女「やだ、あなたの部屋ティッシュまみれじゃない!」男「バレてしまったか……」

2019年01月29日
女「やだ、あなたの部屋ティッシュまみれじゃない!」男「バレてしまったか……」

1: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 19:52:01.921 ID:cOPw8BU80
女「お邪魔しまーす」

男「こっちが俺の部屋だよ」ギィィ…

男「ゲ!」

男(ヤバイ、部屋の掃除全然してなかった!)

女「……!」

女「やだ、あなたの部屋ティッシュまみれじゃない!」

女「このティッシュってもしかして……」

男「バレてしまったか……」

4: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 19:55:06.527 ID:cOPw8BU80
男「そう……俺の正体は≪ティッシュマスター≫だったんだ!」

女「へ?」

男「はぁっ!」

ビュオアッ!

女(大量のティッシュが舞い上がった!?)

女「と思ったら、彼がいなくなってる!」

男「こっちだよ」

女(いつの間に後ろに!?)

男「君の察しの通り、俺は今やった技“ティッシュ紙吹雪”の練習中だったんだ」

女(全く察してなかったんだけど……)

5: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 19:57:17.547 ID:cOPw8BU80
女「えぇっと、ティッシュマスターって他にはどういうことができるの?」

男「お、興味湧いた? 嬉しいなぁ!」

男「他にはえーと……」

男「たとえば、このティッシュ、君でも一枚を二枚にすることはできるだろう?」

女「うん、ティッシュって薄いのが二枚重なってたりするものね」

男「だけど俺なら――」

ヒラヒラヒラヒラヒラヒラヒラヒラヒラ…

男「一枚を百枚くらいにすることもできる」

女「すげえ!!!」

10: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:00:21.367 ID:cOPw8BU80
男「あとは、こうやってティッシュを丸めて……」クシャクシャ

男「どう投げようとゴミ箱にホールインワンできる」ポイッ

ストンッ

男「カーブ、フォーク、スライダー」ポイッポイッポイッ

ストトトンッ

男「10個同時投げ」ポポポポポイッ

ストトトトトトトトトトンッ

女「おお~!」パチパチパチパチパチ

男「台風の日なら、数km先でもいけると思う」

11: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:02:53.856 ID:cOPw8BU80
女「じゃあさじゃあさ」

女「Hなことには使わないの?」

男「H?」

女(この反応……本気で分かってないみたい)

男「ああ、分かった! “鼻(Hana)をかむ”ってことか!」

男「もちろん使うよ!」チーン

女「違う!」

12: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:04:48.831 ID:cOPw8BU80
男「ほら、よかったら君もかんでみなよ」

女「え、私は……」

男「俺のティッシュはとてもよく鼻をかめるんだよ」

女(鼻をかむのに“俺の”もなにもないと思うんだけど……)チーン

ドロッ

女「うをおおおっ!?」

16: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:06:31.498 ID:cOPw8BU80
女「ちょっと待って……どんどん出てくるんだけど!」ドバドバ

男「ほら、ティッシュ! もっと! もっとかんで!」サッサッ

ドバババババ ドバババババ

女「ふん! ふん! ふーんっ!」チーンッ

女「……」

女「スッキリしたぁ~」

男「だろ?」

女「コンプレックスだった鼻声が、嘘のように解消されたわ!」

女「私……なんだか歌いたくなってきちゃった! ねえ、今からカラオケ行かない?」

男「うん、行こうか!」

17: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:10:07.496 ID:cOPw8BU80
―カラオケボックス―

女「そうよ、私は恋するイノシシ♪」

女「猪・突・猛・進~♪ あの人に突進してみせるわ~♪」

男「とてもよかったよ!」パチパチパチ

女「ありがとう! じゃあ次はあなた歌って!」

男「え、俺も!?」

女「うん、一人で歌ってもつまらないし」

男「よーし……」

18: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:12:03.144 ID:cOPw8BU80
男「今日も応援エリエール~♪ ネピアだらけのユートピア~♪」

男「桃クリネックス柿八年~♪」

女(なんなのこの歌……)

女「だけど歌唱力はすごいわ! イエェーイ!」

男「ありがとーっ! スコッティーッ!!!」

19: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:15:07.752 ID:cOPw8BU80
―街―

ワイワイ… ガヤガヤ…

「ボウリングで勝負だ! 負けねえぞ!」

「あっちで闘牛ショーってのやってるって! 行ってみようぜ!」

「ねえねえ、アイドルが逮捕されたんだって!」



女「今日は休日だからか、街も賑やかね」

男「うん、活気にあふれてるね」

21: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:17:16.115 ID:cOPw8BU80
友人「お願いしまーす」サッ

友人「はぁ……なかなか受け取ってもらえないなぁ」

友人「――ん」

男「やあ」

友人「よう!」

男「なにやってるんだ?」

友人「ティッシュ配りのバイトをやってんだけど、これがなかなか苦戦しててさ……」

友人「このままじゃノルマ達成するの夜中になりそうだよ……」

男「ふうん、だったら手伝ってやろうか?」

22: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:20:09.226 ID:cOPw8BU80
友人「いいのかよ、デート中だろ?」

男「あ、そっか」

女「私はいいわよ」

男「えっ、いいの?」

女「あなたがどんなティッシュ配りするのか見てみたいし……」

男「ありがとう!」

友人「じゃあ、よろしく頼むぜ。もちろん礼はするから」

男「任せといてくれ!」

女(ティッシュマスターのティッシュ配り……こいつは必見だわ!)

23: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:22:39.775 ID:cOPw8BU80
男「ほいっ」サッ

男「ほいっ、ほいっ、ほいっ、ほいっ、ほいっ」サッサッサッサッサッ

友人「すげえ! みるみるうちにティッシュがなくなってく!」

女「きっと彼の手を介すると、みんなティッシュを受け取りたくなっちゃうのね!」

男「ほいほいほいほいほいほいほいほいほいほいほいほいほいほいほい」サササササササササッ

ササササササササササ…



男「ほら、全部配ったよ」

友人「……はっや! マジ助かったぜ!」

24: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:25:29.439 ID:cOPw8BU80
男「じゃあ行こうか」

女「うん」

DQN「おいてめえ」ザッ

友人「?」

DQN「さっき、このティッシュに書いてある店に行ったんだがよ……」

DQN「ブスばっかだったじゃねえか! どうしてくれんだコラァ!?」

友人「そ、そんなの俺の責任じゃ……。店の人に言って下さいよ!」

DQN「てめえがティッシュ配ってるからこうなったんだろうがァ! 覚悟しやがれ!」

友人「ひ、ひいいっ!」

25: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:28:46.618 ID:cOPw8BU80
男「あの……」

DQN「あ?」

男「俺の友達は一切悪くないと思うんですけど……」

DQN「お前、こいつのダチか! だったらお前もボコってやる! 連帯責任だァ!」

男「そんなムチャな……」

DQN「このぉっ!」ブオンッ

男「……」コチョコチョ

女(ティッシュでこよりを作って、自分の鼻を……)

男「ふぇ、ふぇ……」

男「ふぇっくしょん!!!!!」ブオオオッ

DQN「うわあああああああっ!?」ドザァッ

女(すごいくしゃみ! あんなこともできるんだ!)

27: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:31:58.135 ID:cOPw8BU80
DQN「この野郎……!」

男「俺がティッシュを持ってる以上、大人しく帰った方がいいですよ」

DQN「ブッ殺してやる!」ギラッ

女「きゃっ!」

友人「ナ、ナイフ!」

男「だったら俺もティッシュで相手をしよう」ネジネジ…

男「こよりフェンシングで!」ジャキーンッ

女(ティッシュがまるで剣みたいになった!)

28: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:35:07.868 ID:cOPw8BU80
DQN「ナメんなァ!」ダッ

キンッ! ガキンッ! キンッ!

DQN「くっ!?」

女「こよりでナイフと互角以上に戦ってるわ!」

男「そらっ、そらっ、そらっ」ヒュッヒュッヒュッ

DQN「ひいっ!?」キンッキンッキンッ

男「ほいっ」ヒュッ

ピタッ

DQN「うぐっ!」

DQN「ま、参りましたぁ!」

友人「や、やったぁ!」

女「こよりでナイフに勝っちゃった……」

29: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:39:35.562 ID:cOPw8BU80
スタスタ…

女「さっきはかっこよかったよ!」

男「ハハ、ホントはあまり暴力沙汰にティッシュを使いたくないんだけどね」

女「暴力だなんて、相手を傷つけたわけでもないし……」


ドドドドド…


男「ん?」

女「けたたましい足音が聞こえてきたわね」

30: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:42:38.772 ID:cOPw8BU80
闘牛「ブモォォォォォッ!!!」ドドドドドッ



男「牛!?」

女「闘牛だわ!」

男「そういえば、さっき闘牛ショーをやってるって話してる人がいたな……」

女「きっとそこから逃げ出しちゃったのよ!」

男「……くっ!」

31: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:45:04.138 ID:cOPw8BU80
女「私たちも逃げないと!」

男「いや、あの牛を放っておくわけにはいかない……。死人が出るかも……」

女「そりゃそうだけど……」

男「来い!」サッ

女「そんなティッシュでどうするつもり!?」

男「……」ヒラヒラ…

闘牛「ブモッ!?」ピクッ

女(まさか……やるつもりなの!? ティッシュで闘牛士を!)

33: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:47:50.719 ID:cOPw8BU80
闘牛「ブモォォォォォォッ!!!」ドドドドドッ

男「はっ! てやっ!」

ヒラリッ ヒラリッ

闘牛「ブモモォォォォォォォッ!!!」ドドドドドッ

ヒラリッ ヒラリッ



女「マタドールだわ! 和製マタドールだわぁ! オオ、セニョール!」

34: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:49:32.429 ID:cOPw8BU80
闘牛「ブモォォ……」ゼェゼェ…

男「オーレ!」バサッ



オォ~!

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ…!

ワァァァァァ……!

35: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:52:57.415 ID:cOPw8BU80
女「とてもかっこよかったよ!」

男「ハハ、ありがとう」

女「今夜はステーキね!」

男「いや、あの牛は食べないけどね。飼い主に返そう」

男「ところで……」

女「?」

男「興奮する牛と戦ってたら、俺もなんだか興奮してきてしまった」

女「えっ、それってまさか……」

男「ああ、ぜひとも君にHなことをしてみたいんだ!」

女「は、はいっ!」

女(やだ、唐突なんだからもう!)

36: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:55:10.504 ID:cOPw8BU80
―公園―

男「じゃあ、ここで……」

女(えぇーっ!? こんなところで!?)

男「お、ちょうどいいところにベンチがある」

女(やだ、茂みとかじゃなくベンチでぇ!?)

男「じゃあ、さっそくHなことをさせてもらうよ」

女「は、はいっ!」

37: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 20:58:15.110 ID:cOPw8BU80
フワッ…

男「さぁ、どうぞ! ここに座って!」

女「え、これってまさか――」

男「うん、H(ハンカチ)なことだけど」

女「あらら……」ガクッ

女(ま、いっか)

女(ティッシュのように真っ白なこの人とは、気長に付き合っていこうっと!)







おわり

41: VIPがお送りします 2019/01/27(日) 21:08:08.460 ID:A26XYzf9r

俺もちょっとティッシュ極めてくる

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