コナン「み、光彦ぉぉぉおおおおおお!!!???」 【名探偵コナンSS】

2018年12月31日
コナン「み、光彦ぉぉぉおおおおおお!!!???」 【名探偵コナンSS】

コナン「み、光彦ぉぉぉおおおおおお!!!???」

元ネタ:名探偵コナン
1: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 22:46:59.424 ID:gQ/BniNk0
テレビ「今入ってきたニュースです」

テレビ「日本人の阿笠博士さんがノーベル物理学賞を受賞しました」

テレビ「阿笠さんは『ノーベル賞を受賞するスイッチ』の発明が評価されての受賞とのことです」



阿笠「んほほほほぉぉぉぉおおおお!」

阿笠「これでわしもノーベル賞科学者じゃぁぁぁあああ!」

ピンポーーン

灰原「誰かきたみたいね」

阿笠「んほほほぉぉぉおおお! さっそくマスコミの取材かの?」ガチャ

コナン「博士! ニュース見たぞ!」

歩美「博士おめでとう!」

元太「すげえな、博士!」

光彦「ノーベル賞だなんて、僕たちも鼻が高いですよ!」

阿笠「なんじゃ、君達か……」

灰原「いらっしゃい」

3: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 22:47:55.847 ID:gQ/BniNk0
灰原「こんな所で立ち話もなんだから、とりあえず中に入ったらどう?」


コナン「おう、邪魔するぜー!」
阿笠「いらっしゃい」

歩美「お邪魔しまーす」
阿笠「いらっしゃい」

元太「お邪魔しまーす」
阿笠「いらっしゃい」

光彦「お邪魔しまーす」
阿笠「……」



阿笠「邪魔するなら帰れぇぇぇぇぇえええええ!!!」

光彦「!?」

6: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 22:48:56.033 ID:gQ/BniNk0
阿笠「……なんてな」

阿笠「んほほほほぉぉぉおおおお!」

阿笠「ノーベル賞科学者の家にようこそ!」

歩美「もーーう、博士ったら」

元太「びっくりしたぜ!」

コナン「ノーベル賞取るとギャグのキレが良いなあ」

阿笠「んほほほほほほほぉぉぉぉぉおおおおおお!」

光彦「ノーベル賞を取って傲慢な性格になったのかと思っちゃいましたよ」

阿笠「…………」

阿笠「光彦君はわしをそんな薄情な人間だと思っていたのかね?」

光彦「いえいえ、そんなことないですよ!」

阿笠「なら良いが」

9: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 22:50:26.722 ID:gQ/BniNk0
元太「ところでよぉ、ノーベル賞ってなんだ?」

光彦「もー、元太君はそんなことも知らないんですかぁ?」

元太「…………」

光彦「つい最近もiPS細胞で日本人が受賞してニュースになってたじゃないですか」

元太「…………」

光彦「あいかわらずバカですねえ」

元太「なんだとぉ!」

光彦「す、すぐ暴力ですか?」

阿笠「これこれ、ケンカはやめなさい」

コナン「おっ、ノーベル賞取ると言葉の重みも違うなあ」

阿笠「そうかの? んほほほほ!」

コナン「見直したぜ!」

阿笠「そうじゃろ そうじゃろ!」

灰原「調子に乗らなきゃいいけど……」

11: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 22:52:40.880 ID:gQ/BniNk0
歩美「コナン君、ノーベル賞ってどんな賞なの?」

コナン「ああ、ノーベル賞っていうのは、ダイナマイトを発明したスウェーデン人、
    アルフレッド・ノーベルの遺言と遺産によってつくられた賞のことだ」

コナン「物理学、化学、医学生理学、文学、経済学、平和事業、6つの分野があり
    それに貢献した人にノーベル賞が贈られる」

コナン「まあ簡単に言えば、世界的に有名な賞のひとつだな」

元太「ダイナマイトってあのドッカーーンって爆発するやつか?」

コナン「ああ、そうだぞ」

元太「すげえ!!!」

コナン「ところで博士、気になってたんだけど」

コナン「ニュースで言ってた授賞理由の『ノーベル賞を受賞するスイッチ』って何だ?」

阿笠「あぁ……それはのぉ……えーーっと…………」

灰原「これのことよ」

阿笠「ぁ……」

コナン「なんだ、いつものスイッチの発明かよ!」

コナン「道理で! 博士がノーベル賞なんておかしいと思ったんだよ!!!」

13: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 22:54:26.714 ID:gQ/BniNk0
歩美「どういうこと?」

元太「なんだ、そのスイッチ?」

光彦「僕たちにもわかるように教えてください」

コナン「つまりこういうことだ……」

――――――――
――――

――



歩美、元太、光彦「えーーーーーーーーーーっ!」

歩美「博士ズルしてたの!?」

元太「自分だけ使うなんて、ずりぃぞ!」

光彦「僕たちにもスイッチを押させてくださいよ!」

14: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 22:55:20.992 ID:gQ/BniNk0
阿笠「べ、別に隠すつもりはなかったんじゃ!」

阿笠「そうじゃ! 君達もスイッチを押してみるかの?」

阿笠「ほれ、コナン君から」

コナン「ああ、俺は別に名誉とか興味ねえからいいよ」

コナン「灰原、お前押してみるか?」

コナン「医学生理学賞あたりに興味あるだろ?」

灰原「ちょっと何言ってるのよ!」

灰原「私が目立ったらダメなことあなたも知ってるでしょ!」

灰原「私は押さないわよ」

コナン「お、そうかあ?」

15: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 22:56:49.267 ID:gQ/BniNk0
阿笠「ほほほっ、2人はスイッチ押さないんか」

阿笠「もったいないのう」

阿笠「それじゃあ歩美君はどうじゃ?」

歩美「うーん、確かにノーベル賞は欲しいけど……」

歩美「でも、博士の発明に頼るのはなんか違う気がするなあ」

歩美「歩美は自分の努力が認められて賞をもらう方がいいもん!」

灰原「あら吉田さん、いいこと言うじゃない」

灰原「誰かさんにも聞かせてあげたいわ」

阿笠「ははは……」

18: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 22:58:06.070 ID:gQ/BniNk0
光彦「そうですよね! 灰原さん! 歩美ちゃん!」

光彦「スイッチひとつでノーベル賞なんて、人として間違ってますよ!」

阿笠「おや、光彦君?」

阿笠「さっきはスイッチを押したがってたみたいじゃが」

光彦「そ、そんなことないですよ」

阿笠「じゃあ、君も押さないんかの?」

光彦「はい! 僕は絶対にスイッチ押しません!」

阿笠「せっかく作ったのにもったいないのう」

阿笠「すぐ目の前にある名誉を欲しくないんか?」

19: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 22:59:45.932 ID:gQ/BniNk0
コナン「おい、博士!」

コナン「もしかして博士は名誉の他にも欲しいものがあるんじゃないか?」

阿笠「な、何を言う」

阿笠「わしは純粋に科学者としての名誉が欲しいだけじゃぞい」

コナン「博士、本当に名誉だけか?」

元太「どういうことだ、コナン?」

コナン「ああ、言い忘れてたけどよお」

コナン「ノーベル賞を受賞するとメダルと賞金がもらえるんだ」

阿笠「ギクッ!!」

歩美「あーーっ! 博士! その賞金目当てだったの?」

光彦「スイッチひとつで名誉と賞金なんて最低ですよ、博士!」

20: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:02:13.749 ID:gQ/BniNk0
阿笠「仕方ないじゃろ……」

阿笠「最近色々な装置やスイッチを作って金欠気味だったんじゃ」

コナン「まあ、スイッチを発明したのは博士なんだし、別にいいんじゃないか」

灰原「で、その賞金っていくらなの?」

コナン「ノーベル賞の賞金は1000万クローナ」

コナン「円に換算すると約1億4000万円ってとこだな」

光彦「えぇ!?」

元太「すげげげぇぇぇええええ!」

元太「それってうな重何杯分だだだぁぁぁああああ!?」

阿笠「ほほほっ、毎日食べても無くならんじゃろうな」

21: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:03:21.875 ID:gQ/BniNk0
元太「そんなに金があるんなら、うな重おごってくれよ、博士!」

博士「いやじゃ! いやじゃ! 賞金はすべてわしのもんじゃぁああ!」

博士「君らにはびた一文やらんぞい!!!」

元太「なんだよ! ケチだなあ!」

コナン「おい元太、うな重を食べる金が欲しいなら自分でスイッチを押せばいいじゃないか」

コナン「スイッチ押すだけでノーベル賞の賞金もらえるんだからよ!」

元太「あっ、そうか!」

元太「さすがはコナンだぜ!」

22: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:04:27.934 ID:gQ/BniNk0
阿笠「おっ、元太君はスイッチを押す気になったんかの」

阿笠「ほれ、これがそのスイッチじゃぞい」

元太「押すだけでいいのか?」

阿笠「スイッチの下につまみがあるじゃろ?」

阿笠「そのつまみでどの賞を受賞するかが選べるんじゃ」

コナン「物理学賞、化学賞、医学生理学賞、文学賞、経済学賞、平和賞の6つだな」

元太「よくわかんねえな、うな重の賞はないのか?」

光彦「元太君はバカですねえ、そんな賞あるわけないじゃないですか!」

光彦「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

元太「……」

23: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:05:44.902 ID:gQ/BniNk0
灰原「ところで、博士は科学者だから授賞理由もはっきりしてたけど」

灰原「小嶋君はどの賞を取ってもちゃんと授賞理由があるのかしら」

阿笠「心配には及ばん、どの賞でもちゃんと授賞できるぞい」

阿笠「それに、ちゃんと授賞理由もつくんじゃ」

阿笠「どんな人間でも生きている限り各分野に少なからず貢献しておるからのう」

阿笠「たとえ自分で気づいていなくても、それが授賞の評価対象になるんじゃ」

光彦「そうですか? 元太君が学問に貢献しているとは思えないのですが」

元太「……」

24: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:06:45.068 ID:gQ/BniNk0
阿笠「まあ、押してみればわかるじゃろう」

阿笠「さあ元太君、6つの中から選ぶんじゃ」

元太「うーーん、よくわかんねえけど、この経済学賞ってやつにするか」

光彦「ハハハハハ、笑わせないでください。元太君が経済学賞ですか?」

光彦「どうせ、うな重にお金を使って経済を回しているとかそんな授賞理由でしょ?」

光彦「ハハハハハハハハハハハハハ」

元太「…………」

元太「……じゃあ、押すぞ」ポチッ

26: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:07:46.315 ID:gQ/BniNk0
元太「…………」

光彦「やっぱり何も起きないじゃないですか」

コナン「いや、テレビを見てみろ」


テレビ「今入ってきたニュースです」

テレビ「日本人の小嶋元太君がノーベル経済学賞を受賞しました」

テレビ「うな重何杯分に換算する『ウナジュウ係数』の発明が評価されての受賞とのことです」

テレビ「小嶋元太君はノーベル賞受賞者の最年少記録を塗り替えました」



光彦「ぇぇぇえええええ! うそぉぉぉおおおおおおおお!」

阿笠「ほほほっ、光彦君、わしの発明を甘く見るでないぞ」

元太「これでうな重食い放題だぁああ!」

27: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:08:56.748 ID:gQ/BniNk0
コナン「やったな元太! おめでとう!」

歩美「元太君すごーい! 学者さんみたーい!」

灰原「最年少受賞者だなんて、小嶋君すごいじゃない」

元太「へへへっ、なんだか照れるなあ」

光彦「…………」

灰原「まさか米花町から2人もノーベル賞受賞者が出るなんてね」

歩美「2人は少年探偵団の自慢だねっ!」

元太「金はいつもらえるんだ、コナン?」

コナン「授賞式はノーベルの命日の12月10日にスウェーデンのストックホルムで開かれるぞ」

阿笠「じゃあ12月にみんなでスウェーデン旅行にでも行くかの?」

歩美「わーーーい! ありがとう、博士! 元太君!」

光彦「…………」

28: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:09:59.459 ID:gQ/BniNk0
光彦「ちょ、ちょっと待ってください!」

阿笠「ん、なんじゃ光彦君?」

光彦「あ、あのぉ……」

光彦「ぼ、僕も…… スイッチを押していいですか?」

阿笠「どうしたんじゃ急に」

阿笠「君は『スイッチひとつで名誉と大金』を最低な行為と言っとたではないか」

光彦「…………」

29: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:11:00.905 ID:gQ/BniNk0
光彦「い、いやぁ…… そ、そのぉ…………」

阿笠「なんじゃ、はっきり言わんか!」

阿笠「せっかくめでたいのに、水を差すでないぞ!」

阿笠「さあ、みんな! 元太君のおごりでうな重を食べに行こう!」

光彦「あーーーっ! みなさん待ってください!」

阿笠「まったく! 今度はなんじゃね?」

光彦「ぼ、僕もノーベル賞を受賞した方が少年探偵団のためになると思うんです!」

光彦「ほら、ノーベル賞受賞者が2人もいる探偵団なんてすごいじゃないですか!」

阿笠「……光彦君、それは本心かね?」

光彦「も、もちろんです!!!」

31: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:12:43.042 ID:gQ/BniNk0
阿笠「…………」

元太「…………」

歩美「…………」

灰原「…………」

コナン「まあ、いいじゃないか博士」

コナン「別にスイッチは減るもんじゃないし」

コナン「光彦にもスイッチ押させてやれよ」

阿笠「ふむ、たしかにそうじゃのう」

阿笠「仕方ない、光彦君にもスイッチを押させてあげよう」

光彦「ありがとうございます! コナン君! 博士!」

32: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:13:40.264 ID:gQ/BniNk0
阿笠「ほれ、スイッチじゃ」

光彦「これを押せば僕もノーベル賞を取れるんですね!」

コナン「ところで、どの分野の賞にするんだ?」

光彦「あっ、まだ決めてなかったです」

コナン「物理学賞、化学賞、医学生理学賞、文学賞、経済学賞、平和賞の6つだぞ」

灰原「どうせ受賞するなら、自分が興味のある分野がいいんじゃない?」

光彦「そうですね! さすが灰原さんです!!!」

光彦「それなら、僕は読書家だし、毎日日記も書いてるので文学賞でしょうか」

33: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:14:24.568 ID:gQ/BniNk0
歩美「えーーーーーっ!」

光彦「どうしたんですか、歩美ちゃん?」

歩美「だってノーベル文学賞をもらっちゃったら
   今まで書いた文章が世界に広まるんでしょ?」

光彦「そうですよ。なんせノーベル文学賞ですからね」

歩美「歩美、自分の日記が世界中の人に見られるの恥ずかしいよ」

歩美「光彦君は自分の日記が知らない人たちに見られても恥ずかしくないの?」

光彦「確かにそうですね! さすが歩美ちゃんです!!!」

34: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:15:27.437 ID:gQ/BniNk0
光彦「うーーん、迷いますねえ」

阿笠「ほほほっ、せっかくのノーベル賞じゃから、じっくり考えるんじゃぞ」

元太「光彦! 俺は経済学賞だぞ!」

元太「お前もそれにしたらどうだ?」

光彦「ああぁぁぁ! もおぉぉぉう!!!」

光彦「今考えてるんですから! 元太君は黙っててください!!!」

元太「……」

35: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:16:22.509 ID:gQ/BniNk0
阿笠「そういえば、光彦君」

光彦「なんですか、博士?」

阿笠「君がノーベル賞を欲しい理由……」

阿笠「それは金でも名誉でもなく、少年探偵団のためじゃったな?」

光彦「は、はい…… も、もちろん、そうですよ!」

阿笠「そんな君にとっておきの賞がある……」

阿笠「それはノーベル平和賞じゃ!」

光彦「なるほど!」

36: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:17:18.174 ID:gQ/BniNk0
灰原「平和賞は他の学問系の分野とは一線を画した賞ね」

コナン「平和賞でいいんじゃないか? 少年探偵団にはちょうどいい賞だろ」

歩美「少年探偵団は事件を解決して世界を平和にしてるもんね!」

光彦「確かに、いままでの少年探偵団の活動で評価されることも多そうですね」

光彦「さすがは博士! 灰原さん! 歩美ちゃん! コナン君!」

元太「……」

38: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:19:23.356 ID:gQ/BniNk0
光彦「決めました! 僕はノーベル平和賞にします!」

阿笠「お、ようやく決めたんじゃな」

光彦「えーっと……つまみを平和賞に合わせてっと……」

光彦「それじゃあ、みなさん! スイッチを押しますよ!」

阿笠「待て待て、そう焦るでないぞ!」

光彦「!?」

阿笠「……ここは皆でカウントダウンじゃぁぁぁあああ!!!」

光彦「…そうですね! みなさんお願いします!」

阿笠「よし、それじゃあいくぞい!」



阿笠「五ーっ!!!」

コナン「Ⅳっ!!!」

灰原「3……」

歩美「にーっ!!!」

元太「壱っ!!!」

光彦「ゼロッ!!!」ポチッ

40: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:21:04.377 ID:gQ/BniNk0
光彦「…!?」

光彦「!!!???」

光彦「あ、あれ……!? な、何ですか……こ、これは……!!!???」

光彦「僕の顔が………… だんだん膨らんで……………………!!!???」

プクゥ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

コナン「ハッ!!」

コナン「歩美! 元太! 見ちゃダメだぁーーーーー!!!!!」

パァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!

歩美「キャァァァァァアアアアアアアアアア!!!」

元太「ゲェェェエエエ!!! 光彦の頭が爆発しちまったぁぁぁあああ!!!」

42: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:22:30.156 ID:gQ/BniNk0
コナン「み、光彦ぉぉぉおおおおおお!!!???」

阿笠「ぬぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!」

阿笠「みんな見るんじゃぁああ! 頭部を失った光彦君の首から血が噴き出しておるぅうう!!!」

光彦「」ピュー ピュー

阿笠「だ、誰じゃぁぁぁあああ! 光彦君にこんなことをしたのはぁぁぁあああ!!!」

阿笠「わしの家が血まみれじゃぁぁぁああああああああああ!!!」

灰原「みんな落ち着いて! まずは救急車と警察を呼ばなくちゃ!」

44: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:23:30.450 ID:gQ/BniNk0
コナン「待て、灰原!」

コナン「お前らもそこを動くんじゃねえ!」

コナン「光彦はもう死んでる! 救急車を呼んでも無駄だ!」

コナン「それに警察が来るまでに証拠隠滅でもされかねないからな」

灰原「えっ! それってつまり…………」

コナン「ああ……」

コナン「おそらく……この中にいるはずだ…………」

コナン「光彦を殺した犯人がな!!!!!」

阿笠「!」

灰原「!」

歩美「!」

元太「!」

45: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:24:33.934 ID:gQ/BniNk0
阿笠「何を言うか! わしらが友達の光彦君を殺すはずなかろう!」

歩美「歩美たちを疑うなんてひどいよ!」

元太「そうだぞ、コナン!」

コナン「確かに光彦の死は悲しい……」

コナン「だが今は悲しみにひたっている場合じゃないだろ!」

コナン「それに、犯人を見つければ光彦の弔いにもなるじゃないか!」

コナン「灰原もこいつらに何か言ってやってくれ!」

灰原「私もこの中に犯人がいるなんて思いたくないわ……」

灰原「でも、あの状況であんな殺し方ができるのは、この部屋にいる人間にしかできないんじゃない?」

歩美「哀ちゃん……」

阿笠「…………」

元太「…………」

46: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:25:23.343 ID:gQ/BniNk0
阿笠「確かにそうじゃな……」

コナン「そうと決まれば、さっそく推理だ! みんな協力してくれ!」

灰原「まず、一番怪しいのは博士ね」

阿笠「な、なぜじゃ!」

コナン「ああ、だってそうだろ、光彦は博士の作ったスイッチを押した直後に爆発した」

コナン「スイッチと光彦の死に因果関係がないと考える方が難しい」

歩美「あっ、そっか! 博士なら押すと頭が爆発するスイッチを作れるもんね!」

元太「おい! 博士が光彦を殺したのか!」

阿笠「待ってくれ! わしは自分でもそのスイッチを押したんじゃぞ! 哀君も見とったろ!」

阿笠「もし押すと自分の頭が爆発するスイッチなら、わしの頭も吹き飛んでなければおかしいじゃろ!」

コナン「おい灰原、博士は確かにスイッチを押したのか?」

灰原「ええ」

48: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:26:56.719 ID:gQ/BniNk0
阿笠「ほれみい!」

阿笠「それに、富と名声を手に入れたわしには、光彦君を殺す動機がなかろう!」

阿笠「光彦君を一番恨んでたのは元太君じゃ!!!」

元太「……お、俺かよ!」

コナン「確かに元太は光彦に頭の弱さをバカにされていた……」

コナン「殺人の動機としては十分あり得る!」

元太「お、俺がどうやって光彦を殺したっていうんだよ!」

元太「それに俺だってスイッチを押したんだぞ!」

コナン「確かに……」

49: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:28:42.120 ID:gQ/BniNk0
コナン「それじゃあ……次に怪しいのは……」

灰原「えっ、私!!!」

コナン「ああ、お前は光彦が死んだあと、電話をかけるためにこの場を離れようとしただろ」

コナン「何か証拠を隠そうとしてたんじゃないか?」

灰原「バカ言わないでよ! 私には円谷君を殺す動機も手段もないじゃない!」

コナン「……それじゃあまさか、歩美ちゃん!?」

歩美「歩美が人殺しだなんて、酷いよ、コナン君!」

灰原「ちょっと! こんなか弱い女の子を疑うなんてどうかしてるわよ!」

灰原「吉田さんが円谷君の頭を吹き飛ばせるわけないじゃない!」

コナン「あーーっ、ごめん歩美ちゃん! 一応容疑者ってだけだからさー……」

50: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:29:34.825 ID:gQ/BniNk0
灰原「だいたい、容疑者だったらあなたも入ってるのよ、江戸川君」

コナン「バーロー、俺が光彦を殺すわけないだろ!」

阿笠「いや、たしかに怪しいぞい」

阿笠「推理を主導しているように見せかけて、誰かに罪をなすりつけることも可能じゃ!」

コナン「おいおい、博士!」

元太「なんだか、コナンが怪しく見えてきたぞ!」

コナン「おい、元太!」

歩美「コナン君が……光彦君……殺ったの?」

コナン「歩美ちゃんまで!」

52: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:31:15.617 ID:gQ/BniNk0
元太「そうだ! コナンなら殺人の動機もあるぞ!」

元太「博士と俺がノーベル賞取って、さらに光彦まで受賞するってなったから嫉妬してるんだ!」

コナン「俺はノーベル賞には興味ねえって言っただろ!」

阿笠「いや、だからこそじゃ!」

阿笠「ノーベル賞に興味がないと言ってしまった手前、言い出せなくなってしまったんじゃろ!」

阿笠「それに、キック力増強シューズでなんやかんやすれば、光彦君の頭を吹き飛ばすくらいできるぞい!」

歩美「コナン君……そんなにノーベル賞が欲しかったの……?」

コナン「おいおい、勘弁してくれよ……!」

コナン「ん、まてよ……ノーベル賞!?」

コナン「……ははーーん、わかっちまった!」

コナン「光彦殺しのトリック、そして、その犯人がな!!!」

55: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:32:37.677 ID:gQ/BniNk0
阿笠「なに!? 本当か!?」

元太「またそんなこと言って誰かに罪をなすりつける気だろ! コナン!」

元太「みんな! コナンを縛り上げるんだ!」

灰原「待って、小嶋君」

灰原「縛り上げるなら、彼の推理を聞いてからでも遅くないんじゃない」

元太「そ、それもそうだな……」

歩美「コナン君、誰が犯人なの?」

コナン「よし、みんな! 俺の推理を聞いてくれ!!!」

阿笠「…………」

灰原「…………」

歩美「…………」

元太「…………」

56: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:35:09.292 ID:gQ/BniNk0
コナン「光彦が死んだのはスイッチを押した直後……」

コナン「そしてスイッチを押したのは博士、元太、光彦の3人だ」

コナン「この中で何故か光彦だけが死んでいる」

元太「スイッチを押したことが死因なら俺と博士も死んでるはずだな」

コナン「いや、それがそうじゃないんだ」

コナン「みんなスイッチを押すことに気を取られて何かを忘れてるんじゃないか?」

コナン「スイッチの下についている『つまみ』をよお!!!」

歩美「あっ、そっかぁ!」

灰原「スイッチのつまみはノーベル賞の分野を選べるものだったわね」

灰原「まさか、光彦くんが押した平和賞のときだけ、頭が爆発するスイッチだったのかしら」

歩美「じゃあ……犯人は……」

元太「スイッチを作った、博士だ!!!」

阿笠「!!」

58: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:36:26.604 ID:gQ/BniNk0
阿笠「はぁぁぁああああああ!!!???」

阿笠「何をたわごと言っとるんじゃ!!!」

阿笠「そんなのスイッチを調べられたら一発でばれるじゃろ!!!」

阿笠「天才科学者のわしがそんなことするわけないわい!!!」

元太「どうなんだ、コナン?」

コナン「ああ、確かに博士は犯人じゃないぜ」

阿笠「ほれみい」

歩美「じゃあいったい誰が……」

59: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:37:36.300 ID:gQ/BniNk0
コナン「真実はいつもひとつ!」

コナン「犯人は……」

コナン「お前だぁぁぁあああ!!!」ビシッ

阿笠「!?」

灰原「!?」

歩美「!?」

元太「!?」

――――――――

――――

――

60: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:38:40.510 ID:gQ/BniNk0
――

――――

――――――――

光彦「」ビシッ

阿笠「な、なんじゃとぉぉぉおおお!!!」

阿笠「犯人は光彦君じゃったのかぁぁぁあああ!!!」

灰原「円谷君……まさかあなたが犯人だったとはね……」

歩美「う、うそでしょ……光彦君……友達だと思ってたのに……」

元太「でもよう、どうやって光彦が光彦を殺したんだ?」

コナン「みんな思い出してくれ、博士のスイッチの仕組みを」

64: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:40:54.303 ID:gQ/BniNk0
コナン「スイッチを押すとノーベル賞が取れる、そして授賞理由もはっきりつくんだ」

コナン「博士が言っていたように人間は少なからず各分野に貢献しているからな」

コナン「つまり、選んだ分野に対して自分が今まで貢献したことが評価の対象になる」

コナン「じゃあ平和賞を選んだ光彦はどうなると思う?」

阿笠「うーーん、光彦君が平和に貢献したことなんてあったかのう?」

コナン「そう! そこなんだ!」

コナン「光彦は日常的に元太の頭の弱さをバカにしていた」

コナン「しかも博士の『スイッチひとつで名誉と大金』を最低な行為と罵ってたくせに
    元太が受賞してからは嫉妬して自分もスイッチを押したがってただろ」

歩美「たしかに」

コナン「つまり光彦の行為は全て私利私欲で全然平和には貢献してなかったんだ」

灰原「なるほど、円谷君は平和賞に値する行為を何もしていなかったのね」

70: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:44:41.506 ID:gQ/BniNk0
阿笠「いや、それはおかしいのう」

阿笠「ワシの発明した発明は完璧じゃ。いかに光彦くんと言えど、ちゃんと平和賞を受賞する理由が付くはずじゃぞい」

コナン「光彦がノーベル平和賞を受賞するのに、うってつけの方法があったんだ」

コナン「反平和的な人間がノーベル平和賞を受賞する……
    つまり、平和に貢献するにはどうすればいいと思う?」

阿笠「そりゃ、この世からいなくなってしまうのが一番の貢献じゃろ」

阿笠「ハッ!」

コナン「その通り!」

コナン「光彦の反平和的な人生とスイッチによる平和賞受賞に矛盾が生じ、
    世界の因果律がその整合性を取るために光彦の頭を爆発させちまったのさ…」

コナン「つまり、一番悪いのは……」

コナン「何ひとつ平和に貢献してこなかった『過去の光彦』」

コナン「お前が犯人だ!!!」

コナン「観念しろ! 光彦ぉぉぉおおおおお!!!」

光彦「」

72: VIPがお送りします 2017/11/16(木) 23:46:24.171 ID:gQ/BniNk0
こうして阿笠邸で起きた『ノーベル賞殺人事件』は幕を閉じた。

しかし、光彦を失った悲しみはあまりにも大き過ぎる。

俺たちは光彦の夢だったノーベル平和賞を取るために皆で博士のスイッチを押すことに。

その結果、少年探偵団は平和賞を団体受賞し、

俺たちはスイッチひとつで名誉と大金を手に入れた。

博士は特に光彦の死を悲しんでおり、あれから家に引き籠って研究に没頭している。

灰原の話によると、光彦殺しの犯人である「過去の光彦」をこらしめるために、

「過去の光彦をこらしめるスイッチ」というものを作っているらしい……

終わり

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