男「猫をレンジに入れて乾かそうぜ!」女「きっとホカホカになるよ!」
1: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:37:48.084 ID:wCcjS4z90.net
猫「ニャ~ン」ビッショリ…
男「あらら、ずぶ濡れだぜ」
女「やだ~、かわいそう」
男「だったら、猫をレンジに入れて乾かそうぜ!」
女「うん、やろうやろう! きっとホカホカになるよ!」
男「あらら、ずぶ濡れだぜ」
女「やだ~、かわいそう」
男「だったら、猫をレンジに入れて乾かそうぜ!」
女「うん、やろうやろう! きっとホカホカになるよ!」
2: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:38:52.498 ID:RZm9XBu/r.net
にゃめて
3: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:39:48.418 ID:xWPXj8iU0.net
これ実話
「猫レンジ事件」「猫電子レンジ訴訟」などと呼ばれる事件。
とあるおばあさんが電子レンジをプレゼントされ、その機能を大層気に入り活用していた。ある日、飼い猫がずぶ濡れになって帰ってきたため、おばあさんは電子レンジを使って猫を乾かそうと考えた。猫を電子レンジにいれ温めをスタートしたところ、爆発を起こし、猫は亡くなってしまった。
そこで、おばあさんは電子レンジの取扱説明書を確認したが、「動物をいれてはいけない」という明記はなかったため、電子レンジの販売元を相手に訴訟を起こした。その結果、おばあさんの主張は認められ、多額の賠償金を手に入れることとなり、電子レンジの説明書には「動物をいれないでください」という注意書きが明記されるようになった。
とあるおばあさんが電子レンジをプレゼントされ、その機能を大層気に入り活用していた。ある日、飼い猫がずぶ濡れになって帰ってきたため、おばあさんは電子レンジを使って猫を乾かそうと考えた。猫を電子レンジにいれ温めをスタートしたところ、爆発を起こし、猫は亡くなってしまった。
そこで、おばあさんは電子レンジの取扱説明書を確認したが、「動物をいれてはいけない」という明記はなかったため、電子レンジの販売元を相手に訴訟を起こした。その結果、おばあさんの主張は認められ、多額の賠償金を手に入れることとなり、電子レンジの説明書には「動物をいれないでください」という注意書きが明記されるようになった。
4: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:40:38.828 ID:wCcjS4z90.net
女「じゃ、入れるね」スッ
猫「ニャ~ン」
女「どのぐらいあっためる?」
男「900Wで10分くらいでいいかな」
女「オッケー!」ピッピピッ
猫「ニャ~ン」
女「どのぐらいあっためる?」
男「900Wで10分くらいでいいかな」
女「オッケー!」ピッピピッ
7: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:43:04.172 ID:wCcjS4z90.net
ウイーン…
女「アハハ、回ってる回ってる」
男「これならきっと、すぐ乾くはずだ!」
女「体だけでなく、骨までホカホカになるよね!」
男「ああ、電子レンジのマイクロ波は体内まで温めるからな!」
女「アハハ、回ってる回ってる」
男「これならきっと、すぐ乾くはずだ!」
女「体だけでなく、骨までホカホカになるよね!」
男「ああ、電子レンジのマイクロ波は体内まで温めるからな!」
8: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:45:12.664 ID:wCcjS4z90.net
ウイーン…
男「もうそろそろ10分だな……」ゴクッ
女「うん……」ドキドキ
男「もうそろそろ10分だな……」ゴクッ
女「うん……」ドキドキ
10: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:47:31.032 ID:wCcjS4z90.net
ピーピーピー
男「終わった……」
男「よし……開けるぞ」
女「ドキドキするね……」
男「さあ、どうぞ」ガチャッ
男「終わった……」
男「よし……開けるぞ」
女「ドキドキするね……」
男「さあ、どうぞ」ガチャッ
14: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:50:20.924 ID:wCcjS4z90.net
モワァ~…
猫「……」
男「あ、あの……」
女「いかがでしたでしょうか、猫さん?」
猫「……ぬるい」
猫「……」
男「あ、あの……」
女「いかがでしたでしょうか、猫さん?」
猫「……ぬるい」
15: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:51:02.058 ID:Si0JsyjIa.net
良かった
16: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:51:28.756 ID:moOahAxt0.net
優しい世界
21: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:53:37.534 ID:wCcjS4z90.net
男「え……ッ」
猫「ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい」
女「あわわ……!」
猫「ぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるい」
男「あ……ああ……」ガタガタ…
猫「ぬるすぎるわァッ!!!」
猫「ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい、ぬるい」
女「あわわ……!」
猫「ぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるいぬるい」
男「あ……ああ……」ガタガタ…
猫「ぬるすぎるわァッ!!!」
25: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:56:37.107 ID:On/2elsyM.net
シャベッタアアアアア
26: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 00:57:25.450 ID:wCcjS4z90.net
猫「貴様ら、こんなオモチャで吾輩を乾かそうと思ったのか!?」
猫「こんなものでは10分どころか100分入ったところで、どうにもならぬ!」
猫「吾輩の肉体は乾かせても、ずぶ濡れの心までは乾かせぬわァッ!」
猫「貴様ら、吾輩の精神的湿度をナメておるのかァァッ!」
男「ひ、ひいいっ!」
女「申し訳ありません!」
猫「こんなものでは10分どころか100分入ったところで、どうにもならぬ!」
猫「吾輩の肉体は乾かせても、ずぶ濡れの心までは乾かせぬわァッ!」
猫「貴様ら、吾輩の精神的湿度をナメておるのかァァッ!」
男「ひ、ひいいっ!」
女「申し訳ありません!」
28: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:00:25.497 ID:wCcjS4z90.net
猫「そう……ずぶ濡れの心までは……乾かせぬのだ……」
『ニャ~ン』
『ごめんね、ごめんね……ぼくがバカだったせいで……』
猫「……」
『ニャ~ン』
『ごめんね、ごめんね……ぼくがバカだったせいで……』
猫「……」
29: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:04:11.598 ID:wCcjS4z90.net
猫「吾輩を失望させた罪は重い。覚悟はできておろうな?」ギロッ
男「ヒイッ、お待ち下さいませ!」
猫「弁解か……述べてみよ」
男「有り難き幸せ!」
男「今回の不祥事、おそらく電子レンジのパワーが不足していたのが原因かと……」
猫「レンジが悪いと申すのだな」
男「は、はいっ!」
女「そうです! 私たちは悪くありません!」
男「ヒイッ、お待ち下さいませ!」
猫「弁解か……述べてみよ」
男「有り難き幸せ!」
男「今回の不祥事、おそらく電子レンジのパワーが不足していたのが原因かと……」
猫「レンジが悪いと申すのだな」
男「は、はいっ!」
女「そうです! 私たちは悪くありません!」
31: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:07:17.048 ID:wCcjS4z90.net
猫「……」
男「……」ガチガチガチ…
女「……」ドキドキドキ…
猫「ならば訴訟だ」
男「え……ッ」
女「ま、まさか……」
猫「この電子レンジのメーカーに訴訟を起こせィッ!!!」
男女「は、ははーっ!」
男「……」ガチガチガチ…
女「……」ドキドキドキ…
猫「ならば訴訟だ」
男「え……ッ」
女「ま、まさか……」
猫「この電子レンジのメーカーに訴訟を起こせィッ!!!」
男女「は、ははーっ!」
33: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:12:05.551 ID:wCcjS4z90.net
地方裁判所――
猫「ゆくぞ」ニャン
男「あ、あの……」
女「私たちもご一緒して、よろしいので?」
猫「当然だ」
猫「裁判はハードな務め……猫の手も借りねばならぬ」
男「ははーっ!」
女「光栄ですわ!」
猫「ゆくぞ」ニャン
男「あ、あの……」
女「私たちもご一緒して、よろしいので?」
猫「当然だ」
猫「裁判はハードな務め……猫の手も借りねばならぬ」
男「ははーっ!」
女「光栄ですわ!」
34: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:14:47.757 ID:wCcjS4z90.net
猫「それにしても狭い裁判所だ。開放感がなく、窮屈でかなわぬ」
猫「まるで猫の……」
猫「猫の……」
猫「えーと……猫の……」
男「猫の額ですか?」
猫「知ってた!!!」
猫「まるで猫の……」
猫「猫の……」
猫「えーと……猫の……」
男「猫の額ですか?」
猫「知ってた!!!」
35: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:18:16.688 ID:wCcjS4z90.net
男「あっ……来ましたよ」
女「電子レンジメーカーの社長と弁護士だわ!」
猫「ほう……」
社長「クックック、愚かなるユーザーが訴訟などを起こしたか」
社長「あのようなクレーマーは徹底的に叩き潰さねば気が済まん。頼みましたぞ、先生」ニヤッ
弁護士「……お任せ下さい」
女「電子レンジメーカーの社長と弁護士だわ!」
猫「ほう……」
社長「クックック、愚かなるユーザーが訴訟などを起こしたか」
社長「あのようなクレーマーは徹底的に叩き潰さねば気が済まん。頼みましたぞ、先生」ニヤッ
弁護士「……お任せ下さい」
38: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:22:19.678 ID:wCcjS4z90.net
女「社長は傲慢そうで、弁護士は冷酷そうで、手強そうね……」ゴクッ
男「でも、大丈夫さ! こっちには猫さんがいる! ですよねえ!?」
猫「にゃ、にゃん」
男(借りてきた猫のように大人しくなってる!)
男「肉球に猫という字を書いて飲み込むと、緊張がほぐれますよ」
猫「迷信は好かぬ」ジロ…
男「も、申し訳ありませんッ!」
猫(やっぱりやってみるか)カキカキ ゴクン
男「でも、大丈夫さ! こっちには猫さんがいる! ですよねえ!?」
猫「にゃ、にゃん」
男(借りてきた猫のように大人しくなってる!)
男「肉球に猫という字を書いて飲み込むと、緊張がほぐれますよ」
猫「迷信は好かぬ」ジロ…
男「も、申し訳ありませんッ!」
猫(やっぱりやってみるか)カキカキ ゴクン
40: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:25:24.475 ID:wCcjS4z90.net
裁判長「原告・被告ともに揃ったようですね」
裁判長「これより裁判を始めます」
裁判長「両者とも、サイバンマンシップに乗っ取り、正々堂々弁論を繰り広げて下さい」
裁判長「では……まずは原告からどうぞ」
猫「うむ」
裁判長「これより裁判を始めます」
裁判長「両者とも、サイバンマンシップに乗っ取り、正々堂々弁論を繰り広げて下さい」
裁判長「では……まずは原告からどうぞ」
猫「うむ」
41: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:28:26.180 ID:wCcjS4z90.net
猫「吾輩はこの二名に命じて、吾輩の体と心を電子レンジにて乾かそうとした」
猫「しかし……心は結局乾かなかった」
猫「これは貴様らメーカーの電子レンジのパワー不足のせいである! 断じて許せぬ!」
猫「よって、猫の日にちなんで慰謝料を222万円要求する」
社長「なるほどなるほど……そうきたか」
社長「クックック……」
社長「ハッハッハッハッハ……」
猫「しかし……心は結局乾かなかった」
猫「これは貴様らメーカーの電子レンジのパワー不足のせいである! 断じて許せぬ!」
猫「よって、猫の日にちなんで慰謝料を222万円要求する」
社長「なるほどなるほど……そうきたか」
社長「クックック……」
社長「ハッハッハッハッハ……」
43: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:31:34.865 ID:wCcjS4z90.net
社長「反論できません!!!」
猫「む!?」
男「え!?」
女「なんですって!?」
社長「この裁判……我々の敗訴です」
社長「今すぐ慰謝料を払わせていただいまするぅ~~~~~~!」
裁判長「むう……これは……早くも決着――」
弁護士「お待ち下さい」
猫「む!?」
男「え!?」
女「なんですって!?」
社長「この裁判……我々の敗訴です」
社長「今すぐ慰謝料を払わせていただいまするぅ~~~~~~!」
裁判長「むう……これは……早くも決着――」
弁護士「お待ち下さい」
45: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:34:45.908 ID:wCcjS4z90.net
社長「弁護士君、無駄だ! 終わりだ! Mr.キャットの理論は完璧すぎる!」
社長「ここは慰謝料を払うしかない! それしか我が社の生き残る道はないのだ……!」
弁護士「そんなことはありません」
弁護士「原告に申し上げる」
弁護士「電子レンジとは本来、食品を温めるためのもの」
弁護士「こちらとしては、生きてる猫を入れることなど全く想定していない!」
弁護士「よって、慰謝料など払う必要はこれっぽっちもない!」
社長「弁護士君、それは屁理屈だよ! 詭弁だよ!」
猫「ぬう……」
社長「ここは慰謝料を払うしかない! それしか我が社の生き残る道はないのだ……!」
弁護士「そんなことはありません」
弁護士「原告に申し上げる」
弁護士「電子レンジとは本来、食品を温めるためのもの」
弁護士「こちらとしては、生きてる猫を入れることなど全く想定していない!」
弁護士「よって、慰謝料など払う必要はこれっぽっちもない!」
社長「弁護士君、それは屁理屈だよ! 詭弁だよ!」
猫「ぬう……」
46: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:38:22.750 ID:wCcjS4z90.net
猫「なにを申しておるか」
猫「あの電子レンジの説明書には、“猫を入れてはいけません”とは書いてなかった!」
男「そうだそうだ!」
女「その通りよ!」
猫「説明書に書いてない以上……貴様らには“説明不足”という罪がある!」
社長「まさしくその通りだ……完璧だ……! 今すぐ慰謝料の用意を……」
弁護士「……」
猫「あの電子レンジの説明書には、“猫を入れてはいけません”とは書いてなかった!」
男「そうだそうだ!」
女「その通りよ!」
猫「説明書に書いてない以上……貴様らには“説明不足”という罪がある!」
社長「まさしくその通りだ……完璧だ……! 今すぐ慰謝料の用意を……」
弁護士「……」
47: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:41:53.121 ID:wCcjS4z90.net
弁護士「説明書に書いてなかった? ――ハッ、そりゃそうでしょう」
猫「な、なにっ!?」
社長「な、なんだと!?」
弁護士「常識で考えてみて下さい」
弁護士「さっきもいいましたが、電子レンジとは食品を温めるための家電製品……」
弁護士「いくら説明書に書いてないからといって、猫を入れる人はいませんよ」
弁護士「入れる人がいるとしたら、そりゃただのバカです」
弁護士「ましてや、自分から入るなど……」
弁護士「あなた……よほどの バ カ なのでは?」
猫「ぬ、ぬう……ッ」
猫「な、なにっ!?」
社長「な、なんだと!?」
弁護士「常識で考えてみて下さい」
弁護士「さっきもいいましたが、電子レンジとは食品を温めるための家電製品……」
弁護士「いくら説明書に書いてないからといって、猫を入れる人はいませんよ」
弁護士「入れる人がいるとしたら、そりゃただのバカです」
弁護士「ましてや、自分から入るなど……」
弁護士「あなた……よほどの バ カ なのでは?」
猫「ぬ、ぬう……ッ」
49: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:45:24.356 ID:wCcjS4z90.net
社長「君、お客様に失礼だぞ! 訂正したまえ! 慰謝料を払おう!」
弁護士「あんたは黙ってろ、バカ社長。今が勝訴か敗訴かの分水嶺だ」
社長「ひゃ、ひゃいっ!」
弁護士「ウチの製品は常識をわきまえた人向けの製品」
弁護士「常識のないバカを想定していたら、説明書を広辞苑ばりにブ厚くしなければならなくなる!」
弁護士「よって、説明書にいちいちそんなもの書く必要はない」
弁護士「電子レンジで猫を温めたなどという事例に、慰謝料を払う必要は一切ない!」
猫「わ、吾輩は……吾輩は……ッ!」
弁護士「あんたは黙ってろ、バカ社長。今が勝訴か敗訴かの分水嶺だ」
社長「ひゃ、ひゃいっ!」
弁護士「ウチの製品は常識をわきまえた人向けの製品」
弁護士「常識のないバカを想定していたら、説明書を広辞苑ばりにブ厚くしなければならなくなる!」
弁護士「よって、説明書にいちいちそんなもの書く必要はない」
弁護士「電子レンジで猫を温めたなどという事例に、慰謝料を払う必要は一切ない!」
猫「わ、吾輩は……吾輩は……ッ!」
53: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:48:19.431 ID:wCcjS4z90.net
弁護士「ウチの会社の客に……バカはいらんのだ!」
弁護士(そう、バカはいらない)
『ごめんね……うちのアパート、ペット禁止だって知らなくて……』
『ごめんね、ごめんね……ぼくがバカだったせいで……』
弁護士(バカは悲劇しか生まない)
弁護士(だから私は猛勉強して、弁護士になったのだ!)
弁護士(そう、バカはいらない)
『ごめんね……うちのアパート、ペット禁止だって知らなくて……』
『ごめんね、ごめんね……ぼくがバカだったせいで……』
弁護士(バカは悲劇しか生まない)
弁護士(だから私は猛勉強して、弁護士になったのだ!)
56: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:51:27.630 ID:wCcjS4z90.net
弁護士「認めるのですか? あなたはバカだと」
猫「わ、吾輩は……吾輩は……ッ」
猫「吾輩はバカである!!!」
男「猫さん……!」
女(こんな弱々しい猫さんを見るのは初めてだわ……)
ザワザワ……
「決まったな」 「さっすが敏腕弁護士だぜ……」 「あの猫も善戦したけどな……」
猫「わ、吾輩は……吾輩は……ッ」
猫「吾輩はバカである!!!」
男「猫さん……!」
女(こんな弱々しい猫さんを見るのは初めてだわ……)
ザワザワ……
「決まったな」 「さっすが敏腕弁護士だぜ……」 「あの猫も善戦したけどな……」
58: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:54:45.932 ID:wCcjS4z90.net
弁護士(もはや勝訴は見えた……ダメ押しといこう)
弁護士「あなたの心とやらは、なぜ濡れていたんですか?」
弁護士(どうせバカな理由だろう……それを叩きのめして完全勝利をもぎとる!)
社長(弁護士……なんて外道な! 卑劣なッ! 許せないッ!)
男「猫さん……ッ!」
女「猫さん……」
猫「分かった……全てを話そう」
弁護士「あなたの心とやらは、なぜ濡れていたんですか?」
弁護士(どうせバカな理由だろう……それを叩きのめして完全勝利をもぎとる!)
社長(弁護士……なんて外道な! 卑劣なッ! 許せないッ!)
男「猫さん……ッ!」
女「猫さん……」
猫「分かった……全てを話そう」
62: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 01:57:08.842 ID:wCcjS4z90.net
猫「30年前のことだ」
裁判長「ずいぶん長生きな猫ですな」
猫「吾輩は当時、捨て猫でな。未熟ゆえ人間の言葉を話すこともできなかった」
猫「なすすべなく寒さに震えていた時、ある心優しい少年に拾われたのだ」
弁護士「!」ピクッ
猫「だが――」
裁判長「ずいぶん長生きな猫ですな」
猫「吾輩は当時、捨て猫でな。未熟ゆえ人間の言葉を話すこともできなかった」
猫「なすすべなく寒さに震えていた時、ある心優しい少年に拾われたのだ」
弁護士「!」ピクッ
猫「だが――」
64: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 02:02:02.347 ID:wCcjS4z90.net
猫「その少年のアパートは……ペット禁止だった」
猫「少年は両親にこっぴどく怒られてしまった」
猫「だからその少年は……吾輩を再び捨てることになったのだ」
弁護士「……」ハァハァ
社長「弁護士君? どうした? お水飲む?」
弁護士「ぐっ……」
弁護士「つまり、あなたの心は……その少年を憎み恨んで……30年間ずぶ濡れだったと?」
猫「……」
弁護士「そうなんだろう!? ハッキリいってくれ!!!」
猫「少年は両親にこっぴどく怒られてしまった」
猫「だからその少年は……吾輩を再び捨てることになったのだ」
弁護士「……」ハァハァ
社長「弁護士君? どうした? お水飲む?」
弁護士「ぐっ……」
弁護士「つまり、あなたの心は……その少年を憎み恨んで……30年間ずぶ濡れだったと?」
猫「……」
弁護士「そうなんだろう!? ハッキリいってくれ!!!」
66: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 02:06:05.734 ID:wCcjS4z90.net
猫「そうではない」
弁護士「!!!」
猫「あの時の少年の悲しそうな顔……今でも忘れられぬ」
猫「吾輩は一瞬拾ってもらっただけでも嬉しく、再び捨てられたことなど微塵も気にしていなかった」
猫「だが、当時の吾輩にそれを伝える術はなかった」
猫「だから、あの少年は今でもあの出来事を悔いているのかと思うと――」
猫「吾輩の心はびしょ濡れになってしまうのだ……」
男「猫さんにこんな過去が……」
女「だからいつも、体を水で濡らしていたのね……自分を罰するために……」
弁護士「!!!」
猫「あの時の少年の悲しそうな顔……今でも忘れられぬ」
猫「吾輩は一瞬拾ってもらっただけでも嬉しく、再び捨てられたことなど微塵も気にしていなかった」
猫「だが、当時の吾輩にそれを伝える術はなかった」
猫「だから、あの少年は今でもあの出来事を悔いているのかと思うと――」
猫「吾輩の心はびしょ濡れになってしまうのだ……」
男「猫さんにこんな過去が……」
女「だからいつも、体を水で濡らしていたのね……自分を罰するために……」
70: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 02:09:21.058 ID:wCcjS4z90.net
弁護士「……」
弁護士「……私なんだ」
猫「え?」
弁護士「その時の少年は……私なんだッ!」
猫「おお……! そういえば面影がある……!」
弁護士「君こそ……すっかり貫禄がついていて、話を聞くまで全然気づかなかった……!」
弁護士「……私なんだ」
猫「え?」
弁護士「その時の少年は……私なんだッ!」
猫「おお……! そういえば面影がある……!」
弁護士「君こそ……すっかり貫禄がついていて、話を聞くまで全然気づかなかった……!」
71: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 02:12:24.489 ID:wCcjS4z90.net
猫「ようやく……会えた……」
弁護士「ごめんよ……あの時は捨ててしまって……」
弁護士「私がバカだったから……ぬか喜びさせて……」
猫「なんの……これっぽっちも気にしてないさ……」
弁護士「大きくなったね……」
猫「ニャ~ン……」
ギュッ…
猫(やっと……吾輩の心が……乾いた……)
弁護士「ごめんよ……あの時は捨ててしまって……」
弁護士「私がバカだったから……ぬか喜びさせて……」
猫「なんの……これっぽっちも気にしてないさ……」
弁護士「大きくなったね……」
猫「ニャ~ン……」
ギュッ…
猫(やっと……吾輩の心が……乾いた……)
76: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 02:17:39.054 ID:wCcjS4z90.net
――
弁護士「本当にいいのかね?」
猫「ああ……今さら飼い猫になるというのも照れ臭いしな」
猫「吾輩はこれからも野良として生きていくよ」
猫「それに……今はこのバカップルの親分みたいなものになってるしな。こいつらを放ってはおけん」
男「てへへ……」
女「えへへ……」
弁護士「そうか……ならば君を飼うのは諦めよう」
猫「しかし、いずれ貴公の事務所にも立ち寄らせてもらおう」
弁護士「おいしいキャットフードを用意して待っているよ!」
猫「楽しみにしておこう」
弁護士「ああ、あと……これは社長からの慰謝料だ」サッ
猫「和解したのになんで慰謝料?」
弁護士「まあ……そういう人なのだ。受け取ってあげてくれ」
弁護士「本当にいいのかね?」
猫「ああ……今さら飼い猫になるというのも照れ臭いしな」
猫「吾輩はこれからも野良として生きていくよ」
猫「それに……今はこのバカップルの親分みたいなものになってるしな。こいつらを放ってはおけん」
男「てへへ……」
女「えへへ……」
弁護士「そうか……ならば君を飼うのは諦めよう」
猫「しかし、いずれ貴公の事務所にも立ち寄らせてもらおう」
弁護士「おいしいキャットフードを用意して待っているよ!」
猫「楽しみにしておこう」
弁護士「ああ、あと……これは社長からの慰謝料だ」サッ
猫「和解したのになんで慰謝料?」
弁護士「まあ……そういう人なのだ。受け取ってあげてくれ」
77: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 02:21:30.242 ID:wCcjS4z90.net
男「さ、行きましょうか、猫さん」
猫「うむ」ニャン
女「ところで、もらった慰謝料はどうするんです?」
猫「ふむ……吾輩が金をもらったところで猫に小判だからな……」
猫「捨てられた動物たちを保護する団体などに、寄付するとするか」
男女「さっすが猫さん!」
猫「吾輩は……猫である!!!」
おわり
猫「うむ」ニャン
女「ところで、もらった慰謝料はどうするんです?」
猫「ふむ……吾輩が金をもらったところで猫に小判だからな……」
猫「捨てられた動物たちを保護する団体などに、寄付するとするか」
男女「さっすが猫さん!」
猫「吾輩は……猫である!!!」
おわり
75: VIPがお送りします 2017/04/13(木) 02:17:11.813 ID:xR85LGYM0.net
誰がスレタイからこの展開を予想できただろうか