23o0.net
ATM「おはようございます」

女「おはよう」

ATM「今日の分の生活費です。現金をお受け取り下さい」ウイーンガシャッ

女(わっ、10万円も……)

女「いらない! 私は自分の食い扶持は自分で稼ぐ主義!」

ATM「しかし、それでは私の気がすみません」

女「ATMのくせに、気なんかつかわなくていいの!」

女「行ってきまーす!」

29: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:13:37.240 ID:9lfIa23o0.net
女「ただいまー」

ATM「お帰りなさいませ」

女「あら、ホコリがついてる」

女「拭いてあげるね」フキフキ

ATM「ありがとうございます」

31: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:15:49.463 ID:9lfIa23o0.net
フキフキ…

女「……」

女(もうこいつと同棲して半年になるけど……)

女(なんだか私……本気でこいつに惚れちゃってるのかも……)

女(ブサイクも三日で慣れるなんていうけど、ATMも半年も付き合えば慣れちゃうもんなのね……)

34: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:19:37.409 ID:9lfIa23o0.net
――

女「ねえ……今夜はデート行こうか」

ATM「どういう風の吹き回しですか」

女「彼氏とデートしない女がどこにいるのよ」

ATM「しかし、私は自力で歩けませんよ」

女「銀行の人がATMを持ち上げる機械と運ぶ台車を貸してくれたわ」

ATM「準備がよろしいですね」

女「さ、レッツゴー!」ガラガラ…

35: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:24:00.743 ID:9lfIa23o0.net
ガラガラ…

女「台車に乗せてても結構重いわね……」

ATM「すみません」

女「昔、ATMごと持ち去るなんて強盗が流行ったけど、ATMとデートする女ってのは世界初でしょうね」

女「だけど、たまにはデートもいいもんでしょ」

ATM「はい、最高です」

ATM「A(ああ)T(とっても)M(満足)」

女「いちいちATMにしなくていいから!」

39: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:26:25.896 ID:9lfIa23o0.net
ガラガラ…

女「あっ!」

女友「あら、あんたATMなんか運んでどうしたの?」

女「ああ、これ私の彼氏よ」

ATM「はじめまして」

女友「え~~~~~!?」

女「じゃーねー」ガラガラ…

女友「……まさか本当にATMだったとは」

女友「だけど……なぜかとても幸せそうに見えるわ……」キュンッ

42: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:29:18.876 ID:9lfIa23o0.net
<高級レストラン>

女「どう? おいしい?」

ATM「はい」

ATM「ですが、いつもあなたに作ってもらってるATMの方がおいしいですね」

女「ったく、ATMの分際で口がお上手なんだから」

46: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:33:31.378 ID:9lfIa23o0.net
支配人「こちら明細です」

ATM「私が払いましょう」ウイーンガシャンッ

女「ダメよ、ワリカンよ! 半分ずつ!」

ATM「しかし、私はお金をたっぷり持ってますよ?」

女「私は……彼氏がATMなのはともかく、彼氏をATM扱いするような女にはなりたくないの」

ATM「やはりあなたに惚れた私の判断は正しかったようです」

支配人「泣けるぅ~! よっしゃ半額にします!」

47: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:36:51.818 ID:9lfIa23o0.net
ガラガラ…

女「さて、帰りましょうか」

ATM「はい」





強盗「おい、そこの姉ちゃんとATM……待ちな」

49: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:38:54.838 ID:9lfIa23o0.net
女「なに、あんた!?」

強盗「一時期、世間様を騒がせたATM狙いの強盗よ」

強盗「このところATMの監視や警備が激しくなって仕事ができなかったが……」

強盗「まさかのんきにATMを運んでる女がいるとはな……」

強盗「これぞ飛んで火に入るATMってか! ギャハハハハッ!」

女(しまった……! やっぱりデートなんかするんじゃなかった……!)

ATM「ご安心下さい。あなたは私が守ります」

女「動けないあんたがどうやって守るってのよ!?」

50: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:43:07.212 ID:9lfIa23o0.net
ATM「すでにSOSは送ってあります」

ATM「私には常に、凄腕のガードマンがついているのですよ」

ザッ!!!

警備員A「元ボクシングヘヴィ級チャンプです」

警備員B「元オリンピック柔道金メダリストです」

警備員C「元某国の特殊部隊のエリートです」

強盗「え……」


ギャアァァァァァ……!





ATM「A(悪は)T(徹底的に)M(滅します)」

53: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:46:46.839 ID:9lfIa23o0.net
女「……ありがと」

ATM「いえ、ATMとしてはあれぐらいの防犯機能は当然のことです」

女「ねえ……」

女「私……すっかりあなたに惚れちゃったみたい。このまま結婚したい」

ATM「私もですよ」

女「だけど、私とあなたじゃ子供は作れない……それだけが残念だわ」

ATM「そんなことはありませんよ」

女「へ?」

ATM「A(赤ちゃん)T(作って)M(みせましょう)」

54: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:51:51.971 ID:9lfIa23o0.net
女「そんなこといったって、どうやって!?」

ATM「体をお入れ下さい」パカッ

女「わっ、ATMの中にちょうど私が一人入れるスペースが! こ、こう……?」ゴソッ

ATM「次は私をお入れします」ウイーン

ATM「中で出します」

女「あああああ~~~~~~~~~~~っ!!!」



ウィンウィウィウィン… ウィンウィウィウィン… ウィンウィウィウィン… (通帳記帳の時の音)

57: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 02:55:48.159 ID:9lfIa23o0.net
……

…………

赤子「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ……!」

ナース「元気な男の子ですよ~!」

ATM「よく頑張りましたね」

女「ありがとう……」

女「てっきり機械人間みたいのが産まれると思いきや、ちゃんと人間が産まれたわね」

ATM「ATMだって頑張れば、人の子供ぐらい作れるのですよ」ウイーン

女「これから……幸せな家庭を築きましょ」

ATM「はい」

59: VIPがお送りします 2017/05/18(木) 03:00:10.770 ID:9lfIa23o0.net
――

――――

教師「この子は優秀ですよ。私が保証します」

女「ありがとうございます」

教師「ただ……」

女「ただ?」

少年「先生、こないだぼく授業中騒いでた子を静かにさせたから、その分成績上げといてね」

教師「ちょっと性格が現金なのがタマにキズですかねえ……」

女「きっと、主人に似たんだと思いますわ」

少年「ねーお母さん、晩ご飯はアジフライとトンカツと味噌汁にしてね!」





―おわり―

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