千里眼と○○○

2019年08月06日
千里眼と○○○

1: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:18:42 ID:Yai.ggnc
ピンポーン…

男「ん…お客さん」スッ

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン…

男(何回も…うるさい…)ガチャ

2: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:21:13 ID:Yai.ggnc
女「こ…こんばんは!はじめまして女と言います!」フルフル

男「あ…はい…こんばんは」

女「と…とりあえず中に入れてください!」フルフル

男「…はい?」

女「いや…ほら…寒空で立ち話もなんですし…チェーン外してください!」ガチャガチャ…

3: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:22:59 ID:Yai.ggnc
男「すいません…知りもしない人を家に上げるわけにはいきません」パタン カチッ

女「開けて…開けてぇ~」ガチャガチャ

女「開けて…ください…」カチャカチャ…

4: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:24:05 ID:Yai.ggnc
シーン…

男「…静かになったけど、もう居ないかな?」カチャ

女は倒れていた

男「大丈夫ですか…?」

チェーンを外し、声をかける

5: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:25:38 ID:Yai.ggnc
女「…」ガバッ!サササッ!

女「お邪魔します!」ニコッ

男「…」

6: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:26:49 ID:Yai.ggnc
~部屋~

女「温まります…」

男「迷惑なので、それ飲み終えたら出ていってくださいね」

女「やっぱり突然こんな風に~はダメですよね…」

男「通報されてもおかしくないですからね?」

女「うぅぅ…ごめんなさい…決して悪いことしようとしてじゃないんです…」

7: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:28:01 ID:Yai.ggnc
男「じゃあ一体なんの用があったんです?」

女「しばらくの間…一緒にいてほしくて…」

男「警察…今からでも遅くないですよ?」

女「ま…待って…」

8: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:29:19 ID:Yai.ggnc
女「私…未来が見えて…これからあなたに良くないことが起こるから…それを知らせたくて…」

男「ツボとか買わされる感じですか?」

女「違いますっ!!」

女「その不幸の起こる日が過ぎ去るまで一緒にいたいんです!」

9: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:31:04 ID:Yai.ggnc
男「それでお金しぼり取られる…と?」

女「取りません!!信じてください!ただそばにいさせてもらえればいいんです!」

男「まぁ…俺に害がないならいいですけど…」

女「大丈夫です!私の事はおかまいなくです!」

男「ならまぁ…お好きなように…」

女「やった!それじゃ準備しますね」タタタッ…

10: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:34:07 ID:Yai.ggnc
女「んしょんしょ…」ドサッ!

男「その荷物は…」

女「お泊りセットです!」

男「…泊まるんですか?」

女「一緒に~ですから♪」

男「…俺の不幸って夜の間に起こるの?というかいつ起こるの?」

11: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:35:30 ID:Yai.ggnc
女「秘密です!」

男「…まぁ…部屋は余ってるし…いいか…」

女「ふんふ~ん♪」ガサゴソ

男「すごい荷物ですね…そのぬいぐるみは…」

女「これがないと眠れないんです!」

男「はぁ…」

12: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:36:40 ID:Yai.ggnc
女「ふんふ~ん…」グキュルル~

男「…」

女「…」グキュルル~

女「…」チラッ

男「…(こっち見んな)」

女「…」ジ~

13: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:38:59 ID:Yai.ggnc
男「ご飯作ればいいんですか?」

女「…」コクコク

男「余り物しかないですからね」

女「ありがとうございます♪」

14: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:40:59 ID:Yai.ggnc
女「美味しいです!」モグモグ

男「それはどうも」

女「男さんて料理上手なんですね!」

男「なんで俺の名前を?」

女「だから…未来が見えるんですって」

15: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:42:10 ID:Yai.ggnc
男「ふ~ん…不思議なこともあるんだね」

女「あんまり驚かないんですね」

男「詐欺師とかなら俺の名前くらい知ってて来るでしょ?」

女「詐欺師じゃないです~!!」

男「はいはい」

16: 深夜にお送りします 2015/11/13(金) 20:44:15 ID:Yai.ggnc
女「…あの…さっきはおかまいなくって言ったんですけど…もし男さんがよければ…私…彼女みたいな立場に…してほしいなて…」

男「ん~…お金は出さないよ?」

女「大丈夫です!彼女として~でいいんですか?」

男「お好きなように」

女「男さん!大好きです!」

男「言われて悪い気はしないね…騙されないように注意しないと…」

女「~♪」モグモグ

17: 深夜にお送りします 2015/11/14(土) 23:08:11 ID:SUWOT3s6
私はもうすぐ死ぬ…

通り魔に刺されて…

運命って不思議で…変えようとあがいてみても、結論までは変えられない…

未来を見通す力…見通せるだけで、なんにもできない…

普通の女の子として過ごしてきた…それが私が見てきた、私の未来だったから…

18: 深夜にお送りします 2015/11/14(土) 23:10:16 ID:SUWOT3s6
私の死期がこんなに早いなんて…それだけが悲しかった。

被害者は2名。私と男さん。
私が襲われるのを男さんが目撃して、助けに入ってくれて…そのまま…

すごく勇敢で…優しい人だなって…ずっと思ってた

お礼が言いたい…死ぬ間際の一瞬だけしか会えないなんていや…死ぬ前に男さんに会ってみたい…

19: 深夜にお送りします 2015/11/14(土) 23:25:37 ID:SUWOT3s6
男「女さん?」

女「…は!はい!」

男「どうかしました?」

女「少し考えごとしてました」アセアセ

男「そうですか、お風呂用意するのでよければ入ってくださいね」

女「あ…ありがとうございます」

20: 深夜にお送りします 2015/11/14(土) 23:27:06 ID:SUWOT3s6
男「用意できましたよ。着替えとかはありますよね?」

女「はい……の…覗かないでくださいねっ!!?」

男「不安なら、近くのお風呂屋さん行ってもらってかまいませんよ?」

女「…ごめんなさい…いただきます…」シュン…トボトボ

22: 深夜にお送りします 2015/11/15(日) 09:43:36 ID:UtAa2SDk
チャプン…

女「覗かないで~なんて言わなくても、男さんは覗いたりしないんだけどね…」

女「温かい…」

女「会えて…よかったな…」

女「…って!!なんで落ち込んでるの!?私!!」

女「元気出して!明日から男さんといっぱいデートして思い出作るんだから!」

女「デート…デート…男さん…」ドキドキ…プクプクプクプク…

女「でもなんでだろう…この先どうなるのか見えない…今までは運命と違う行動しても、結末までの未来は見えたはずなのに…」

23: 深夜にお送りします 2015/11/15(日) 09:55:45 ID:UtAa2SDk
女「お風呂上がりました!」

男「それじゃあ俺入ってくるね…通帳とか…盗まないでね?」

女「盗みません!」プンプン

男「言ってみただけです。この部屋、使ってください。布団も敷いておいたので、よければ先に休んでくださいね」ニコ

女「…色々ありがとうございます…」

24: 深夜にお送りします 2015/11/15(日) 10:13:18 ID:UtAa2SDk
男「さっぱりしました………」

男のベットで寝ている女

女「…」

男「…」クルッ…スタスタ…モソモソ

布団に入る男

女「!!」バッ…スタスタ…モソモソ

布団に一緒になって入り込む女

男「なにがしたいんですか…」

女「カップル…ですもん…!」ドキドキドキドキ

男「…好きにしてください」

25: 深夜にお送りします 2015/11/15(日) 10:27:44 ID:UtAa2SDk
女「あの…今日は突然訪ねて…こんな強引なことして…本当にごめんなさい…」

男「…」

女「失礼なのは承知してて…それでもこうしていたいんです…」

男「…」

女「数日後には居なくなりますから…私のわがまま…聞いてください…お願いします…」

男「大丈夫ですよ。色々突然すぎて驚きましたけど、嫌ではないですし、好きなようにしてください」

女「…だ…抱きしめてください」

男「…えっ?」

女「抱きしめて…ください…」

男「…」ギュッ

27: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 21:50:21 ID:clUZvhD2
女「ふぇ…朝…?」

女「…あのまま寝ちゃってたんだ…」

シーン

女「…男さん…」キョロキョロ

シーン

女「お仕事行っちゃったのかな…」

女(デート…したかったのに)

28: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 21:51:47 ID:clUZvhD2
ジャ~…ガチャ…
女「!?」ビクッ

男「…おはよう女さん」ファァ…

女「あ!おはようございますっ」

男「…どうかした?」

女「いえっ…何でもないです(トイレだったんですね、全然気が付かなかった…)」アセアセ

男「朝ごはん作るね」

女「は…はい!」ニコッ

29: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 21:53:12 ID:clUZvhD2
朝食

女「…」モグモグ
男「…」モグモグ

女「…あの…」
男「ん?」

女「今日ってお仕事ですよね?」
男「今日は休みとったよ」

女「えっ!?」
男「家に知らない人だけ残して出かけられないでしょ?」

30: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 21:54:17 ID:clUZvhD2
女「…私そんなに信用ないですか…?」
男「冗談だってば、せっかくだし、どこか出かけようか」

女「私もお願いしようと思ってたんです!いいんですか?」
男「デートだね」

女「///」…モグモグ

31: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 21:55:37 ID:clUZvhD2
水族館

女「わぁ~男さん男さん!とっても綺麗ですよ~」キャッキャ

男「そうだね~」

ショッピング

女「…どうですか?似合いますか?」モジモジ

男「ちょっと大人っぽすぎるかな…こっちの方が女さんらしいかも」スッ

女「子供服じゃないですか~!!」ムキーッ

32: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 21:57:05 ID:clUZvhD2
帰りの電車

女「楽しかったです!」

男「それはなにより」

女「男さんは楽しかったですか?」

男「楽しかったよ」

女「…男さんてあんまり感情を表に出さないんですね」

男「そんなことないよ」

女「そんなことあります!」

女「…私はとっても楽しかったです」

女「あの…もっと近くに寄ってもいいですか?」

男「いいですよ」

ピトッ

女「…これからもずっと…こうしていたい…です」

男「…そうだね」

33: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 21:59:47 ID:clUZvhD2


女「ごちそうさまでした」
男「おそまつさまでした」

女「とっても美味しかったです!」

男「それはよかった」

女「でも…食後のデザートが食べたいです!」

男「ないです」

女「食後の運動を兼ねて、コンビニに買いに行ってきます!男さんはなにか欲しいものありますか?」

男「それじゃあ同じのをもう1つお願いできますか?」

女「分かりました!買ってきますね!」スタスタ…パタン

男「…」

34: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 22:01:18 ID:clUZvhD2
夜道…暗がりの向こうからパーカーを深くかぶった人が歩いてくる。

すれ違う瞬間…私は襲われ…お腹を刺される…

声も出せないまま塀にもたれる私、通り魔がナイフを構えなおし、私に突進してくる…

私は死を覚悟して目をつむる…

2度目…新たな痛みはなくて…目をあけるとそこには男さんが居た。

35: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 22:02:25 ID:clUZvhD2
男さんは私を守って、背中を…

私は力が抜けてそのまま崩れ落ちて…

男さんは通り魔へと向き直って…

通り魔は邪魔が入ったからか、そのまま逃げていった…

それを見届けた男さんは、そのまま地面に倒れて…

私も目の前が少しづつ暗くなって…未来が終わる。

女「今日…なんだよね…」

36: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 22:13:20 ID:clUZvhD2
女「これで…男さんは家に居るから…助かるよね…」スタスタ

女「何もしてなければ…男さんは仕事帰りで、この道を…」

女「私は運命にちゃんと従うんだから、男さんの命くらいは見逃してくれるよね?運命取り繕うために男さんを瞬間移動!とかしないでよ?…ねぇ…神様…」スタスタ…

37: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:00:30 ID:clUZvhD2
女(…あの人…)スタスタ…

前からパーカーの男

女(男さん…ごめんなさい…デザート…買って帰れない…)スタスタ

通り魔がナイフを取り出す

女(…死にたくない…男さん…助けて…)

38: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:01:42 ID:clUZvhD2
目を固く閉じる女

グサッ

女(あれ…痛くない…)

男「大丈夫?女さん…」

女「!?」
女「なんで…」

男「あはは…痛いね…これ…」

女は力が抜けて崩れ落ちる

39: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:03:34 ID:clUZvhD2
男「俺のことは心配ないよ、女さんが無事でよかった…さてと…」クルッ…

男「…逃げるなよ?」

通り魔「…チッ」クルッ…

男「○○会社勤務の○○××だろ?」

通り魔「…」ピタッ

40: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:05:20 ID:clUZvhD2
男「仕事でだいぶストレスためてるみたいだけど、その発散方法がこんなことか?」

通り魔「…」

男「その仕事でのストレスもあんたがちゃんとしてないからだろ?」

通り魔「うるせぇぇぇぇ!黙れぇぇぇ!」クルッタタタタッ

41: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:06:33 ID:clUZvhD2
男(怒りにまかせた突進…ギリギリでかわして、足をかけ転ばせる)

ガシッ…ズシャア…

男(体制を立て直す前に、ナイフを持つ手を踏みつけナイフを奪う…)

グイッ…

男(腕を取り、上に乗り見動きを封じ、ナイフを突きつける…)

42: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:07:34 ID:clUZvhD2
男「暴れたら刺す…俺も人生どうでもよくなってんだ…人を殺すことだって、やろうと思えばいくらでもしてやる…」

男「ただな…自分の人生がどうでもいいからってな…他の人間を不幸にする行いはダメだ」

男「まだあんたならやり直せる。警察行くぞ」

通り魔「…」

43: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:12:44 ID:clUZvhD2
男はそう言って通り魔の上から降り、ナイフを捨て、警察に通報した。

通り魔は警察が来るまで、同じ体制のまま動くことはなかった。

通り魔は素直に警察の指示に応じ、連行されていった。

男はそのまま病院へ。女も付き添い。
警察への説明も終え、二人だけの時間。

44: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:44:01 ID:clUZvhD2
男「いや~、お医者さんいわく、このケガじゃ死なないって!よかったね女さん!」

女「よくないですよ!すっごく心配したんですから…そもそも…なんであの場所に男さんが…」

45: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:45:30 ID:clUZvhD2
男「ん…あのね、読心術…」

女「…読心術?なにを言ってるんですか?」

男「女さんて本当に未来が見えるんだね、びっくりしたよ」

女「…?」

男「女さんに未来を見通せる力があるように、俺の場合は人の心が見えるの」

女「!!」

46: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:46:39 ID:clUZvhD2
男「女さんの心も会った時から見てて、悪い人じゃないな~て分かったし、むしろ好意を抱かれてて嬉しかった」

女「…」

男「女さんが見てる未来も当然のように見えてさ、俺死ぬのかよってね」

女「…」

47: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:47:35 ID:clUZvhD2
男「でも女さん、あの場所に一人で行くんだもん…心配したのはこっちだよ?」

女「…ごめんなさい」

男「女さん、通り魔に刺されそうになった時、死にたくない~助けて~て、最初から言ってもらえてれば、もっと力になったのに…」

女「…ごめんなさい」モジモジ

男「とりあえず女さんが無事でよかった」

48: 深夜にお送りします 2015/11/22(日) 23:48:47 ID:clUZvhD2
男「あとね、運命は変えることはできないって思ってるみたいだけど…」

男「本気になれば、なんだってできると思うんだ」

女「…」

男「今まで変えられなかったのは、女さんができないって諦めてたからで」

男「きっと今回は女さんが本気になったから変えられたんだよ?」

男「頑張ったね女さん♪」ヨシヨシ

女「…」

男「それでね…俺もわりとすぐに諦めちゃう人間でさ…」

男「でも本気にならなきゃなって思ったことがあって…」

女「…?」

男「女さんが…よければなんだけど…」

男「これからも彼女として…付き合っていただけますか?」

女「…はいっ!」ニコッ

おわり!

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