軍師「え! 300の兵で5000の兵に勝て!?」

2019年06月01日
軍師「え! 300の兵で5000の兵に勝て!?」

1: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 01:46:32 ID:KdegeGv.
敵将軍「まあ、うちの国に逆らうなんてバカなマネはよすんだな、ハハハハ」

軍師「出来らぁっ!」

敵将軍「今なんていった?」

父「よせ、香介!」

軍師「いいんだよ、父ちゃん!」

軍師「300の兵で5000の兵に勝ってやるっていったんだよ!」

2: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 01:49:55 ID:KdegeGv.
敵将軍「こりゃあ面白い小僧だぜ」

父「いや、こいつは戦略のことになるとすぐムキになるんだよ」

父「すまん、こいつにかわって謝る!」

敵将軍「そうはいかないぜ、司令官さん」

敵将軍「大勢の兵士の前でケチをつけられたんだ」

敵将軍「こりゃあどうしても、300の兵で5000の兵に勝ってもらおう」

軍師「え! 300の兵で5000の兵に勝て!?」

3: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 01:51:41 ID:KdegeGv.
敵将軍「今、オレの率いる軍は向こうの平原に陣取っている」

敵将軍「どうやって5000の兵を300で撃退するか……見せてもらうぜ!」

軍師「やってやらぁっ!」

4: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 01:55:17 ID:KdegeGv.
父「香介、あんなこといっちまって……一体どうする気だ?」

父「10倍以上の兵力をどんな策略で補うつもりなんだ?」

軍師「簡単だよ、父ちゃん」

軍師「なにも5000の兵とまともにぶつかり合う必要はない」

軍師「あっちから勝手に兵の数を減らしていくようにすりゃいいのさ!」

父「どうやって?」

軍師「あの敵将軍は、昔はワルだったって噂を流すんだぁっ!」

5: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 01:58:38 ID:KdegeGv.
「将軍、あなた昔は不良だったんですってね」

「失望しました……軍を抜けます」

「短い間でしたが、お世話になりました」



敵将軍「ま、待てっ! お前たち!」

敵将軍「誰だ、こんな根も葉もない噂を流したのは!」

6: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 02:03:58 ID:KdegeGv.
父「おい、香介! 敵兵が1000人脱走して、4000人に減ったそうだ!」

軍師「やったぁっ!」

父「今度はどうするんだ?」

軍師「あの敵将軍はオタクだって噂を流すんだぁっ!」

7: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 02:06:32 ID:KdegeGv.
「不良だったぐらいならともかく、オタクって……」

「すみません、今日で軍を辞めます」

「剣に生きる者として、オタクに従いたくはありませんので」



敵将軍「おい、行かないでくれ!」

敵将軍「こりゃあとんでもないことになってきたぞ!」

8: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 02:09:59 ID:KdegeGv.
父「敵兵がさらに1000人減って、3000人になったぞ!」

軍師「へへへ、どんなもんだい!」

父「これで敵の兵力はちょうど10倍……どうする?」

軍師「もっと噂を流すんだぁっ!」

軍師「あの敵将軍はワキガだってなぁっ!」

9: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 02:13:20 ID:KdegeGv.
「将軍、あなたワキガらしいですね?」

「おじいちゃんの遺言で、ワキガの人とは付き合うなと言われていて……」

「故郷に帰ります」



敵将軍「オレはワキガなんかじゃないのに……!」

敵将軍「まずい、どんどん兵が減っていく!」

10: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 02:15:12 ID:KdegeGv.
父「香介、やったな! 敵兵がついに2000になった!」

軍師「よっしゃあーっ!」

父「だが、もちろんこれで終わりじゃねえんだろう?」

軍師「ああ、もっともっと噂を流す!」

軍師「あの敵将軍はクチャラーだってことにしよう!」

11: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 02:17:43 ID:KdegeGv.
「クチャラーとかないわー」

「食べる時音立てるのはちょっと……」

「できれば行儀いい人に仕えたいんで、さよなら」



敵将軍「ま、待てっ! 待ってくれーっ!」

12: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 02:21:21 ID:KdegeGv.
父「さあ、敵兵は残り1000だ! どうする!?」

軍師「もちろん、手は抜かねぇっ!」

軍師「敵将軍は学歴を詐称してるって噂を流してやるんだぁっ!」

父「これがうまくいきゃ、敵陣は崩壊だぜ!」

13: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 02:24:26 ID:KdegeGv.
「あんた、学歴偽ってたんだって?」

「幼卒なのに大卒って偽るとか大胆すぎるだろ!」

「あなたのことは尊敬していたのですが……残念です」



敵将軍「あああ……みんな去ってしまう……。流出が止まらない……」

14: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 02:26:57 ID:KdegeGv.
父「ハッハッハ、敵陣地には一人も兵士が残ってねえっ!」

父「いよいよ300人で、あの将軍をひっ捕らえちまうか!?」

軍師「いや、もしかすると援軍が来る可能性もある!」

父「そりゃそうだな」

軍師「だから、あの敵将軍は男のケツを狙ってるって噂を流すんだ!」

軍師「そうすりゃ、敵将軍は完全に孤立する!」

15: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 02:29:45 ID:KdegeGv.
……

父「大変だ、香介!」

軍師「どうしたんだい、父ちゃん?」

父「敵の兵力が回復しちまった!」

軍師「なんだってぇ!?」

父「それどころか、10000人に増えちまった!」

軍師「なんだってぇぇぇ!?」

父「うちの300人はみんな捕まっちまって、こっちにも兵が迫ってる!」

軍師「なんだってぇぇぇぇぇ!?」

16: 深夜にお送りします 2016/10/01(土) 02:34:02 ID:KdegeGv.
「敵国の300人の兵士を捕えました!」

「敵国の司令官と軍師も捕えました!」

「我が国の勝利です!」



敵将軍「ご苦労」

敵将軍「一時はどうなることかと思ったが、どうにか勝てたな……」

敵将軍(しかし、オレのところに集まってくれた10000人には褒美をやらねばならん)

敵将軍(褒美……つまりあいつらの望みを叶えてやらねばならん)

敵将軍(10000人かぁ……こりゃあ大変だ)





おわり

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