男「バッティングセンターの帰り道、凄腕の剣士に助けられた」

2019年06月07日
男「バッティングセンターの帰り道、凄腕の剣士に助けられた」

1: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 22:30:26 ID:aPn6B9tE
バッティングセンターに快音が響き渡る。



カキーンッ!



男(よし……絶好調!)

男(全部当てられたし、いくつかは結構いいコースへ飛んでいった!)

2: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 22:33:18 ID:aPn6B9tE
打席から出てきた男に、常連が話しかけてくる。



常連「最近よくここに来るが、だいぶよくなってきたじゃねえか、兄ちゃん」

常連「そろそろ110kmや120kmにチャレンジしてみたらどうだい?」

男「いやぁ~、自分にはまだ100kmぐらいがちょうどいいっすよ!」

男「それじゃ、俺はこれで!」

3: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 22:36:41 ID:aPn6B9tE
帰り道――



男(あ~、スッキリした! バッティングセンターがこんなに面白いもんだったとは!)

男(次からは110kmあたりにチャレンジしてみようかな……)

4: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 22:38:50 ID:aPn6B9tE
強盗「おい、金を出せ」

男「!?」ビクッ

男(な、なんだこいつ……まさか強盗!?)

強盗「出さないと、死ぬことになるぞ」サッ

男(ピストル!?)

5: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 22:41:24 ID:aPn6B9tE
男「わ、分かったっ! 出す! 出すから……撃たないでくれっ!」

強盗「よし……早く出せ」

男(くっそぉ~、こんなことになるなんて! だけど命には代えられないよな……)

強盗「早くしろ」

男「わ、分かってる!」ゴソゴソ…

6: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 22:46:32 ID:aPn6B9tE
男「ほらっ!」ポイッ

強盗「どれ……」

強盗「ひい、ふう、みい……なんだこれ、シケてやがる」

強盗「とんだハズレをひいちまった。こんなしょぼくれた奴を狙うんじゃなかったな」

男(なんだと……!? 強盗の分際で好き勝手いいやがって……!)

強盗「カードは……ちっ、ポイントカードばっかじゃねえか」

男(てか、スキだらけだよな今……もしかして、かかっていけば勝てるんじゃないか?)

男(俺だって最近バッティングセンター通って、体鍛えてるんだ……いける!)

7: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 22:49:05 ID:aPn6B9tE
男「だあぁぁぁぁぁっ!」ダッ

ドカッ!

強盗「うおっ!?」

強盗「な、にしやがる!」ブンッ

ガッ!

男「ぎゃぁっ!」ヨロッ

男(甘かった……! こいつ予想以上に力が強い……!)

8: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 22:51:54 ID:aPn6B9tE
強盗「このヤロウ……ブッ殺してやる!」チャッ

男(あっ、銃がこっち向いた!)

強盗「死ねっ!」グッ…

男(ああ……俺、死んだ――)



パンッ!

9: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 22:56:45 ID:aPn6B9tE
スパァッ!



真っ二つになった弾丸が地面に落ちた。



男「え!?」

強盗「なに!?」



剣士「そこまでだ、悪党」



男と強盗の間には、一人の剣士が立っていた。

10: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 23:00:35 ID:aPn6B9tE
強盗「このヤロウ! ジャマすんなァ!」

パンッ! パンッ!

スパァッ! スパッ!

剣士「無駄だ……」



男(すごい! 銃弾を斬るなんて! ……こんなことできる人間がいるなんて!)

11: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 23:03:32 ID:aPn6B9tE
強盗「くっ、そ! バケモンがぁっ!」サッ

剣士「遅い」スッ…



ドカッ!



強盗「ぐえぇっ……!」ドサッ…

12: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 23:09:50 ID:aPn6B9tE
男「あの……ありがとうございました……」

剣士「別に大したことではない」

剣士「だが、武器を持った相手にむやみに飛びかかるのは感心せんな」

剣士「私が通りがからねば、死んでいたぞ」

男「す、すみません……」

剣士「強盗はしばらく目を覚まさんだろうし、後のことは任せた」

男「――あのっ! せめてお名前を!」

剣士「名乗るほどの者ではない。では、これから修練があるのでな」スッ…

男「あっ……」

13: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 23:11:54 ID:aPn6B9tE
男(銃弾を見切り、あっさり強盗を倒し、名も名乗らず去っていく……)

男(すごいなぁ……まさか現代の日本にあんな剣士がいるなんて!)

男(きっと……俺なんかとは全然違う生活をしてるんだろうなぁ……)

14: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 23:13:34 ID:aPn6B9tE
……

……

……



スパァッ! スパッ! シュパッ!



剣士(よし……絶好調!)

15: 深夜にお送りします 2016/02/15(月) 23:17:16 ID:aPn6B9tE
達人「君がこの知る人ぞ知る修練場に来てからしばらく経つが――」

達人「もうすっかりピストルの弾は斬れるようになったな!」

達人「そろそろ私のように、マシンガンや大砲の弾にチャレンジしてみたらどうかね?」

剣士「いやぁ~、自分にはまだピストルぐらいがちょうどいいっすよ!」



スパァッ!



カッティングセンターに快音が響き渡る。







おわり

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