男「モンスターボールならぬヒューマンボールで憧れの美女をゲットしようとしたらブス捕まえちゃった」

2019年09月17日
男「モンスターボールならぬヒューマンボールで憧れの美女をゲットしようとしたらブス捕まえちゃった」

1: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 21:37:29.592 ID:lS4CjeLb0.net
男「……ついに完成した!」

男「モンスターボールならぬヒューマンボール!」

男「こいつを投げれば、どんな女の子だって捕まえることができる!」

男「これで憧れのあの子をゲットしてやる!」

3: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 21:40:05.483 ID:lS4CjeLb0.net
美女「……」スタスタ

男「いた!」

男「さっそく俺の作ったヒューマンボールを……えいっ!」ポイッ

コロコロ…

男「あれれ、あの子を通り過ぎて……その先には……」

ブス「……」

男「ゲ!?」

4: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 21:42:34.152 ID:lS4CjeLb0.net
コロコロ…

パカッ

ブス「きゃっ、なにこれ!?」

バシューンッ

コロコロ…



男「……」

男「ブス捕まえちゃった!」

5: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 21:45:32.049 ID:lS4CjeLb0.net
コロコロ…

男「どうしよう……これ」

男「このまま踏み潰してやりたいけど……象が踏んでも壊れない設計になってるしな」

男「とりあえず、出してやるか」ポイッ

バシューンッ

ブス「あら、出れた!」

ブス「今あたしを捕まえたのは、あんた?」

男「ええ、まあ……」

9: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 21:48:25.520 ID:lS4CjeLb0.net
ブス「ってことはあんた、よほどあたしが欲しかったのね?」

男「いや、そんなことは……」

ブス「照、れ、な、い、で」ウフンッ

男(照れてねえ)

ブス「というわけでよろしくね、ダーリン」

男「ああ……なんでこんなことに……」

12: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 21:51:32.325 ID:lS4CjeLb0.net
ブス「あらぁ~、汚い部屋ね」

男(まさか家までついてくるとは……)

ブス「さっそくご飯作るわね」

男「いや、いいよ」

ブス「いいからいいから、遠慮しないで! 座ってなさい!」

男「遠慮なんかしてないって……」

13: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 21:55:32.604 ID:lS4CjeLb0.net
ブス「できたわ!」

男「!」

男(見た目はなかなか……)モグッ

男「お、うまいな!」

ブス「でしょ~? ありがとう、ダーリン!」ジリジリ

男「寄ってくるな!」

14: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 21:57:50.399 ID:lS4CjeLb0.net
男「食ったら眠くなってきたな」

ブス「だったら一緒に……」ウフッ

男「ヒューマンボール」ポイッ

パカッ

ブス「あーれー!」

バシューンッ

コロコロ…

男「おやすみ」

18: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:02:03.638 ID:lS4CjeLb0.net
男「はぁ……」

ブス「どうしたの、ダーリン?」

男「ダーリンはやめろ。職場で嫌なことがあってね……」

ブス「そういう時は飲むのが一番! どこかお店に寄りましょうよ」

男「ああ、付き合ってくれるか」

ブス「もちろん! だってあたしはあなたにゲットされたんだから!」

男「だからあれは事故だっての……」

20: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:05:13.976 ID:lS4CjeLb0.net
男「ふぅ~、酔っ払っちゃった」

ブス「あらあら、じゃあ酔い覚ましにちょっと歩きましょうか」

男「ああ……そうする」

男(こいつ……延々と仕事の愚痴をこぼす俺に、嫌な顔せず付き合ってくれて……)

男(顔はアレだけど、案外いい女なのかも……)

男(いやいやいや、なにちょっと惹かれてんだよ俺! 俺は面食いなんだぞ!)

21: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:08:07.339 ID:lS4CjeLb0.net
ドンッ

男「あ、すみません」

酔っ払い「いってーな……どこに目ぇつけて歩いてやがる!?」

男「なんだよ……お互い様でしょうが」

酔っ払い「てめえ……ブン殴ったろかぁ!?」ガシッ

男「ぐっ!?」

男(やばい、こいつ力強い!)

酔っ払い「この野郎!」グオッ

男「ひっ!」

22: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:10:20.971 ID:lS4CjeLb0.net
ブス「やめなさーい!」ガシッ

酔っ払い「わっ!」

ブス「どおりゃあ!!!」ブオンッ

酔っ払い「ぐえっ!」ズテンッ

男「おお……ブス、お前強いんだな」

ブス「まあね。万が一痴漢された時のために護身術習ったから」

男(なんという自意識過剰式高性能ブス……)

23: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:13:08.752 ID:lS4CjeLb0.net
男「おーいブス、新作ゲーム買ったぞ!」

ブス「あら、やりましょやりましょ」


ズガガガガッ バババババッ

男「おっ、やるじゃん」

ブス「ダーリンこそ」

男「だからダーリンじゃねえっての」

24: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:16:09.672 ID:lS4CjeLb0.net
ブス「ほつれてるとこ、直してあげたわ」

男「おお、悪いな」

男(話題も合うし、なにかと気がきくし、すっかりこのブスに慣れてきちゃった)

男(マジでブスでなければ、いうことなしなんだがなぁ……)

男(いつも世話になってはいるし、たまにはいいところで奢ってやるか……)

男「お礼に今夜は食事でもどうだ? 夜景の見えるレストランなんかでさ」

ブス「あら、いいの? ぜひ行きましょ!」

25: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:20:35.927 ID:lS4CjeLb0.net
……

美女「はぁい、男さん」

男「!」

男(珍しい……この子があっちから話しかけてきてくれるなんて!)

男「な、なんだい?」

美女「今夜……二人きりで会えない?」

男「え……」

美女「あるビルの屋上に美しい夜景が見える、とっておきのスポットがあるの」

美女「そこで色々……ね?」

男「……!」

男(マジかぁぁぁぁぁ!)

27: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:23:29.133 ID:lS4CjeLb0.net
男「あのさ……さっきの食事の話なんだけど……」

ブス「なに?」

男「今日予定できちゃって……悪いけどキャンセルしたいんだ」

ブス「美女さん……ね?」

男「! 知ってたのか……」

ブス「それなりの付き合いだもの。分かるわよ」

男「ごめん……」

ブス「いいのよ、私にかまわず行ってきて! ……男さん」

男(男さん、か……)

30: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:26:55.346 ID:lS4CjeLb0.net
屋上――

男「美女さん」

美女「待ってたわ」

男「おおっ、たしかに夜景が綺麗だね」

美女「でしょう?」

男(ここに来るまではブスに対する未練や罪悪感で一杯だったけど……)

男(美女さんを一目見たらいっぺんにそんなのが吹っ飛んじまった)

男(彼女の美しさはやっぱり異常だ……)

32: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:29:34.425 ID:lS4CjeLb0.net
美女「私たち……愛し合いましょう?」

男「……」

男「……ああ」

男「まったくなんて美しさだ。まるで人間じゃないみたいだよ」

美女「あら、よく分かったわね」

男「え?」

33: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:33:30.764 ID:lS4CjeLb0.net
美女「実は私、人間じゃないのよ」

男「なにいってるんだ? 冗談はよしてくれよ」

美女「私、人間が好物なの」

美女「特に私と波長が合う人間がね」

美女「だから私は波長が合う人間にはより自分が美しく見えるようになるフェロモンを発してるの」

美女「そうすると……あなたみたいな獲物が引っかかってくれるってわけ」ベロンッ

男「!」

美女「夜景を見ながらそれを喰らうのが、私の楽しみなのよぉ!!!」グワァァァァァッ

男「うっ、うわあああああああああ!!!」

男(あの時ヒューマンボールが反応しなかったのは、こういうことだったのか!)

34: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:36:18.291 ID:lS4CjeLb0.net
ブス「男さん!」ダッ

ドカッ

美女「ぐっ!」

男「ブ、ブス!?」

ブス「男さんに手出しはさせないわぁ!」

美女「なんなのあんた、せっかくのディナータイムにとんだ邪魔が入っちゃったわ」

ブス「男さんは……あたしが守る!」

男「ブス……!」

36: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:39:20.099 ID:lS4CjeLb0.net
ブス「どりゃぁぁぁ!」

美女「ふん」スイッ

美女「たかが人間が、私に勝てるわけないでしょ?」

美女「先にお前から食ってやる!」ガブッ

ブス「きゃぁぁぁぁぁ!!!」

男「ブ、ブスぅぅぅぅぅッ!」

美女「こいつを食ったら、すぐにあんたも食ってやるから黙って待ってな!」

37: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:41:27.118 ID:lS4CjeLb0.net
ブス「そうは……させない!」

美女「!?」

ブス「屋上(ここ)を選んだのは失敗だったわね」

ブス「だああああああああああっ!」ガシッ

美女「なにっ!?」

タタタタタッ

38: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:44:38.430 ID:lS4CjeLb0.net
ブス「いくら化け物でも、この高さから落ちたらまずいでしょ?」

美女「や、やめろォ!」

ブス「さよなら……ダーリン」バッ

ヒュウゥゥゥゥゥゥ…





男「ブスーッ!!!」

41: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:48:49.287 ID:lS4CjeLb0.net
ヒュウゥゥゥゥゥゥ…

ブス「これで終わりよ」

美女「ぐ、ぐそぉぉぉぉぉぉ!!!」



男(ブス……俺なんかのために……!)

男(ブスを死なせたくない! 助けたい! だけど……どうすれば!)

男(……ある! 一つだけ助ける方法があるぞ!)

42: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:52:07.500 ID:lS4CjeLb0.net
男「ヒューマンボール!」

男「届けーっ!!!」ブンッ


パカッ

ブス「これは!」

バシューンッ


美女「な、なんだとォォォォォ!? なぜあいつだけ!?」

美女「ああっ、地面にぶつか――」

グシャァッ

43: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:55:39.978 ID:lS4CjeLb0.net
男「美女は……死んだようだな」

男「ヒューマンボールは……」

コロコロ…

男「頼む、生きててくれ!」ポイッ

バシューンッ

ブス「……あたし、生きてる?」

男「……よかった! ボールを頑丈に作っておいてよかった!」

ブス「男さん……ありがとう」

男「いや、もう男さんなんて呼ばないでくれ。もう一度ダーリンって呼んでくれないか」

ブス「!」

44: VIPがお送りします 2019/03/27(水) 22:58:05.491 ID:lS4CjeLb0.net
ブス「いいの……?」

男「ああ、いいとも! もうヒューマンボールなんかいらない!」

男「……君に決めた!」

ブス「ダーリン……!」

ギュッ…







~END~

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