妄想少女「ねぇ幻滅少年、」
1: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:26:14 ID:qXV
妄想少女「うふふ…」
幻滅少年「…何笑ってるの」
妄想少女「私ね、きっと受信できると思うの…宇宙人からのメッセージ」
幻滅少年「君も宇宙人だけどね」
幻滅少年「…何笑ってるの」
妄想少女「私ね、きっと受信できると思うの…宇宙人からのメッセージ」
幻滅少年「君も宇宙人だけどね」
3: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:27:08 ID:qXV
妄想少女「ねぇ幻滅少年、この道…」
幻滅少年「いつもの通学路だね。実はありそうでない、よくある感じの河原の道だ」
妄想少女「素敵だわ、春の光が川面に揺れて…きっと川の精霊があの光でヴェールを織って、川辺の朝露のビーズを縫い付けるんだわ。朝露の色よ。シロツメクサの白、ハコベの緑、スミレの紫、ツユクサの青…いろんな色がそのままビーズになるのだわ」
幻滅少年「そうしている間に刻々と登校時間は過ぎていくんだけれど」
妄想少女「あらもうそんな時間?」
幻滅少年「妄想のしすぎだね、8:07だ」
妄想少女「まぁ!あと30分もないのね!急ぎましょう、風に乗って…うふふ」
幻滅少年(君といると10分の道のりが何時間にでも化けるから大変だ)
幻滅少年「いつもの通学路だね。実はありそうでない、よくある感じの河原の道だ」
妄想少女「素敵だわ、春の光が川面に揺れて…きっと川の精霊があの光でヴェールを織って、川辺の朝露のビーズを縫い付けるんだわ。朝露の色よ。シロツメクサの白、ハコベの緑、スミレの紫、ツユクサの青…いろんな色がそのままビーズになるのだわ」
幻滅少年「そうしている間に刻々と登校時間は過ぎていくんだけれど」
妄想少女「あらもうそんな時間?」
幻滅少年「妄想のしすぎだね、8:07だ」
妄想少女「まぁ!あと30分もないのね!急ぎましょう、風に乗って…うふふ」
幻滅少年(君といると10分の道のりが何時間にでも化けるから大変だ)
5: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:28:56 ID:qXV
妄想少女「ねぇ幻滅少年、筆記用具を貸してくださらない?」
幻滅少年「筆記用具?筆箱を忘れたのかい?」
妄想少女「いいえ…確かに昨日宿題を終えたあとにカバンにしまったのだけど…。通学路に落としてきてしまったのかしら。でももしかしたら小人が持って行ったのかもしれないわね。シャープペンやボールペンのバネはきっと彼らの役に立つわ。鉛筆だって彼らの家になるもの」
幻滅少年「妄想はいいから、ほら」
妄想少女「ごめんなさいね。こういうときなぜだかいつも周りの子がいないのよね。だからいつも幻滅少年に借りてしまう」
幻滅少年「……本当に酷い話だ」
妄想少女「ごめんなさい、でも消しゴムを半分に折ってくれるあなたはきっと優しい人よ」
幻滅少年「僕は別に、そんなんじゃない」
妄想少女「そんな優しい幻滅少年の事を、神様はきっと見ているわ、いいことあるわよ。私もちゃんと見ているんだから、うふふ」
幻滅少年「筆記用具?筆箱を忘れたのかい?」
妄想少女「いいえ…確かに昨日宿題を終えたあとにカバンにしまったのだけど…。通学路に落としてきてしまったのかしら。でももしかしたら小人が持って行ったのかもしれないわね。シャープペンやボールペンのバネはきっと彼らの役に立つわ。鉛筆だって彼らの家になるもの」
幻滅少年「妄想はいいから、ほら」
妄想少女「ごめんなさいね。こういうときなぜだかいつも周りの子がいないのよね。だからいつも幻滅少年に借りてしまう」
幻滅少年「……本当に酷い話だ」
妄想少女「ごめんなさい、でも消しゴムを半分に折ってくれるあなたはきっと優しい人よ」
幻滅少年「僕は別に、そんなんじゃない」
妄想少女「そんな優しい幻滅少年の事を、神様はきっと見ているわ、いいことあるわよ。私もちゃんと見ているんだから、うふふ」
7: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:30:32 ID:qXV
>>6
ありがとう、初めてなんだ、SS書くの嬉しいな
妄想少女「ねぇ幻滅少年、見て見て猫よ」
猫「ニァアアーォ」
幻滅少年「綺麗なブルーグレーだね」
妄想少女「首輪はないけれど、いいとこの飼い猫ちゃんだったのかしら。何だか品のある猫ちゃんね」
猫「ニャンニャン」
妄想少女「うふふ…くすぐったいわ」
妄想少女「お前はきっと青い蔦の這う赤煉瓦の家に住んでいたのね。よく磨かれたガラスの窓には見目麗しい金髪の深窓の令嬢。それがお前のご主人様でしょう?メルベリネ」
幻滅少年「勝手に名前をつけるなよ」
猫「ニャオン」
妄想少女「ね、やっぱりお前はメルベリネよ。貴方は朝早くにご飯の催促をしに雲のように柔らかいご主人様のベッドに向かい、それからずっと屋敷で陽の当たる場所を移動していくの。たまにお嬢様の膝に乗るんだけれど、きっとそこが一等居心地のいい場所だったのね」
ありがとう、初めてなんだ、SS書くの嬉しいな
妄想少女「ねぇ幻滅少年、見て見て猫よ」
猫「ニァアアーォ」
幻滅少年「綺麗なブルーグレーだね」
妄想少女「首輪はないけれど、いいとこの飼い猫ちゃんだったのかしら。何だか品のある猫ちゃんね」
猫「ニャンニャン」
妄想少女「うふふ…くすぐったいわ」
妄想少女「お前はきっと青い蔦の這う赤煉瓦の家に住んでいたのね。よく磨かれたガラスの窓には見目麗しい金髪の深窓の令嬢。それがお前のご主人様でしょう?メルベリネ」
幻滅少年「勝手に名前をつけるなよ」
猫「ニャオン」
妄想少女「ね、やっぱりお前はメルベリネよ。貴方は朝早くにご飯の催促をしに雲のように柔らかいご主人様のベッドに向かい、それからずっと屋敷で陽の当たる場所を移動していくの。たまにお嬢様の膝に乗るんだけれど、きっとそこが一等居心地のいい場所だったのね」
9: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:31:45 ID:qXV
妄想少女「でも幸せは長く続かないものよ…お嬢様のお母さまが星になってしまうの。そしてしばらくして、そう、仔猫だったお前が大人になるくらいね。新しいお母さまが来たの。お母さまは猫が嫌いで、それでお嬢様と仲が悪かった」
幻滅少年「……」
妄想少女「それでお嬢様が出かけている最中、お前の首輪は外されてしまったんだね、メルベリネ」
猫「ニャ…」
妄想少女「お前も捨てられてしまったの?」
猫「……」スリスリ
幻滅少年「…帰ろうか」
妄想少女「一緒に帰ってくれる?メルベリネも、一緒に」
幻滅少年「…行こう」
10: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:33:25 ID:qXV
妄想少女「ねぇ幻滅少年…あっううん、やっぱり何でもないの」
幻滅少年「何だい、むしろ気になるじゃないか」
妄想少女「ごめんなさい、何でもないのよ」
男友達1「ん?あっ妄想少女さんじゃん」
男友達2「本当だ、幻滅少年と仲いいもんな」
男友達3「てか修学旅行なのにあの子1人なんだな、やっぱ女子から嫌われてんのか」
妄想少女「……えと…」モジモジ
幻滅少年「……」
幻滅少年「何だい、むしろ気になるじゃないか」
妄想少女「ごめんなさい、何でもないのよ」
男友達1「ん?あっ妄想少女さんじゃん」
男友達2「本当だ、幻滅少年と仲いいもんな」
男友達3「てか修学旅行なのにあの子1人なんだな、やっぱ女子から嫌われてんのか」
妄想少女「……えと…」モジモジ
幻滅少年「……」
11: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:34:48 ID:qXV
スマホからコピペって難しいなぁ
幻滅少年「ごめん、僕あそこの店にいるから、みんなは先回ってて」スタスタ
妄想少女「あっ待って幻滅少年!あぁ、みなさんごめんなさいね」
~観光地のカフェ~
幻滅少年「アイスティー1つ。妄想少女は?」
妄想少女「……ごめんなさい、幻滅少年。私お財布をなくしちゃったみたいなの」
幻滅少年「…同じのでいいかい?」
妄想少女「えぇ…ごめんなさい」
幻滅少年「ごめん、僕あそこの店にいるから、みんなは先回ってて」スタスタ
妄想少女「あっ待って幻滅少年!あぁ、みなさんごめんなさいね」
~観光地のカフェ~
幻滅少年「アイスティー1つ。妄想少女は?」
妄想少女「……ごめんなさい、幻滅少年。私お財布をなくしちゃったみたいなの」
幻滅少年「…同じのでいいかい?」
妄想少女「えぇ…ごめんなさい」
12: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:35:47 ID:qXV
カランカラン
妄想少女「京都だものね、きっとそういう妖怪がいてもおかしくないわ。悪気はないんだもの。それでね、とても申し訳ないのだけれど幻滅少年…その…」
幻滅少年「また盗まれてしまうかもしれないからね、今からでもいいから僕と一緒に回ろうか。もちろん、お金は出すよ」
妄想少女「ごめんなさいいつも…帰ったら必ず返すわ」
幻滅少年「……犯罪なんだぞ、されてることは」
妄想少女「悪気はないのよ、きっといつか返してくれるわ」
幻滅少年「気づいているんだろう」
妄想少女「あら、あなたにもわかるようになったの?うふふ、きっと和服ね、京都だもの」
幻滅少年「……」
13: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:36:36 ID:qXV
少女「ねぇねぇ少年!」
少年「なあに少女?」
少女「虹の足元には金の皿があるって知ってた?」
少年「金の皿?」
少女「そうよ、探そうとする人には見えないの」
少年「そうなんだ」
少女「わたし、いつか見つけてみせるわ。虹の足は2つでしょう?ひとつはわたしの、ひとつはあなたの。世界で2つだけの金の皿よ」
少年「そんな大切なものをぼくにくれるのかい?」
少年「なあに少女?」
少女「虹の足元には金の皿があるって知ってた?」
少年「金の皿?」
少女「そうよ、探そうとする人には見えないの」
少年「そうなんだ」
少女「わたし、いつか見つけてみせるわ。虹の足は2つでしょう?ひとつはわたしの、ひとつはあなたの。世界で2つだけの金の皿よ」
少年「そんな大切なものをぼくにくれるのかい?」
14: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:37:20 ID:qXV
少女「世界で2つだけだものあなたにあげたい…あぁ、でもそうしたら世界から虹がきえてしまうわね。それはダメだわ…そうよ、2人で見に行けばいいんだわ!」
少年「でも探したら見つからないんでしょ?」
少女「そうね、でもいいのよ、そっちの方が楽しいのだから」
少年「変な少女、でもぼくもついていくよ」
少女「ありがとう、少年。あっお母さまだわ!一緒に帰りましょう」
少年「うん」
少年「でも探したら見つからないんでしょ?」
少女「そうね、でもいいのよ、そっちの方が楽しいのだから」
少年「変な少女、でもぼくもついていくよ」
少女「ありがとう、少年。あっお母さまだわ!一緒に帰りましょう」
少年「うん」
15: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:37:53 ID:qXV
少女の部屋の前
少年「ねぇ少女、学校おいでよ」
少女「わたし、どうしたらいいの」
少年「……」
少女「お母さま…いなくなっちゃった…わたしが悪い子だったから…?」グスッグスッ
少年「ぼくは、いるよ。それに少女は良い子だよ」
少女「ごめんね、少年。わたし泣き虫だわ」
少年「いいんだよ、いいんだ」
少女「きっと見えなくなってしまっただけなんだわ…ほらあのお洋服はお母さまと一緒に選んだもの、あの髪飾りはお母さまが作ってくれたもの…こんなにも近くにいるのよね」
少年「少女…?」
妄想少女「見えないだけだわ。きっと、何にも悲しくなんてないのよ、そばにいるんだから」
少年「ねぇ少女、学校おいでよ」
少女「わたし、どうしたらいいの」
少年「……」
少女「お母さま…いなくなっちゃった…わたしが悪い子だったから…?」グスッグスッ
少年「ぼくは、いるよ。それに少女は良い子だよ」
少女「ごめんね、少年。わたし泣き虫だわ」
少年「いいんだよ、いいんだ」
少女「きっと見えなくなってしまっただけなんだわ…ほらあのお洋服はお母さまと一緒に選んだもの、あの髪飾りはお母さまが作ってくれたもの…こんなにも近くにいるのよね」
少年「少女…?」
妄想少女「見えないだけだわ。きっと、何にも悲しくなんてないのよ、そばにいるんだから」
16: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:38:36 ID:qXV
中学校
妄想少女「ッ!!」ドサッ!!
女子生徒1「ほんっとあんたムカつくわ。天然ぶりやがって」
女子生徒2「ちょっと~蹴るのはまずいんじゃないのぉ~」
女子生徒1「見えないとこだし、第一告げ口なんてしないよねぇ?良い子なんだから」
女子生徒2「ひっどーい!あ、心配だから恥ずかしい写真でも撮っておこうよ!」
女子生徒1「どっちがひどいんだよw」
妄想少女「やっやめて…」
女子生徒2「口答えかよウゼェ」
妄想少女「ッ!!」ドサッ!!
女子生徒1「ほんっとあんたムカつくわ。天然ぶりやがって」
女子生徒2「ちょっと~蹴るのはまずいんじゃないのぉ~」
女子生徒1「見えないとこだし、第一告げ口なんてしないよねぇ?良い子なんだから」
女子生徒2「ひっどーい!あ、心配だから恥ずかしい写真でも撮っておこうよ!」
女子生徒1「どっちがひどいんだよw」
妄想少女「やっやめて…」
女子生徒2「口答えかよウゼェ」
17: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:39:07 ID:qXV
ガラガラ
少年「妄想少…….何、これ?」
女子生徒1「少年君ッ!?これはその…遊んでただけというか」
少年「……押し倒してスカートめくって?」
妄想少女「そっ、そうなの!最近の遊びはちょっと過激なのよ、少年」
女子生徒「「!?」」
妄想少女「ねっ?だから気にしないで」
少年「おい何言って「じゃあ私たちはこれで~!!」あっ待て」
妄想少女「ごめん、少年」
少年「あいつらのやってることは唯の悪戯なんかじゃない」
妄想少女「良い子でいなきゃ、お母さまが帰ってこないの。それにきっとあの2人も本当は良い子なんだわ、悪魔が酷いことをさせようとしてるだけ」
少年「そんなんじゃない」
少年「妄想少…….何、これ?」
女子生徒1「少年君ッ!?これはその…遊んでただけというか」
少年「……押し倒してスカートめくって?」
妄想少女「そっ、そうなの!最近の遊びはちょっと過激なのよ、少年」
女子生徒「「!?」」
妄想少女「ねっ?だから気にしないで」
少年「おい何言って「じゃあ私たちはこれで~!!」あっ待て」
妄想少女「ごめん、少年」
少年「あいつらのやってることは唯の悪戯なんかじゃない」
妄想少女「良い子でいなきゃ、お母さまが帰ってこないの。それにきっとあの2人も本当は良い子なんだわ、悪魔が酷いことをさせようとしてるだけ」
少年「そんなんじゃない」
18: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:39:41 ID:qXV
幻滅少年「妄想少女が想っているほど、世界は美しくなんかないんだよ」
妄想少女「それ…前も聞いたことがあるわ…あまり素敵な言葉じゃないわね」
幻滅少年「妄想少女、いつか君が狂ってしまわないか、僕は、僕は」
妄想少女「変な幻滅少年、私は平気。お願いだからそんな泣きそうな顔しないで」
幻滅少年「泣いてなんか」
妄想少女「それ…前も聞いたことがあるわ…あまり素敵な言葉じゃないわね」
幻滅少年「妄想少女、いつか君が狂ってしまわないか、僕は、僕は」
妄想少女「変な幻滅少年、私は平気。お願いだからそんな泣きそうな顔しないで」
幻滅少年「泣いてなんか」
19: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:40:16 ID:qXV
妄想少女「だってあなたがいるんだもの、幻滅少年がいれば、私、どこでも平気よ。ひとりぼっちの海の底でも、寂しいくらいの空の上でも、だから、泣かないで」
幻滅少年「泣いてなんかいないよ、だから泣くなよ」
妄想少女「うふふ、変ね、私たち」
幻滅少年「…京都にあるかな、金の皿」
妄想少女「一緒に探してくれるの?」
妄想少女「ありがとう」
幻滅少年「泣いてなんかいないよ、だから泣くなよ」
妄想少女「うふふ、変ね、私たち」
幻滅少年「…京都にあるかな、金の皿」
妄想少女「一緒に探してくれるの?」
妄想少女「ありがとう」
20: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:40:34 ID:qXV
おわり
22: 名無しさん@おーぷん 2016/04/30(土)22:41:08 ID:qXV
ありがとう
読んでくれた人がいるだけで嬉しい
読んでくれた人がいるだけで嬉しい