【ぼく勉】真冬「奇遇。何をしているの? 唯我くん」
真冬「奇遇。何をしているの? 唯我くん」
44: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:05:22 ID:.5Xh0nFs
--本屋『赤堀Books』
成幸「うーん」ジロジロ…
成幸「いつもながら参考書っていい値段だよな。どっちにするべきか…」
真冬「奇遇。何をしているの? 唯我くん」
成幸「あ、どうも。桐須先生。世界史の参考書を買おうかと思っているんですが、どちらにしようか悩んでいて…」
真冬「感心。そうね、なら--」スッ
成幸「うーん」ジロジロ…
成幸「いつもながら参考書っていい値段だよな。どっちにするべきか…」
真冬「奇遇。何をしているの? 唯我くん」
成幸「あ、どうも。桐須先生。世界史の参考書を買おうかと思っているんですが、どちらにしようか悩んでいて…」
真冬「感心。そうね、なら--」スッ
45: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:06:31 ID:.5Xh0nFs
真冬「できればこちらの出版社がおすすめね。絵や写真は少ないけれど背後要因の解説が豊富で理解しやすいわ」
成幸「ありがとうございます。もしかして先生も参考書を買いに来たんですか?」
真冬「ええ。円滑に授業を行うには参考書や資料の内容も頭に入れておく必要があるもの」
成幸(そういや先生の部屋、いつも読み終えた本が大量にあったな…)
成幸「(あれだけ勉強しているからすらすらと教えられるのか…)なるほど、さすが先生ですね」
真冬「事前準備は職務の一環。特に褒められるようなことじゃないわ」ツンッ
成幸(こういう人なんだよなあ…)
真冬「では先に行くから。頑張りなさい」カッカッ…
成幸「あ、はい」
成幸「ありがとうございます。もしかして先生も参考書を買いに来たんですか?」
真冬「ええ。円滑に授業を行うには参考書や資料の内容も頭に入れておく必要があるもの」
成幸(そういや先生の部屋、いつも読み終えた本が大量にあったな…)
成幸「(あれだけ勉強しているからすらすらと教えられるのか…)なるほど、さすが先生ですね」
真冬「事前準備は職務の一環。特に褒められるようなことじゃないわ」ツンッ
成幸(こういう人なんだよなあ…)
真冬「では先に行くから。頑張りなさい」カッカッ…
成幸「あ、はい」
46: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:08:27 ID:.5Xh0nFs
成幸「さて、とりあえず先生のおかげで参考書は決まったな。あとは…」スタスタ…
大森 --唯我すまん! 本屋に行くなら今月の『EROいんぐ』買ってきてくれないか。一生のお願いだー!
成幸「(ったく大森のヘタレめ。この間の時といい、もしかして毎回頼むつもりじゃないだろうな…)--ええと、これか…」
月間EROいんぐ『同級生三人とのキケンな勉強会』
成幸(…先輩の時といい、狙ったかのようなタイトルだな。後回しにしておいて正解だった)ホッ…
大森 --唯我すまん! 本屋に行くなら今月の『EROいんぐ』買ってきてくれないか。一生のお願いだー!
成幸「(ったく大森のヘタレめ。この間の時といい、もしかして毎回頼むつもりじゃないだろうな…)--ええと、これか…」
月間EROいんぐ『同級生三人とのキケンな勉強会』
成幸(…先輩の時といい、狙ったかのようなタイトルだな。後回しにしておいて正解だった)ホッ…
47: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:10:29 ID:.5Xh0nFs
--本屋レジ
成幸(良かった。おじいさんの店員だ)
本屋店員「……ひいふうみい。はいち
ょうどだね。ブックカバーは付けとくかい?」
大森 --唯我ありがとうー! じゃあ明日学校で待ってるからなー!
成幸「(参考書はともかく、あの本を剥き出しで渡すのはちょっとな…)あ、じゃあ、その本だけお願いします…」
成幸(良かった。おじいさんの店員だ)
本屋店員「……ひいふうみい。はいち
ょうどだね。ブックカバーは付けとくかい?」
大森 --唯我ありがとうー! じゃあ明日学校で待ってるからなー!
成幸「(参考書はともかく、あの本を剥き出しで渡すのはちょっとな…)あ、じゃあ、その本だけお願いします…」
48: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:12:53 ID:.5Xh0nFs
--翌日。登校後の教室にて
大森「おはよー唯我-! 例のヤツ持ってきてくれたー?」
成幸「馬鹿…! 声がでかいって!」ボソボソ
大森「スマンスマン、いやーもう待ちきれなくってさあ」フンス フンス!
成幸「はあ……ったく。今回限りだからな。ほら、これ--」ゴソゴソ…
大森「おはよー唯我-! 例のヤツ持ってきてくれたー?」
成幸「馬鹿…! 声がでかいって!」ボソボソ
大森「スマンスマン、いやーもう待ちきれなくってさあ」フンス フンス!
成幸「はあ……ったく。今回限りだからな。ほら、これ--」ゴソゴソ…
49: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:20:45 ID:.5Xh0nFs
理珠「唯我さん。おはようございます」
文乃「おはよう成幸くん」
うるか「成幸に大森っち。おっはよー!」
成幸「--を渡すのは次の休み時間な」ボソボソ…
大森「そ、そうだな……」スゴスゴ…
文乃「おはよう成幸くん」
うるか「成幸に大森っち。おっはよー!」
成幸「--を渡すのは次の休み時間な」ボソボソ…
大森「そ、そうだな……」スゴスゴ…
50: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:22:30 ID:.5Xh0nFs
成幸「--って、なるわけだ」
理珠「なるほど、ようやく理解できました」フンス!
文乃「わ! もうこんな時間だ。りっちゃん、うるかちゃん。そろそろ戻らないと…」
うるか「了解。じゃあねー成幸。また昼休みに」バタバタバタ…
成幸「ああ、三人ともまた後でな。--さて、俺も自習するか……ん?」
理珠「なるほど、ようやく理解できました」フンス!
文乃「わ! もうこんな時間だ。りっちゃん、うるかちゃん。そろそろ戻らないと…」
うるか「了解。じゃあねー成幸。また昼休みに」バタバタバタ…
成幸「ああ、三人ともまた後でな。--さて、俺も自習するか……ん?」
51: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:24:11 ID:.5Xh0nFs
ガラガラ、ピシャ、 カッカッ…
成幸(え? 桐須先生?)
真冬「着席。みんな自分の席に座りなさい」
生徒たち「何だ何だ?」ザワザワ…
真冬「……着いたかしら。ではこれより持ち物検査を始めます。全員、カバンを机の上に置くように」
生徒たち「え~~!?」
成幸(な…なにィーーーー!!)ドドドドド
成幸(え? 桐須先生?)
真冬「着席。みんな自分の席に座りなさい」
生徒たち「何だ何だ?」ザワザワ…
真冬「……着いたかしら。ではこれより持ち物検査を始めます。全員、カバンを机の上に置くように」
生徒たち「え~~!?」
成幸(な…なにィーーーー!!)ドドドドド
52: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:26:17 ID:.5Xh0nFs
成幸(ま、まずい…! こんなもの(EROいんぐ)を持ってきていることが先生にバレたら--)
--卑猥! 破廉恥! こんなものを学校に持ち込むなんて反省以前の問題よ唯我くん! 彼女たちの教育係についても、もう一度考える必要がありそうね?
成幸(ああああ…まずい…まずいぞ。どうにか先生の目を盗んで隠さないと)オロオロ…
真冬「--そこ! 動かない! あなたも! 大人しく机にしまったものを出しなさい! それから一番奥、まさか靴裏で踏みつけたから隠しおおせるとでも?」 ゴゴゴゴゴ
成幸「あああああ…(スキが無さ過ぎる…!)」ガーン!
--卑猥! 破廉恥! こんなものを学校に持ち込むなんて反省以前の問題よ唯我くん! 彼女たちの教育係についても、もう一度考える必要がありそうね?
成幸(ああああ…まずい…まずいぞ。どうにか先生の目を盗んで隠さないと)オロオロ…
真冬「--そこ! 動かない! あなたも! 大人しく机にしまったものを出しなさい! それから一番奥、まさか靴裏で踏みつけたから隠しおおせるとでも?」 ゴゴゴゴゴ
成幸「あああああ…(スキが無さ過ぎる…!)」ガーン!
53: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:27:55 ID:.5Xh0nFs
大森(ゆ、唯我…)チラッ
成幸(お、大森…頼む! 何とか助けてくれ!)チラッ!
大森(…………)コクッ
成幸(お、大森…)ジーン
大森(………グッドラック b)ニコッ
成幸(あの野郎…あとで覚えてろよ)ゴゴゴゴ
成幸(お、大森…頼む! 何とか助けてくれ!)チラッ!
大森(…………)コクッ
成幸(お、大森…)ジーン
大森(………グッドラック b)ニコッ
成幸(あの野郎…あとで覚えてろよ)ゴゴゴゴ
54: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:29:15 ID:.5Xh0nFs
真冬「--これと、これね。では後で反省文を提出するように。次、君の番よ。唯我くん」
成幸「(き、来た…)は、はい…」ドサドサ…
真冬「拝見…教科書にノートに弁当ね。それ以外のものはもう無いかしら?」
成幸「はい…」
成幸(な、なんとか教科書の間に挟み込むことはできた。このままどうにか--)
真冬「疑問。教科書の間に何か挟まっているようだけど…」ペラッ
成幸(あっさり看破!)ガーン
真冬「これは……?」
成幸「そ、それは…(すまん…古橋、うるか、緒方)」
成幸「(き、来た…)は、はい…」ドサドサ…
真冬「拝見…教科書にノートに弁当ね。それ以外のものはもう無いかしら?」
成幸「はい…」
成幸(な、なんとか教科書の間に挟み込むことはできた。このままどうにか--)
真冬「疑問。教科書の間に何か挟まっているようだけど…」ペラッ
成幸(あっさり看破!)ガーン
真冬「これは……?」
成幸「そ、それは…(すまん…古橋、うるか、緒方)」
55: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:31:25 ID:.5Xh0nFs
--おまえらのこと、幸せにしてみせるから。
成幸(……そうだ。何を悪い方に考えてたんだ俺は! ちゃんと正直に話そう。桐須先生ならきっとわかってくれるはず…多分)
成幸「その、先生。実は……」
真冬「……ブックカバーね」
成幸「……え?」
真冬「確か、赤堀Booksのブックカバーだったわね。把握。昨日購入した参考書かしら?」
成幸「あ、え…?」
真冬「違うのかしら?」ジロリ
成幸「は、はい! さ、参考書…です」ドキドキ…
真冬「そう。なら結構ね」カッカッ…
成幸(た、助かった…?)
成幸(……そうだ。何を悪い方に考えてたんだ俺は! ちゃんと正直に話そう。桐須先生ならきっとわかってくれるはず…多分)
成幸「その、先生。実は……」
真冬「……ブックカバーね」
成幸「……え?」
真冬「確か、赤堀Booksのブックカバーだったわね。把握。昨日購入した参考書かしら?」
成幸「あ、え…?」
真冬「違うのかしら?」ジロリ
成幸「は、はい! さ、参考書…です」ドキドキ…
真冬「そう。なら結構ね」カッカッ…
成幸(た、助かった…?)
56: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:36:40 ID:.5Xh0nFs
--持ち物検査終了後
大森「わーん、唯我ごめんよー。お前を信じてたから俺はー!」
成幸「うん…わかったから。お前もう喋るな」
小林「それにしても…よく桐須先生から見逃してもらえたねえ。成ちゃん」
成幸「はは、まあ…昨日たまたま本屋で出会ったからさ」
大森「これも唯我がブックカバーを付けてくれていたおかげだって! ありがとう唯我。ようやくこいつ(EROいんぐ)と出会うことができたー!」ギュウッ
成幸「お前な…」ハア…
大森「わーん、唯我ごめんよー。お前を信じてたから俺はー!」
成幸「うん…わかったから。お前もう喋るな」
小林「それにしても…よく桐須先生から見逃してもらえたねえ。成ちゃん」
成幸「はは、まあ…昨日たまたま本屋で出会ったからさ」
大森「これも唯我がブックカバーを付けてくれていたおかげだって! ありがとう唯我。ようやくこいつ(EROいんぐ)と出会うことができたー!」ギュウッ
成幸「お前な…」ハア…
57: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:37:42 ID:.5Xh0nFs
小林「う~ん。でも…あの桐須先生でも見間違えることがあるんだね」
成幸「何が?」
小林「ほら、よく見たらあのブックカバー、中身がうっすら透けてるでしょ?」
成幸(…え?)
成幸「何が?」
小林「ほら、よく見たらあのブックカバー、中身がうっすら透けてるでしょ?」
成幸(…え?)
58: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:44:51 ID:.5Xh0nFs
--職員室
真冬「ふう…」
--その、先生。実は……
真冬(自ら申し出なければ没収も考えるところだったけど…)
真冬(まあ…個人の趣味嗜好はともかく、普段の彼の素行からはあんな物を学校に持って来るとは思えない。何か理由があったのでしょうね…何にせよ)
--演劇部の顧問なんです。
--それじゃさっさと終わらせちゃいましょうか。
--俺がいなきゃ、先生いつも大変なことになってますからね!
「…今日はいつもと逆だったわね。でも、次は無いわよ。唯我くん」
了
真冬「ふう…」
--その、先生。実は……
真冬(自ら申し出なければ没収も考えるところだったけど…)
真冬(まあ…個人の趣味嗜好はともかく、普段の彼の素行からはあんな物を学校に持って来るとは思えない。何か理由があったのでしょうね…何にせよ)
--演劇部の顧問なんです。
--それじゃさっさと終わらせちゃいましょうか。
--俺がいなきゃ、先生いつも大変なことになってますからね!
「…今日はいつもと逆だったわね。でも、次は無いわよ。唯我くん」
了
59: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:47:18 ID:.5Xh0nFs
幕間
--数日後、真冬宅
真冬「いらっしゃい。その…ほんの少しばかり散らかっているけれど、上がって頂戴」モジモジ…
成幸「…いつも思うんですけど、これを少しと言いきるのは無理があるのでは?(足の踏み場が無い…)」
真冬「し、辛辣…これでも整理整頓の技術は徐々に進歩してきているわ」
成幸「とりあえずいつものように片付けましょうか。…あ、それと」
真冬「?」
成幸「この前は助けてもらったので、今日は気合いを入れて掃除させてもらいますね」
真冬「……何のことかしら」ツンッ
成幸(こういう人なんだよなあ…)フフッ
成幸「いえ、何でもありません」
--数日後、真冬宅
真冬「いらっしゃい。その…ほんの少しばかり散らかっているけれど、上がって頂戴」モジモジ…
成幸「…いつも思うんですけど、これを少しと言いきるのは無理があるのでは?(足の踏み場が無い…)」
真冬「し、辛辣…これでも整理整頓の技術は徐々に進歩してきているわ」
成幸「とりあえずいつものように片付けましょうか。…あ、それと」
真冬「?」
成幸「この前は助けてもらったので、今日は気合いを入れて掃除させてもらいますね」
真冬「……何のことかしら」ツンッ
成幸(こういう人なんだよなあ…)フフッ
成幸「いえ、何でもありません」
60: 深夜にお送りします 2018/12/11(火) 21:55:52 ID:.5Xh0nFs
以上です。ネタ元は40話と84話。先生回は成幸がポカをする話が無いのでチャレンジしてみましたが、コメディは難しいなとあらためて思い知りました。
乙コメや擬音の指摘ありがとうございます。次作はまだ未定ですが頑張ります
乙コメや擬音の指摘ありがとうございます。次作はまだ未定ですが頑張ります