俺「ポルターガイスト怖いよぉ……」

2019年10月08日
俺「ポルターガイスト怖いよぉ……」

1: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 21:43:29.00 ID:x83ANJq+0.net
俺「ふう、ようやく荷物の整理が終わった……」

俺「ああ疲れた……本読むかな」

ガタン!

俺「いひいいっ!?」

俺「ほ、本が飛んできた……」

俺「これって……所謂ポルターガイスト、だよな……」

俺「……こえー……」

俺「あ、読みたい本だ……」

俺「……」ペラッペラッ

3: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 21:46:09.82 ID:x83ANJq+0.net
俺「ただいまー」

ピコッ……ピコッ……

俺「ん?音が聞こえる……」

俺「何だー?」

ゲーム「ドガッバキッうわーうわーうわー」

俺「」

俺「ぎゃああああああああ!!!」

俺「ゲ、ゲ、ゲームが勝手に動いてるゥゥゥー!?!?」

俺「……また、ポルターガイストか……」

俺「ポルターガイストもゲームするのか……」

5: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 21:49:00.28 ID:x83ANJq+0.net
俺(ちょっと、コミュニケーションを試みよう)

俺(ゲーム出来るみたいだし、日本語も分かるだろ……)

俺「ポルターガイストさん、聞こえますか?」

俺「肯定なら一度、否定なら二度音を鳴らしてください」

トンットンッ

俺「……聞こえてるんですね」

……トンッ

俺「はい」

6: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 21:51:10.96 ID:x83ANJq+0.net
俺「えっと、あなたは幽霊ですか?」

トンットンッ

俺「ではなんですか?」

……

俺「あ、はいかいいえしか言えないんですね。えっと……妖怪?」

トンットンッ

俺「じゃあ、妖精?」

トンットンッ

俺「……他何があるかな……」

俺「うーん、まあいいか……」

俺「では、俺に危害を加えることがありますか?」

トンットンッ

俺「そうですか。それならいいです」

9: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 21:53:12.95 ID:x83ANJq+0.net
俺「自己紹介が遅れました。この部屋に引越してきました、俺です」

トンッ

俺「これからよろしくお願いしますね」

トンッ

俺(変わった同居人が出来てしまった)

俺(まあ、以外と話の分かる人?みたいだし、いいかな)

10: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 21:56:35.65 ID:x83ANJq+0.net
俺(この日から、俺とポルターガイストさんの生活が始まった)


俺「ハァ……ハァ……」シコシコシコ

ガタン!ドタッドタッ

俺「うおっ!?ポルターガイストさんいるの忘れてた!」

俺「す、すいません!」

ト、トンッ

俺(これから、どこでオナニーするかな……)

14: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:01:54.00 ID:x83ANJq+0.net
俺(ポルターガイストさんは、人間味に溢れている)


俺「ポルターガイストさんって、名前あるんですか?」

トンットンッ

俺「なら、名前つけてもいいですか?ポルターガイストさん、だと呼びにくくて」

トンッ

俺「よし、それじゃあ何て名前にしましょうか……」

俺「そういえば、ポルターガイストさんって男の人なんですか?」

トンットンッ

俺「女の人なんですか?」

トンットンッ

俺「あ、性別ってものがないんですね」

トンッ

俺「じゃあどういう名前がいいんだろ……」

15: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:03:56.97 ID:x83ANJq+0.net
俺「ポル夫とかどうです?」

トンットンッ

俺「ポル子」

トンットンッ

俺「ポル美?」

トンットンッ

俺「ポル五郎」

ドンッドンッ

俺「す、すいません真面目に考えます」

16: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:08:45.75 ID:x83ANJq+0.net
俺「あ、イースとかどうです?ポルターガイストの、ガイストの、イースです」

トンッ

俺「いいですか?」

トンッ

俺「それじゃあ……よろしくお願いしますね、イースさん」

トンッ

俺(喜んでくれたかな?)

18: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:12:52.08 ID:x83ANJq+0.net
半年後

俺「あっちいー……イースさんって暑さ感じるんですか?」

トンットンッ

俺「うぇー……いいなぁ……」

俺「あーつーいー……」

ツンツン

俺「ん?なんですか?」

アイスフワフワ

俺「あ、ありがとうございます」

トンッ

俺(すげえ気が利くなー、イースさん)

20: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:15:05.74 ID:x83ANJq+0.net
俺「あ、イースさん。今度俺、友人と旅行行くので、しばらく部屋開けるんですよ」

トンッ

俺「一人で大丈夫ですか?」

トンッ

俺「そうですか。それでは、留守番お願いしますね」

トンッ

俺「もし、泥棒が入ってきたら追い返してくださいね?」

トンッ

21: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:16:14.84 ID:x83ANJq+0.net
数日後

俺「それじゃ、行ってきますね」

トンッ

ガチャッ






…………

22: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:17:47.50 ID:x83ANJq+0.net
イース(行ってらっしゃい)

24: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:23:23.09 ID:x83ANJq+0.net
俺宅

イース(おりゃ!ほりゃ!)

ヨガッ

イース(この……とっ!)

ヨガファイア

ヒョーウドガッバキッ

イース(あっ!ああ……また負けた……)

イース(このウヒョウヒョ野郎強いなぁ)

イース(……)

イース(俺さんがいないと寂しいなぁ)

イース(…………今頃、何してるかな……)




旅行先

友「ウェーーーーイwwwwwwwww」

俺「ウェーーーーイwwwwwwwww」

27: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:27:31.35 ID:x83ANJq+0.net
翌日

イース(よし、今日こそあの憎き仮面を叩き割ってやる!)

イース(何だか今日はいけそうな気がする!ふっふっふ!)

カチッ

イース(……あれ、電源着かないな)

イース(ふーふーの儀式するか)

ガチャッ

イース(……ん?)

ガチャガチャッ

イース(……なんか、ドアから音がする……)

イース(まさか、俺さんが帰ってきたわけじゃないよね……誰だろ)

ガタッガタッガチャガチャッ!ギイー

イース(あ、ドア開いた……泥棒!?)

28: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:31:00.68 ID:x83ANJq+0.net
???「……」

イース(……誰?)

???「あー、居ますね。なんだろうな……霊?とは違う感じです」

??「そ、そうですか……やっぱり……」

???「それじゃ、一応お祓いしておきますね」

??「はい……よろしくお願いします」

イース(?何言ってるんだろう……お祓い?)

???「ブツブツブツブツ……」

イース(うーん)

イース(見たことないなぁ、やっぱり)

イース(泥棒ではなさそうかな?誰ー……)

???「ブツブツブツブツ」

33: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:34:27.02 ID:x83ANJq+0.net
???「破ッ!」

ギュオンッ

イース(うっ!?)

イース(痛っ……な、なにこれ!?)

???「ふっ……かかったな、バケモノ……」

???「大人しく祓われろや」

イース(これ、この人がやってるの……!?)

???「ブツブツブツブツブツブツブツブツ」

イース(うっ!ぐぁっ……い、痛い……苦しい……!)

イース(な、なにこれ……ぇぇ!)

ギュオンギュオンギュオンギュオン

???「よし……よーし……いいぞ……オーケー……その調子だ……」

イース(あっ……いぁ……た……助けてぇ……)

36: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:38:05.24 ID:x83ANJq+0.net
???(よし、霊力がなくなってきたな)

???「とどめだ……破ァッ!」

ギュオオオォォン

イース(っ!?ぃああああああっっ!!あああああああああああああああああ!!!!)

イース(ぐ……ぐ……)

イース(……ぁ…………)

イース(…………)


???「もう大丈夫ですよ、力がなくなりました」

??「ありがとうございます……」

???「ええ、大丈夫ですよ、大家さん……それでは、報酬はこちらに振り込んで……」

??「ええ、ええ……」

ガチャッ



…………

38: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:40:09.73 ID:x83ANJq+0.net
数日後

俺「ただいまー!」

俺「いやー、イースさんがいなかったから寂しかったですよー!」

……

俺「あれ?イースさん?」

……

俺「どうしましたー?寝てるんですかー?」

……

俺「あ、あれ?本当にどうしたんですか?」

……

俺「……」

俺「イースさん!どうしたんですか!?」

俺「イースさんっ!」

41: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:44:11.86 ID:x83ANJq+0.net
ピンポーン

俺「誰だよ、こんな時に……!」

ガチャッ

俺「はい」

大家「こんにちは」

俺「あれ、大谷さん?どうかしたんですか?」

大家「いやね、俺くんがいない間にね、物音がしたからね、怪しいと思ってね……」

大家「霊の専門家の先生にね、お祓いしてもらったんだよ……」

俺「は……?」

俺「ちょ、ちょっとまってください!何、えっ!?」

大家「ど、どうしたんだい?」

俺(え、イースさん……お祓いされたの?)

俺(まさか……霊じゃないって言ってたよな……でも……)

42: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:47:13.97 ID:x83ANJq+0.net
大家「それじゃあ、それを伝えたかっただけだから」

ガチャッ

俺(……)

俺(……イースさん……まさか……本当に……?)

俺(いや、そんなこと……だめですよ、イースさん……)

俺(勝手にいなくなるなんて……だめですよ……っ!)

……ト

俺「!?い、イースさんっ!?」

ト、ン……

俺「だ、大丈夫なんですか!?なんか、お祓いされたとか聞いて……!」

……トン、トン

俺「え、そんな……!」

44: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:52:20.96 ID:x83ANJq+0.net
イース(俺……さん……た、すけ、て……)

トンットンットンッ
ツーッツーッ
トンットンットンッ

トンットンットンッ
ツーッツーッ
トンットンットンッ

トンットンットンッ
ツーッツーッ
トンットンットンッ


俺(これって……SOS信号じゃないか!?)

俺「イースさん!苦しいんですか!?」

ト、ン

俺「くっそ……!待ってて下さい!今から、そのお祓いしたって人に会ってきます!」

ト……

俺「ああ!くそっ!勝手なことしやがってクソ大家ぁ!」ダッ

45: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:55:25.19 ID:x83ANJq+0.net
ドンドンドンッ

俺「大家さん!大家さん!」

大家「あれ、俺くん?どうしたんだい……」

俺「あの!お祓いをした霊の専門家って人!どこにいますか!?」

大家「え、ええ?急になんだね……」

俺「いいから!早く教えろっ!」

大家「あ、ああ……えっと、○○寺ってところの……」

俺「ありがとうございます!あと勝手に部屋入るな!アホ!」

バタンッ

大家「あ、アホ!?な、なんなんだあの子は!」

46: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 22:59:09.40 ID:x83ANJq+0.net
○○寺

俺「ここかっ……!」

俺「すみません!すみません!」

坊主「はい、どうしました?」

俺「この寺に、霊の専門家がいると聞いたんですが……!」

坊主「ああ……はい、いますよ。何か御用ですか?」

俺「そ、その人に会わせてください!今すぐ!」

坊主「わ、わかりました。呼んできますね……」

???「その必要はない」

坊主「あっ……御祓士さん」

御祓士「私が霊のprofessionalだ。何か用かな?」

俺「ああ……早く、早くきてくれ!」

47: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 23:01:34.71 ID:x83ANJq+0.net
俺宅

俺「早く、早く来てっ!」

グイグイ

御祓士「おや、ここは……」

俺「あんた、ここでお祓いをしたんだよな!?」

御祓士「ああ。確かに私はここでお祓いをしたね」

俺「今すぐそのお祓いの対象を治してやってくれ!苦しんでるんだ!」

御祓士「……どういうことだい?」

48: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 23:06:02.07 ID:x83ANJq+0.net
俺「事情を説明してる暇はねえんだよ!いいからとっとと治してくれっ……!」

御祓士「ふむ……出来ないことはない。だが、する意味もないね」

俺「なんだって!?」

御祓士「私が祓ったアレは、単純な幽霊じゃなかった」

御祓士「どんな危害を加えるのか分からないんだ、みすみす力を与えるつもりはない」

俺「んなこと知るかっ!いいから早く治してくれよォォ!」ドンッ

御祓士「……何故だ?何故そう必死になって頼むんだね?」

俺「……あいつは俺の大事な人なんだよっ」

御祓士「……」

俺「あいつがいないと俺は生きていけないんだよ!だから早くしろッ!」

49: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 23:09:54.48 ID:x83ANJq+0.net
御祓士「…………フッ」

御祓士「生者が『生きていけない』なんて言うなら、無視は出来ないね」

俺「じゃあ……!」

御祓士「ああ、分かった。アレに霊力を与えてやろう」

御祓士「ただし、それで暴走したりしたら問答無用で消滅させる。いいね?」

俺「ああ……早く!」

御祓士「うむ……"霊魔瓶"ッ!」

御祓士「破ァッ!」

ギュオオオォォン

50: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 23:11:35.53 ID:x83ANJq+0.net
ギュオオオォォン

ギュオオオォォン

ギュオオオォォン……

……

御祓士「……終わったよ」

俺「ほ、本当ですか!?」

俺「イースさん……イースさん!聞こえますか!?」

俺「聞こえてたら……聞こえてたら一回、音を立てて下さい!」

…………

俺「……イースさんっ!!」

51: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 23:14:15.38 ID:x83ANJq+0.net
ーー聞こえてませんよっ

俺「!!」

俺「声が……イースさん……!」

ーーはい

俺「……聞こえてるじゃないですかっ……はは……」

ーーふふっ

俺「ああ……よかった……よかった……!」ポロポロ

ーーはい……俺さん……助かりました、ありがとうございます

52: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 23:16:27.52 ID:x83ANJq+0.net
御祓士「失敗したな……どうやら、霊力を与えすぎてテレパシーができるようにしてしまったらしい」

御祓士「これでは、報酬は頂けないね。失礼するよ」

スッ

53: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 23:21:08.75 ID:x83ANJq+0.net
俺「イースさん……やっと、通じ合えましたね」

ーーそうですね……

俺「……」

ーーねえ、俺さん?

俺「はい、なんですか?」

ーーさっきの言葉、嬉しかったです

俺「え?」

ーーあいつは俺の大事な人だ、あいつがいないと生きていけないーって……

俺「え、あ、聞いてたんですか!?」

ーーもちろんですよ。ふふっ

ーー……本気にしても、いいんですか?

俺「え?」

ーー私がいないと生きていけない、って……

俺「え、あっ……」

55: VIPがお送りします 2015/03/01(日) 23:25:18.75 ID:x83ANJq+0.net
ーー私も、俺さんがいないと生きていけませんよ

俺「え?」

ーー俺さんがいない数日間、ずーっと、寂しかったんですよ?

俺「そ、そうなんですか?」

ーーもちろんですよ……

ーーもう、離れないで下さい

俺「…………はい」

ーーこれから、一生ずっと

俺「はい……もう二度と、離しません」

俺「イースさんももう絶対、俺のそばからいなくならないでくださいね……」

ーー……はいっ

俺「イースさん、好きです」

ーーふふっ

ーー私は、大好きですよ。俺さん


おわり

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