男「そ、そんな……! 仮面の男の正体が兄さんだったなんて……!」

2019年04月17日
男「そ、そんな……! 仮面の男の正体が兄さんだったなんて……!」

1: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:01:32.68 ID:Ak2Hkja+o
仮面の男「時は満ちた……そろそろオレの正体を明かすとしようか」

男「お前は……! たびたび俺の前に現れては、助言や手助けをしてくれた男!」

男「お前の正体はいったい何者なんだ!?」

仮面の男「オレの正体、それは――」カパッ

男「!!!」



3: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:04:44.64 ID:Ak2Hkja+o
男「兄さん……!?」

兄「フフフ、オレのことを覚えていてくれたか」

兄「仮面など介さず、まともに顔を向き合わせるのは、いったい何年ぶりのことか……」

男「そ、そんな……! 仮面の男の正体が兄さんだったなんて……!」

5: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:06:36.77 ID:Ak2Hkja+o
女幹部「オホホ、ずいぶん驚いているようね」

男「お前は……! 俺の敵でありながら、たまに俺を助けてくれたりした妖艶な女幹部!」

男「なぜ、今このタイミングでここに!?」

女幹部「それは私の正体を教えてあげるためよ」

男「正体……!?」

女幹部「私の正体は――」

6: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:10:16.14 ID:Ak2Hkja+o
姉「あなたの姉だったのよ!」バサァッ

男「姉さん!?」

男「あの優しかった姉さんが、魔王配下の女幹部……!? ウソだ!」

姉「残念ながら、真実なのよ……」

男「どうして!? どうして姉さんが……!」

7: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:14:29.78 ID:Ak2Hkja+o
謎の幼女「うふふ……」

謎の少年「えへへ……」

男「お前たちは……! 時々俺の前に現れては、意味深な言葉を残していく子供たち!」

男「どことなく俺に似てる気もするが、いったい誰なんだ!?」

謎の幼女「お兄ちゃん」

謎の少年「お兄ちゃん」

男「え!?」

8: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:16:02.08 ID:Ak2Hkja+o
男「お兄ちゃんって……まさか!?」

妹「あたちはね、お兄ちゃんの妹なのよ」

弟「ぼくはね、お兄ちゃんの弟なの」

男「そんな……! どうりで似てると思ったけど、俺に妹と弟がいたなんて……!」

9: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:19:21.92 ID:Ak2Hkja+o
女神「こうなってしまっては……わらわの正体も明かさねばならぬな」フワッ…

男「女神様!?」

男「俺に魔王を倒すための力を授けて下さったあなたにも、秘密があるというのですか!?」

女神「もちろんじゃ」

男「どんな秘密があるというのですか!?」

女神「ふふふ……」

10: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:21:48.88 ID:Ak2Hkja+o
女神「昔はよく、あなたを膝に抱いて絵本を読んであげたわね」

女神「一人の勇敢な若者が魔王を倒す、英雄物語を……」

男「!」

男「女神様……あなたは母さんなのか!?」

母「そうよ」

男「そんな、母さんはあの事件で亡くなったとばかり……!」

魔王「フハハハハ……!」

11: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:25:21.01 ID:Ak2Hkja+o
魔王「ずいぶんと混乱しておるようだな。まあ無理もないことだが」

男「魔王ッ! まさかお前まで現れるとは! 今日こそ決着をつけてやる!」

魔王「フハハハ……まあそう焦るな」

魔王「今から貴様に面白いことを教えてやるのだからな」

男「面白いこと……?」

魔王「……我が息子よ」

男「!?」

13: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:27:25.04 ID:Ak2Hkja+o
男「息子だと……!? 俺が……!?」

男「ということは……魔王、お前は俺の父親……!?」

父「そうだ」

男「ウソだ……!」

父「残念ながら本当のことだ」

男「俺は信じない……! 絶対に信じないぞ!」

14: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:30:32.44 ID:Ak2Hkja+o
精霊「ワン!」

男「お前はいつも俺の近くにいる動物の精霊!」

精霊「ワン、ワン!」

男「まさか……お前も!?」

精霊「ワン!」

15: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:32:25.55 ID:Ak2Hkja+o
男「この鳴き声……どこかで聞いたような気がする」

男「そうか……! お前は昔、俺が飼っていた犬か!」

犬「ワン!」

男「お前は死んだとばかり思っていたけど……」

男「精霊として転生して、ずっと俺のことを見守ってくれていたのか……」

18: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:39:15.57 ID:Ak2Hkja+o
男「ようするにだ、お前らは全員グルだってのが分かった」

男「なぜだ!? なぜこんな回りくどいことをして、俺に力を与えた!?」

父「フハハ、決まってるだろう?」

父「お前を覚醒させ、この世界全てを救う戦士に育て上げるためだ!」

兄「騙してて悪かったな」

姉「これも世界のためなの……許してね」

妹「キャハハ、がんばってね、お兄ちゃん」

弟「アハハハ、がんばってよ、お兄ちゃん」

母「これはあなたにしかできないことなのよ」

犬「ワン!」

男「これまでの戦いは全て……全て、仕組まれたものだったのか……!」

男「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

19: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:45:20.17 ID:Ak2Hkja+o
男「あー……面白かった。全力で叫んじゃったよ」

兄「ナイス演技だったぜ。お前、俳優になれるんじゃねえの?」

男「おだてるなよ、兄貴」

姉「やっぱり面白いわね。この『謎のキャラの正体は肉親だったごっこ』は」

妹「おもしろかったー!」

弟「ぼく、もっとセリフ欲しかったな」

父「たまには家族全員で、こういう大がかりなお遊びをやるのもいいもんだ」

父「ま、母さんが女神ってのはちょっと無理がある設定の気もするが――」

母「なんですって!?」

父「ごめんなさいっ!」

犬「ワン、ワン!」

男「ポチ、もう吠えなくていいんだぞ。ごっこ遊びは終わったんだから」



「あのー……」

20: SS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 18:47:08.40 ID:Ak2Hkja+o
近所のおばさん「回覧板を届けにきたんですけど……」



一家「ドア開けっ放しだったーっ!!!!!」








おわり

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