女「婚活しよっと! 年収1000万円以上のザコはお断り!」
1: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 21:35:06.599 ID:+yVaRhaH0
アドバイサー「では、こちらの書類に相手に求める条件をお書き下さい」
アドバイザー「その条件に見合う男性を、我々がご紹介いたします」
女(条件といったら、やっぱり年収よね)
女(年収……1000万円以上のザコはお断りっと!)カキカキ
アドバイザー「では預からせていただきます」
女「頼んだわよ」
女「……」
女「あーっ!!!」
女「以上と以下間違えちゃった!」
アドバイザー「その条件に見合う男性を、我々がご紹介いたします」
女(条件といったら、やっぱり年収よね)
女(年収……1000万円以上のザコはお断りっと!)カキカキ
アドバイザー「では預からせていただきます」
女「頼んだわよ」
女「……」
女「あーっ!!!」
女「以上と以下間違えちゃった!」
4: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 21:39:12.085 ID:+yVaRhaH0
――
アドバイザー「条件に合った方をご紹介します」
男「どうも」
女(うわぁ~……パッとしないのが来ちゃった)
女「ちなみに年収は?」
男「10万円です」
女(10万!? 逆にすげえわ! どうやって生活してんのよ!)
アドバイザー「条件に合った方をご紹介します」
男「どうも」
女(うわぁ~……パッとしないのが来ちゃった)
女「ちなみに年収は?」
男「10万円です」
女(10万!? 逆にすげえわ! どうやって生活してんのよ!)
6: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 21:42:20.469 ID:+yVaRhaH0
アドバイザー「とりあえず、一回デートなさってみたらいかがでしょう?」
男「お願いします」
女(う~ん……さすがに年収10万と結婚はないわ……)
女(だけど、以上と以下を間違えたのは、私のミスだし……)
女「分かりました! 一回デートしてみましょう!」
男「ありがとうございます!」
女(もちろん二回目はないけどね!)
男「お願いします」
女(う~ん……さすがに年収10万と結婚はないわ……)
女(だけど、以上と以下を間違えたのは、私のミスだし……)
女「分かりました! 一回デートしてみましょう!」
男「ありがとうございます!」
女(もちろん二回目はないけどね!)
7: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 21:45:09.078 ID:+yVaRhaH0
デート当日――
男「今日はよろしくお願いします」
女「こちらこそ」
男「じゃあ歩きましょう」
女「ええ」
スタスタスタ…
女「あの……」
男「はい?」
女「どこかお店とか入らないんですか?」
男「一切入りません。金がかかりますからね」
スタスタスタ…
男「今日はよろしくお願いします」
女「こちらこそ」
男「じゃあ歩きましょう」
女「ええ」
スタスタスタ…
女「あの……」
男「はい?」
女「どこかお店とか入らないんですか?」
男「一切入りません。金がかかりますからね」
スタスタスタ…
9: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 21:47:18.070 ID:+yVaRhaH0
スタスタスタ…
女「はぁ、はぁ、はぁ……」
女(もう三時間ぐらい歩いてるんだけど)
男「歩くっていいですよね。金はかからないし、健康にもいいし、景色を楽しめるし」
女「……ええ、そうですね」
男「疲れましたか? じゃあそろそろご飯にしましょうか」
女(やった!)
女「はぁ、はぁ、はぁ……」
女(もう三時間ぐらい歩いてるんだけど)
男「歩くっていいですよね。金はかからないし、健康にもいいし、景色を楽しめるし」
女「……ええ、そうですね」
男「疲れましたか? じゃあそろそろご飯にしましょうか」
女(やった!)
10: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 21:51:11.851 ID:+yVaRhaH0
―公園―
男「ここの草はおいしいんですよ~」ブチッブチッ
女「……」
男「……」モシャモシャ
男「よかったら、いかがです?」サッ
女「……どうも」モシャモシャ
モシャモシャ… モシャモシャ…
女(これがホントの草食系男子ってやつなのかしら)
男「ここの草はおいしいんですよ~」ブチッブチッ
女「……」
男「……」モシャモシャ
男「よかったら、いかがです?」サッ
女「……どうも」モシャモシャ
モシャモシャ… モシャモシャ…
女(これがホントの草食系男子ってやつなのかしら)
14: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 21:54:44.703 ID:+yVaRhaH0
―図書館―
男「お腹一杯になったら、ここで休みましょう」
女「図書館……」
男「無料で好きなだけ本を読めますからね。暇潰しには最高ですよ」
男「夜8時で閉まっちゃうのが残念ですけどねえ」
女「ええ……」
男「喉が渇いたら、あっちに水飲み場がありますよ」
女「ど、どうも……」
男「お腹一杯になったら、ここで休みましょう」
女「図書館……」
男「無料で好きなだけ本を読めますからね。暇潰しには最高ですよ」
男「夜8時で閉まっちゃうのが残念ですけどねえ」
女「ええ……」
男「喉が渇いたら、あっちに水飲み場がありますよ」
女「ど、どうも……」
16: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 21:56:49.820 ID:+yVaRhaH0
男「じゃあ、今日はこれで!」
女「ええ、さよなら!」
女(何時間も歩いて、草食って、図書館でずっと本読んで……前代未聞のデートだったわ!)
女(こんな奴、もう二度と会うもんですか!)
女「ええ、さよなら!」
女(何時間も歩いて、草食って、図書館でずっと本読んで……前代未聞のデートだったわ!)
女(こんな奴、もう二度と会うもんですか!)
19: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:00:43.259 ID:+yVaRhaH0
―自宅―
女「ふぅ……」ゴロン…
女「足いってえ……マメできなきゃいいけど」ズキズキ…
女(あーあ、ひどい目にあったわ……)
女(だけど、つまんなかったっていうと、そんなことないのよね)
女(あの純朴な感じがクセになるというか――)
女(噛めば噛むほど味が出るというか――)
女「ふぅ……」ゴロン…
女「足いってえ……マメできなきゃいいけど」ズキズキ…
女(あーあ、ひどい目にあったわ……)
女(だけど、つまんなかったっていうと、そんなことないのよね)
女(あの純朴な感じがクセになるというか――)
女(噛めば噛むほど味が出るというか――)
22: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:04:06.108 ID:+yVaRhaH0
男「いやぁ、嬉しいなぁ! また会って頂けるなんて!」
女「アハハ……」
女(なにやってんだろ、私)
男「正直いって信じられないですよ! 絶対二回目はないな、と思ってました!」
女(私も信じられないわ)
男「じゃあ、今日もとっておきのデートコースをご紹介しますよ!」
女「アハハ……」
女(なにやってんだろ、私)
男「正直いって信じられないですよ! 絶対二回目はないな、と思ってました!」
女(私も信じられないわ)
男「じゃあ、今日もとっておきのデートコースをご紹介しますよ!」
23: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:06:25.150 ID:+yVaRhaH0
―河原―
男「ここの草もおいしいんですよ~」ブチッブチッ
女「……」
男「……」モシャモシャ
男「よかったら、いかがです?」
女「……どうも」モシャモシャ
モシャモシャ… モシャモシャ…
男「食べたら俺のアパートに案内しますよ」
女(あ、一応住む家はあったんだ。てっきりホームレスかと……)
男「ここの草もおいしいんですよ~」ブチッブチッ
女「……」
男「……」モシャモシャ
男「よかったら、いかがです?」
女「……どうも」モシャモシャ
モシャモシャ… モシャモシャ…
男「食べたら俺のアパートに案内しますよ」
女(あ、一応住む家はあったんだ。てっきりホームレスかと……)
27: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:09:49.221 ID:+yVaRhaH0
―アパート―
ギシッ… ギシッ…
女(うわぁ、すごいボロアパート。ほとんど廃墟だわ)
女「ここ……家賃はいくら?」
男「1000円です」
女「大きい地震が来たらすぐ崩れちゃいそうね」
男「それが意外と、よく揺れるから逆に安全なんですよ~」
女(なにその理論……)
ギシッ… ギシッ…
女(うわぁ、すごいボロアパート。ほとんど廃墟だわ)
女「ここ……家賃はいくら?」
男「1000円です」
女「大きい地震が来たらすぐ崩れちゃいそうね」
男「それが意外と、よく揺れるから逆に安全なんですよ~」
女(なにその理論……)
29: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:16:17.722 ID:+yVaRhaH0
男「雨水を貯めて、砂糖を混ぜたジュースです。おいしいですよ」
女「ありがとう」ゴクッ
女「あら、おいしい!」
男「でしょう!」
男「こっちは色んな草や葉っぱを混ぜて作ったサラダです」
女「あら、これもおいしい!」ムシャムシャ
男「でしょう!」
女(おかしい……。あれよあれよとこいつのペースに……)
女「ありがとう」ゴクッ
女「あら、おいしい!」
男「でしょう!」
男「こっちは色んな草や葉っぱを混ぜて作ったサラダです」
女「あら、これもおいしい!」ムシャムシャ
男「でしょう!」
女(おかしい……。あれよあれよとこいつのペースに……)
31: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:19:44.401 ID:+yVaRhaH0
男「女さん!」
女「は、はい!」
男「俺、この通り、貧乏で甲斐性なんて全くないけど……」
男「こんな俺でよかったら……結婚して下さい!」
女「……はい」
女(あーあ、OKしちゃった)
女「は、はい!」
男「俺、この通り、貧乏で甲斐性なんて全くないけど……」
男「こんな俺でよかったら……結婚して下さい!」
女「……はい」
女(あーあ、OKしちゃった)
32: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:22:43.603 ID:+yVaRhaH0
……
男「今日も草を食べよう」
女「うん!」
モシャモシャ… モシャモシャ…
女「おいしいね!」
男「そうだね」
男「……」
男(こんな俺に、よくついてきてくれている……)
男(俺もいつまでもこんな生活してられない……)
男(彼女のためにも、なんとか浮かび上がらなきゃ……!)
男「今日も草を食べよう」
女「うん!」
モシャモシャ… モシャモシャ…
女「おいしいね!」
男「そうだね」
男「……」
男(こんな俺に、よくついてきてくれている……)
男(俺もいつまでもこんな生活してられない……)
男(彼女のためにも、なんとか浮かび上がらなきゃ……!)
33: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:25:22.873 ID:+yVaRhaH0
男「俺には貧乏生活しながら考えてたビジネスプランがあってね!」
男「やっと形になってきたから、ベンチャー企業を立ち上げたよ!」
男「必ず大金持ちになってみせる!」
女「まあ、まったく期待してないけど……頑張ってね」
女「失敗しても今までの暮らしに戻るだけと思うと気楽だしね」
男「いや……絶対成功させるよ!」
男「やっと形になってきたから、ベンチャー企業を立ち上げたよ!」
男「必ず大金持ちになってみせる!」
女「まあ、まったく期待してないけど……頑張ってね」
女「失敗しても今までの暮らしに戻るだけと思うと気楽だしね」
男「いや……絶対成功させるよ!」
36: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:29:30.034 ID:+yVaRhaH0
―会社―
男「やったぁ、一億の商談が成立した!」
女「おめでとう!」
男「よぉーし、俺の目に狂いはなかった! やっぱりこのビジネスは需要がある!」
男「今はまさに商機! どんどん会社をでかくしてやるッ!」
女「頑張って!」
男「ああ、任せとけ! このまま貧乏脱出どころかセレブになってやるさ!」
男「やったぁ、一億の商談が成立した!」
女「おめでとう!」
男「よぉーし、俺の目に狂いはなかった! やっぱりこのビジネスは需要がある!」
男「今はまさに商機! どんどん会社をでかくしてやるッ!」
女「頑張って!」
男「ああ、任せとけ! このまま貧乏脱出どころかセレブになってやるさ!」
39: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:32:44.594 ID:+yVaRhaH0
男「ふぅ~、人を雇って、会社がますます軌道に乗ってきた……」
女「ねえ、たまには公園に草食べに行かない?」
男「草ぁ? ハハッ、なにいってんだい! 俺たちはもうそんなもん食う身分じゃないだろ!」
男「草どころか、森や山だって買い占められるほど貯金もできたんだしさ!」
男「さ、二人で高級レストランに行こう! 今夜は北京ダックなんかどうだい?」
女「うん……」
女「ねえ、たまには公園に草食べに行かない?」
男「草ぁ? ハハッ、なにいってんだい! 俺たちはもうそんなもん食う身分じゃないだろ!」
男「草どころか、森や山だって買い占められるほど貯金もできたんだしさ!」
男「さ、二人で高級レストランに行こう! 今夜は北京ダックなんかどうだい?」
女「うん……」
41: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:34:42.878 ID:+yVaRhaH0
部下「も、申し訳ありませんっ……!」
男「なにやってんだテメェ! まんまと競合に出し抜かれやがってぇ!」
男「だからお前はボンクラだってんだよ! この役立たずがぁ!」
男「いいか、お前の代わりなんざこの世にいくらでもいるんだぞ! 死ぬ気で働けぇ!」
部下「はっ、はいぃ……!」
女「……」
男「なにやってんだテメェ! まんまと競合に出し抜かれやがってぇ!」
男「だからお前はボンクラだってんだよ! この役立たずがぁ!」
男「いいか、お前の代わりなんざこの世にいくらでもいるんだぞ! 死ぬ気で働けぇ!」
部下「はっ、はいぃ……!」
女「……」
44: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:38:32.728 ID:+yVaRhaH0
女「ねえ」
男「なんだよ?」
女「このところ、あなた……性格すさんできてない?」
女「よく怒鳴るようになったし、目つきも前より吊りあがって……」
男「そりゃなぁ、この世界で生きてりゃどうしてもそうなる」
女「たまには息抜きした方が……」
男「息抜きィ? そんなことしてるヒマなんかあるかよッ!」
男「お前だって俺のおかげでいい暮らしできてんだろがッ! 俺のやることに口出しすんな!」
女「……ごめんなさい」
男「なんだよ?」
女「このところ、あなた……性格すさんできてない?」
女「よく怒鳴るようになったし、目つきも前より吊りあがって……」
男「そりゃなぁ、この世界で生きてりゃどうしてもそうなる」
女「たまには息抜きした方が……」
男「息抜きィ? そんなことしてるヒマなんかあるかよッ!」
男「お前だって俺のおかげでいい暮らしできてんだろがッ! 俺のやることに口出しすんな!」
女「……ごめんなさい」
46: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:41:02.842 ID:+yVaRhaH0
―公園―
女「ふぅ……」
イケメン「あの……このところ毎日ここに来られてますよね」
女「えっ……」ドキッ
イケメン「よろしかったら、一緒に草を食べませんか?」
イケメン「この公園の草は、とてもおいしいんですよ」
女「は、はいっ……」
女「ふぅ……」
イケメン「あの……このところ毎日ここに来られてますよね」
女「えっ……」ドキッ
イケメン「よろしかったら、一緒に草を食べませんか?」
イケメン「この公園の草は、とてもおいしいんですよ」
女「は、はいっ……」
50: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:43:07.702 ID:+yVaRhaH0
イケメン「おいしいでしょう?」モシャモシャ
女「ええ、懐かしい味……」モシャモシャ
女(この人……まるでかつてのあの人を見ているみたい)
イケメン「また……会えますか」
女「ええ……またこの公園で……」
女「ええ、懐かしい味……」モシャモシャ
女(この人……まるでかつてのあの人を見ているみたい)
イケメン「また……会えますか」
女「ええ……またこの公園で……」
53: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:46:18.759 ID:+yVaRhaH0
―会社―
部下「社長」
男「なんだ?」
部下「実は奥様が……」ゴニョゴニョ…
男「なにィ~!?」
部下「いかがいたしましょう?」
男「……知るか! ほっとけあんな女!」
男「最近やかましくなったしちょうどいい! 本当に不倫してるなら別れるいい口実になる!」
部下「社長」
男「なんだ?」
部下「実は奥様が……」ゴニョゴニョ…
男「なにィ~!?」
部下「いかがいたしましょう?」
男「……知るか! ほっとけあんな女!」
男「最近やかましくなったしちょうどいい! 本当に不倫してるなら別れるいい口実になる!」
56: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:49:32.790 ID:+yVaRhaH0
―図書館―
イケメン「おや、今日は絵本ですか」
女「ええ、たまには童心にかえって、と思って」
イケメン「これは……欲張りな金持ちがどんどん荒んでいく、という話ですね」
女(まるであの人みたい……)
イケメン「お金は人の心を汚します。手元にあればあるだけ、精神を濁らせる」
イケメン「頭に浮かべて下さい。世の中のいわゆる富豪と呼ばれる人物たちを」
イケメン「みんな……欲望に歪んだ醜い顔をしている。実際に不祥事を起こすこともある」
イケメン「それに比べて、日々を精一杯生きる貧しい人達はみんな顔も心も清らかだ」
女「ええ、その通り……」
イケメン「さ、また公園に草を食べに行きましょうか」
女「……はい」
イケメン「おや、今日は絵本ですか」
女「ええ、たまには童心にかえって、と思って」
イケメン「これは……欲張りな金持ちがどんどん荒んでいく、という話ですね」
女(まるであの人みたい……)
イケメン「お金は人の心を汚します。手元にあればあるだけ、精神を濁らせる」
イケメン「頭に浮かべて下さい。世の中のいわゆる富豪と呼ばれる人物たちを」
イケメン「みんな……欲望に歪んだ醜い顔をしている。実際に不祥事を起こすこともある」
イケメン「それに比べて、日々を精一杯生きる貧しい人達はみんな顔も心も清らかだ」
女「ええ、その通り……」
イケメン「さ、また公園に草を食べに行きましょうか」
女「……はい」
60: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:53:25.179 ID:+yVaRhaH0
―公園―
モシャモシャ… モシャモシャ…
イケメン「誰もいない夜の公園で食べる草は格別ですね」
女「ええ、ホント」
イケメン「女さん」
女「はい?」
イケメン「ボクと……結婚して下さいませんか」
女「えっ……。あの実は、私には夫が……」
イケメン「知ってます。そして、あなたのような清らかな方には、ボクの方が相応しいことも」
イケメン「どうか、ボクと一緒になって下さい」
女「……」
モシャモシャ… モシャモシャ…
イケメン「誰もいない夜の公園で食べる草は格別ですね」
女「ええ、ホント」
イケメン「女さん」
女「はい?」
イケメン「ボクと……結婚して下さいませんか」
女「えっ……。あの実は、私には夫が……」
イケメン「知ってます。そして、あなたのような清らかな方には、ボクの方が相応しいことも」
イケメン「どうか、ボクと一緒になって下さい」
女「……」
65: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:56:14.003 ID:+yVaRhaH0
女「……」
女「やっぱりダメです!」
イケメン「!」
女「私……まだ心の中では、あの人が好き!」
女「あなたに惹かれたのも、かつてのあの人を見てるようだったからなの」
女「だから……あなたと結婚できません! ごめんなさい……」
イケメン「……そうですか」
女「やっぱりダメです!」
イケメン「!」
女「私……まだ心の中では、あの人が好き!」
女「あなたに惹かれたのも、かつてのあの人を見てるようだったからなの」
女「だから……あなたと結婚できません! ごめんなさい……」
イケメン「……そうですか」
68: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 22:59:55.463 ID:+yVaRhaH0
イケメン「――ふざけてんじゃねぇぞォ!!!」
女「え!?」
イケメン「せっかく金持ちの妻たらし込んで、金も体もがっぽがっぽだと思ったらよォ……」
イケメン「直前で冷めることいってくれちゃってよォ……」
女「あ、あなた……騙してたの!?」
女「あなたは貧乏だから、心が清いはずじゃ……」
イケメン「ギャハハハハハハッ! 貧乏人は心が清い? バーッカじゃねえの?」
イケメン「『貧すれば鈍する』ってことわざ知らねえのかァ!?」
イケメン「『衣食足りて礼節を知る』って言葉知らねぇのかァァァ!?」
イケメン「貧乏なら心が清いとか、どんだけ頭お花畑なんだヴァァァァァカ!!!」
女「あ……あああ……」
女「え!?」
イケメン「せっかく金持ちの妻たらし込んで、金も体もがっぽがっぽだと思ったらよォ……」
イケメン「直前で冷めることいってくれちゃってよォ……」
女「あ、あなた……騙してたの!?」
女「あなたは貧乏だから、心が清いはずじゃ……」
イケメン「ギャハハハハハハッ! 貧乏人は心が清い? バーッカじゃねえの?」
イケメン「『貧すれば鈍する』ってことわざ知らねえのかァ!?」
イケメン「『衣食足りて礼節を知る』って言葉知らねぇのかァァァ!?」
イケメン「貧乏なら心が清いとか、どんだけ頭お花畑なんだヴァァァァァカ!!!」
女「あ……あああ……」
71: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 23:03:49.522 ID:+yVaRhaH0
イケメン「オレ、貧乏だからさぁ~、娯楽なんてほとんどねェのよ」
イケメン「だから今晩は……あんたに“娯楽”になってもらうッ!」
イケメン「漫画ゴラクにも掲載できないような目に合わせてやるぜッ!」
女「ひっ!」
イケメン「いくらオレがイケメンでも貧乏だと女も寄ってこねえから、女は久しぶりだァ……!」ジュルリ…
女「だ、誰かっ……!」
イケメン「叫んだって無駄だ、さっき誰もいねェっていったろ!」
イケメン「朝まで生で楽しもうぜェェェェェ!!!!!」
イケメン「だから今晩は……あんたに“娯楽”になってもらうッ!」
イケメン「漫画ゴラクにも掲載できないような目に合わせてやるぜッ!」
女「ひっ!」
イケメン「いくらオレがイケメンでも貧乏だと女も寄ってこねえから、女は久しぶりだァ……!」ジュルリ…
女「だ、誰かっ……!」
イケメン「叫んだって無駄だ、さっき誰もいねェっていったろ!」
イケメン「朝まで生で楽しもうぜェェェェェ!!!!!」
74: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 23:06:15.401 ID:+yVaRhaH0
男「やめろッ!!!」
女「えっ……」
イケメン「なんだァ~?」
女「どうしてここに……」
男「俺はもう、君のことなんかどうでもいいと思ってた……はずだった」
男「だが、やはり、心の奥底では君のことを忘れることはできなかった……」
男「……戻ってきてくれ」
女「えっ……」
イケメン「なんだァ~?」
女「どうしてここに……」
男「俺はもう、君のことなんかどうでもいいと思ってた……はずだった」
男「だが、やはり、心の奥底では君のことを忘れることはできなかった……」
男「……戻ってきてくれ」
77: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 23:09:19.206 ID:+yVaRhaH0
イケメン「オレを無視してんじゃねーぞッ!」
イケメン「いっとくが、オレはテメェのような青ビョウタンにやられるほどヤワじゃねえ」
イケメン「一人でのこのこやってきたこと後悔させてやんぜェ!」
男「一人? なにいってんだ?」
イケメン「え?」
男「俺は金持ちだぞ? ……人を雇ってるに決まってんだろ」
怪力「社長の奥さんに手を出すとは……クズ野郎が」
マッチョ「たっぷりおしおきしてやんなきゃな」パキポキ
豪傑「覚悟してもらおう」
イケメン「あ……」
イケメン「いっとくが、オレはテメェのような青ビョウタンにやられるほどヤワじゃねえ」
イケメン「一人でのこのこやってきたこと後悔させてやんぜェ!」
男「一人? なにいってんだ?」
イケメン「え?」
男「俺は金持ちだぞ? ……人を雇ってるに決まってんだろ」
怪力「社長の奥さんに手を出すとは……クズ野郎が」
マッチョ「たっぷりおしおきしてやんなきゃな」パキポキ
豪傑「覚悟してもらおう」
イケメン「あ……」
78: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 23:12:36.390 ID:+yVaRhaH0
男「……無事でよかった」
女「ごめんなさい……」
男「いや……俺の方こそ悪かった……」
男「ただし俺はもう、貧乏に戻るつもりはない。会社や部下を抱える身だからな……」
男「あいつらを路頭に迷わせるわけにはいかない」
女「うん、分かってる……」
女「私の無い物ねだりだってことは分かってたの……」
女「ごめんなさい……」
男「いや……俺の方こそ悪かった……」
男「ただし俺はもう、貧乏に戻るつもりはない。会社や部下を抱える身だからな……」
男「あいつらを路頭に迷わせるわけにはいかない」
女「うん、分かってる……」
女「私の無い物ねだりだってことは分かってたの……」
80: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 23:14:13.570 ID:+yVaRhaH0
男「だけど、君と出会った頃のあの気持ちだけは……取り戻したいと思う」
男「だから……一緒に草を食べよう!」
女「うんっ!」
モシャモシャ… モシャモシャ…
男「あ、久しぶりに食うとうまいな」
女「でしょ~」
おわり
男「だから……一緒に草を食べよう!」
女「うんっ!」
モシャモシャ… モシャモシャ…
男「あ、久しぶりに食うとうまいな」
女「でしょ~」
おわり
85: VIPがお送りします 2018/12/10(月) 23:17:39.494 ID:WujaDO510
ちょっと草食べに行ってくるわ