合気道娘「私が腕をつかんだらわざと転んで下さいね」男「は、はい……」
1: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:20:35.968 ID:jz7vp07W0.net
合気道娘「これより演武を始めます!」
合気道娘「それじゃ、いつもの通り私が腕をつかんだらわざと転んで下さいね」ボソッ
男「は、はい……分かりました」
合気道娘「えいっ」ガシッ
男「うわぁぁぁっ!」ステンッ
オォ~……!
客A「すっごーい!」
客B「女の子が簡単に男を転がしちゃったよ!」
合気道娘「それじゃ、いつもの通り私が腕をつかんだらわざと転んで下さいね」ボソッ
男「は、はい……分かりました」
合気道娘「えいっ」ガシッ
男「うわぁぁぁっ!」ステンッ
オォ~……!
客A「すっごーい!」
客B「女の子が簡単に男を転がしちゃったよ!」
6: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:23:48.229 ID:jz7vp07W0.net
合気道娘「ほいっ」ギュッ
男「あわわぁぁぁっ!」スッテン
合気道娘「よっ」ガシッ
男「うわわぁぁぁっ!」コロリン
ワァ~オ!
外人A「ブラボー!」
外人B「これがジャパニーズ・アイキ! 実にミステリアスデース!」
男「あわわぁぁぁっ!」スッテン
合気道娘「よっ」ガシッ
男「うわわぁぁぁっ!」コロリン
ワァ~オ!
外人A「ブラボー!」
外人B「これがジャパニーズ・アイキ! 実にミステリアスデース!」
8: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:26:17.886 ID:jz7vp07W0.net
合気道娘「この通り、合気道は大きい相手でも簡単に投げ飛ばせるんです!」
合気道娘「ていっ」
男「わぁぁぁっ!」ドサッ
ワアァァァァァ……!
パチパチパチパチパチ…
合気道娘「それじゃ、お代をあちらの箱の中に入れてお帰り下さい!」
男「……」
合気道娘「ていっ」
男「わぁぁぁっ!」ドサッ
ワアァァァァァ……!
パチパチパチパチパチ…
合気道娘「それじゃ、お代をあちらの箱の中に入れてお帰り下さい!」
男「……」
9: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:29:10.984 ID:jz7vp07W0.net
ジャラジャラ…
合気道娘「お~、こんなに入ってます! 万札まで! 儲かりましたね!」
男「……そうですね」
合気道娘「じゃ、報酬はいつものように山分けしましょうか!」
男「……」
合気道娘「ん? 浮かない顔してどうしました?」
男「いえ……なんでもないです」
男(ハァ……どうしてこんなことになっちまったのか……)
合気道娘「お~、こんなに入ってます! 万札まで! 儲かりましたね!」
男「……そうですね」
合気道娘「じゃ、報酬はいつものように山分けしましょうか!」
男「……」
合気道娘「ん? 浮かない顔してどうしました?」
男「いえ……なんでもないです」
男(ハァ……どうしてこんなことになっちまったのか……)
11: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:33:57.046 ID:jz7vp07W0.net
~回想~
―自宅―
ペラペラ…
男(漫画の合気道キャラって、かっこいいよなぁ~)
男(自分より何倍もデカイ相手をヒョイヒョイぶん投げるんだもん)
男(俺も合気道習えば、こんなことできるようになるのかなぁ~)
男「よぉ~し、習ってみよう!」
男「家の近くに合気道の道場はあるかな……と。あった! 探せばあるもんだなぁ!」
―自宅―
ペラペラ…
男(漫画の合気道キャラって、かっこいいよなぁ~)
男(自分より何倍もデカイ相手をヒョイヒョイぶん投げるんだもん)
男(俺も合気道習えば、こんなことできるようになるのかなぁ~)
男「よぉ~し、習ってみよう!」
男「家の近くに合気道の道場はあるかな……と。あった! 探せばあるもんだなぁ!」
14: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:36:22.930 ID:jz7vp07W0.net
―道場―
男「こんにちは」
合気道娘「こんにちは!」
男(え、女の子!? いや、でも合気道は力はいらなさそうだしアリなのか)
男「あ、あの~……入門しにきたんですけど……」
合気道娘「ありがとうございます! ちょうどよかった、パートナーの人に逃げられて困ってたんですよ」
男(逃げられた? パートナー? 困ってた?)
男「あの……他にお弟子さんは?」
合気道娘「うちの流派は複数の門下生を取らない主義でして」
男「あ、そうなんですか」
合気道娘「さっそく稽古を始めましょう!」
男「は、はい」
男「こんにちは」
合気道娘「こんにちは!」
男(え、女の子!? いや、でも合気道は力はいらなさそうだしアリなのか)
男「あ、あの~……入門しにきたんですけど……」
合気道娘「ありがとうございます! ちょうどよかった、パートナーの人に逃げられて困ってたんですよ」
男(逃げられた? パートナー? 困ってた?)
男「あの……他にお弟子さんは?」
合気道娘「うちの流派は複数の門下生を取らない主義でして」
男「あ、そうなんですか」
合気道娘「さっそく稽古を始めましょう!」
男「は、はい」
19: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:40:24.016 ID:jz7vp07W0.net
合気道娘「準備はいいですか?」
男「はい」
合気道娘「それじゃ、私が腕をつかんだら、わざと転がって下さい」
男「え……わざと?」
合気道娘「えいっ」ガシッ
男「えと……わわっ!」ドテッ
合気道娘「反応が遅いです! もう一回!」
男「はいっ!」
合気道娘「とうっ」ガシッ
男「ぐあっ!」ゴロン
合気道娘「わざとらしいです! もう一回!」
男「はい」
合気道娘「それじゃ、私が腕をつかんだら、わざと転がって下さい」
男「え……わざと?」
合気道娘「えいっ」ガシッ
男「えと……わわっ!」ドテッ
合気道娘「反応が遅いです! もう一回!」
男「はいっ!」
合気道娘「とうっ」ガシッ
男「ぐあっ!」ゴロン
合気道娘「わざとらしいです! もう一回!」
21: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:43:47.057 ID:jz7vp07W0.net
合気道娘「だいぶよくなってきましたね」
男「ど、どうも」
男(掴まれたり掴んだらわざと転がる練習しかしてねえぞ……)
合気道娘「それじゃ、さっそく行きましょう!」
男「行くって……どこへ?」
合気道娘「外で演武ですよ!」
男「演武!? もう!?」
男「ど、どうも」
男(掴まれたり掴んだらわざと転がる練習しかしてねえぞ……)
合気道娘「それじゃ、さっそく行きましょう!」
男「行くって……どこへ?」
合気道娘「外で演武ですよ!」
男「演武!? もう!?」
22: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:46:02.908 ID:jz7vp07W0.net
―公園―
合気道娘「さぁ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい」
合気道娘「今から合気道の妙技をとくとご覧いただきます!」
合気道娘「えいっ」ガシッ
男「わぁぁぁぁっ!」ドサッ
ワアァァァァァ……!
パチパチパチパチパチ…
………………
…………
……
合気道娘「さぁ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい」
合気道娘「今から合気道の妙技をとくとご覧いただきます!」
合気道娘「えいっ」ガシッ
男「わぁぁぁぁっ!」ドサッ
ワアァァァァァ……!
パチパチパチパチパチ…
………………
…………
……
26: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:50:46.157 ID:jz7vp07W0.net
男(道場ではいつも技にかかるふりの稽古をして――)
男(公園や体育館で演武をやって、お金を稼ぐ毎日……)
男(しかもうちの演武はなんの技にもかかってないのに、俺が勝手に転がってるだけだもん)
男(ぶっちゃけ詐欺みたいなもんだろ、これ……)
男(きっと前のパートナーの人も、こんな生活が嫌で逃げちゃったんだろうな)
男(このままでいいのだろうか……)
男(公園や体育館で演武をやって、お金を稼ぐ毎日……)
男(しかもうちの演武はなんの技にもかかってないのに、俺が勝手に転がってるだけだもん)
男(ぶっちゃけ詐欺みたいなもんだろ、これ……)
男(きっと前のパートナーの人も、こんな生活が嫌で逃げちゃったんだろうな)
男(このままでいいのだろうか……)
27: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:53:16.868 ID:jz7vp07W0.net
ある日――
―道場―
男「うわぁぁぁっ!」ドテッ
合気道娘「今日の稽古はここまで! お疲れ様でした!」
男「は、はい」
男(今日こそハッキリいおう。辞めようって)
男「あの……途中まで一緒に帰りませんか?」
合気道娘「いいですよ!」
―道場―
男「うわぁぁぁっ!」ドテッ
合気道娘「今日の稽古はここまで! お疲れ様でした!」
男「は、はい」
男(今日こそハッキリいおう。辞めようって)
男「あの……途中まで一緒に帰りませんか?」
合気道娘「いいですよ!」
29: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 21:56:36.092 ID:jz7vp07W0.net
スタスタ…
男「あの……折り入って話があるんですが」
合気道娘「なんでしょう?」
男(うう……いざとなると言いにくいな)
男(だけど言わなきゃ! いつまでもこんな生活してられない!)
男「実は――」
男「あの……折り入って話があるんですが」
合気道娘「なんでしょう?」
男(うう……いざとなると言いにくいな)
男(だけど言わなきゃ! いつまでもこんな生活してられない!)
男「実は――」
30: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:01:56.492 ID:jz7vp07W0.net
不良「お? なんだこいつら!?」
DQN「袴なんか着てやがるぜ!」
男(うわっ、なんでこんな時に……!)
不良「もしかして、合気道か? ゴシンジュツってやつ」
DQN「合気道? 知ってる知ってる! あれってインチキなんだろ!?」
ギャハハハハ……!
男(その通りだよ……!)
不良「おいお嬢ちゃん、オレに技かけてみろよ!」ガシッ
合気道娘「……!」
男(ああっ、まずい!)
DQN「おいおい、やめてやれよ~、泣いちゃうだろ」
不良「へへへ、合気道なんてインチキです、って謝ったら許してやるよ!」
DQN「袴なんか着てやがるぜ!」
男(うわっ、なんでこんな時に……!)
不良「もしかして、合気道か? ゴシンジュツってやつ」
DQN「合気道? 知ってる知ってる! あれってインチキなんだろ!?」
ギャハハハハ……!
男(その通りだよ……!)
不良「おいお嬢ちゃん、オレに技かけてみろよ!」ガシッ
合気道娘「……!」
男(ああっ、まずい!)
DQN「おいおい、やめてやれよ~、泣いちゃうだろ」
不良「へへへ、合気道なんてインチキです、って謝ったら許してやるよ!」
32: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:07:07.404 ID:jz7vp07W0.net
合気道娘「うりゃあああああああッ!!!」
ブオンッ!
不良「え?」グルンッ
男(不良が宙に舞った!?)
合気道娘「ほらほらほらぁぁぁぁぁっ!!!」
不良「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」グルグルグル
男「えええええ!?」
男(不良を空中で回転させてる!? どうなってんだこれ!?)
ブオンッ!
不良「え?」グルンッ
男(不良が宙に舞った!?)
合気道娘「ほらほらほらぁぁぁぁぁっ!!!」
不良「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」グルグルグル
男「えええええ!?」
男(不良を空中で回転させてる!? どうなってんだこれ!?)
37: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:10:04.926 ID:jz7vp07W0.net
合気道娘「おや?」
合気道娘「あんなところに尖った石がありますね……あそこに後頭部から叩きつけてあげましょう!」
不良「ひいいっ!」
合気道娘「地獄へ堕ちろ!!!」
不良「や、やめてぇぇぇぇぇっ!!!」
ブオンッ!!!
合気道娘「あんなところに尖った石がありますね……あそこに後頭部から叩きつけてあげましょう!」
不良「ひいいっ!」
合気道娘「地獄へ堕ちろ!!!」
不良「や、やめてぇぇぇぇぇっ!!!」
ブオンッ!!!
40: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:14:56.309 ID:jz7vp07W0.net
男「ダ、ダメですよ! 殺しちゃいますよ!」ガシッ
合気道娘「!」ハッ
不良「うわっ!」ドサッ
不良「ひ、ひえぇぇぇ……!」タタタタタッ
DQN「助けてぇぇぇ……!」タタタタタッ
合気道娘「……」
合気道娘「止めて下さって、ありがとうございます」
合気道娘「危うく殺生してしまうところでした」
男「いえ……」
男(この子、こんなに強かったのか……)
合気道娘「色々私に質問したいことがありますよね」
男「ええ、まあ……」
合気道娘「全てお話しいたします。道場へ戻りましょうか」
合気道娘「!」ハッ
不良「うわっ!」ドサッ
不良「ひ、ひえぇぇぇ……!」タタタタタッ
DQN「助けてぇぇぇ……!」タタタタタッ
合気道娘「……」
合気道娘「止めて下さって、ありがとうございます」
合気道娘「危うく殺生してしまうところでした」
男「いえ……」
男(この子、こんなに強かったのか……)
合気道娘「色々私に質問したいことがありますよね」
男「ええ、まあ……」
合気道娘「全てお話しいたします。道場へ戻りましょうか」
42: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:19:45.934 ID:jz7vp07W0.net
―道場―
合気道娘「元々この道場は殺人術としての合気道を極めんとする道場でした」
合気道娘「弟子を一人しか取らない風習も、技を必要以上に広めないためです」
合気道娘「私も幼少の頃より、殺傷のための合気道を父から叩き込まれてまいりました」
合気道娘「そのため、少しでも本気で技をかけようとすると、私はああなってしまうのです」
合気道娘『地獄へ堕ちろ!!!』
合気道娘「あれが私の“本性”なのです」
男(本性……)ゴクッ
合気道娘「こんな状態で、人に技を教えるなどできるわけありません。大怪我させてしまいます」
合気道娘「かといって、生活するためにお金は稼がねばなりません」
合気道娘「そこで思いついたのが、あの“演武”だったのです」
合気道娘「腕をつかむぐらいであれば、私も本性を出さずに済みますから……」
男(殺傷力を極めすぎたがゆえに、インチキ演武で金を稼ぐしかできなかったのか)
男(まさに哀しき鬼の道……“哀鬼道”!!!)
合気道娘「元々この道場は殺人術としての合気道を極めんとする道場でした」
合気道娘「弟子を一人しか取らない風習も、技を必要以上に広めないためです」
合気道娘「私も幼少の頃より、殺傷のための合気道を父から叩き込まれてまいりました」
合気道娘「そのため、少しでも本気で技をかけようとすると、私はああなってしまうのです」
合気道娘『地獄へ堕ちろ!!!』
合気道娘「あれが私の“本性”なのです」
男(本性……)ゴクッ
合気道娘「こんな状態で、人に技を教えるなどできるわけありません。大怪我させてしまいます」
合気道娘「かといって、生活するためにお金は稼がねばなりません」
合気道娘「そこで思いついたのが、あの“演武”だったのです」
合気道娘「腕をつかむぐらいであれば、私も本性を出さずに済みますから……」
男(殺傷力を極めすぎたがゆえに、インチキ演武で金を稼ぐしかできなかったのか)
男(まさに哀しき鬼の道……“哀鬼道”!!!)
46: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:22:51.526 ID:jz7vp07W0.net
男「もしかして、前逃げたパートナーの人はもしかして……」
合気道娘「はい、ふざけ半分で道場破りに来た格闘家集団がいまして――」
合気道娘「私ったら、つい“本性”を出してしまって……」
男(インチキが嫌になったんじゃなく、この子を恐れて逃げちゃったのか……)
合気道娘「このように、うちの道場はまともに合気道を習える場所ではありません」
合気道娘「教えようとすれば、私の本性が出てしまいケガをさせてしまいますし」
合気道娘「かといって、いつもやってる転がる練習では何も身に付きません」
合気道娘「なので、辞めるならば……引き止めはしません」
男「……」
合気道娘「はい、ふざけ半分で道場破りに来た格闘家集団がいまして――」
合気道娘「私ったら、つい“本性”を出してしまって……」
男(インチキが嫌になったんじゃなく、この子を恐れて逃げちゃったのか……)
合気道娘「このように、うちの道場はまともに合気道を習える場所ではありません」
合気道娘「教えようとすれば、私の本性が出てしまいケガをさせてしまいますし」
合気道娘「かといって、いつもやってる転がる練習では何も身に付きません」
合気道娘「なので、辞めるならば……引き止めはしません」
男「……」
53: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:27:31.283 ID:jz7vp07W0.net
男「やめません」
合気道娘「え……? ということは、演武を続けるのですか?」
男「いえ、あれをいつまでも続けるのもゴメンです」
合気道娘「では、どうしろと?」
男「俺を本格的に鍛えて下さい」
男「俺は……あなたの“本性”を受け止められるほど強くなってみせます!」
合気道娘「……!」
合気道娘「ありがとう……ございます」
合気道娘「え……? ということは、演武を続けるのですか?」
男「いえ、あれをいつまでも続けるのもゴメンです」
合気道娘「では、どうしろと?」
男「俺を本格的に鍛えて下さい」
男「俺は……あなたの“本性”を受け止められるほど強くなってみせます!」
合気道娘「……!」
合気道娘「ありがとう……ございます」
55: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:30:36.677 ID:jz7vp07W0.net
合気道娘「ならばさっそく――」
合気道娘「ぬりゃあああああっ!!!」
ズドォンッ!
男「が、は……っ」メキメキ…
男(い、いでえ……!)
合気道娘「未熟者がッ!!!」
合気道娘「……あっ! 大丈夫ですか!?」
男「な、なんとか……」ゲボッ…
男(甘かった……)
男(今のままじゃ、とてもこの道場の稽古には耐えられない……)
男(この子の合気道に耐えられる体を作るために、トレーニングしなきゃ!)
合気道娘「ぬりゃあああああっ!!!」
ズドォンッ!
男「が、は……っ」メキメキ…
男(い、いでえ……!)
合気道娘「未熟者がッ!!!」
合気道娘「……あっ! 大丈夫ですか!?」
男「な、なんとか……」ゲボッ…
男(甘かった……)
男(今のままじゃ、とてもこの道場の稽古には耐えられない……)
男(この子の合気道に耐えられる体を作るために、トレーニングしなきゃ!)
57: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:33:45.057 ID:jz7vp07W0.net
―ジム―
男「ふんっ! ふんっ!」グッグッ…
マッチョ「おお若いの、頑張ってるじゃねえか!」
男「はい、丈夫な体を作らなければなりませんので」
―ボクシングジム―
トレーナー「ボクサーじゃなくサンドバッグになりたいだと!?」
男「ええ、俺は打たれ強くならねばならないんです」
トレーナー「気に入った! おめえにはオレの全てを伝授してやらぁ!」
男「ふんっ! ふんっ!」グッグッ…
マッチョ「おお若いの、頑張ってるじゃねえか!」
男「はい、丈夫な体を作らなければなりませんので」
―ボクシングジム―
トレーナー「ボクサーじゃなくサンドバッグになりたいだと!?」
男「ええ、俺は打たれ強くならねばならないんです」
トレーナー「気に入った! おめえにはオレの全てを伝授してやらぁ!」
58: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:35:46.138 ID:jz7vp07W0.net
―道場―
男「でりゃあああっ!」ガシッ
合気道娘「私の袖を掴むとは愚かな……」
合気道娘(後頭部から受け身を取れぬよう、床に叩きつける!)
合気道娘「地獄へ堕ちろ!!!」グルンッ
ドゴォ!!!
合気道娘「あっ、大丈夫ですか! 私ったらつい……!」
男「まだまだこれからです!」
合気道娘「よかった……」ホッ
男(よし……鍛えたおかげで、この子の投げに耐えられるようになってきた!)
男「でりゃあああっ!」ガシッ
合気道娘「私の袖を掴むとは愚かな……」
合気道娘(後頭部から受け身を取れぬよう、床に叩きつける!)
合気道娘「地獄へ堕ちろ!!!」グルンッ
ドゴォ!!!
合気道娘「あっ、大丈夫ですか! 私ったらつい……!」
男「まだまだこれからです!」
合気道娘「よかった……」ホッ
男(よし……鍛えたおかげで、この子の投げに耐えられるようになってきた!)
59: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:39:35.812 ID:jz7vp07W0.net
……
―道場―
合気道娘「だいぶ強くなられましたね」
男「いえ……まだまだですよ」ムキッ
男(たしかに筋力や耐久力ではこの子を上回ったろうが、技術的にはまだまだ及ばない)
合気道娘「あの……本当にありがとうございます」
男「え?」
合気道娘「あなたのおかげで私、思う存分稽古ができるんですから」
男「こちらこそ、あなたと出会ってなきゃ、ここまで強くはなれませんでしたよ」
―道場―
合気道娘「だいぶ強くなられましたね」
男「いえ……まだまだですよ」ムキッ
男(たしかに筋力や耐久力ではこの子を上回ったろうが、技術的にはまだまだ及ばない)
合気道娘「あの……本当にありがとうございます」
男「え?」
合気道娘「あなたのおかげで私、思う存分稽古ができるんですから」
男「こちらこそ、あなたと出会ってなきゃ、ここまで強くはなれませんでしたよ」
61: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:43:45.249 ID:jz7vp07W0.net
男「そういえば、あなたは年はいくつなんです?」
合気道娘「もうすぐ18になります」
男(もうすぐ……ってことは誕生日が近いのか)
男「あのよかったら、誕生日を教えていただけませんか?」
男(なにかプレゼントしたいし……)
合気道娘「誕生日は一週間後――」
合気道娘「あ」
男「どうしました?」
合気道娘「すっかり忘れてた……」
合気道娘「父が……父が帰ってくる……」ガタガタ…
男(父親!? 勝手に亡くなったとばかり思ってたけど、まだ生きてたのか!)
合気道娘「もうすぐ18になります」
男(もうすぐ……ってことは誕生日が近いのか)
男「あのよかったら、誕生日を教えていただけませんか?」
男(なにかプレゼントしたいし……)
合気道娘「誕生日は一週間後――」
合気道娘「あ」
男「どうしました?」
合気道娘「すっかり忘れてた……」
合気道娘「父が……父が帰ってくる……」ガタガタ…
男(父親!? 勝手に亡くなったとばかり思ってたけど、まだ生きてたのか!)
62: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:46:37.043 ID:jz7vp07W0.net
男「お父さんはどういう人なんです?」
合気道娘「恐ろしい人です」
合気道娘「なにしろ、殺戮合気道を発揮できる場所を求めて、戦場へ行ってしまったのですから」
男「戦場!?」
合気道娘「先日、紛争地帯でミサイルが次々撃墜される事件が報道されたでしょう?」
男「ええ、まるで投げ飛ばされたように撃墜されたとか」
合気道娘「あれは父の仕業といわれています」
男(ミサイルを投げるだと!? ――人間じゃねえ!)
合気道娘「恐ろしい人です」
合気道娘「なにしろ、殺戮合気道を発揮できる場所を求めて、戦場へ行ってしまったのですから」
男「戦場!?」
合気道娘「先日、紛争地帯でミサイルが次々撃墜される事件が報道されたでしょう?」
男「ええ、まるで投げ飛ばされたように撃墜されたとか」
合気道娘「あれは父の仕業といわれています」
男(ミサイルを投げるだと!? ――人間じゃねえ!)
66: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:49:43.873 ID:jz7vp07W0.net
合気道娘「父は私が15の時、この道場を任せて戦場へ旅立ちました」
合気道娘「“お前が18になったら戻ってくる”と言い残して」
合気道娘「父は戻ってくるでしょう。そして戻ってきたら、私も戦場に連れていくに違いありません」
合気道娘「いやっ! 私、もう殺傷のために合気道を使いたくありません!」
合気道娘「自己を研鑽するために、合気道を続けたい……!」
男「……だったら」
男「俺があなたの父を説得します!」
男「あなたを戦場になんか連れて行かせない! 絶対説得してみせます!」
合気道娘「男さん……っ!」
合気道娘「“お前が18になったら戻ってくる”と言い残して」
合気道娘「父は戻ってくるでしょう。そして戻ってきたら、私も戦場に連れていくに違いありません」
合気道娘「いやっ! 私、もう殺傷のために合気道を使いたくありません!」
合気道娘「自己を研鑽するために、合気道を続けたい……!」
男「……だったら」
男「俺があなたの父を説得します!」
男「あなたを戦場になんか連れて行かせない! 絶対説得してみせます!」
合気道娘「男さん……っ!」
68: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:51:53.206 ID:jz7vp07W0.net
―自宅―
男(……とはいったものの、話を聞いた限りじゃまともに説得できるような人種には思えない)
男(おそらく俺が説得しようとしたら“貴様がワシを投げ飛ばせたら認めてやろう”ってなるに違いない)
男(だが、今の俺がミサイルを投げるような奴を投げられるか……!?)
男(う~む……)
男(とにかく、一週間でできる限り技と体を鍛えるしかない!)
男(……とはいったものの、話を聞いた限りじゃまともに説得できるような人種には思えない)
男(おそらく俺が説得しようとしたら“貴様がワシを投げ飛ばせたら認めてやろう”ってなるに違いない)
男(だが、今の俺がミサイルを投げるような奴を投げられるか……!?)
男(う~む……)
男(とにかく、一週間でできる限り技と体を鍛えるしかない!)
70: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:54:16.333 ID:jz7vp07W0.net
―ジム―
マッチョ「一週間後、強敵と戦う?」
男「はい」
マッチョ「だったら、このスーパープロテインをやろう」サッ
マッチョ「これを飲めば、筋肉のハリが違うからな!」
男「マッチョさん、ありがとう!」
―ボクシングジム―
トレーナー「これがオレのミサイルパンチだ!」ドゴォォォッ!!!
男「す、すごい威力だ……!」
トレーナー「こいつを喰らって倒れない奴はいねえ! ぜひ使ってくれや!」
男「絶対役立ててみせます!」
男(とはいえ、本物のミサイルを投げ飛ばす相手に通じるかどうか……)
マッチョ「一週間後、強敵と戦う?」
男「はい」
マッチョ「だったら、このスーパープロテインをやろう」サッ
マッチョ「これを飲めば、筋肉のハリが違うからな!」
男「マッチョさん、ありがとう!」
―ボクシングジム―
トレーナー「これがオレのミサイルパンチだ!」ドゴォォォッ!!!
男「す、すごい威力だ……!」
トレーナー「こいつを喰らって倒れない奴はいねえ! ぜひ使ってくれや!」
男「絶対役立ててみせます!」
男(とはいえ、本物のミサイルを投げ飛ばす相手に通じるかどうか……)
74: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 22:57:08.578 ID:jz7vp07W0.net
―道場―
男「うおおっ!」ガシッ
合気道娘「だりゃっ!」ガシッ
男(重心を崩して……!)グイッ
男「地獄へ堕ち――」
合気道娘「甘いッ! 地獄へ堕ちろ!!!」
ズダァンッ!!!
男「ぐ、ぐふっ……!」
男「もう一回お願いします!」ババッ
合気道娘「来なさい!」
男「うおおっ!」ガシッ
合気道娘「だりゃっ!」ガシッ
男(重心を崩して……!)グイッ
男「地獄へ堕ち――」
合気道娘「甘いッ! 地獄へ堕ちろ!!!」
ズダァンッ!!!
男「ぐ、ぐふっ……!」
男「もう一回お願いします!」ババッ
合気道娘「来なさい!」
76: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:00:25.617 ID:jz7vp07W0.net
そして――
―道場―
男「いよいよ今日ですね。まずはお誕生日おめでとうございます」
合気道娘「ありがとうございます……」
男「大丈夫、あなたのお父さんは俺が必ず説得してみせます!」
合気道娘「くれぐれも無理はしないで……」ピクッ
ゾワワッ…
合気道娘「……来た!」
ガララッ!!!
―道場―
男「いよいよ今日ですね。まずはお誕生日おめでとうございます」
合気道娘「ありがとうございます……」
男「大丈夫、あなたのお父さんは俺が必ず説得してみせます!」
合気道娘「くれぐれも無理はしないで……」ピクッ
ゾワワッ…
合気道娘「……来た!」
ガララッ!!!
78: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:04:21.241 ID:jz7vp07W0.net
父「戻ったぞ! 三年ぶりだなぁ、娘よ!」ズンッ
合気道娘「お、お父さん……」
男「……!」ゾクッ
男(なんだこのオヤジは……!?)
男(甘かった……! 実物を見るまではイマイチ危機感なかったけど、とんでもない化け物じゃないか!)
男(こんな化け物を説得する!? できるわけない! だけど――)
男(俺がやらなきゃ!)
父「さっそくだが娘よ、お前も戦場に連れていくぞ! 父娘で殺戮合気道を極めるのだ!」グワシッ
合気道娘「わ、私は……」
男「やめろ!!!」
合気道娘「お、お父さん……」
男「……!」ゾクッ
男(なんだこのオヤジは……!?)
男(甘かった……! 実物を見るまではイマイチ危機感なかったけど、とんでもない化け物じゃないか!)
男(こんな化け物を説得する!? できるわけない! だけど――)
男(俺がやらなきゃ!)
父「さっそくだが娘よ、お前も戦場に連れていくぞ! 父娘で殺戮合気道を極めるのだ!」グワシッ
合気道娘「わ、私は……」
男「やめろ!!!」
80: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:07:54.286 ID:jz7vp07W0.net
父「なんだ、貴様は?」ギロッ
合気道娘「この人は……」
男「娘さんの門下生です」
父「ほう、娘の門下生如きがワシになにを言おうというのだ?」
男「娘さんはもう、殺戮のための合気道はやりたくないといっています」
男「娘さんを連れていくのはやめて下さい!」
父「なるほどなるほど、フハハハハハハハハッ!!!」
父「ふざけるなッ!!!」
男「!」ビクッ
父「そんなワガママを認めるわけにはいかん。しかし……」
合気道娘「この人は……」
男「娘さんの門下生です」
父「ほう、娘の門下生如きがワシになにを言おうというのだ?」
男「娘さんはもう、殺戮のための合気道はやりたくないといっています」
男「娘さんを連れていくのはやめて下さい!」
父「なるほどなるほど、フハハハハハハハハッ!!!」
父「ふざけるなッ!!!」
男「!」ビクッ
父「そんなワガママを認めるわけにはいかん。しかし……」
82: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:11:04.586 ID:jz7vp07W0.net
父「貴様がワシを投げ飛ばせたら認めてやろう」ザッ
男(うおお……! 完璧に予想通りじゃねえか!)
合気道娘「……やっぱりやめて! 殺されるわ!」
男「やめるわけにはいかないよ」
男「俺はこの人を投げて、ワガママを認めてもらう!」
男「俺だって、あなた……いや君ともっと一緒にいたいんだから」
合気道娘「……男さん」
父「娘をたぶらかしおって……この下郎が」
父「貴様は投げ飛ばすだけでは済まさん! ひと投げで全身を粉砕してくれるわ!」
男(……来る!)
男(うおお……! 完璧に予想通りじゃねえか!)
合気道娘「……やっぱりやめて! 殺されるわ!」
男「やめるわけにはいかないよ」
男「俺はこの人を投げて、ワガママを認めてもらう!」
男「俺だって、あなた……いや君ともっと一緒にいたいんだから」
合気道娘「……男さん」
父「娘をたぶらかしおって……この下郎が」
父「貴様は投げ飛ばすだけでは済まさん! ひと投げで全身を粉砕してくれるわ!」
男(……来る!)
84: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:14:41.505 ID:jz7vp07W0.net
父「ぬおおおおおおおおおおっ!!!!!」ズドドドドドッ
男(ド迫力! 体を掴まれて、次の瞬間にはもうブン投げられてるだろう!)
男(どうすりゃいい!? どうすりゃこのオヤジに一矢報いられる!?)
男(筋力、体格、技術、スタミナ、経験、全て負けてる! 俺の勝ってる要素はない!)
男(……っ!)
男(いや、一つだけある! この人にあって、俺にないもの!)
男(これしかないッ!!!)
男(ド迫力! 体を掴まれて、次の瞬間にはもうブン投げられてるだろう!)
男(どうすりゃいい!? どうすりゃこのオヤジに一矢報いられる!?)
男(筋力、体格、技術、スタミナ、経験、全て負けてる! 俺の勝ってる要素はない!)
男(……っ!)
男(いや、一つだけある! この人にあって、俺にないもの!)
男(これしかないッ!!!)
86: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:17:03.924 ID:jz7vp07W0.net
父「むんっ!」ガシッ
男「うわぁぁぁぁぁっ!!!」ドテッ
父「え……?」
男「うわぁぁぁぁぁっ!!!」ドテッ
父「え……?」
90: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:21:26.437 ID:jz7vp07W0.net
父「ワシはまだなんの技もかけてないのに、勝手にこけたぞ……!?」
父「やだ……ワシの技、ついに神の域にまで達しちゃった……!?」ドキッ…
男(……なわけねーだろ。散々やらされた“わざと転がる練習”が役に立った!)
男(このスキを逃す手はない!)
男(スーパープロテインでかつてないハリを手に入れたこの右腕で――)
男「ミサイルパンチ!!!」
ドゴォンッ!!!
父「おぐっ!?」
男「そしてぇ……!」ガシッ
男「娘さん直伝、地獄へ堕ちろ!!!」グルンッ
ズガァァァァァン!!!
父「やだ……ワシの技、ついに神の域にまで達しちゃった……!?」ドキッ…
男(……なわけねーだろ。散々やらされた“わざと転がる練習”が役に立った!)
男(このスキを逃す手はない!)
男(スーパープロテインでかつてないハリを手に入れたこの右腕で――)
男「ミサイルパンチ!!!」
ドゴォンッ!!!
父「おぐっ!?」
男「そしてぇ……!」ガシッ
男「娘さん直伝、地獄へ堕ちろ!!!」グルンッ
ズガァァァァァン!!!
93: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:25:02.366 ID:jz7vp07W0.net
男「や、やった……!」
合気道娘「父が誰かに投げられるところなんて……初めて見た……」
父「……ふむ」ムックリ
男「ゲ!?(全然ダメージ受けてねえ!?)」
父「見事だ……」
父「若き門下生よ、どうやら貴様には娘を任せられるようだ」
男「……あ、ありがとうございます!」
合気道娘「父が誰かに投げられるところなんて……初めて見た……」
父「……ふむ」ムックリ
男「ゲ!?(全然ダメージ受けてねえ!?)」
父「見事だ……」
父「若き門下生よ、どうやら貴様には娘を任せられるようだ」
男「……あ、ありがとうございます!」
95: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:27:15.517 ID:jz7vp07W0.net
父「今、頭をしたたかに打ったおかげでワシは悟ったよ」
父「“敵と仲良くなること”こそが合気道の極意なのだと!」
父「これからは世界平和のためにこの技を使おう!」キラキラ…
男「……こんな簡単に悟っちゃったけどいいの?」
合気道娘「はい、戦場に行くって決めた時もこういうノリでしたから」
男「そうなんだ……」
父「“敵と仲良くなること”こそが合気道の極意なのだと!」
父「これからは世界平和のためにこの技を使おう!」キラキラ…
男「……こんな簡単に悟っちゃったけどいいの?」
合気道娘「はい、戦場に行くって決めた時もこういうノリでしたから」
男「そうなんだ……」
97: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:32:03.554 ID:jz7vp07W0.net
父「ではさらばだ! 今度来た時は孫の顔でも見せてくれよ!」シュタタタタッ
男「孫の顔……」
合気道娘「お父さんたら……! でもいずれ作りましょうね!」
男「はいっ!(え!?)」
男「ところでごめん。誕生日プレゼント、用意してなかった……」
合気道娘「いえ……もう私はいただきましたよ」
合気道娘「最高のプレゼントを」
男「……?」
合気道娘(私を、そして父を、“哀鬼道”から解き放ってくれてありがとう……)
男「孫の顔……」
合気道娘「お父さんたら……! でもいずれ作りましょうね!」
男「はいっ!(え!?)」
男「ところでごめん。誕生日プレゼント、用意してなかった……」
合気道娘「いえ……もう私はいただきましたよ」
合気道娘「最高のプレゼントを」
男「……?」
合気道娘(私を、そして父を、“哀鬼道”から解き放ってくれてありがとう……)
103: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:35:56.683 ID:jz7vp07W0.net
……
……
―道場―
合気道娘「じゃあ私のやるように型をこなして下さいね」
門下生A「はいっ!」
門下生B「はいっ!」
門下生C「はいっ!」
男(あれ以来、彼女は自分の鬼を克服したのか、“本性”を出さずに稽古できるようになった)
男(おかげで道場は、今では一般的な合気道を教える道場として繁盛している)
男(もちろん、俺も道場の一員として彼女を助けている)
……
―道場―
合気道娘「じゃあ私のやるように型をこなして下さいね」
門下生A「はいっ!」
門下生B「はいっ!」
門下生C「はいっ!」
男(あれ以来、彼女は自分の鬼を克服したのか、“本性”を出さずに稽古できるようになった)
男(おかげで道場は、今では一般的な合気道を教える道場として繁盛している)
男(もちろん、俺も道場の一員として彼女を助けている)
107: VIPがお送りします 2017/08/14(月) 23:38:28.578 ID:jz7vp07W0.net
男(だけど、時折二人だけでこっそり稽古して――)
合気道娘「地獄へ堕ちろォ!!!」ブンッ
男「ぐはぁぁぁぁぁっ!」ズダァンッ
合気道娘「あっ、すみません! 頭から首が折れるような角度で落としちゃいました!」
男「だ、大丈夫……」ヨロッ…
男(未だに俺は彼女に勝てていない)
おわり
合気道娘「地獄へ堕ちろォ!!!」ブンッ
男「ぐはぁぁぁぁぁっ!」ズダァンッ
合気道娘「あっ、すみません! 頭から首が折れるような角度で落としちゃいました!」
男「だ、大丈夫……」ヨロッ…
男(未だに俺は彼女に勝てていない)
おわり