男「黙ってついてこい」 女「誘拐ならおすすめしません」
1: VIPがお送りします 2015/05/02(土) 23:59:32.816 ID:57ffMtf90.net
男「何を言ってるんだお前……」
女「私を誘拐するつもりなんでしょう?」
男「まあ……そうなんだが」
女「私を誘拐するつもりなんでしょう?」
男「まあ……そうなんだが」
2: VIPがお送りします 2015/05/02(土) 23:59:55.750 ID:57ffMtf90.net
女「なんで私を誘拐しようとするんですか?」
男「こんな時間に人通りの少ない道を歩いているお前が悪い」
女「それはそうですね」
男「こんな時間に人通りの少ない道を歩いているお前が悪い」
女「それはそうですね」
3: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:00:16.553 ID:25PqrL1R0.net
男「これナイフ。わかるか?」
女「わかりますよ。バカにしないでください!」
男「怖くないのか……?」
女「怖いですよ」
男「全然怖がってるようには見えないな」
女「わかりますよ。バカにしないでください!」
男「怖くないのか……?」
女「怖いですよ」
男「全然怖がってるようには見えないな」
4: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:00:37.124 ID:25PqrL1R0.net
女「じゃあ怖がってあげましょうか」
男「なんだそりゃ」
女「キャーー! 殺される!!」
男「黙れ、人が来るだろ!!」
男「なんだそりゃ」
女「キャーー! 殺される!!」
男「黙れ、人が来るだろ!!」
5: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:01:07.823 ID:25PqrL1R0.net
女「誘拐の目的は身代金ですか?」
男「他に何があるんだ」
女「私のカラダ目当てかも」
男「自意識過剰なやつだな」
男「他に何があるんだ」
女「私のカラダ目当てかも」
男「自意識過剰なやつだな」
6: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:01:32.095 ID:25PqrL1R0.net
女「私は可愛い現役JKですからね」
男「自分で言うなよ」
女「可愛くないですか?」
男「うるせえな」
男「自分で言うなよ」
女「可愛くないですか?」
男「うるせえな」
9: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:02:02.132 ID:25PqrL1R0.net
女「身代金が目的ならおすすめしません」
男「だからなんでだよ」
女「成功率が極めて低いからです」
男「そんなことわかってんだよ」
女「いいえ、わかってません」
男「だからなんでだよ」
女「成功率が極めて低いからです」
男「そんなことわかってんだよ」
女「いいえ、わかってません」
10: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:02:23.098 ID:25PqrL1R0.net
男「とにかくついてきてもらおうか」
女「わかりました。そこの車に乗ればいいんですね」
男「やけに素直だな……」
女「わかりました。そこの車に乗ればいいんですね」
男「やけに素直だな……」
11: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:02:42.543 ID:25PqrL1R0.net
女「あなたの家まで連れていかれるんですね」
男「ああ、そうだ」
女「誘拐された実感がわいてきました」
男「俺は誘拐した実感がまったくないよ」
男「ああ、そうだ」
女「誘拐された実感がわいてきました」
男「俺は誘拐した実感がまったくないよ」
12: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:03:03.921 ID:25PqrL1R0.net
男「なんでそんなに協力的なんだ」
女「積極的な人質なんです」
男「そんな人質いねえよ」
女「でも、いるんです」
女「積極的な人質なんです」
男「そんな人質いねえよ」
女「でも、いるんです」
13: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:03:32.643 ID:25PqrL1R0.net
男「とにかくさっさと出発するぞ」
女「まってください!」
男「あ?」
女「シートベルト!」
男「うるせえな……」
女「まってください!」
男「あ?」
女「シートベルト!」
男「うるせえな……」
15: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:04:04.017 ID:25PqrL1R0.net
女「まだつかないんですか?」
男「もうすぐだ」
女「ちゃんとシートベルトしたんですね」
男「事故でも起こしたら計画が破綻するからな」
男「もうすぐだ」
女「ちゃんとシートベルトしたんですね」
男「事故でも起こしたら計画が破綻するからな」
17: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:05:20.671 ID:25PqrL1R0.net
男「ついた。ここだ」
女「結構、その、ぼろいですね」
男「うるせえな」
女「でも、好きな形です」
男「なんだそりゃ」
女「結構、その、ぼろいですね」
男「うるせえな」
女「でも、好きな形です」
男「なんだそりゃ」
19: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:06:36.199 ID:25PqrL1R0.net
女「中は意外と綺麗」
男「ちょっと待て。勝手に入っていくな」
女「だって誘拐したんでしょう?」
男「誘拐犯の家に先導して入っていく人質がいるかよ」
男「ちょっと待て。勝手に入っていくな」
女「だって誘拐したんでしょう?」
男「誘拐犯の家に先導して入っていく人質がいるかよ」
21: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:08:49.338 ID:25PqrL1R0.net
男「さてと、そろそろお前の親が心配しているころか?」
女「まだ11時ですよ」
男「午前中ならまだしも、夜の11時だぞ」
女「そんなのわかってますよ。外が暗いから」
男「もう充分遅い時間だ」
女「まだ11時ですよ」
男「午前中ならまだしも、夜の11時だぞ」
女「そんなのわかってますよ。外が暗いから」
男「もう充分遅い時間だ」
25: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:10:09.945 ID:25PqrL1R0.net
女「最近の高校生はこんな時間、遅いうちに入りません」
男「恐ろしい時代になったな」
女「あなたの時代とは違うんです」
男「俺も結構若いんだけどな」
男「恐ろしい時代になったな」
女「あなたの時代とは違うんです」
男「俺も結構若いんだけどな」
26: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:14:31.077 ID:25PqrL1R0.net
男「じゃあどうするかな」
女「知りませんよ」
男「……食パン食べる?」
女「なんでですか」
男「いや、安かったからたくさん買ってただけ」
女「食べませんよ」
男「うーむ」
女「知りませんよ」
男「……食パン食べる?」
女「なんでですか」
男「いや、安かったからたくさん買ってただけ」
女「食べませんよ」
男「うーむ」
29: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:17:12.049 ID:25PqrL1R0.net
男「もういいや、電話しよう」
女「そうですか」
男「家の電話番号わかるか?」
女「ちょくちょくバカにするのやめてください」
男「よし、脅迫する」
女「そうですか」
男「家の電話番号わかるか?」
女「ちょくちょくバカにするのやめてください」
男「よし、脅迫する」
30: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:21:08.243 ID:25PqrL1R0.net
男「……もしもし、娘さんは預かった」
女母「……はい……?」
男「わかっているのか? 娘さんは俺が誘拐した」
女母「はい……」
男「返してほしければ10万円用意しろ。場所は」
女母「あ、い、いいです」
男「……は?」
ツーツーツー
男「…………切れた」
女「……」
男「……」
女「…………だからおすすめしないって言ったんですよ」
女母「……はい……?」
男「わかっているのか? 娘さんは俺が誘拐した」
女母「はい……」
男「返してほしければ10万円用意しろ。場所は」
女母「あ、い、いいです」
男「……は?」
ツーツーツー
男「…………切れた」
女「……」
男「……」
女「…………だからおすすめしないって言ったんですよ」
35: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:24:15.003 ID:25PqrL1R0.net
男「イタズラだと思われたか……?」
女「いえ、そうであったとしても、なかったとしても」
男「……?」
女「私愛されてないんですよ、親から」
女「いえ、そうであったとしても、なかったとしても」
男「……?」
女「私愛されてないんですよ、親から」
37: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:25:58.378 ID:25PqrL1R0.net
男「えっと……」
女「…………」
男「…………」
女「………………」
男「………………食パン食べる?」
女「……そうですね。少しお腹がすきました」
女「…………」
男「…………」
女「………………」
男「………………食パン食べる?」
女「……そうですね。少しお腹がすきました」
41: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:27:45.620 ID:25PqrL1R0.net
女「……」モグモグ
男「……」
女「……やっぱりかあ」モグモグ
男「食べてるところは」
女「はい?」モグモグ
男「食べてるところは少し可愛いな」
女「嬉しくありません」モグモグ
男「……」
女「……やっぱりかあ」モグモグ
男「食べてるところは」
女「はい?」モグモグ
男「食べてるところは少し可愛いな」
女「嬉しくありません」モグモグ
44: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:31:05.261 ID:25PqrL1R0.net
女「食パンご馳走様でした」
男「お、おう」
女「……」
男「……」
女「……10万は安くないですか?」
男「あ、いや、あんまり高いと払ってもらえないかもしれないし」
女「なんですかそれは」
男「要求に1億円とかする犯人はもはやネタだし、そんなにたくさんお金をもらっても使いきれないし」
女「控えめな誘拐犯さんですね」
男「お、おう」
女「……」
男「……」
女「……10万は安くないですか?」
男「あ、いや、あんまり高いと払ってもらえないかもしれないし」
女「なんですかそれは」
男「要求に1億円とかする犯人はもはやネタだし、そんなにたくさんお金をもらっても使いきれないし」
女「控えめな誘拐犯さんですね」
45: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:33:05.319 ID:25PqrL1R0.net
女「まあ結局、10万の価値もなかったわけなんですけどね」
男「……」
女「感覚が狂ったのか、10万の価値を私につけてくれたあなたがありがたいです」
男「……そいつは狂ってるな」
男「……」
女「感覚が狂ったのか、10万の価値を私につけてくれたあなたがありがたいです」
男「……そいつは狂ってるな」
49: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:35:46.781 ID:25PqrL1R0.net
女「さて、私をどうしますか誘拐犯さん」
男「どうするって……いってもな……」
女「人質としての価値はゼロです」
男「うーむ」
女「つまり、ただのJKです」
男「言い方がいかがわしい」
女「しかも可愛い」
男「どうするって……いってもな……」
女「人質としての価値はゼロです」
男「うーむ」
女「つまり、ただのJKです」
男「言い方がいかがわしい」
女「しかも可愛い」
50: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:39:13.236 ID:25PqrL1R0.net
男「解放しようか。別に殺したりするつもりも必要もないしな」
女「まあ、解放されても、私を望まない家に帰るだけなんですけどね」
男「……やっぱりやめた」
女「……はい?」
男「もう少し誘拐しておく。貴重なJKだしな」
女「言い方がいかがわしい」
男「しかも可愛い」
女「そうなんですよ。仕方ないですね」
女「まあ、解放されても、私を望まない家に帰るだけなんですけどね」
男「……やっぱりやめた」
女「……はい?」
男「もう少し誘拐しておく。貴重なJKだしな」
女「言い方がいかがわしい」
男「しかも可愛い」
女「そうなんですよ。仕方ないですね」
51: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:41:12.114 ID:25PqrL1R0.net
男「別になにをするわけでもない。もう遅いから寝よう」
女「もう寝るんですか」
男「日が変わってるぞ。それとも最近の高校生はこんな時間遅くないのか?」
女「はい。これからが本番ですよ。トランプしたり恋話したり」
男「修学旅行かよ」
女「もう寝るんですか」
男「日が変わってるぞ。それとも最近の高校生はこんな時間遅くないのか?」
女「はい。これからが本番ですよ。トランプしたり恋話したり」
男「修学旅行かよ」
53: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:44:13.055 ID:25PqrL1R0.net
男「布団はひとつしかない」
女「いえいえ、私はいいですよ。使ってください」
男「誰がお前に使わせると言ったんだ」
女「だいたい紳士なら女子に譲るかと」
男「俺の使ってた布団なんか汚くて女子に使わせられるか」
女「ほー……」
女「いえいえ、私はいいですよ。使ってください」
男「誰がお前に使わせると言ったんだ」
女「だいたい紳士なら女子に譲るかと」
男「俺の使ってた布団なんか汚くて女子に使わせられるか」
女「ほー……」
56: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:44:57.265 ID:25PqrL1R0.net
男「でも俺だけ布団ってのも紳士的じゃない」
女「紳士なんですかね」
男「だから布団はひとつあるけれど、二人とも使わない」
女「公平で良いですね」
女「紳士なんですかね」
男「だから布団はひとつあるけれど、二人とも使わない」
女「公平で良いですね」
58: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:47:28.181 ID:25PqrL1R0.net
男「おやすみ」
女「襲ったりしないんですね」
男「そんなことしたら捕まっちまうからな」
女「あはは、誘拐犯がなに言ってんだか」
女「襲ったりしないんですね」
男「そんなことしたら捕まっちまうからな」
女「あはは、誘拐犯がなに言ってんだか」
60: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:49:48.468 ID:25PqrL1R0.net
女「……起きてますか?」
男「……」
女「ううー、寝たのかな。つまんないー」
男「……あざとい」
女「起きてるじゃないですか」
男「うるせえな」
男「……」
女「ううー、寝たのかな。つまんないー」
男「……あざとい」
女「起きてるじゃないですか」
男「うるせえな」
62: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:52:14.885 ID:25PqrL1R0.net
女「少し、私の話をしてもいいですか」
男「勝手にどうぞ」
女「ええ、もう少し興味を持ってくださいよ」
男「めんどくせえな」
女「私、妹がいるんですよ」
男「結局話すのかよ」
男「勝手にどうぞ」
女「ええ、もう少し興味を持ってくださいよ」
男「めんどくせえな」
女「私、妹がいるんですよ」
男「結局話すのかよ」
63: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:53:41.217 ID:25PqrL1R0.net
女「妹はなんでもできるんです。出来の悪い私と違って将来有望」
男「ああ、だからお前は愛されないのか」
女「さきに言わないでくださいよ」
男「だいたいわかるからな」
女「デリカシーのない人だな、まったく」
男「ああ、だからお前は愛されないのか」
女「さきに言わないでくださいよ」
男「だいたいわかるからな」
女「デリカシーのない人だな、まったく」
68: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 00:56:31.164 ID:25PqrL1R0.net
男「そんなに珍しい話じゃない」
女「そうでしょうか」
男「俺は三兄弟の末っ子だが上二人は優秀でよく比べられてた」
女「なんだ、仲間じゃないですか」
男「長男は一流企業に就職。次男は俳優の卵」
女「三男は?」
男「フリーター。金がないので誘拐を計画」
女「こうならないように気をつけなきゃ」
女「そうでしょうか」
男「俺は三兄弟の末っ子だが上二人は優秀でよく比べられてた」
女「なんだ、仲間じゃないですか」
男「長男は一流企業に就職。次男は俳優の卵」
女「三男は?」
男「フリーター。金がないので誘拐を計画」
女「こうならないように気をつけなきゃ」
74: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:00:22.821 ID:25PqrL1R0.net
女「私の父は小さい会社の社長で、跡取りをどうするかいつも考えています」
男「でも女子なら、関係ないんじゃないか?」
女「いえ、女子しかいないので婿養子をとらないといけないんですよ」
男「あー、いい跡取りを得るために魅力的な娘が必要なわけか」
女「そういうことです」
男「でも女子なら、関係ないんじゃないか?」
女「いえ、女子しかいないので婿養子をとらないといけないんですよ」
男「あー、いい跡取りを得るために魅力的な娘が必要なわけか」
女「そういうことです」
79: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:03:48.017 ID:25PqrL1R0.net
女「だから親は妹を可愛がってるんですよ」
男「なるほど」
女「妹もまんざらじゃないようで、私を見下すし」
男「かわいそうに」
女「私なんかじゃ嫁の貰い手がみつからないんだそうです」
男「へー」
女「あ、私、嫁にどうですか?」
男「いいよ」
女「さっきから適当に返事してません?」
男「なるほど」
女「妹もまんざらじゃないようで、私を見下すし」
男「かわいそうに」
女「私なんかじゃ嫁の貰い手がみつからないんだそうです」
男「へー」
女「あ、私、嫁にどうですか?」
男「いいよ」
女「さっきから適当に返事してません?」
86: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:08:52.088 ID:25PqrL1R0.net
女「……でも、誘拐されても心配されないなんて、思わなかったなあ」
男「まあ、妹と比べられてもだな。結局自分は自分だ」
女「それはそうですけど」
男「気にしなきゃいいんだ。親なんか、自分が生きてるうちに死ぬんだ」
女「それはそうですけど」
男「だから泣くな」
女「……うるさいですね」
男「まあ、妹と比べられてもだな。結局自分は自分だ」
女「それはそうですけど」
男「気にしなきゃいいんだ。親なんか、自分が生きてるうちに死ぬんだ」
女「それはそうですけど」
男「だから泣くな」
女「……うるさいですね」
88: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:10:03.589 ID:25PqrL1R0.net
女「あの!」
男「なんだ」
女「少しだけ、ありがとうございました」
男「誘拐されてお礼言うとかバカか」
女「おやすみなさい!」
男「おう」
男「なんだ」
女「少しだけ、ありがとうございました」
男「誘拐されてお礼言うとかバカか」
女「おやすみなさい!」
男「おう」
94: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:16:11.014 ID:25PqrL1R0.net
翌朝
女「……ふぁ」
男「目が覚めたか」
女「……おはよございまっす」
男「おはよう」
女「そういえば、誘拐されたんでした」
男「そうなんだよ、なんだろうなこの状況」
女「……ふぁ」
男「目が覚めたか」
女「……おはよございまっす」
男「おはよう」
女「そういえば、誘拐されたんでした」
男「そうなんだよ、なんだろうなこの状況」
97: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:17:41.985 ID:25PqrL1R0.net
女「寝ている間に変なことしました?」
男「自意識過剰だっつーの」
女「寝顔見ました?」
男「それは見た。俺の方がはやく起きたから」
女「お嫁に行けない……」
男「どのみち嫁の貰い手がいないって話だっただろ」
女「むー」
男「自意識過剰だっつーの」
女「寝顔見ました?」
男「それは見た。俺の方がはやく起きたから」
女「お嫁に行けない……」
男「どのみち嫁の貰い手がいないって話だっただろ」
女「むー」
98: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:18:38.180 ID:25PqrL1R0.net
女「今日は何をするんですか?」
男「昨晩は失敗したからな」
女「……?」
男「新しく誘拐をするんだよ」
男「昨晩は失敗したからな」
女「……?」
男「新しく誘拐をするんだよ」
99: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:20:03.700 ID:25PqrL1R0.net
女「えええ!」
男「うるせえな、朝から大きい声出すな」
女「私だけじゃ満足できないってことですか」
男「満足できねえよ。人質として」
男「うるせえな、朝から大きい声出すな」
女「私だけじゃ満足できないってことですか」
男「満足できねえよ。人質として」
100: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:22:03.135 ID:25PqrL1R0.net
男「さて、出発だ」
女「こんな朝っぱらからですか」
男「誘拐に時間帯なんて関係ないんだ」
女「いやいやありますよ、人目につきますよ」
男「他にすることねえんだよ」
女「これだから無職は」
男「フリーターだ」
女「こんな朝っぱらからですか」
男「誘拐に時間帯なんて関係ないんだ」
女「いやいやありますよ、人目につきますよ」
男「他にすることねえんだよ」
女「これだから無職は」
男「フリーターだ」
101: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:25:34.823 ID:25PqrL1R0.net
女「じゃあ私とデートしましょう」
男「なにいってんだ」
女「どうせ暇なんでしょう」
男「誘拐犯とデートするなんて物好きだな」
女「愉快で良いじゃないですか」
男「ふーん、たしかに愉快だ」
男「なにいってんだ」
女「どうせ暇なんでしょう」
男「誘拐犯とデートするなんて物好きだな」
女「愉快で良いじゃないですか」
男「ふーん、たしかに愉快だ」
102: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:27:34.288 ID:25PqrL1R0.net
男「というわけでついて来たが俺金ないぞ」
女「わかってますよ。誘拐を実行するくらいですからね」
男「わかってるならいい」
女「お金はかかりませんから」
男「ありがたい。みんなもこういうデートをすればいいのに」
女「あ、ここですここ」
女「わかってますよ。誘拐を実行するくらいですからね」
男「わかってるならいい」
女「お金はかかりませんから」
男「ありがたい。みんなもこういうデートをすればいいのに」
女「あ、ここですここ」
104: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:29:45.342 ID:25PqrL1R0.net
男「ほう、川か」
女「はい、水が綺麗でしょ? 河川敷デートです」
男「これはいいな。流れを見ているだけで気持ちが安らぐ」
女「犯罪をする気が消えるでしょ」
男「いや、そこまでじゃないかな」
女「はい、水が綺麗でしょ? 河川敷デートです」
男「これはいいな。流れを見ているだけで気持ちが安らぐ」
女「犯罪をする気が消えるでしょ」
男「いや、そこまでじゃないかな」
105: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:31:14.663 ID:25PqrL1R0.net
男「よっと」
女「……おー。水切り上手いんですね」
男「お前もやってみろよ」
女「石さんがかわいそうなのでやりませんー」
男「なんだそのキャラは」
女「……おー。水切り上手いんですね」
男「お前もやってみろよ」
女「石さんがかわいそうなのでやりませんー」
男「なんだそのキャラは」
106: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:33:05.275 ID:25PqrL1R0.net
女「えいっ」ポチャン
男「へったくそだなー」
女「うるせえなあー」
男「なんだそりゃ」
女「あなたの真似です」
男「似てねー」
男「へったくそだなー」
女「うるせえなあー」
男「なんだそりゃ」
女「あなたの真似です」
男「似てねー」
108: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:37:07.821 ID:25PqrL1R0.net
女「こんなに天気がいいと眠くなりますね」
男「そうだな」
女「不思議ですね、誘拐犯と人質がこうして河川敷に来てるのも」
男「ああ、誘拐したのがお前じゃなきゃこうはならなかったさ」
女「結果的によかったじゃないですか」
男「よくねえよ。これからまた別の相手を誘拐しなくちゃいけない」
女「二人目なら慣れたものでしょ」
男「いや、三人目だ」
男「そうだな」
女「不思議ですね、誘拐犯と人質がこうして河川敷に来てるのも」
男「ああ、誘拐したのがお前じゃなきゃこうはならなかったさ」
女「結果的によかったじゃないですか」
男「よくねえよ。これからまた別の相手を誘拐しなくちゃいけない」
女「二人目なら慣れたものでしょ」
男「いや、三人目だ」
109: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:41:08.140 ID:25PqrL1R0.net
女「三人……?」
男「お前の前に先月、一人誘拐したことがある」
女「え!?」
男「誘拐したのがお前と同じくらいの年のクソガキでな。家も金持ちで甘やかされて育ったんだ」
女「そんな家から身代金を受け取ったなら、安泰じゃないですか」
男「その一家が気に食わなかったから、貰った金は全部燃やした」
女「バカだなー。実にバカだなー」
男「お前の前に先月、一人誘拐したことがある」
女「え!?」
男「誘拐したのがお前と同じくらいの年のクソガキでな。家も金持ちで甘やかされて育ったんだ」
女「そんな家から身代金を受け取ったなら、安泰じゃないですか」
男「その一家が気に食わなかったから、貰った金は全部燃やした」
女「バカだなー。実にバカだなー」
111: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:43:27.779 ID:25PqrL1R0.net
男「あまりにむかついたから、しっかりと教育してやった」
女「なにをしたんですか、怖いですね」
男「えいっ」パチン
女「うわ、びっくりした」
男「猫だまし。これひとつで言う事を聞くように教育した」
女「何それこわ!」
女「なにをしたんですか、怖いですね」
男「えいっ」パチン
女「うわ、びっくりした」
男「猫だまし。これひとつで言う事を聞くように教育した」
女「何それこわ!」
113: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:48:09.764 ID:25PqrL1R0.net
女「そろそろお昼ですね」
男「よし、行くぞ」
女「え、まだ誘拐にははやくないですか?」
男「狙っている相手がもうすぐ塾から帰ってくるからそこを襲う」
女「よくこの短い間で調べましたね」
男「お前の持ち物を漁ったらわかった」
女「え? ……いったい誰を誘拐するんですか?」
男「お前の妹だ」
男「よし、行くぞ」
女「え、まだ誘拐にははやくないですか?」
男「狙っている相手がもうすぐ塾から帰ってくるからそこを襲う」
女「よくこの短い間で調べましたね」
男「お前の持ち物を漁ったらわかった」
女「え? ……いったい誰を誘拐するんですか?」
男「お前の妹だ」
119: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:52:00.920 ID:25PqrL1R0.net
女「えっ、あっ、私が間違えて持ってきていた妹のスケジュール帳か」
男「そうだ。昨日お前が寝てから荷物を漁ったら見つけた」
女「ていうかJKの荷物を勝手に漁らないでくださいよ!」
男「大丈夫だ、変な物は入ってなかった」
女「あたりまえです!」
男「そうだ。昨日お前が寝てから荷物を漁ったら見つけた」
女「ていうかJKの荷物を勝手に漁らないでくださいよ!」
男「大丈夫だ、変な物は入ってなかった」
女「あたりまえです!」
121: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:54:27.779 ID:25PqrL1R0.net
女「それでなんで妹を?」
男「お前の親は妹になら金を払うんだろ?」
女「……払うでしょうね」
男「なら迷うことはない。巻き上げよう」
女「酷いですね」
男「犯罪者だからな」
男「お前の親は妹になら金を払うんだろ?」
女「……払うでしょうね」
男「なら迷うことはない。巻き上げよう」
女「酷いですね」
男「犯罪者だからな」
122: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:56:05.954 ID:25PqrL1R0.net
女「ちょっと複雑な心境です」
男「いいじゃないか。お前を嫌ってる親が困ることになるんだ」
女「……それは愉快ですね」
男「よし、決まりだ」
女「行きましょう」
男「いいじゃないか。お前を嫌ってる親が困ることになるんだ」
女「……それは愉快ですね」
男「よし、決まりだ」
女「行きましょう」
124: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 01:57:11.338 ID:25PqrL1R0.net
男「ここからだと15分くらいか」
女「偉い、ちゃんとシートベルトしていますね」
男「うるせえな」
女「安全運転でお願いします」
女「偉い、ちゃんとシートベルトしていますね」
男「うるせえな」
女「安全運転でお願いします」
128: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:00:11.016 ID:25PqrL1R0.net
男「ちっ、赤か」
女「あの、こんな時に言うのもなんなんですけど」
男「なんだよ」
女「昨日、あの時間にあの場所でなにをしてたと思います?」
男「あー? 知らねえよ。家出でもしてたのか?」
女「そんな感じです」
男「まあ今までの話を聞くとそうかなと」
女「私、誘拐されるのを待ってたんです」
女「あの、こんな時に言うのもなんなんですけど」
男「なんだよ」
女「昨日、あの時間にあの場所でなにをしてたと思います?」
男「あー? 知らねえよ。家出でもしてたのか?」
女「そんな感じです」
男「まあ今までの話を聞くとそうかなと」
女「私、誘拐されるのを待ってたんです」
131: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:04:39.458 ID:25PqrL1R0.net
男「……はあ?」
女「ほら、さっき先月も誘拐をしたって言っていたじゃないですか」
男「ああ」
女「それですよ。誘拐事件があった話を聞いて、私も誘拐されないかと思って、何度かあの時間に人通りの少ないところをぶらぶらしてたんです」
女「ほら、さっき先月も誘拐をしたって言っていたじゃないですか」
男「ああ」
女「それですよ。誘拐事件があった話を聞いて、私も誘拐されないかと思って、何度かあの時間に人通りの少ないところをぶらぶらしてたんです」
132: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:05:11.231 ID:25PqrL1R0.net
男「なんで進んで誘拐されようとしたんだ」
女「先月の誘拐事件は人質が無事だったらしいですし、親を困らせたかったからってのもありますね」
男「結局困らなかったみたいだけどな」
女「それはまあ」
男「だからあんまり驚いてなかったのか」
女「はい。キターって思ってました」
女「先月の誘拐事件は人質が無事だったらしいですし、親を困らせたかったからってのもありますね」
男「結局困らなかったみたいだけどな」
女「それはまあ」
男「だからあんまり驚いてなかったのか」
女「はい。キターって思ってました」
133: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:07:28.875 ID:25PqrL1R0.net
女「でもまさか、本当に同じ人に誘拐されるとは」
男「お前なあ、もっと手荒なやつに襲われてたらどうするつもりだったんだ」
女「どのみちいいと思っていました。親が困って私の心配をしてくれれば」
男「もっと自分を大切にしな」
女「……優しい誘拐犯ですね」
男「お前なあ、もっと手荒なやつに襲われてたらどうするつもりだったんだ」
女「どのみちいいと思っていました。親が困って私の心配をしてくれれば」
男「もっと自分を大切にしな」
女「……優しい誘拐犯ですね」
135: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:10:48.677 ID:25PqrL1R0.net
男「ついたぞ。あそこだ」
女「確かにあの塾です」
男「もう出て行ったかな」
女「あ、いました! あのツインテールです!」
男「あれか。……可愛いな」
女「うるさい!」バシッ
男「少し痛い」
女「確かにあの塾です」
男「もう出て行ったかな」
女「あ、いました! あのツインテールです!」
男「あれか。……可愛いな」
女「うるさい!」バシッ
男「少し痛い」
137: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:12:40.050 ID:25PqrL1R0.net
男「ツインテールが似合う子は本当に可愛い子だけだ」
女「急になにを言ってるんですか」
男「いや別に」
女「私と妹、どっちが可愛いですか」
男「知らねーよそんなこと」
女「私もツインテールにしましょうか」
男「うるせえな、見失うだろ!」
女「急になにを言ってるんですか」
男「いや別に」
女「私と妹、どっちが可愛いですか」
男「知らねーよそんなこと」
女「私もツインテールにしましょうか」
男「うるせえな、見失うだろ!」
138: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:14:10.534 ID:25PqrL1R0.net
男「よし、裏路地に入った」
女「チャンスですね、やりましょう」
男「えらく協力的だな」
女「個人的な恨みがありますからね」
男「いくぞ」
女「チャンスですね、やりましょう」
男「えらく協力的だな」
女「個人的な恨みがありますからね」
男「いくぞ」
140: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:16:04.840 ID:25PqrL1R0.net
女妹「! びっくりした、お姉ちゃんか」
女「久しぶり」
女妹「昨日会ってないだけじゃん。家に帰ってこないでなにしてたの?」
女「お母さんから聞いてない?」
女妹「なにが?」
女「誘拐されたんだよ、私」
145: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:18:57.797 ID:25PqrL1R0.net
女妹「誘拐? ふざけてるの?」
女「ふざけてないよ。そしてこれからアンタも誘拐される」
女妹「……私、お姉ちゃんと違って遊んでいるひまないの。どいて」
男「遊びじゃねえんだな、黙ってついてこい」
女妹「誰!?」
女「ふざけてないよ。そしてこれからアンタも誘拐される」
女妹「……私、お姉ちゃんと違って遊んでいるひまないの。どいて」
男「遊びじゃねえんだな、黙ってついてこい」
女妹「誰!?」
146: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:21:33.963 ID:25PqrL1R0.net
男「お前に今あてているのはナイフだ。意味わかるか?」
女妹「わかったわよ。なんなのいったい……」
女「はやく車に乗って」
女妹「お姉ちゃん、私にこんなことしたらタダじゃすまないわよ」
女妹「わかったわよ。なんなのいったい……」
女「はやく車に乗って」
女妹「お姉ちゃん、私にこんなことしたらタダじゃすまないわよ」
148: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:24:10.766 ID:25PqrL1R0.net
男「よし、乗り込んだな。途中で逃げようとしたら殺すぞ」
女妹「こんなことしていいの? お父さんが黙っていないし、それに私の彼氏も許さないと思うわよ」
女「出発しましょう」
女妹「聞いているの? 私の彼氏は空手の大会で優勝して」
男「うるせえな! シートベルトをしろ!!」
女妹「こんなことしていいの? お父さんが黙っていないし、それに私の彼氏も許さないと思うわよ」
女「出発しましょう」
女妹「聞いているの? 私の彼氏は空手の大会で優勝して」
男「うるせえな! シートベルトをしろ!!」
150: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:26:47.700 ID:25PqrL1R0.net
男「よし、とりあえず家までは無事に連れてこれたな」
女妹「……私を誘拐してどうしようっていうのよ」
男「殺したりはしないから安心するんだな」
女妹「目的は身代金? それとも私を襲うつもり?」
男「お前のカラダにはまったく興味がない」
女妹「……私を誘拐してどうしようっていうのよ」
男「殺したりはしないから安心するんだな」
女妹「目的は身代金? それとも私を襲うつもり?」
男「お前のカラダにはまったく興味がない」
154: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:34:37.471 ID:25PqrL1R0.net
男「さて、二度目の電話だ」
プルルルル……
女母「もっ、もしもし」
男「昨晩ぶりだな」
女母「……あなた、本当に誘拐犯だったのね」
男「そうだ。もう一人の娘さんも誘拐させてもらった」
女母「お金ならいくらでも出すわ。娘を返してちょうだい」
男「2時間以内に1億用意しろ」
女母「1億!?」
プルルルル……
女母「もっ、もしもし」
男「昨晩ぶりだな」
女母「……あなた、本当に誘拐犯だったのね」
男「そうだ。もう一人の娘さんも誘拐させてもらった」
女母「お金ならいくらでも出すわ。娘を返してちょうだい」
男「2時間以内に1億用意しろ」
女母「1億!?」
155: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:35:07.339 ID:25PqrL1R0.net
男「払えないのなら娘は殺す」
女母「待って! そんな大金、一度会社に行かないといけないわ」
男「父親のほうに連絡しろ。金は会社の方に俺が取りに行ってやる」
女母「……わかったわ」
男「しっかりと用意しておけ」
ガチャ
男「……1億とかマジかよ」
女「もはやネタですね」
女母「待って! そんな大金、一度会社に行かないといけないわ」
男「父親のほうに連絡しろ。金は会社の方に俺が取りに行ってやる」
女母「……わかったわ」
男「しっかりと用意しておけ」
ガチャ
男「……1億とかマジかよ」
女「もはやネタですね」
158: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:40:16.011 ID:25PqrL1R0.net
女妹「あたりまえよ。うちはそのくらい金を稼いでいるんだから」
女「私の時は10万も払わなかったのに」
男「いいじゃねえか。金でしか価値を表せないような人間はろくなやつじゃねえ」
女「ところで会社まで取りに行って大丈夫なんですか?」
男「確かにそこで捕まる可能性はあるが、少し考えがある」
女妹「今に見てなさいよ……」
女「私の時は10万も払わなかったのに」
男「いいじゃねえか。金でしか価値を表せないような人間はろくなやつじゃねえ」
女「ところで会社まで取りに行って大丈夫なんですか?」
男「確かにそこで捕まる可能性はあるが、少し考えがある」
女妹「今に見てなさいよ……」
159: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:40:32.848 ID:25PqrL1R0.net
男「あ、そういえばお前んちの会社、なんて名前なんだ」
女「ああ、○○産業よ」
男「なんだと……なるほど」
女「どうしたんですか?」
男「ちょっとな」
女「ああ、○○産業よ」
男「なんだと……なるほど」
女「どうしたんですか?」
男「ちょっとな」
160: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:43:49.126 ID:25PqrL1R0.net
時間が経ち、○○産業ビル
女「よし、行きましょう」
男「絶対に俺から離れるな。離れたら殺すぞ」
女妹「わかってるわよ……!」
男「しかし小さな会社の社長でも1億払えるんだな」
女「親は妹を溺愛していますからね」
女「よし、行きましょう」
男「絶対に俺から離れるな。離れたら殺すぞ」
女妹「わかってるわよ……!」
男「しかし小さな会社の社長でも1億払えるんだな」
女「親は妹を溺愛していますからね」
161: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:46:08.762 ID:25PqrL1R0.net
男「突入」
女父「……! お前か、誘拐犯は」
男「マジかよ、社長が入り口のところにいるなんて」
女父「はやく娘を解放してくれ」
男「とりあえず一人」
女「わっ」
女父「……そっちじゃない。もう一人の方だ」
女父「……! お前か、誘拐犯は」
男「マジかよ、社長が入り口のところにいるなんて」
女父「はやく娘を解放してくれ」
男「とりあえず一人」
女「わっ」
女父「……そっちじゃない。もう一人の方だ」
165: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:52:24.224 ID:25PqrL1R0.net
男「金をよこせよ」
女父「ほら!」バッ
男「おっと」キャッチ
女父「そのトランクの中に一億入っている」
男「よく現金ですぐに用意したな。うわ、たくさんあっていくらかわかんねーや」
女父「はやく娘を返せ」
男「はいはい、ほら」
女妹「お父さん!」
女父「無事か、よかった」
女父「ほら!」バッ
男「おっと」キャッチ
女父「そのトランクの中に一億入っている」
男「よく現金ですぐに用意したな。うわ、たくさんあっていくらかわかんねーや」
女父「はやく娘を返せ」
男「はいはい、ほら」
女妹「お父さん!」
女父「無事か、よかった」
168: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:55:01.019 ID:25PqrL1R0.net
女父「よし、これでもう安心だ」
妹彼氏「僕の出番ですね」
男「どっから出てきたんだコイツは」
女父「ふふふ、警察がくるまでの足止めをよろしく頼むよ」
妹彼氏「大丈夫です、ナイフ一本持っているくらいじゃ負けません」
妹彼氏「僕の出番ですね」
男「どっから出てきたんだコイツは」
女父「ふふふ、警察がくるまでの足止めをよろしく頼むよ」
妹彼氏「大丈夫です、ナイフ一本持っているくらいじゃ負けません」
169: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:56:21.498 ID:25PqrL1R0.net
女妹「きゃー、やっちゃって!」
男「なんだあいつ」
女「ほら、れいの空手の大会で優勝したとかいう妹の彼氏じゃないですか」
男「ふーん…………ん? ……ん??」
男「なんだあいつ」
女「ほら、れいの空手の大会で優勝したとかいう妹の彼氏じゃないですか」
男「ふーん…………ん? ……ん??」
170: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 02:57:53.433 ID:25PqrL1R0.net
妹彼氏「手加減しませんよ」
男「おー、こい」
妹彼氏「うおおおおおお!」
女「危ない、避けて!」
男「おー、こい」
妹彼氏「うおおおおおお!」
女「危ない、避けて!」
174: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:00:06.472 ID:25PqrL1R0.net
男「おら!」パチン
妹彼氏「なっ!?」ビクッ
女「猫だまし……?」
男「あっち行け」
妹彼氏「……は、はい」
妹彼氏「なっ!?」ビクッ
女「猫だまし……?」
男「あっち行け」
妹彼氏「……は、はい」
180: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:03:13.422 ID:25PqrL1R0.net
女父「なっ、なにをやってるんだ」
女妹「えっ」
女「……まさか」
男「久しぶりだな、また誘拐してやろうか」
女「もしかして妹の彼氏って一ヵ月前の誘拐事件の被害者……?」
女妹「えっ」
女「……まさか」
男「久しぶりだな、また誘拐してやろうか」
女「もしかして妹の彼氏って一ヵ月前の誘拐事件の被害者……?」
182: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:05:57.701 ID:25PqrL1R0.net
女「猫だましで言う事を聞くようにしたって本当だったんですね」
男「まあな」
女父「何をしている、はやくやれ!」
妹彼氏「すいません、あいつに猫だましをされるとトラウマが、うああああ」
女「本当になにをしたんですか……」
男「教育」
男「まあな」
女父「何をしている、はやくやれ!」
妹彼氏「すいません、あいつに猫だましをされるとトラウマが、うああああ」
女「本当になにをしたんですか……」
男「教育」
189: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:10:26.101 ID:25PqrL1R0.net
男「あれれ? そっちの戦力はそれだけですか」
女「そうみたいですね」
男「警察来る前に帰らないと。あ、えっと、ついてくる?」
女「……はい!」
女父「んぐぐぐ」
男「それじゃ、娘さんは誘拐させてもらう。10万だろうが1億だろうが、いくら金を払っても返さないからよろしく」
女「だそうです」
女「そうみたいですね」
男「警察来る前に帰らないと。あ、えっと、ついてくる?」
女「……はい!」
女父「んぐぐぐ」
男「それじゃ、娘さんは誘拐させてもらう。10万だろうが1億だろうが、いくら金を払っても返さないからよろしく」
女「だそうです」
191: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:13:31.401 ID:25PqrL1R0.net
男の家
男「なんとか帰ってこれた」
女「それはそうなんですけど、なにをやっているんですか?」
男「灯油をまいてる」
女「ですよね。なにをするんですか」
男「これからこの家を燃やす」
男「なんとか帰ってこれた」
女「それはそうなんですけど、なにをやっているんですか?」
男「灯油をまいてる」
女「ですよね。なにをするんですか」
男「これからこの家を燃やす」
194: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:17:03.408 ID:25PqrL1R0.net
男「お前の妹には場所がばれているし、これからは逃亡生活だな」
女「それで家を燃やすんですか?」
男「ああ。それでもついてくる?」
女「もちろんです。愉快じゃないですか」
男「あ、そうだ。電話をかけよう」
女「誰にですか?」
男「一番上のお兄様」
女「それで家を燃やすんですか?」
男「ああ。それでもついてくる?」
女「もちろんです。愉快じゃないですか」
男「あ、そうだ。電話をかけよう」
女「誰にですか?」
男「一番上のお兄様」
195: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:20:21.951 ID:25PqrL1R0.net
男「もしもし」
男兄「なんだ、久しぶりだな」
男「今日は会社お休みですか?」
男兄「ああ。無職のお前と違って一流企業で働く俺には貴重な休日なんだ」
男「無職じゃなくてフリーターね。俺は俺で忙しいの」
男兄「なにが忙しいってんだ」
男「今は家を焼いてる」
男兄「なんだ、久しぶりだな」
男「今日は会社お休みですか?」
男兄「ああ。無職のお前と違って一流企業で働く俺には貴重な休日なんだ」
男「無職じゃなくてフリーターね。俺は俺で忙しいの」
男兄「なにが忙しいってんだ」
男「今は家を焼いてる」
197: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:23:02.991 ID:25PqrL1R0.net
男兄「なんじゃそりゃ。お前もいい加減しっかりと働けよ」
男「今日兄さんの会社に行ってきたんだよ」
男兄「ん、え!?」
男「なーにが一流企業だよ。○○産業って小さな会社じゃないか」
男兄「……」
男「今まで全然調べなかったからわからなかったけど、それでよく俺を見下していたもんだ」
男「今日兄さんの会社に行ってきたんだよ」
男兄「ん、え!?」
男「なーにが一流企業だよ。○○産業って小さな会社じゃないか」
男兄「……」
男「今まで全然調べなかったからわからなかったけど、それでよく俺を見下していたもんだ」
199: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:26:21.769 ID:25PqrL1R0.net
男「ま、実際俺はフリーターだから、小さな会社にでも就職してる兄さんのほうが凄いんだけどさ」
男兄「……」
男「あ、社長の娘さん可愛いよな」
男兄「お前はなんでそんなことまで知っているんだ」
男「どっちのほうが好み?」
男兄「ああ? なんとなく妹さんの方かな」
男「やっぱり兄さんとは馬が合わないな」
男兄「……」
男「あ、社長の娘さん可愛いよな」
男兄「お前はなんでそんなことまで知っているんだ」
男「どっちのほうが好み?」
男兄「ああ? なんとなく妹さんの方かな」
男「やっぱり兄さんとは馬が合わないな」
201: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:28:13.161 ID:25PqrL1R0.net
ガチャ
女「すっきりしましたか?」
男「うーん、微妙」
女「あー、もうとっととここから逃げた方がいいですよね」
男「そうだな」
女「トランクだけ車につんでおきますね」
男「中身は捨てていこう」
女「えー、1億円を!?」
女「すっきりしましたか?」
男「うーん、微妙」
女「あー、もうとっととここから逃げた方がいいですよね」
男「そうだな」
女「トランクだけ車につんでおきますね」
男「中身は捨てていこう」
女「えー、1億円を!?」
202: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:29:48.330 ID:25PqrL1R0.net
男「こんなにたくさんあっても使いきれないだろ?」
女「まあそうですけど」
男「さよなら」ポイポイ
女「ああ、1億円が」
男「これでいいんだ」
女「まあそうですけど」
男「さよなら」ポイポイ
女「ああ、1億円が」
男「これでいいんだ」
204: VIPがお送りします 2015/05/03(日) 03:34:10.505 ID:25PqrL1R0.net
俺はあっさりと1億円を燃やした
たしかにこれじゃなんのために誘拐したのかわからん
だが、あの父親から巻き上げた金を使うのがなんだか癪だったんだ
まあなんとかなるだろう
金がなくても、どうにかなる
また今度河川敷デートでもするさ
いつか終わりがくるときまで
車を、走らせる
~おしまい~
たしかにこれじゃなんのために誘拐したのかわからん
だが、あの父親から巻き上げた金を使うのがなんだか癪だったんだ
まあなんとかなるだろう
金がなくても、どうにかなる
また今度河川敷デートでもするさ
いつか終わりがくるときまで
車を、走らせる
~おしまい~