【ドラえもんSS】のび太「CHELSEAはヨーグルト味だけで十分だ!」
のび太「CHELSEAはヨーグルト味だけで十分だ!」

1: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 19:48:22.66 ID:tElIs9j90
~空き地~
スネ夫「CHELSEAがあるけど、みんな食べる?」
ジャイアン「よこせ。オレはヨーグルト味が好きなんだ」
スネ夫「乱暴だな……。はい、しずかちゃんも」
しずか「ありがとう。わたしもヨーグルト味にするわ」
のび太「ヨーグルト味が一番おいしいよね」
スネ夫「僕もヨーグルト味にしよう。あ、もうバター味しかないや」
のび太「えー!」
スネ夫「のび太はバター味で我慢しろよ」
のび太「そんなぁー」
スネ夫「CHELSEAがあるけど、みんな食べる?」
ジャイアン「よこせ。オレはヨーグルト味が好きなんだ」
スネ夫「乱暴だな……。はい、しずかちゃんも」
しずか「ありがとう。わたしもヨーグルト味にするわ」
のび太「ヨーグルト味が一番おいしいよね」
スネ夫「僕もヨーグルト味にしよう。あ、もうバター味しかないや」
のび太「えー!」
スネ夫「のび太はバター味で我慢しろよ」
のび太「そんなぁー」
5: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 19:54:37.50 ID:tElIs9j90
~野比家~
のび太「ってことがあったんだ」
ドラえもん「ふーん」ゴソゴソ
のび太「もう! さっきからなにしてるのさ!」
ドラえもん「ポケットの整理。使い古した道具を定期検査に出すんだ」
のび太「へー……それで、ドラえもんはどう思う?」
ドラえもん「なにが?」
のび太「CHELSEAの話だよ! ちゃんと聞いてなかったの?」
ドラえもん「聞いてたよ。だけどね、どうと聞かれても困るよ。どうでもいいんじゃない?」
のび太「よくない!」
ドラえもん「んもう、たかが飴玉で大げさだなぁ」
のび太「だってCHELSEAのヨーグルト味だよ!?」
ドラえもん「さっきから言ってる『ちぇるしー』ってどんなの?」
のび太「黒の袋に緑とピンクの花柄が描かれたアレだよ!」
ドラえもん「ああ、アレか」
のび太「ってことがあったんだ」
ドラえもん「ふーん」ゴソゴソ
のび太「もう! さっきからなにしてるのさ!」
ドラえもん「ポケットの整理。使い古した道具を定期検査に出すんだ」
のび太「へー……それで、ドラえもんはどう思う?」
ドラえもん「なにが?」
のび太「CHELSEAの話だよ! ちゃんと聞いてなかったの?」
ドラえもん「聞いてたよ。だけどね、どうと聞かれても困るよ。どうでもいいんじゃない?」
のび太「よくない!」
ドラえもん「んもう、たかが飴玉で大げさだなぁ」
のび太「だってCHELSEAのヨーグルト味だよ!?」
ドラえもん「さっきから言ってる『ちぇるしー』ってどんなの?」
のび太「黒の袋に緑とピンクの花柄が描かれたアレだよ!」
ドラえもん「ああ、アレか」
6: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 20:00:46.85 ID:tElIs9j90
のび太「バター味は最初はいいけど、すぐに飽きるんだ」
ドラえもん「まあたしかに。少し味がしつこいかもしれない」
のび太「あーあ、スネ夫が持ってきたCHELSEAの中身が全部ヨーグルト味だったらよかったのになぁ」
ドラえもん「ヨーグルト味だけのが売ってるでしょ? それを買えばいいじゃない」
のび太「わかってないなぁ、ドラえもんは。それじゃ駄目なんだよ」
のび太「CHELSEAは自分で買うんじゃなくて、他人からもらってこそなんだよ」
のび太「自分で買ったCHELSEAをひとりで食べるのは、CHELSEAって感じがしないんだ」
ドラえもん「ふーん……つまり、こういうこと?」
ドラえもん「のび太くんは、自分からCHELSEAのヨーグルト味を買うほどの熱意は無いけど」
ドラえもん「誰かからCHELSEAをもらうときは、絶対にヨーグルト味じゃなきゃイヤだと?」
のび太「そういうこと。でもCHELSEAをくれる人は大概、二種類入りの袋を買うんだよなぁ」
ドラえもん「そんなことで悩めるなんて、のび太くんは幸せ者だよ」
ママ「のびちゃん、ドラちゃん。おやつよ。今日は普通のどら焼きとクリームのどら焼きを買ってきたの」
のび太「へー、クリームの」
ドラえもん「うわー! いただきます!」
ドラえもん「まあたしかに。少し味がしつこいかもしれない」
のび太「あーあ、スネ夫が持ってきたCHELSEAの中身が全部ヨーグルト味だったらよかったのになぁ」
ドラえもん「ヨーグルト味だけのが売ってるでしょ? それを買えばいいじゃない」
のび太「わかってないなぁ、ドラえもんは。それじゃ駄目なんだよ」
のび太「CHELSEAは自分で買うんじゃなくて、他人からもらってこそなんだよ」
のび太「自分で買ったCHELSEAをひとりで食べるのは、CHELSEAって感じがしないんだ」
ドラえもん「ふーん……つまり、こういうこと?」
ドラえもん「のび太くんは、自分からCHELSEAのヨーグルト味を買うほどの熱意は無いけど」
ドラえもん「誰かからCHELSEAをもらうときは、絶対にヨーグルト味じゃなきゃイヤだと?」
のび太「そういうこと。でもCHELSEAをくれる人は大概、二種類入りの袋を買うんだよなぁ」
ドラえもん「そんなことで悩めるなんて、のび太くんは幸せ者だよ」
ママ「のびちゃん、ドラちゃん。おやつよ。今日は普通のどら焼きとクリームのどら焼きを買ってきたの」
のび太「へー、クリームの」
ドラえもん「うわー! いただきます!」
7: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 20:06:27.84 ID:tElIs9j90
ドラえもん「おいしいなぁ」
のび太「ねえドラえもん」
ドラえもん「なに?」
のび太「もしもボックス出してよ」
ドラえもん「どうして?」
のび太「CHELSEAがヨーグルト味しかない世界にしたいんだ」
ドラえもん「駄目! これから定期検査に出すんだから!」
のび太「えー! いいじゃない、ちょっとだけ! ねえったらー」
ドラえもん「だいたい、飴の種類が気に入らなかっただけで道具を使おうとするなんて!」
ドラえもん「何でもかんでも、そうやってすぐ道具に頼ろうとするのが君の悪い癖だ!」
のび太「でもさ、考えてみてよ。ヨーグルト味だけになれば、もうバター味をもらわなくてすむじゃない」
ドラえもん「くだらない。実にくだらない。絶対に貸さないからね」
のび太「ドラえもんのわからずや!」
のび太「ねえドラえもん」
ドラえもん「なに?」
のび太「もしもボックス出してよ」
ドラえもん「どうして?」
のび太「CHELSEAがヨーグルト味しかない世界にしたいんだ」
ドラえもん「駄目! これから定期検査に出すんだから!」
のび太「えー! いいじゃない、ちょっとだけ! ねえったらー」
ドラえもん「だいたい、飴の種類が気に入らなかっただけで道具を使おうとするなんて!」
ドラえもん「何でもかんでも、そうやってすぐ道具に頼ろうとするのが君の悪い癖だ!」
のび太「でもさ、考えてみてよ。ヨーグルト味だけになれば、もうバター味をもらわなくてすむじゃない」
ドラえもん「くだらない。実にくだらない。絶対に貸さないからね」
のび太「ドラえもんのわからずや!」
8: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 20:12:28.60 ID:tElIs9j90
のび太「ふんだ! ……あれ? 餡子のどら焼きが最後のひとつだ。もーらい!」
ドラえもん「あー! ずるいぞ!」
のび太「なんだよ! 道具を貸してくれなかったくせに!」
ドラえもん「それとこれとは話が違うでしょ!」
のび太「ドラえもんはクリームを食べろよ! おいしいって言ってたじゃないか!」
ドラえもん「クリームも美味しいけど、やっぱり餡子が捨てがたいんだ!」
のび太「わかったよ! じゃあジャンケンで決めよう!」
ドラえもん「よーし、いいだろう!」
のび太「じゃーんけーん!」
ドラえもん「待った! 僕はプレートを使う」
のび太「っちぇ、グーしか出せないと思ったのに……」
ドラえもん「なんか言った?」
のび太「いや別に」
ドラえもん「あー! ずるいぞ!」
のび太「なんだよ! 道具を貸してくれなかったくせに!」
ドラえもん「それとこれとは話が違うでしょ!」
のび太「ドラえもんはクリームを食べろよ! おいしいって言ってたじゃないか!」
ドラえもん「クリームも美味しいけど、やっぱり餡子が捨てがたいんだ!」
のび太「わかったよ! じゃあジャンケンで決めよう!」
ドラえもん「よーし、いいだろう!」
のび太「じゃーんけーん!」
ドラえもん「待った! 僕はプレートを使う」
のび太「っちぇ、グーしか出せないと思ったのに……」
ドラえもん「なんか言った?」
のび太「いや別に」
9: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 20:19:01.46 ID:tElIs9j90
のび太「ぽん!」グー ドラえもん「ぽん!」チョキ
のび太「やったー!」
ドラえもん「負けた……」
のび太「いつもグーしか出せないもんだから、チョキを出すと思ったんだ」
ドラえもん「くやしい!」
のび太「あー、餡子の入ったどら焼きおいしー」
ドラえもん「はぁ……クリームかぁ」
のび太「これでわかったでしょ?」
ドラえもん「え? なにが?」
のび太「今のドラえもんの気持ちが、バター味のCHELSEAを舐めさせられた僕の気持ちなんだ」
ドラえもん「うーむ」
のび太「くやしいでしょ?」
ドラえもん「…………たしかに」
のび太「やったー!」
ドラえもん「負けた……」
のび太「いつもグーしか出せないもんだから、チョキを出すと思ったんだ」
ドラえもん「くやしい!」
のび太「あー、餡子の入ったどら焼きおいしー」
ドラえもん「はぁ……クリームかぁ」
のび太「これでわかったでしょ?」
ドラえもん「え? なにが?」
のび太「今のドラえもんの気持ちが、バター味のCHELSEAを舐めさせられた僕の気持ちなんだ」
ドラえもん「うーむ」
のび太「くやしいでしょ?」
ドラえもん「…………たしかに」
10: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 20:25:19.35 ID:tElIs9j90
ドラえもん「もしもボックス~」
ピシャンピシャンピシャン テッテレッテッテッテーテーテー
のび太「ありがとう、ドラえもん」
ドラえもん「ちょっとだけだよ。満足したら戻すからね」
のび太「わかってるって!」
ガチャ
のび太「CHELSEAがヨーグルト味だけしかない世界にして!」
ジリリリリリ
のび太「よーし! ちょっと出かけてくる!」
ドラえもん「いってらっしゃい」
ドラえもん「さて、道具を送ったら、僕もどら焼きを買いにでかけよう」
ピシャンピシャンピシャン テッテレッテッテッテーテーテー
のび太「ありがとう、ドラえもん」
ドラえもん「ちょっとだけだよ。満足したら戻すからね」
のび太「わかってるって!」
ガチャ
のび太「CHELSEAがヨーグルト味だけしかない世界にして!」
ジリリリリリ
のび太「よーし! ちょっと出かけてくる!」
ドラえもん「いってらっしゃい」
ドラえもん「さて、道具を送ったら、僕もどら焼きを買いにでかけよう」
13: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 20:32:00.01 ID:tElIs9j90
~空き地~
スネ夫「飴舐める?」
ジャイアン「おう、よこせ」
のび太「しめた! ナイスタイミング! おーい、みんなー!」
しずか「あら、のび太さん」
のび太「僕にもCHELSEA分けてよ!」
スネ夫「CHELSEA? これ、もりもり山のくだもの飴だけど」
のび太「ええ!?」
スネ夫「のび太にも分けてやるよ。ほら」
のび太「ま、ま、待ってよ! どうしてCHELSEAじゃないのさ!」
スネ夫「だってCHELSEAってヨーグルト味しかないだろ?」
ジャイアン「ひとつの味じゃ飽きちまうよ。なぁ」
しずか「ええ」
のび太「そ、そんなぁ」
スネ夫「飴舐める?」
ジャイアン「おう、よこせ」
のび太「しめた! ナイスタイミング! おーい、みんなー!」
しずか「あら、のび太さん」
のび太「僕にもCHELSEA分けてよ!」
スネ夫「CHELSEA? これ、もりもり山のくだもの飴だけど」
のび太「ええ!?」
スネ夫「のび太にも分けてやるよ。ほら」
のび太「ま、ま、待ってよ! どうしてCHELSEAじゃないのさ!」
スネ夫「だってCHELSEAってヨーグルト味しかないだろ?」
ジャイアン「ひとつの味じゃ飽きちまうよ。なぁ」
しずか「ええ」
のび太「そ、そんなぁ」
14: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 20:38:10.75 ID:tElIs9j90
~野比家~
のび太「ドラえもん!!!」
ドラえもん「わぁ! びっくりしたぁ」
のび太「もしもボックス出して!」
ドラえもん「いいけど、よいしょっと……もう元の世界に戻しちゃうの?」
ドラえもん「ヨーグルト味のCHELSEAはもらえたの?」
のび太「まだ!!!」
ガチャ
のび太「ヨーグルト味しか無い世界にして!」
ドラえもん「えー!」
ジリリリリリ
のび太「ドラえもん!!!」
ドラえもん「わぁ! びっくりしたぁ」
のび太「もしもボックス出して!」
ドラえもん「いいけど、よいしょっと……もう元の世界に戻しちゃうの?」
ドラえもん「ヨーグルト味のCHELSEAはもらえたの?」
のび太「まだ!!!」
ガチャ
のび太「ヨーグルト味しか無い世界にして!」
ドラえもん「えー!」
ジリリリリリ
15: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 20:43:35.45 ID:tElIs9j90
のび太「よーし、これで全部の飴がヨーグルト味になったはずだ」
のび太「ちょっと出かけてくる!」
ドラえもん「ちょ、ちょ、ちょっとのび太くん!」
~空き地~
のび太「スネ夫ー!」
スネ夫「なんだよのび太」
のび太「ちょうだい! ヨーグルト味のCHELSEA!」
スネ夫「はぁ?」
ジャイアン「よーぐるとあじ?」
スネ夫「何言ってんだ?」
のび太「え!? よ、ヨーグルト味だよ!」
しずか「のび太さん、『よーぐるとあじ』ってなぁに?」
のび太「え……? ヨーグルト味はヨーグルト味だよ! みんな、分からないの?」
のび太「ちょっと出かけてくる!」
ドラえもん「ちょ、ちょ、ちょっとのび太くん!」
~空き地~
のび太「スネ夫ー!」
スネ夫「なんだよのび太」
のび太「ちょうだい! ヨーグルト味のCHELSEA!」
スネ夫「はぁ?」
ジャイアン「よーぐるとあじ?」
スネ夫「何言ってんだ?」
のび太「え!? よ、ヨーグルト味だよ!」
しずか「のび太さん、『よーぐるとあじ』ってなぁに?」
のび太「え……? ヨーグルト味はヨーグルト味だよ! みんな、分からないの?」
16: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 20:50:47.95 ID:tElIs9j90
のび太「おっかしいなぁ……なんだかみんなの様子が変だった……」
ドラえもん「のび太くーん!」
のび太「あ、ドラえもん」
ドラえもん「なんてことしてくれたんだ!!!」
のび太「え!?」
ドラえもん「どら焼きが全部ヨーグルト味になっちゃったぞ!」
のび太「えぇ!? どうして!?」
ドラえもん「君が『ヨーグルト味しかない世界』なんて言うから!」
のび太「そっか。飴以外もヨーグルト味になっちゃったのかぁ」
ドラえもん「どうしてくれる! 僕のどら焼きを返せ! さあ返せ!」
のび太「お、落ち着いてよ! もしもボックスで元の世界に戻せばいいじゃない」
ドラえもん「あ、そっか。どら焼きの味が変わったことに動揺して簡単なことに気が付かなかった」
のび太「ドラえもんはおっちょこちょいだなぁ」
ドラえもん「君に言われたくない!」
ドラえもん「のび太くーん!」
のび太「あ、ドラえもん」
ドラえもん「なんてことしてくれたんだ!!!」
のび太「え!?」
ドラえもん「どら焼きが全部ヨーグルト味になっちゃったぞ!」
のび太「えぇ!? どうして!?」
ドラえもん「君が『ヨーグルト味しかない世界』なんて言うから!」
のび太「そっか。飴以外もヨーグルト味になっちゃったのかぁ」
ドラえもん「どうしてくれる! 僕のどら焼きを返せ! さあ返せ!」
のび太「お、落ち着いてよ! もしもボックスで元の世界に戻せばいいじゃない」
ドラえもん「あ、そっか。どら焼きの味が変わったことに動揺して簡単なことに気が付かなかった」
のび太「ドラえもんはおっちょこちょいだなぁ」
ドラえもん「君に言われたくない!」
17: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 20:56:39.78 ID:tElIs9j90
~野比家~
のび太「元の世界に戻して」
シーン
のび太「……あれ?」
ドラえもん「おかしいな。ベルが鳴らない」
のび太「もう元の世界に戻ったのかな?」
ドラえもん「そうかなぁ……ベルが鳴るはずなんだけど」
ドラえもん「試しに、もう一度どら焼きを食べてみよう」
のび太「……どう?」
ドラえもん「駄目だ。『ヨーグルト味』の味しかしない……」
ドラえもん「も、もしかして……」
のび太「元の世界に戻して」
シーン
のび太「……あれ?」
ドラえもん「おかしいな。ベルが鳴らない」
のび太「もう元の世界に戻ったのかな?」
ドラえもん「そうかなぁ……ベルが鳴るはずなんだけど」
ドラえもん「試しに、もう一度どら焼きを食べてみよう」
のび太「……どう?」
ドラえもん「駄目だ。『ヨーグルト味』の味しかしない……」
ドラえもん「も、もしかして……」
18: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 21:02:49.45 ID:tElIs9j90
ドラえもん「やっぱり! 故障したらしい!」
のび太「じゃあ、元の世界に戻せないってこと?」
ドラえもん「修理すれば大丈夫だけど……」
のび太「なーんだ。それなら焦ることもないね」
ドラえもん「……未来デパートに聞いてみる」
のび太「どうだった?」
ドラえもん「型が古いし、壊れた箇所が悪いらしくて……」
ドラえもん「直るまでに一ヶ月くらいかかるらしい」
のび太「そんなに!? あ、だったらタイムふろしきか復元光線で直したら?」
ドラえもん「それが……」ゴソゴソ
ドラえもん「ちょうど定期検査に出したところなんだ……」
のび太「あちゃー」
のび太「じゃあ、元の世界に戻せないってこと?」
ドラえもん「修理すれば大丈夫だけど……」
のび太「なーんだ。それなら焦ることもないね」
ドラえもん「……未来デパートに聞いてみる」
のび太「どうだった?」
ドラえもん「型が古いし、壊れた箇所が悪いらしくて……」
ドラえもん「直るまでに一ヶ月くらいかかるらしい」
のび太「そんなに!? あ、だったらタイムふろしきか復元光線で直したら?」
ドラえもん「それが……」ゴソゴソ
ドラえもん「ちょうど定期検査に出したところなんだ……」
のび太「あちゃー」
19: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 21:08:32.71 ID:tElIs9j90
のび太「なら仕方ないね。道具が戻ってくるのを待とう」
ドラえもん「待とうって、のび太くん! 事の重大さがわかってるの!?」
のび太「わかってるよ。ぜんぶヨーグルトの味になっちゃったんでしょ?」
ドラえもん「『ヨーグルトの味』と『ヨーグルト味の味』は全然違う! そもそも」
のび太「騒いだってしかたないじゃない。のんびり待とうよ。喉乾いたから水飲んでくる」
ドラえもん「君ってやつは……」
ジャー
ゴクゴク
のび太「うわっ! ぺっ! ぺっ! ママー!」
ママ「なぁに、どうしたの?」
のび太「台所の水が変な味になってるよ!」
ママ「あじ? 魚の? 何言ってるの、水が魚になるもんですか」
のび太「……???」
ドラえもん「待とうって、のび太くん! 事の重大さがわかってるの!?」
のび太「わかってるよ。ぜんぶヨーグルトの味になっちゃったんでしょ?」
ドラえもん「『ヨーグルトの味』と『ヨーグルト味の味』は全然違う! そもそも」
のび太「騒いだってしかたないじゃない。のんびり待とうよ。喉乾いたから水飲んでくる」
ドラえもん「君ってやつは……」
ジャー
ゴクゴク
のび太「うわっ! ぺっ! ぺっ! ママー!」
ママ「なぁに、どうしたの?」
のび太「台所の水が変な味になってるよ!」
ママ「あじ? 魚の? 何言ってるの、水が魚になるもんですか」
のび太「……???」
20: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 21:14:54.71 ID:tElIs9j90
のび太「ドラえもーん、水道水が――」
ドラえもん「だから言ったでしょ! ヨーグルト味になってるって!」
のび太「うん。飲むヨーグルトはもっと飲みやすかったはずだけどなぁ」
ドラえもん「同じヨーグルトでもCHELSEAのヨーグルト味とは違うの!」
ドラえもん「溶かした飴をそのまま飲んでるようなものなんだから!」
のび太「そっか……あと、ママが変なこと言ってたなぁ。『あじ? 魚の?』とか」
ドラえもん「……! もしかして、味覚自体が無いのかも……」
のび太「みかく?」
ドラえもん「甘いとか、辛いとか、味を感じる機能のこと」
ドラえもん「この世界では全部ヨーグルト味だから、味の違いを認識する必要なんてないんだよ」
ドラえもん「僕らは元の世界の住人だから、味覚が機能してるけど……」
のび太「ふーん」
ドラえもん「ふーんって、のび太くん! どうして君はそうやって落ち着いていられるんだ!?」
のび太「だって、CHELSEAのヨーグルト味で我慢すればいいんでしょ? バター味じゃなくてよかったじゃない」
ドラえもん「だから言ったでしょ! ヨーグルト味になってるって!」
のび太「うん。飲むヨーグルトはもっと飲みやすかったはずだけどなぁ」
ドラえもん「同じヨーグルトでもCHELSEAのヨーグルト味とは違うの!」
ドラえもん「溶かした飴をそのまま飲んでるようなものなんだから!」
のび太「そっか……あと、ママが変なこと言ってたなぁ。『あじ? 魚の?』とか」
ドラえもん「……! もしかして、味覚自体が無いのかも……」
のび太「みかく?」
ドラえもん「甘いとか、辛いとか、味を感じる機能のこと」
ドラえもん「この世界では全部ヨーグルト味だから、味の違いを認識する必要なんてないんだよ」
ドラえもん「僕らは元の世界の住人だから、味覚が機能してるけど……」
のび太「ふーん」
ドラえもん「ふーんって、のび太くん! どうして君はそうやって落ち着いていられるんだ!?」
のび太「だって、CHELSEAのヨーグルト味で我慢すればいいんでしょ? バター味じゃなくてよかったじゃない」
21: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 21:21:01.17 ID:tElIs9j90
~夕食~
のび太「わー今日はハンバーグだぁ!」
ドラえもん「……はぁ」
のび太「いただきまーす!」
モグモグ
のび太「……」
ドラえもん「……」
のび太「……み、みそ汁を」
ズズー
のび太「うっ……」
のび太「わー今日はハンバーグだぁ!」
ドラえもん「……はぁ」
のび太「いただきまーす!」
モグモグ
のび太「……」
ドラえもん「……」
のび太「……み、みそ汁を」
ズズー
のび太「うっ……」
22: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 21:26:02.47 ID:tElIs9j90
~野比家~
のび太「ドラえも~ん!」
ドラえもん「やっと事の重大さが理解できたか」
のび太「ヨーグルト味のハンバーグもみそ汁もちっとも美味しくない!」
ドラえもん「だから言ったでしょ? あれは飴玉だからこそ美味しいんだよ」
のび太「それに、なんだか食卓の雰囲気が暗かったよ」
ドラえもん「きっと、この世界での食事が単なる栄養補給だからだよ」
ドラえもん「これでわかったでしょ? こんな世界、僕らには合わないって」
のび太「うん、十分にわかった……だから、はやく元の世界に戻して~!」
ドラえもん「もしもボックスが壊れてるから無理」
のび太「ドラえも~ん!」
ドラえもん「やっと事の重大さが理解できたか」
のび太「ヨーグルト味のハンバーグもみそ汁もちっとも美味しくない!」
ドラえもん「だから言ったでしょ? あれは飴玉だからこそ美味しいんだよ」
のび太「それに、なんだか食卓の雰囲気が暗かったよ」
ドラえもん「きっと、この世界での食事が単なる栄養補給だからだよ」
ドラえもん「これでわかったでしょ? こんな世界、僕らには合わないって」
のび太「うん、十分にわかった……だから、はやく元の世界に戻して~!」
ドラえもん「もしもボックスが壊れてるから無理」
24: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 21:32:01.11 ID:tElIs9j90
のび太「新しいもしもボックス買えないの? それか、タイムふろしきとか、復元光線とか」
ドラえもん「そんなお金ないよ」
のび太「じゃ、じゃあ、ドラミちゃんに道具を貸してもらおうよ!」
ドラえもん「うーん……ドラミかぁ」
のび太「何か困ることでもあるの?」
ドラえもん「いや、別にいいけど……。今日はもう夜も遅いし、明日頼んでみよう」
のび太「うん」
ドラえもん「そんなお金ないよ」
のび太「じゃ、じゃあ、ドラミちゃんに道具を貸してもらおうよ!」
ドラえもん「うーん……ドラミかぁ」
のび太「何か困ることでもあるの?」
ドラえもん「いや、別にいいけど……。今日はもう夜も遅いし、明日頼んでみよう」
のび太「うん」
25: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 21:37:40.76 ID:tElIs9j90
~朝食~
のび太「……パンも目玉焼きもヨーグルト味かぁ」
ドラえもん「いちいち言わないでよ。考えないようにしてるんだから」
のび太「そう言われても……はぁ、昨日から喉が渇いて」
ドラえもん「水は飲んでるじゃない」
のび太「甘すぎて、全然喉が潤った気がしないんだ」
ドラえもん「たしかに、精神的な問題かもしれないなぁ」
のび太「ねえドラえもん、はやくドラミちゃんに頼もうよ」
ドラえもん「わかったよ。ごちそうさまー」
のび太「……パンも目玉焼きもヨーグルト味かぁ」
ドラえもん「いちいち言わないでよ。考えないようにしてるんだから」
のび太「そう言われても……はぁ、昨日から喉が渇いて」
ドラえもん「水は飲んでるじゃない」
のび太「甘すぎて、全然喉が潤った気がしないんだ」
ドラえもん「たしかに、精神的な問題かもしれないなぁ」
のび太「ねえドラえもん、はやくドラミちゃんに頼もうよ」
ドラえもん「わかったよ。ごちそうさまー」
28: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 21:43:22.85 ID:tElIs9j90
ドラミ「あきれた! お兄ちゃん、検査に出す前の道具を使っちゃったの!?」
ドラミ「しっかりと道具の管理をしないから、こういう困ったことになるんじゃない!」
ドラえもん「ごもっとも……」
ドラミ「それにお兄ちゃん。道具もそうだけど、健康診断にちゃんと行ってる?」
ドラミ「一年に一回、きちんと工場で健康診断を受けないと!」
ドラえもん「い、今はそんなこといいだろう? まったく、会うたびにこれなんだから」
のび太「それでドラミちゃん。もしもボックスを貸してもらえる?」
ドラミ「その『みかく』っていう第五感の話が本当がどうかはわからないけど……」
ドラミ「お兄ちゃんとのび太さんの頼みは断れないわ。貸してあげる」
のび太「やったー! ありがとう!」
ドラえもん「恩に着るよ」
ドラミ「待っててね。今出すから……えーっと……あら?」
のび太「どうしたの?」
ドラミ「……私も道具を検査に出してたの、すっかり忘れてた」
ドラえもん「あらららら」
ドラミ「しっかりと道具の管理をしないから、こういう困ったことになるんじゃない!」
ドラえもん「ごもっとも……」
ドラミ「それにお兄ちゃん。道具もそうだけど、健康診断にちゃんと行ってる?」
ドラミ「一年に一回、きちんと工場で健康診断を受けないと!」
ドラえもん「い、今はそんなこといいだろう? まったく、会うたびにこれなんだから」
のび太「それでドラミちゃん。もしもボックスを貸してもらえる?」
ドラミ「その『みかく』っていう第五感の話が本当がどうかはわからないけど……」
ドラミ「お兄ちゃんとのび太さんの頼みは断れないわ。貸してあげる」
のび太「やったー! ありがとう!」
ドラえもん「恩に着るよ」
ドラミ「待っててね。今出すから……えーっと……あら?」
のび太「どうしたの?」
ドラミ「……私も道具を検査に出してたの、すっかり忘れてた」
ドラえもん「あらららら」
29: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 21:49:21.14 ID:tElIs9j90
ドラミ「ごめんなさい」
ドラえもん「まいったなぁ」
のび太「どうしよう! 道具が返ってくるまでこのままの生活を続けないとだめなの!?」
のび太「無理無理無理! とてもじゃないけど耐えられないよ~! うわーん!」
ドラえもん「ぼ、僕だって……どら焼きが食べられないんじゃ……うわー!」
ドラミ「な、泣かないでよ。方法を考えてみるから」
ドラミ「うーん……そうだ! お兄ちゃんには『みかく』を認識する機能があるのよね?」
ドラえもん「うん……そうだけど」
ドラミ「だったら、きっと他の猫型ロボットには無いプログラムが見つかるはずだわ」
ドラミ「それを解析して、『みかく』を操作する道具をつくれないか試してみる」
のび太「ドラミちゃんが!? そんなこと、できるの!?」
ドラえもん「ドラミは宇宙大学の大学院で科学の研究をしてるんだ」
のび太「へー!」
ドラミ「一度未来に帰って、また戻ってくるわね」
ドラえもん「まいったなぁ」
のび太「どうしよう! 道具が返ってくるまでこのままの生活を続けないとだめなの!?」
のび太「無理無理無理! とてもじゃないけど耐えられないよ~! うわーん!」
ドラえもん「ぼ、僕だって……どら焼きが食べられないんじゃ……うわー!」
ドラミ「な、泣かないでよ。方法を考えてみるから」
ドラミ「うーん……そうだ! お兄ちゃんには『みかく』を認識する機能があるのよね?」
ドラえもん「うん……そうだけど」
ドラミ「だったら、きっと他の猫型ロボットには無いプログラムが見つかるはずだわ」
ドラミ「それを解析して、『みかく』を操作する道具をつくれないか試してみる」
のび太「ドラミちゃんが!? そんなこと、できるの!?」
ドラえもん「ドラミは宇宙大学の大学院で科学の研究をしてるんだ」
のび太「へー!」
ドラミ「一度未来に帰って、また戻ってくるわね」
31: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 21:55:33.70 ID:tElIs9j90
~数分後~
のび太「ドラミちゃん、まだかなぁ」
ドラえもん「そんなにはやくできるわけないよ。辛抱強く待とう」
のび太「はぁ、このどら焼き……ヨーグルト味じゃなければなぁ」
ドラえもん「餡子の上品な甘みが懐かしい」
ガララッ
ドラミ「お待たせ!」
のび太「ドラミちゃん!? はっやーい!」
ドラえもん「この短時間で道具をつくったの!?」
ドラミ「いいえ、タイムマシンでこの時間に戻ってきただけ」
ドラえもん「あ、そっか」
ドラミ「お兄ちゃんたちにとっては数分でも、本当はもっと時間がかかってるの」
ドラミ「つくるの大変だったんだから」
ドラえもん「ありがとう、ありがとう」
のび太「ドラミちゃん、まだかなぁ」
ドラえもん「そんなにはやくできるわけないよ。辛抱強く待とう」
のび太「はぁ、このどら焼き……ヨーグルト味じゃなければなぁ」
ドラえもん「餡子の上品な甘みが懐かしい」
ガララッ
ドラミ「お待たせ!」
のび太「ドラミちゃん!? はっやーい!」
ドラえもん「この短時間で道具をつくったの!?」
ドラミ「いいえ、タイムマシンでこの時間に戻ってきただけ」
ドラえもん「あ、そっか」
ドラミ「お兄ちゃんたちにとっては数分でも、本当はもっと時間がかかってるの」
ドラミ「つくるの大変だったんだから」
ドラえもん「ありがとう、ありがとう」
32: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 22:01:04.52 ID:tElIs9j90
ドラミ「はい、これが『みかく』を操作する道具よ」
のび太「このカプセルを飲めば、ヨーグルト味以外も感じられるようになるの?」
ドラミ「そう。こっちの端末で五つの数値を設定すれば色々な刺激を感じることができるはずよ」
ドラえもん「五つの数値?」
ドラミ「お兄ちゃんのCPUにA、S、E、K、Uの五つの数値記録があったから、それを参考にしたの」
ドラえもん「ははぁ、甘味・酸味・塩味・辛味・うま味だな」
のび太「なにそれ」
ドラえもん「基本味ってやつだよ。味覚の基本になってるんだ」
のび太「このカプセルを飲めば、ヨーグルト味以外も感じられるようになるの?」
ドラミ「そう。こっちの端末で五つの数値を設定すれば色々な刺激を感じることができるはずよ」
ドラえもん「五つの数値?」
ドラミ「お兄ちゃんのCPUにA、S、E、K、Uの五つの数値記録があったから、それを参考にしたの」
ドラえもん「ははぁ、甘味・酸味・塩味・辛味・うま味だな」
のび太「なにそれ」
ドラえもん「基本味ってやつだよ。味覚の基本になってるんだ」
33: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 22:07:37.08 ID:tElIs9j90
のび太「さっそく、ヨーグルト味以外を感じてみたい! ドラミちゃん!」
ドラミ「任せて! とりあえず、お兄ちゃんのCPUに強くインプットされてた数値を入れてみるわね」
ウィーン
ドラミ「さ、何でもいいから舌に乗せてみて? カプセルの効果は数分だから急いでね」
ドラえもん「どら焼きは全部食べちゃったしなぁ」
のび太「ドラミちゃん、何か手ごろなもの無い?」
ドラミ「それじゃあ……はい、このパンあげる。たくさんあるから」
ドラミ「栄養価が低いわりにカロリーは高いんだけど、ふわっとしてて歯触りがいいの」
のび太「メロンパンか。食べてみよう」
ドラえもん「うん」
モグモグモグ
のび太「あー!」
ドラえもん「どら焼きの味だ!!!」
ドラミ「任せて! とりあえず、お兄ちゃんのCPUに強くインプットされてた数値を入れてみるわね」
ウィーン
ドラミ「さ、何でもいいから舌に乗せてみて? カプセルの効果は数分だから急いでね」
ドラえもん「どら焼きは全部食べちゃったしなぁ」
のび太「ドラミちゃん、何か手ごろなもの無い?」
ドラミ「それじゃあ……はい、このパンあげる。たくさんあるから」
ドラミ「栄養価が低いわりにカロリーは高いんだけど、ふわっとしてて歯触りがいいの」
のび太「メロンパンか。食べてみよう」
ドラえもん「うん」
モグモグモグ
のび太「あー!」
ドラえもん「どら焼きの味だ!!!」
34: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 22:13:06.98 ID:tElIs9j90
ドラえもん「ありがとう! ありがとうドラミ!」
のび太「ドラミちゃんありがとう! 本当にありがとう!」
ドラミ「ふたりとも大げさなんだから。それに――」
のび太「この喜びを分かち合いたい! みんなにも分けてあげよう!」
ドラえもん「そうだね!」
ドラミ「あ、ちょっと! もう」
のび太「ドラミちゃんありがとう! 本当にありがとう!」
ドラミ「ふたりとも大げさなんだから。それに――」
のび太「この喜びを分かち合いたい! みんなにも分けてあげよう!」
ドラえもん「そうだね!」
ドラミ「あ、ちょっと! もう」
35: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 22:18:37.96 ID:tElIs9j90
~空き地~
のび太「さあ、みんな! このカプセルを飲んでみてよ!」
ジャイアン「なんだよ、これ。こんなんじゃ栄養とれないぜ」
スネ夫「腹もちも良くなさそうだし」
しずか「のび太さん、本当にこのカプセルと一緒に物を食べると良いことがあるの?」
のび太「もちろん! このパンを食べてみてごらんよ!」
ドラえもん「うふふふ。スイッチオン!」
ウィーン
ジャイアン「お!?」
スネ夫「な、なんだぁ!? 口の中に何か……!」
しずか「変な感じ……でも、幸せな気分」
ドラえもん「そうでしょう、そうでしょう」
「なんだなんだ」
「面白そうなことやってるぞ」
ザワザワ
のび太「さあ、みんな! このカプセルを飲んでみてよ!」
ジャイアン「なんだよ、これ。こんなんじゃ栄養とれないぜ」
スネ夫「腹もちも良くなさそうだし」
しずか「のび太さん、本当にこのカプセルと一緒に物を食べると良いことがあるの?」
のび太「もちろん! このパンを食べてみてごらんよ!」
ドラえもん「うふふふ。スイッチオン!」
ウィーン
ジャイアン「お!?」
スネ夫「な、なんだぁ!? 口の中に何か……!」
しずか「変な感じ……でも、幸せな気分」
ドラえもん「そうでしょう、そうでしょう」
「なんだなんだ」
「面白そうなことやってるぞ」
ザワザワ
36: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 22:28:23.67 ID:tElIs9j90
「これはすごい!」
「快感だ!」
「えもいえぬ幸福感がある!」
ワイワイガヤガヤ
のび太「すごい! 盛況だなぁ!」
ドラえもん「そりゃ、どら焼きの味だもの」
ジャイアン「おい! このパンもっとくれ!」
のび太「どうぞどうぞ」
ジャイアン「モグモグ……ん? あれ?」
のび太「どうしたの?」
スネ夫「あの感覚が無くなった」
ドラえもん「おかしいな。機械は正常に動いてるのに……さては、カプセルの効果が切れたな?」
「もっと食べたい!」
「よこせ」
「俺にも!」
「私にも!」
のび太「まあまあ、みなさん落ち着いて」
「快感だ!」
「えもいえぬ幸福感がある!」
ワイワイガヤガヤ
のび太「すごい! 盛況だなぁ!」
ドラえもん「そりゃ、どら焼きの味だもの」
ジャイアン「おい! このパンもっとくれ!」
のび太「どうぞどうぞ」
ジャイアン「モグモグ……ん? あれ?」
のび太「どうしたの?」
スネ夫「あの感覚が無くなった」
ドラえもん「おかしいな。機械は正常に動いてるのに……さては、カプセルの効果が切れたな?」
「もっと食べたい!」
「よこせ」
「俺にも!」
「私にも!」
のび太「まあまあ、みなさん落ち着いて」
37: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 22:35:04.65 ID:tElIs9j90
ジャイアン「おい! あの幸せになれるカプセルをよこせって言ってんだよ!」
ガシッ
のび太「ちょ、ちょっとジャイアン、冷静に冷静に」
スネ夫「よこせよ!」
しずか「お願いちょうだい!」
のび太「し、しずかちゃんまで!? みんな、落ち着いてよー!」
「カプセルを出せ!」
「渡せー!」
「金は出すぞー!」
のび太「ど、ドラえもん! みんなの様子が変だよ!」
ドラえもん「カルチャーショックなんだ! あまりの衝撃に、薬物依存症と似たような状態になってるらしい!」
ジャイアン「カプセルをよこせー!!!」
のび太「わー!」
ドラえもん「逃げろ!」
ガシッ
のび太「ちょ、ちょっとジャイアン、冷静に冷静に」
スネ夫「よこせよ!」
しずか「お願いちょうだい!」
のび太「し、しずかちゃんまで!? みんな、落ち着いてよー!」
「カプセルを出せ!」
「渡せー!」
「金は出すぞー!」
のび太「ど、ドラえもん! みんなの様子が変だよ!」
ドラえもん「カルチャーショックなんだ! あまりの衝撃に、薬物依存症と似たような状態になってるらしい!」
ジャイアン「カプセルをよこせー!!!」
のび太「わー!」
ドラえもん「逃げろ!」
38: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 22:40:36.75 ID:tElIs9j90
~野比家~
のび太「ドラミちゃん!」
ドラミ「おかえりなさい。どうだった?」
ドラえもん「効果がありすぎた!」
「「「 カプセルをよこせー! 」」」
ドラミ「た、大変……!」
のび太「どうしよう!」
ドラえもん「ど、どうするったって! どうしよう!」
のび太「ドラミちゃん!」
ドラミ「おかえりなさい。どうだった?」
ドラえもん「効果がありすぎた!」
「「「 カプセルをよこせー! 」」」
ドラミ「た、大変……!」
のび太「どうしよう!」
ドラえもん「ど、どうするったって! どうしよう!」
39: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 22:46:58.26 ID:tElIs9j90
ドラミ「もしもボックスで元の世界に戻せばいいんじゃない?」
のび太「ええっ? だ、だけど、もしもボックスは」
ドラミ「私が持ってるけど……」
ドラえもん「ドラミ、持ってるの!?」
ドラミ「言ったじゃない。タイムマシンでこの時間に戻ってきてるって」
ドラミ「カプセルの完成ともしもボックスの検査がほぼ同時に終わったから、ちゃんと持ってきたの」
のび太「それをはやく言ってよー!」
ドラミ「言おうとしたら、ふたりで出ていっちゃったんだもの」
のび太「ええっ? だ、だけど、もしもボックスは」
ドラミ「私が持ってるけど……」
ドラえもん「ドラミ、持ってるの!?」
ドラミ「言ったじゃない。タイムマシンでこの時間に戻ってきてるって」
ドラミ「カプセルの完成ともしもボックスの検査がほぼ同時に終わったから、ちゃんと持ってきたの」
のび太「それをはやく言ってよー!」
ドラミ「言おうとしたら、ふたりで出ていっちゃったんだもの」
40: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 22:53:28.40 ID:tElIs9j90
「「「 うおおおおお! 」」」
ドラえもん「まずい! ドアを破ってなだれ込んできたぞ!」
ドラミ「のび太さん! はやく!」
ガチャ
のび太「も、元の世界に戻して!!!」
ジリリリリリ
ドラえもん「……み、みんないなくなったみたいだよ」
のび太「ふぅ……何か、味を確認できるものは無いかな」
ドラえもん「汗を舐めてごらんよ」
のび太「ぺろっ……しょっぱい」
ドラえもん「やれやれ、やっと元の世界に戻ってきたみたいだね」
ドラえもん「まずい! ドアを破ってなだれ込んできたぞ!」
ドラミ「のび太さん! はやく!」
ガチャ
のび太「も、元の世界に戻して!!!」
ジリリリリリ
ドラえもん「……み、みんないなくなったみたいだよ」
のび太「ふぅ……何か、味を確認できるものは無いかな」
ドラえもん「汗を舐めてごらんよ」
のび太「ぺろっ……しょっぱい」
ドラえもん「やれやれ、やっと元の世界に戻ってきたみたいだね」
41: VIPがお送りします 2015/03/15(日) 23:01:02.59 ID:tElIs9j90
~空き地~
スネ夫「またCHELSEAを持ってきたんだ」
のび太「わっ」
ドラえもん「げぇっ」
スネ夫「はい、ジャイアンはヨーグルト味だよね。しずかちゃんは?」
しずか「わたしもヨーグルト味がいいけど……のび太さんとドラちゃんは何味がいい?」
のび太「ぼ、僕はバター味でいい!」
ドラえもん「僕も!」
スネ夫「なんだよのび太、この間はヨーグルト味が一番って言ってたのに」
のび太「ヨーグルト味はもうたくさん! バター味ちょうだい!」
ジャイアン「変なやつ」
のび太「ああ、このしつこい味。すぐに飽きるけど、安心感がある」
ドラえもん「選択肢があるっていいことだなぁ」
~完~
スネ夫「またCHELSEAを持ってきたんだ」
のび太「わっ」
ドラえもん「げぇっ」
スネ夫「はい、ジャイアンはヨーグルト味だよね。しずかちゃんは?」
しずか「わたしもヨーグルト味がいいけど……のび太さんとドラちゃんは何味がいい?」
のび太「ぼ、僕はバター味でいい!」
ドラえもん「僕も!」
スネ夫「なんだよのび太、この間はヨーグルト味が一番って言ってたのに」
のび太「ヨーグルト味はもうたくさん! バター味ちょうだい!」
ジャイアン「変なやつ」
のび太「ああ、このしつこい味。すぐに飽きるけど、安心感がある」
ドラえもん「選択肢があるっていいことだなぁ」
~完~