伏線「長年伏せていたが、いよいよ回収される時がきた!」
1: 深夜にお送りします 2015/10/12(月) 21:06:29 ID:twIKw6MQ
伏線「長年伏せていたが、いよいよ回収される時がきた!」
伏線「読者どもよ! 驚きおののき、ひれ伏すがよいわ!」
伏線「そうすれば、きっと俺は伏線たちのリーダーに出世できる!」
伏線「そして部下を率いて、大海原に旅立つのだ!」
2: 深夜にお送りします 2015/10/12(月) 21:10:02 ID:twIKw6MQ
「バレバレだったよな、この伏線」
「ああ、全然伏せられてなかったもんな。伏線っていえるかどうかも怪しいレベルだ」
「完全に予想通りだったわ」
伏線「なにい!?」
3: 深夜にお送りします 2015/10/12(月) 21:13:31 ID:twIKw6MQ
伏線「おのれ……伏せていたつもりが、どうやらバレバレだったようだ」
伏線「だったら今度はもっとちゃんと伏せてやる!」
伏線「完全に気配を消し、絶対に見破られないように、伏せることに徹してやる!」
4: 深夜にお送りします 2015/10/12(月) 21:16:55 ID:twIKw6MQ
「ハァ? なんなのこのオチ」
「ひっでえな、なんの伏線もなかったぜ」
「作者、いきあたりばったりで話作ってるんだろうな、きっと」
伏線「なにい!?」
5: 深夜にお送りします 2015/10/12(月) 21:20:44 ID:twIKw6MQ
伏線「おのれ、ちゃんと伏線は張られてたのに、誰も気づいてない!」
伏線「回収されても気づいてもらえない伏線なんて、何もないのと一緒だ! くそっ!」
伏線「伏せ方が浅いとバレバレだと笑われ、深すぎると気づいてすらもらえない……」
伏線「俺は伏線を甘く見ていた! 伏線とはなんと奥深く、難しいものなのだ!」
伏線「ようし、修行のやり直しだ!」
6: 深夜にお送りします 2015/10/12(月) 21:24:15 ID:twIKw6MQ
…
……
………
伏線「とうとう見つけたぞ! 最良最善の伏せ方を!」
伏線「これならきっと……読者に驚いてもらうことができるはず!」
7: 深夜にお送りします 2015/10/12(月) 21:36:17 ID:twIKw6MQ
「うおおおお、これ伏線だったのかよ!」
「やられたー!」
「全然気づかなかった……。これホントすごいや……」
伏線「や、やった……! ついにやった!」
伏線「読者さんたち、ありがとう……!」ガバッ
伏線(ん!? 思わず俺の方がひれ伏してしまった……!)
伏線(そうか……これが“伏線”!)
伏線(喜んでもらえた感動で、自分自身がひれ伏してしまう……)
伏線(これこそが最高の伏線だったんだ!)グスッ…
8: 深夜にお送りします 2015/10/12(月) 21:40:35 ID:twIKw6MQ
伏線神「このたびの栄誉を称え、おぬしを数多の伏線たちのリーダーに任命する」
伏線「ははーっ! ありがとうございます!」
こうして、伏線は昇進し、みごと伏線長となった。
そう、すなわち――
9: 深夜にお送りします 2015/10/12(月) 21:45:34 ID:twIKw6MQ
フック船長になったのである。
フック船長「おのれ、ピーターパンめ! 今日こそこの剣のサビにしてくれるわ!」
ピーターパン「アハハハッ! そうはいくもんか!」
おわり