男「デスノートを拾った」 幼「……」
1: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:31:28.62 ID:smpOzCta0
幼「デスノートってジャンプで連載中の漫画よね?」
男「ああ」
幼「久しぶりだってのに、何?」
男「まあまあ。幼だったらどうする?」
幼「書いた名前の人が死ぬってあれ?」
男「それ」
幼「……冗談でしょ?」
男「まあとりあえず幼だったらどうする?」
幼「そうね……」
男「ああ」
幼「久しぶりだってのに、何?」
男「まあまあ。幼だったらどうする?」
幼「書いた名前の人が死ぬってあれ?」
男「それ」
幼「……冗談でしょ?」
男「まあとりあえず幼だったらどうする?」
幼「そうね……」
2: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:31:53.66 ID:smpOzCta0
幼「漫画では犯罪者を殺してたけど、私だったら怖くて無理だなあ」
幼「たぶん一度も使わないままだと思う」
男「幼らしいな」
幼「そうかな?」
男「うん」
幼「……それで男だったらどんな風に使うの?」
男「僕だったらまあ一つかな」
幼「いや、どんな風に使うのって」
男「気が向いたら教えるよ」
幼「ずるいー」
幼「たぶん一度も使わないままだと思う」
男「幼らしいな」
幼「そうかな?」
男「うん」
幼「……それで男だったらどんな風に使うの?」
男「僕だったらまあ一つかな」
幼「いや、どんな風に使うのって」
男「気が向いたら教えるよ」
幼「ずるいー」
3: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:32:22.11 ID:smpOzCta0
<翌日>
男「体の調子はどう?」
幼「ばっちしだけど」
男「良かった。それで明日だけど、ショッピング行かない?」
幼「いいよ」
男「体の調子はどう?」
幼「ばっちしだけど」
男「良かった。それで明日だけど、ショッピング行かない?」
幼「いいよ」
4: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:33:11.01 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「何かすごく注目されてたね」
男「まあ、ティーン向けのファッションショップだったからね」
幼「やっぱり男と一緒にいるのが珍しかったのかな」
男「……そうじゃない?」
幼「まあいいや、そこのカフェで休憩しよ」
男「いいよ」
幼「何かすごく注目されてたね」
男「まあ、ティーン向けのファッションショップだったからね」
幼「やっぱり男と一緒にいるのが珍しかったのかな」
男「……そうじゃない?」
幼「まあいいや、そこのカフェで休憩しよ」
男「いいよ」
5: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:35:08.75 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「疲れたー」
男「ぐたーってしてるね」
幼「昨日出歩いたからだー」
男「じゃあ今日は家でのんびりしようか」
幼「たまにはこういう日もいいよね」
幼「疲れたー」
男「ぐたーってしてるね」
幼「昨日出歩いたからだー」
男「じゃあ今日は家でのんびりしようか」
幼「たまにはこういう日もいいよね」
6: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:35:40.40 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「ねえ、空ってどうして青いの? 海が反射してるから?」
男「違う、レイリー散乱だ」
幼「……? レイリー散乱って何?」
男「……ごめん、アニメの知識だから分からない」
幼「気になる」
男「今から調べるから」
幼「ねえ、空ってどうして青いの? 海が反射してるから?」
男「違う、レイリー散乱だ」
幼「……? レイリー散乱って何?」
男「……ごめん、アニメの知識だから分からない」
幼「気になる」
男「今から調べるから」
7: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:36:06.08 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「たまには料理を作ってみた」
男「ごちそうになります」
幼「ほら、男の好きなハンバーグ。あーん」
男「……あーん」
幼「どう、おいしい?」
男「……懐かしいな。おいしいよ」
幼「良かった」
幼「たまには料理を作ってみた」
男「ごちそうになります」
幼「ほら、男の好きなハンバーグ。あーん」
男「……あーん」
幼「どう、おいしい?」
男「……懐かしいな。おいしいよ」
幼「良かった」
8: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:36:34.08 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「ひとよひとよに?」
男「ひとみごろ」
幼「ひとなみに?」
男「おごれや」
幼「ふじさんろく?」
男「おうむなく」
幼「ふたよしくしく?」
男「……分からない」
幼「よし、勝ち!」
男「いや、勝負だったの?」
幼「ひとよひとよに?」
男「ひとみごろ」
幼「ひとなみに?」
男「おごれや」
幼「ふじさんろく?」
男「おうむなく」
幼「ふたよしくしく?」
男「……分からない」
幼「よし、勝ち!」
男「いや、勝負だったの?」
9: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:37:01.45 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「たまには一人で過ごす」
幼「男は仕事のようだ」
幼「…………」
幼「…………」
幼「…………」
幼「あー、もう退屈」
幼「早く帰ってこないかなー」
男「ただいまー」
幼「あ、帰ってきた!」
幼「たまには一人で過ごす」
幼「男は仕事のようだ」
幼「…………」
幼「…………」
幼「…………」
幼「あー、もう退屈」
幼「早く帰ってこないかなー」
男「ただいまー」
幼「あ、帰ってきた!」
10: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:37:27.17 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「……♪」
男「何か上機嫌だね」
幼「昨日は男とあまり一緒にいれなかったから」
幼「今日は存分に甘えさせてもらうからね」
男「おてやわらかに」
幼「じゃ、ほら、膝かして」
男「はいはい」
幼「……♪」
幼「……♪」
男「何か上機嫌だね」
幼「昨日は男とあまり一緒にいれなかったから」
幼「今日は存分に甘えさせてもらうからね」
男「おてやわらかに」
幼「じゃ、ほら、膝かして」
男「はいはい」
幼「……♪」
11: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:37:54.69 ID:smpOzCta0
<翌日>
男「たまには料理を作ってみた」
幼「チャーハンか。男って料理出来たんだー」
男「まあ……そりゃね」
幼「食べていい?」
男「いいよ」
幼「……おいしい!!」
男「良かった」
幼「ちょっと味付け濃いけど」
男「男の料理なんてそんなもんだよ」
男「たまには料理を作ってみた」
幼「チャーハンか。男って料理出来たんだー」
男「まあ……そりゃね」
幼「食べていい?」
男「いいよ」
幼「……おいしい!!」
男「良かった」
幼「ちょっと味付け濃いけど」
男「男の料理なんてそんなもんだよ」
12: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:38:21.72 ID:smpOzCta0
<翌日>
男「今日から二泊三日の旅行だ」
幼「温泉かー。楽しみ!!」
男「電車内ではしゃがないの」
幼「えーだって楽しみなんだもん。男は違うの?」
男「……違うと思う?」
幼「思わない」
男「ま、その通りだよ」
男「今日から二泊三日の旅行だ」
幼「温泉かー。楽しみ!!」
男「電車内ではしゃがないの」
幼「えーだって楽しみなんだもん。男は違うの?」
男「……違うと思う?」
幼「思わない」
男「ま、その通りだよ」
13: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:38:57.56 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「そっちの湯加減はどうー?」
男(女湯の方から声がする。恥ずかしい)
幼「ねえ、男ー!」
男「……」
幼「あれ、男聞こえてないのかな。じゃあもっと大きな声で……」
男「ああもう……こっちの湯加減もいいよー!」
幼「あ、聞こえてたんだったら早く返事してよー!」
幼「そっちの湯加減はどうー?」
男(女湯の方から声がする。恥ずかしい)
幼「ねえ、男ー!」
男「……」
幼「あれ、男聞こえてないのかな。じゃあもっと大きな声で……」
男「ああもう……こっちの湯加減もいいよー!」
幼「あ、聞こえてたんだったら早く返事してよー!」
14: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:39:32.20 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「おみやげは……これ、三十個入りか。ちょうどいいかな」
男「そんなにたくさんかってどうするの? 二人じゃ食べきれないよ」
幼「あ、そっか。じゃあ、こっちで」
男「じゃあ会計して」
幼「……終わったよ」
男「それじゃ帰ろうか」
幼「えーもう帰るのー! あっという間だった」
男「楽しい時間っていうのはあっという間に過ぎるものなの」
幼「また来ようね!」
男「……そうだね」
幼「おみやげは……これ、三十個入りか。ちょうどいいかな」
男「そんなにたくさんかってどうするの? 二人じゃ食べきれないよ」
幼「あ、そっか。じゃあ、こっちで」
男「じゃあ会計して」
幼「……終わったよ」
男「それじゃ帰ろうか」
幼「えーもう帰るのー! あっという間だった」
男「楽しい時間っていうのはあっという間に過ぎるものなの」
幼「また来ようね!」
男「……そうだね」
15: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:40:09.28 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「はぁ……はぁ……」
男(はしゃぎすぎたのか熱が出た幼)
男「大丈夫?」
幼「だい……じょーぶ」
男「タオル変えるからね。ほらゆっくり寝て」
幼「ありがと」
男「…………」
幼「zzz」
幼「はぁ……はぁ……」
男(はしゃぎすぎたのか熱が出た幼)
男「大丈夫?」
幼「だい……じょーぶ」
男「タオル変えるからね。ほらゆっくり寝て」
幼「ありがと」
男「…………」
幼「zzz」
16: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:40:42.15 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「ふっかーつ!!」
男「昨日とは打って変わって元気だね」
幼「まあね!」
男「看病したかいがあったよ」
幼「看病……」
男「……ん? どうかしたの、幼?」
幼「男。本当に……ありがとうね」
幼「男だけだよ……こんなに……」
男「どうしたの、また熱がぶりかえした?」
幼「……ひっどーい。私だって普通に礼くらい言えるんだからね!」
幼「ふっかーつ!!」
男「昨日とは打って変わって元気だね」
幼「まあね!」
男「看病したかいがあったよ」
幼「看病……」
男「……ん? どうかしたの、幼?」
幼「男。本当に……ありがとうね」
幼「男だけだよ……こんなに……」
男「どうしたの、また熱がぶりかえした?」
幼「……ひっどーい。私だって普通に礼くらい言えるんだからね!」
17: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:41:16.09 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「ねえ、もしさ。大気中の酸素の割合が40%だったら呼吸って今の二分の一で済むのかな?」
男「いきなりどうしたの?」
幼「いや、ちょっと気になって」
男「……何かで聞いたけど、酸素20%っていうのはそれ以上でも、それ以下でも生命はここまで繁栄しなかったって話のはず」
幼「へえー」
男「いや、自分でした質問にもうちょっと興味を持とうよ……」
幼「ねえ、もしさ。大気中の酸素の割合が40%だったら呼吸って今の二分の一で済むのかな?」
男「いきなりどうしたの?」
幼「いや、ちょっと気になって」
男「……何かで聞いたけど、酸素20%っていうのはそれ以上でも、それ以下でも生命はここまで繁栄しなかったって話のはず」
幼「へえー」
男「いや、自分でした質問にもうちょっと興味を持とうよ……」
18: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:41:50.93 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「今日は男と二人で買い物!」
男「はしゃぐなって」
幼「はい、はーい! 今日のごはんは何にしますか!」
男「そうだな……カレーとかどう?」
幼「カレー作るの!?」
男「まあ頑張ってみるよ」
幼「楽しみ! ……あ、おかし買っても良い?」
男「300円までな」
幼「ケチー」
男「うちにお金の余裕はありません」
幼「まあいいや、選んでくる」
男「行ってらー。……あ、そうだ果物売り場に行かないと」
幼「今日は男と二人で買い物!」
男「はしゃぐなって」
幼「はい、はーい! 今日のごはんは何にしますか!」
男「そうだな……カレーとかどう?」
幼「カレー作るの!?」
男「まあ頑張ってみるよ」
幼「楽しみ! ……あ、おかし買っても良い?」
男「300円までな」
幼「ケチー」
男「うちにお金の余裕はありません」
幼「まあいいや、選んでくる」
男「行ってらー。……あ、そうだ果物売り場に行かないと」
19: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:42:17.55 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「えー今日もカレー?」
男「昨日はあんなに喜んでたのに……」
幼「そりゃ好きだけど朝昼晩ずっとカレーは……」
男「二日目のカレーおいしいだろ?」
幼「おいしくても、連続は嫌……」
男「……んー、ならカレーうどんにアレンジするか」
幼「それなら大丈夫!」
男「ちょっと待ってて」
幼「分かった!」
幼「えー今日もカレー?」
男「昨日はあんなに喜んでたのに……」
幼「そりゃ好きだけど朝昼晩ずっとカレーは……」
男「二日目のカレーおいしいだろ?」
幼「おいしくても、連続は嫌……」
男「……んー、ならカレーうどんにアレンジするか」
幼「それなら大丈夫!」
男「ちょっと待ってて」
幼「分かった!」
20: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:42:44.44 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「やーだー。行かないで!」
男「だから仕方ないだろ。親に呼び出されたんだから。それに日帰りだから、夜には帰ってくるって」
幼「でも……」
男「たまには顔を見せないとな」
幼「…………」
男「……幼も一緒に帰らないか」
男「昔と同じでおまえんち俺の実家の隣だし」
幼「ごめん。……ちょっと無理」
男「……ま、そっか」
男「いい子でお留守番してくれよ」
幼「……分かった」
幼「やーだー。行かないで!」
男「だから仕方ないだろ。親に呼び出されたんだから。それに日帰りだから、夜には帰ってくるって」
幼「でも……」
男「たまには顔を見せないとな」
幼「…………」
男「……幼も一緒に帰らないか」
男「昔と同じでおまえんち俺の実家の隣だし」
幼「ごめん。……ちょっと無理」
男「……ま、そっか」
男「いい子でお留守番してくれよ」
幼「……分かった」
21: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:43:11.08 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼「海だー!!」
男「ご機嫌取りのつもりで連れてきたけど、楽しんでるみたいだな」
幼「ほら、男も泳ごうよ」
男「……そうだな!」
幼「ほら、私を捕まえてみせて!」
男「言ったなあ?」
幼「あ、ちょっと待って、まだスタートって言ってない……!」
男「問答無用!」
幼「きゃっ!」
男「ははっ……どうだ、幼、楽しいか!」
幼「うん、楽しい!」
幼「海だー!!」
男「ご機嫌取りのつもりで連れてきたけど、楽しんでるみたいだな」
幼「ほら、男も泳ごうよ」
男「……そうだな!」
幼「ほら、私を捕まえてみせて!」
男「言ったなあ?」
幼「あ、ちょっと待って、まだスタートって言ってない……!」
男「問答無用!」
幼「きゃっ!」
男「ははっ……どうだ、幼、楽しいか!」
幼「うん、楽しい!」
22: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:43:39.26 ID:smpOzCta0
<翌日>
男「今日は遊園地に来た」
幼「ジェットコースター楽しかった!!」
幼「もう一回乗ろうよ!!」
男「……次で五回目だよ?」
幼「ほら、早く早く!」
男「あんま絶叫系好きじゃないんだけど……」
幼「その後はコーヒーカップにメリーゴーランドに……あ、最後は観覧車に乗るんだからね!」
男「はいはい。幼様の仰せのままに」
男「今日は遊園地に来た」
幼「ジェットコースター楽しかった!!」
幼「もう一回乗ろうよ!!」
男「……次で五回目だよ?」
幼「ほら、早く早く!」
男「あんま絶叫系好きじゃないんだけど……」
幼「その後はコーヒーカップにメリーゴーランドに……あ、最後は観覧車に乗るんだからね!」
男「はいはい。幼様の仰せのままに」
23: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:44:07.56 ID:smpOzCta0
<翌日>
幼(今日は夜景の見えるレストランでディナー……)
幼「ね、ねえ、本当にお金大丈夫なの?」
男「心配するなって、この日のためにちゃんと蓄えている」
幼「な、ならいいけど……」
男「落ち着かないか? やっぱりいつも通り家の方が良かったか?」
幼「……ううん。一度はこういう体験してみたかったし」
男「そっか……なら良かった」
幼「ねえ男……私、今幸せだよ」
男「僕も同じだ」
幼(今日は夜景の見えるレストランでディナー……)
幼「ね、ねえ、本当にお金大丈夫なの?」
男「心配するなって、この日のためにちゃんと蓄えている」
幼「な、ならいいけど……」
男「落ち着かないか? やっぱりいつも通り家の方が良かったか?」
幼「……ううん。一度はこういう体験してみたかったし」
男「そっか……なら良かった」
幼「ねえ男……私、今幸せだよ」
男「僕も同じだ」
24: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:44:35.76 ID:smpOzCta0
<翌日>
男(翌日……まあレストラン帰りの、まだ0時を回ったばかりの夜なんだけど)
男「ほら、付いたぞ」
幼「おーー、男ぉー。サンキューッ!」
男(酔っぱらった幼を介抱しながら家に着く)
男「ほら、ちゃんと靴脱いで」
幼「んー、やだー。男が脱がしてー」
男「……こんなに酒癖が悪いとは思わなかったな」
男(その後も悪戦苦闘しながら、幼のベッドに寝かせることに成功する)
男「それじゃおやすみ」
幼「……やだ」
男「え……?」
男(翌日……まあレストラン帰りの、まだ0時を回ったばかりの夜なんだけど)
男「ほら、付いたぞ」
幼「おーー、男ぉー。サンキューッ!」
男(酔っぱらった幼を介抱しながら家に着く)
男「ほら、ちゃんと靴脱いで」
幼「んー、やだー。男が脱がしてー」
男「……こんなに酒癖が悪いとは思わなかったな」
男(その後も悪戦苦闘しながら、幼のベッドに寝かせることに成功する)
男「それじゃおやすみ」
幼「……やだ」
男「え……?」
25: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:45:02.05 ID:smpOzCta0
男(幼が服の袖を握っている)
男「どうしたの、幼?」
幼「今日は一緒に寝るの」
男「一緒に……って」
幼「…………」
男「寝れないのか? なら、子守唄でも……」
幼「そういう意味じゃないの!」
男「……」
幼「……だって、今日は……今日は!!」
男「……分かったよ」
男(僕は幼の待つベッドに上がる)
男「ただ、俺も初めてだからな……痛くしたらごめんよ」
幼「……男に痛くされるなら良いよ」
男「どうしたの、幼?」
幼「今日は一緒に寝るの」
男「一緒に……って」
幼「…………」
男「寝れないのか? なら、子守唄でも……」
幼「そういう意味じゃないの!」
男「……」
幼「……だって、今日は……今日は!!」
男「……分かったよ」
男(僕は幼の待つベッドに上がる)
男「ただ、俺も初めてだからな……痛くしたらごめんよ」
幼「……男に痛くされるなら良いよ」
26: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:45:30.21 ID:smpOzCta0
<同日・昼>
チュン、チュンチュン。
男「……ん」
男(日の光に導かれ僕は起きる)
男「これが俗に言う朝チュンってやつか。いや、昼チュン……?」
男「ふわっ……あぁ……」
幼「すぅ……すぅ……」
男(隣には幼が穏やかに寝ている)
男(僕は幼を起こさないように立ち上がって、リビングに向かった)
男(おそらくやつがそこで待っているだろうから)
チュン、チュンチュン。
男「……ん」
男(日の光に導かれ僕は起きる)
男「これが俗に言う朝チュンってやつか。いや、昼チュン……?」
男「ふわっ……あぁ……」
幼「すぅ……すぅ……」
男(隣には幼が穏やかに寝ている)
男(僕は幼を起こさないように立ち上がって、リビングに向かった)
男(おそらくやつがそこで待っているだろうから)
27: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:46:03.47 ID:smpOzCta0
リューク「くっくっくっ。こういうときは昨晩はお楽しみでしたね、とでも言えばいいのか?」
男「……随分と人間世界の文化に染まったね、リューク」
28: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:46:33.70 ID:smpOzCta0
男「昨日は覗いたりしてないだろうな」
リューク「そんな趣味ねえっての」
リューク「おまえたちの甘ったるい日々を見ているよりアニメだっけか、そっちを見てる方が面白いっての」
男「まあ、君を楽しませるために過ごしてはいないからね」
男(冷蔵庫を開けてリンゴを取り出す)
男「ほら、今日の分」
リューク「お、ありがとな。……にしても今日でこの味ともお別れだと思うと寂しいぜ」
男「僕らよりリンゴの方が気がかりか」
リューク「何だ気にして欲しかったのか?」
男「いや、全然」
男(そう今日が……終わりの日)
男(幼が目覚めてから23日目)
リューク「そんな趣味ねえっての」
リューク「おまえたちの甘ったるい日々を見ているよりアニメだっけか、そっちを見てる方が面白いっての」
男「まあ、君を楽しませるために過ごしてはいないからね」
男(冷蔵庫を開けてリンゴを取り出す)
男「ほら、今日の分」
リューク「お、ありがとな。……にしても今日でこの味ともお別れだと思うと寂しいぜ」
男「僕らよりリンゴの方が気がかりか」
リューク「何だ気にして欲しかったのか?」
男「いや、全然」
男(そう今日が……終わりの日)
男(幼が目覚めてから23日目)
29: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:47:00.36 ID:smpOzCta0
<12年前>
医者『残念ながら幼さんの目は……もう覚めないかと』
<7年前>
幼母『もう私たちにもお金が無いのよ!』
男『だったら僕が代わりに払う!!』
<2年前>
男『幼……起きてくれよ……っ!』
<24日前>
男『デスノート……?』
リューク『くっくっくっ、また奇妙なやつが拾ったもんだ』
男『まさか……本物なのか!?』
医者『残念ながら幼さんの目は……もう覚めないかと』
<7年前>
幼母『もう私たちにもお金が無いのよ!』
男『だったら僕が代わりに払う!!』
<2年前>
男『幼……起きてくれよ……っ!』
<24日前>
男『デスノート……?』
リューク『くっくっくっ、また奇妙なやつが拾ったもんだ』
男『まさか……本物なのか!?』
30: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:47:27.40 ID:smpOzCta0
リューク「あー、うまかった」
男「……」
リューク「それでこれからどうするんだ?」
男「もちろん幼と過ごすよ」
男「ただ……二言くらい言っておこうと思ってね」
リューク「ほう……」
男「まずは……ありがとう。デスノートを僕の前に落としてくれて」
リューク「死神に礼を言うやつがいるなんてな……」
リューク「……俺は適当に落としただけだ。感謝するならおまえの運の強さにしろ」
男「……そう」
男「じゃあもう一つ。これは言ってみたかったんだ」
男「……」
リューク「それでこれからどうするんだ?」
男「もちろん幼と過ごすよ」
男「ただ……二言くらい言っておこうと思ってね」
リューク「ほう……」
男「まずは……ありがとう。デスノートを僕の前に落としてくれて」
リューク「死神に礼を言うやつがいるなんてな……」
リューク「……俺は適当に落としただけだ。感謝するならおまえの運の強さにしろ」
男「……そう」
男「じゃあもう一つ。これは言ってみたかったんだ」
31: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:47:54.07 ID:smpOzCta0
男「僕の勝ちだ。リューク」
32: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:48:21.47 ID:smpOzCta0
幼「……ん」
男「起きた?」
幼「あ、男。……おはよう」
男「おはよう」
幼「……って、私、服着てないじゃん!」
幼「わー! わー!! 恥ずかしい、こっち見ないで!」
男「そうは言っても……昨日たっぷり見たし」
幼「それとこれとは話が別なの!!」
幼「ほら、着替えるから、あっち見てて」
男「はいはい」
男「起きた?」
幼「あ、男。……おはよう」
男「おはよう」
幼「……って、私、服着てないじゃん!」
幼「わー! わー!! 恥ずかしい、こっち見ないで!」
男「そうは言っても……昨日たっぷり見たし」
幼「それとこれとは話が別なの!!」
幼「ほら、着替えるから、あっち見てて」
男「はいはい」
33: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:48:51.73 ID:smpOzCta0
幼「……」
男「……」
幼「えっとさ……」
男「うん……」
幼「その、いつだっけ……男がデスノートの話したのって?」
男「二十三日前だね」
幼「……ねえ、聞かせてくれる。男はデスノートをどういう風に使うのかを?」
男「……」
幼「えっとさ……」
男「うん……」
幼「その、いつだっけ……男がデスノートの話したのって?」
男「二十三日前だね」
幼「……ねえ、聞かせてくれる。男はデスノートをどういう風に使うのかを?」
34: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:49:25.38 ID:smpOzCta0
男「……説明する必要ある?」
幼「……そだね。じゃあ一つだけ」
幼「男だったら書く名前は一つ? それとも二つ?」
男「……」
幼「答えて」
男「二つ……かな」
幼「そっか」
男「……」
幼「私に付き合わなくても良かったのに」
男「……幼を一人になんて出来ないよ。危なくて見てられないからね」
幼「もう……子供扱いして」
幼「……そだね。じゃあ一つだけ」
幼「男だったら書く名前は一つ? それとも二つ?」
男「……」
幼「答えて」
男「二つ……かな」
幼「そっか」
男「……」
幼「私に付き合わなくても良かったのに」
男「……幼を一人になんて出来ないよ。危なくて見てられないからね」
幼「もう……子供扱いして」
35: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:49:55.19 ID:smpOzCta0
男「デスノートの話じゃ天国も地獄もないってあったけど」
男「こうやって一緒だったら……」
幼「うん、きっとまた来世でも一緒だよ」
男「そうだね……絶対一緒だ」
幼「……ねえ、手握って」
男「いいよ……」
幼「それじゃ」
男「ああ」
―――――――――――――――――。
男「こうやって一緒だったら……」
幼「うん、きっとまた来世でも一緒だよ」
男「そうだね……絶対一緒だ」
幼「……ねえ、手握って」
男「いいよ……」
幼「それじゃ」
男「ああ」
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36: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:50:23.76 ID:smpOzCta0
幼
植物状態から奇跡的復活を果たし、近しい者と幸せな思い出を作って23日後死亡。
男
近しい者と幸せな思い出を作って23日後死亡。
37: ◆YySYGxxFkU 2016/02/21(日) 21:50:53.93 ID:smpOzCta0
リューク「まったく……あんな人間がいるとはな」
――――――――
リューク『デスノートを使った人間は総じて不幸になる』
男『そうか……だったらリューク』
男『君は初めてデスノートを使って幸せになる人間を見れるよ』
――――――――
リューク「……ああ、俺の負けだよ」
リューク「これだから人間はおもしろ……だな」
<FIN>
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リューク『デスノートを使った人間は総じて不幸になる』
男『そうか……だったらリューク』
男『君は初めてデスノートを使って幸せになる人間を見れるよ』
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リューク「……ああ、俺の負けだよ」
リューク「これだから人間はおもしろ……だな」
<FIN>