男「俺に一回いいことするとスタンプを一つ押す“俺スタンプカード”を作ることにした」
1: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:05:58.286 ID:n0rDdgBx0
店員「無料でスタンプカードを作成できますが、お作りいたしますか?」
男「いえ、結構です」
店員「失礼いたしました」
男「最近さ、どこの店でもスタンプカードやらポイントカードやらやってるよな」
友人「そうだな」
男「ほら見てくれよ。財布の中、カードだらけ」ギッチリ…
友人「少しは整理しろよ……」
男「いえ、結構です」
店員「失礼いたしました」
男「最近さ、どこの店でもスタンプカードやらポイントカードやらやってるよな」
友人「そうだな」
男「ほら見てくれよ。財布の中、カードだらけ」ギッチリ…
友人「少しは整理しろよ……」
4: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:08:52.223 ID:n0rDdgBx0
男「なんでこうもカードを作らすんだろ」
友人「そりゃあれだろ。リピーター増やすためだろ」
友人「それに、同じような店があったとして、一方はスタンプカードあり、一方は無しだったら」
友人「みんなスタンプカードがある方に行くだろうし」
友人「スタンプやポイント貯めるために必要以上に来店する効果も期待できるだろ」
男「スタンプカードにはお得感を感じさせる効果があるってことか……」
友人「そりゃあれだろ。リピーター増やすためだろ」
友人「それに、同じような店があったとして、一方はスタンプカードあり、一方は無しだったら」
友人「みんなスタンプカードがある方に行くだろうし」
友人「スタンプやポイント貯めるために必要以上に来店する効果も期待できるだろ」
男「スタンプカードにはお得感を感じさせる効果があるってことか……」
6: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:11:31.794 ID:n0rDdgBx0
男「――そうだ!」
友人「なんだ?」
男「俺、いいこと思いついた!」
友人「いいこと?」
男「俺さ……“俺スタンプカード”を作ろうと思うんだ」
友人「“俺スタンプカード”……? なんだそりゃ」
友人「なんだ?」
男「俺、いいこと思いついた!」
友人「いいこと?」
男「俺さ……“俺スタンプカード”を作ろうと思うんだ」
友人「“俺スタンプカード”……? なんだそりゃ」
7: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:15:15.697 ID:n0rDdgBx0
男「俺の顔写真付きのスタンプカードを配布するんだよ」
友人「うん」
男「スタンプカードのルールはもちろん、“俺に一回いいことをしたらスタンプを一つもらえる”!」
友人「それで……?」
男「そうすりゃみんな、スタンプ欲しさに俺に親切にするって寸法よ!」
友人「えええええ……?」
男「ってわけで、さっそくスタンプカードを手作りするぜ!」
友人「うん」
男「スタンプカードのルールはもちろん、“俺に一回いいことをしたらスタンプを一つもらえる”!」
友人「それで……?」
男「そうすりゃみんな、スタンプ欲しさに俺に親切にするって寸法よ!」
友人「えええええ……?」
男「ってわけで、さっそくスタンプカードを手作りするぜ!」
9: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:18:46.812 ID:n0rDdgBx0
次の日――
男「100枚作った! あとスタンプもな!」
ジャン!!!
友人「うおおお……すげえ」
友人(この労力をもっと他のことに使えよ)
男「スタンプの欄は20個、つまり20回親切にすれば満タンになる」
友人「20回もかよ……強気な設定だな」
男「これを道ばたに置いて、と……」ドサッ
男「きっと明日になったら、通行人が全てのカードを持ってってるに違いない!」
友人(絶対一枚も減ってないと思う……)
男「100枚作った! あとスタンプもな!」
ジャン!!!
友人「うおおお……すげえ」
友人(この労力をもっと他のことに使えよ)
男「スタンプの欄は20個、つまり20回親切にすれば満タンになる」
友人「20回もかよ……強気な設定だな」
男「これを道ばたに置いて、と……」ドサッ
男「きっと明日になったら、通行人が全てのカードを持ってってるに違いない!」
友人(絶対一枚も減ってないと思う……)
14: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:22:11.033 ID:n0rDdgBx0
さらに次の日――
男「おおっ! 100枚全てなくなってる!」
友人「マジで!?」
男「ってことは、100人は“俺スタンプカード”に興味を持ったってわけだな」
男「その人たちがどんな親切してくれるのか、楽しみだぜ!」
友人(掃除の人にゴミとして捨てられただけってオチじゃねえかなぁ……)
男「おおっ! 100枚全てなくなってる!」
友人「マジで!?」
男「ってことは、100人は“俺スタンプカード”に興味を持ったってわけだな」
男「その人たちがどんな親切してくれるのか、楽しみだぜ!」
友人(掃除の人にゴミとして捨てられただけってオチじゃねえかなぁ……)
15: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:25:44.988 ID:n0rDdgBx0
少女「あのー……」
男「ん?」
少女「暑いので、お水をお持ちしました!」
男「こりゃどうも」グビグビ
男「っぷはーっ、よく冷えてるね! どうもありがとう!」
友人(なんだこの女の子?)
男「ん?」
少女「暑いので、お水をお持ちしました!」
男「こりゃどうも」グビグビ
男「っぷはーっ、よく冷えてるね! どうもありがとう!」
友人(なんだこの女の子?)
16: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:29:23.871 ID:n0rDdgBx0
少女「じゃあ親切にしたので、スタンプカードにスタンプください!」サッ
男「いいとも!」ポンッ
少女「これで一個目! やったぁ!」
少女「また来るからね!」スタタタタッ
男「な? さっそくスタンプ欲しさに親切する子がやってきただろ?」
友人「う、うん……」
友人(まあ、子供はこういうイベント好きだろうしな)
男「いいとも!」ポンッ
少女「これで一個目! やったぁ!」
少女「また来るからね!」スタタタタッ
男「な? さっそくスタンプ欲しさに親切する子がやってきただろ?」
友人「う、うん……」
友人(まあ、子供はこういうイベント好きだろうしな)
18: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:31:41.324 ID:n0rDdgBx0
老人「ふぉっふぉっふぉ、あのぉ~」
男「なんですか、おじいさん?」
老人「おこづかいをあげよう」チャリンッ
男「こりゃどうも! ありがたくいただきます!」
友人「えええええ!?」
男「なんですか、おじいさん?」
老人「おこづかいをあげよう」チャリンッ
男「こりゃどうも! ありがたくいただきます!」
友人「えええええ!?」
19: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:34:45.569 ID:n0rDdgBx0
老人「その代わりといってはなんじゃが、スタンプカードにスタンプを……」サッ
男「ああ、はいはい」ポンッ
老人「よっしゃ! あと19個じゃ!」
男「また来て下さいね~」
老人「また来るよ~」スタスタ
男「へっへっへ、儲け儲け」
友人「あんなジイさんまで……」
男「ああ、はいはい」ポンッ
老人「よっしゃ! あと19個じゃ!」
男「また来て下さいね~」
老人「また来るよ~」スタスタ
男「へっへっへ、儲け儲け」
友人「あんなジイさんまで……」
23: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:38:05.884 ID:n0rDdgBx0
ブロロロロロ…
キキッ!!!
DQN「よう」ザッ
男「うわっ!?」
友人「なんだこいつ!?」
友人(どう見ても、親切しにきたようには見えないが……)
キキッ!!!
DQN「よう」ザッ
男「うわっ!?」
友人「なんだこいつ!?」
友人(どう見ても、親切しにきたようには見えないが……)
25: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:41:09.085 ID:n0rDdgBx0
DQN「これ、つまらないもんだけど受け取ってくれや」
男「これは本……≪ケンカ必勝法≫か」
DQN「この本を一通り読めば、突然強盗や通り魔に襲われても安心だぜ!」
男「どうもありがとう!」
DQN「じゃ、スタンプくれ」サッ
男「はいよ」ポンッ
DQN「ありがとよ! じゃな!」ブロロロロ…
男「ふぃー、ちょっとビビったよ」
友人「あんな悪そうな奴まで……すごい効果だな」
男「これは本……≪ケンカ必勝法≫か」
DQN「この本を一通り読めば、突然強盗や通り魔に襲われても安心だぜ!」
男「どうもありがとう!」
DQN「じゃ、スタンプくれ」サッ
男「はいよ」ポンッ
DQN「ありがとよ! じゃな!」ブロロロロ…
男「ふぃー、ちょっとビビったよ」
友人「あんな悪そうな奴まで……すごい効果だな」
27: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:44:05.154 ID:n0rDdgBx0
男「……ふぅ、今日だけで20人以上がスタンプを押されにきた」
男「まさか、こんなに反響があるとは思わなかったな」
友人「まったくだ……」
友人(世の中、俺の予想以上にお人好しというか暇人が多いんだな)
男「よぉ~し、もっともっとカードを量産(コピー)して、親切にしてくれる人を増やすぞ~!」
男「まさか、こんなに反響があるとは思わなかったな」
友人「まったくだ……」
友人(世の中、俺の予想以上にお人好しというか暇人が多いんだな)
男「よぉ~し、もっともっとカードを量産(コピー)して、親切にしてくれる人を増やすぞ~!」
29: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:49:20.129 ID:n0rDdgBx0
……
…………
友人「……あれからどうだ?」
男「おかげで毎日快適だよ!」
男「バスや電車じゃ必ず席譲ってもらえるし、おやつやジュースもらえるし」
男「こないだなんて、若い女性に手料理まで作ってもらっちゃってさぁ~」
友人「へぇ~……(ちょっと羨ましいじゃねえかよ)」
男「最近じゃ、俺に親切にしたい奴らが行列を作るようにまでなってさ」
友人「行列!?」
男「忙しいったらないよ! じゃな!」スタスタ
友人「……」
…………
友人「……あれからどうだ?」
男「おかげで毎日快適だよ!」
男「バスや電車じゃ必ず席譲ってもらえるし、おやつやジュースもらえるし」
男「こないだなんて、若い女性に手料理まで作ってもらっちゃってさぁ~」
友人「へぇ~……(ちょっと羨ましいじゃねえかよ)」
男「最近じゃ、俺に親切にしたい奴らが行列を作るようにまでなってさ」
友人「行列!?」
男「忙しいったらないよ! じゃな!」スタスタ
友人「……」
32: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:52:35.788 ID:n0rDdgBx0
運転手「このチケットがあればタダでタクシー乗せてあげます」
男「はいはい」ポンッ
少年「レアなカードあげる!」
男「はいよ!」ポンッ
女子大生「お弁当作ってきましたぁ~ん」
男「ほいっ!」ポンッ
男「はいはい」ポンッ
少年「レアなカードあげる!」
男「はいよ!」ポンッ
女子大生「お弁当作ってきましたぁ~ん」
男「ほいっ!」ポンッ
33: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:54:23.698 ID:n0rDdgBx0
男「さぁ、並んで並んで~」
男「押さないで、押さないで! 俺にいいことしたら、ちゃんとスタンプは押してあげるから!」
ポンッ ポンッ ポンッ
………………
…………
……
男「押さないで、押さないで! 俺にいいことしたら、ちゃんとスタンプは押してあげるから!」
ポンッ ポンッ ポンッ
………………
…………
……
34: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 19:57:29.631 ID:n0rDdgBx0
友人「スタンプカードはどうだ? みんなだいぶ貯まってきたろ」
男「ん~……そろそろ20個集める奴が出てくる頃合いだな」
友人「……ところでさ」
男「なに?」
友人「誰かが20個貯めたらどうすんの?」
男「どうするって?」
友人「当然、なにか特典があるんだろ?」
男「え」
男「ん~……そろそろ20個集める奴が出てくる頃合いだな」
友人「……ところでさ」
男「なに?」
友人「誰かが20個貯めたらどうすんの?」
男「どうするって?」
友人「当然、なにか特典があるんだろ?」
男「え」
36: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:00:48.884 ID:n0rDdgBx0
友人「オイオイオイ、まさかなにも考えてないってわけじゃないだろうな」
男「考えてなかった……」
友人「ハァ?」
友人「どうすんだよ、スタンプ集める理由の一番大事なとこじゃねえか!」
友人「20個集めてなんもなかったら……怒る人絶対出てくるぞ!」
友人「それがもし、いつだったかのDQNみたいな奴だったら……」
男「やばい……どうしよう!」
男「考えてなかった……」
友人「ハァ?」
友人「どうすんだよ、スタンプ集める理由の一番大事なとこじゃねえか!」
友人「20個集めてなんもなかったら……怒る人絶対出てくるぞ!」
友人「それがもし、いつだったかのDQNみたいな奴だったら……」
男「やばい……どうしよう!」
38: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:03:53.720 ID:n0rDdgBx0
ある日――
ズラッ……
男(今日も大勢が、俺に親切するために並んでる……)
男(中には常連もいて、もう19個貯まってるって奴も多い)
男(かといって特典なんかなんも思いつかない……どうしよう、どうしよう……)
ズラッ……
男(今日も大勢が、俺に親切するために並んでる……)
男(中には常連もいて、もう19個貯まってるって奴も多い)
男(かといって特典なんかなんも思いつかない……どうしよう、どうしよう……)
40: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:08:42.133 ID:n0rDdgBx0
モミモミ…
男「肩を揉んでくれて、どうもありがとう」
少女「じゃあ、スタンプください!」サッ
男「い、いいよ……」ポンッ
少女「やったーっ! これで20個集まった!」
オオォ~……!
パチパチパチパチパチ… パチパチパチパチパチ…
男(ううう……こうなったら!)
男「肩を揉んでくれて、どうもありがとう」
少女「じゃあ、スタンプください!」サッ
男「い、いいよ……」ポンッ
少女「やったーっ! これで20個集まった!」
オオォ~……!
パチパチパチパチパチ… パチパチパチパチパチ…
男(ううう……こうなったら!)
42: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:11:51.915 ID:n0rDdgBx0
男「――すみませんっ!」
少女「ふぇ?」
男「せっかく20個スタンプ集めてくれたところ、悪いんだけど……」
男「実はこのスタンプカード、まだ特典の類をまったく用意してなくて……!」
男「俺からあなたたちに何も差し上げることはできないんだ!」
男「申し訳ありませんっ! 許して下さいっ! この埋め合わせは必ず……!」
少女「ふぇ?」
男「せっかく20個スタンプ集めてくれたところ、悪いんだけど……」
男「実はこのスタンプカード、まだ特典の類をまったく用意してなくて……!」
男「俺からあなたたちに何も差し上げることはできないんだ!」
男「申し訳ありませんっ! 許して下さいっ! この埋め合わせは必ず……!」
45: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:14:59.423 ID:n0rDdgBx0
少女「別にいーよ?」
男「……へ?」
少女「だってあたし、何かが欲しくてスタンプ集めてたわけじゃないし」
少女「親切して、スタンプ押してもらうのが楽しいんだもん!」
少女「だから新しいカードちょーだい!」
男「……!」
男「……へ?」
少女「だってあたし、何かが欲しくてスタンプ集めてたわけじゃないし」
少女「親切して、スタンプ押してもらうのが楽しいんだもん!」
少女「だから新しいカードちょーだい!」
男「……!」
48: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:18:06.809 ID:n0rDdgBx0
ザワザワ… ザワザワ…
「そうそう!」 「別に特典なんかいらないよ!」 「スタンプ集めが楽しいんだから!」
男(そうか、そうだったのか……)
男(この人たちは“スタンプ集め”そのものを楽しんでたんだ……)
男(たしかにラジオ体操のスタンプなんか、休まず出たところで何かをもらえるわけじゃなかったけど)
男(集めるの楽しかったもんな……)
男(スタンプカードは、スタンプを集める過程こそに価値があるって人も大勢いるんだ……!)
「そうそう!」 「別に特典なんかいらないよ!」 「スタンプ集めが楽しいんだから!」
男(そうか、そうだったのか……)
男(この人たちは“スタンプ集め”そのものを楽しんでたんだ……)
男(たしかにラジオ体操のスタンプなんか、休まず出たところで何かをもらえるわけじゃなかったけど)
男(集めるの楽しかったもんな……)
男(スタンプカードは、スタンプを集める過程こそに価値があるって人も大勢いるんだ……!)
54: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:20:24.764 ID:n0rDdgBx0
男(みんな、ありがとう)
男(こんな俺のためにスタンプを集めてくれて、本当にありがとう)
男(俺ってダメな奴だけど、せめて……)
男(せめて少しずつでも、みんなに親切を返していこうと思う……!)
男(こんな俺のためにスタンプを集めてくれて、本当にありがとう)
男(俺ってダメな奴だけど、せめて……)
男(せめて少しずつでも、みんなに親切を返していこうと思う……!)
58: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:23:10.084 ID:n0rDdgBx0
男(――なんて思うかよ!)ククク…
男(こっちだって苦労してカード作って、しかもスタンプを集めるという楽しみを与えてやってるんだ!)
男(むしろ、こいつらをもっと利用しなきゃ損だ!)
男(こうなったら徹底的に“俺スタンプカード”を満喫してやるぜ!)
男「いいか、みんな! 今日からはもっともっと俺に親切にしろ!」
男「プレゼントも、安物じゃスタンプはあげないからな! 高いやつ持ってこい!」
オーッ!!!
男(こっちだって苦労してカード作って、しかもスタンプを集めるという楽しみを与えてやってるんだ!)
男(むしろ、こいつらをもっと利用しなきゃ損だ!)
男(こうなったら徹底的に“俺スタンプカード”を満喫してやるぜ!)
男「いいか、みんな! 今日からはもっともっと俺に親切にしろ!」
男「プレゼントも、安物じゃスタンプはあげないからな! 高いやつ持ってこい!」
オーッ!!!
65: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:26:28.786 ID:n0rDdgBx0
男(それから俺の生活は激変した!)
男(どんどんスタンプの基準を引き上げ、次々と高額商品を貢がせ)
男(身の回りのことも全部“俺スタンプカード愛好家”にやらせ)
男(美人がいたら“俺の女になればスタンプ何個も押してやるよ”と持ちかけた!)
男(おかげでハーレムが出来上がった!)
男(ヒャッハーッ、“俺スタンプカード”さまさまだぜ!)
男(どんどんスタンプの基準を引き上げ、次々と高額商品を貢がせ)
男(身の回りのことも全部“俺スタンプカード愛好家”にやらせ)
男(美人がいたら“俺の女になればスタンプ何個も押してやるよ”と持ちかけた!)
男(おかげでハーレムが出来上がった!)
男(ヒャッハーッ、“俺スタンプカード”さまさまだぜ!)
66: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:30:52.155 ID:n0rDdgBx0
しばらく経ったある日――
男「さあ並んで並んでーっ! スタンプの押印を始めるよー!」
男「プレゼントなら1万円以上じゃないとスタンプはあげないよ!」
男「女性はキスはスタンプ1個、彼女になったらスタンプ5個あげるよー! ただしブスはお断りだ!」
青年「あ、あのニンテンドースイッチです」
男「お、ありがと! さっそく転売するよ! ほら、スタンプ!」ポンッ
ポンッ ポンッ ポンッ
男「さあ並んで並んでーっ! スタンプの押印を始めるよー!」
男「プレゼントなら1万円以上じゃないとスタンプはあげないよ!」
男「女性はキスはスタンプ1個、彼女になったらスタンプ5個あげるよー! ただしブスはお断りだ!」
青年「あ、あのニンテンドースイッチです」
男「お、ありがと! さっそく転売するよ! ほら、スタンプ!」ポンッ
ポンッ ポンッ ポンッ
70: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:33:24.401 ID:n0rDdgBx0
チュッ…
男「うへへ……」ホワァァァ
女子高生「キスしたから、スタンプください!」
男「あいよ」ポンッ
男「……あれ?」
ポンッ ポンッ ポンッ
男(スタンプが押せない……インク切れだ。チッ、しょうがねえな)
男「すみません皆さん、インクが切れちゃったんで、今日のスタンプ押印は無しということで……」
女子高生「ハァ? なにいってんの?」
「ふざけんなーっ!!!」
男「え」
男「うへへ……」ホワァァァ
女子高生「キスしたから、スタンプください!」
男「あいよ」ポンッ
男「……あれ?」
ポンッ ポンッ ポンッ
男(スタンプが押せない……インク切れだ。チッ、しょうがねえな)
男「すみません皆さん、インクが切れちゃったんで、今日のスタンプ押印は無しということで……」
女子高生「ハァ? なにいってんの?」
「ふざけんなーっ!!!」
男「え」
72: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:36:33.004 ID:n0rDdgBx0
「こちとらスタンプ欲しくてここまで来たんだぞ!」 「インク切れなんて許せない!」
男「え……え!?」
男(まさか、こんなに怒るなんて……!)
男「わ、分かった! じゃあインク補充してくるから、ちょっと待って……」
「待てるかっ!」 「スタンプよこせーっ!」 「俺はもうすぐ20個貯まるんだぞ!」
男「ひ、ひいい……!」
男「え……え!?」
男(まさか、こんなに怒るなんて……!)
男「わ、分かった! じゃあインク補充してくるから、ちょっと待って……」
「待てるかっ!」 「スタンプよこせーっ!」 「俺はもうすぐ20個貯まるんだぞ!」
男「ひ、ひいい……!」
74: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:40:02.471 ID:n0rDdgBx0
「スタンプ押してくれ!」
「押さなきゃただじゃ済まさないぞ!」
「スタンプを押せぇぇぇっ!」
「押せ」 「押せ」 「押せ」 「押せ」 「押せ」 「押せ」 「押せ」 「押せ」
ザッザッザッザッザッ…
男「あ……あ、ああ……あああ……」
男「く、来るな……来るなァッ!」
うわあぁぁぁぁぁ……!!!
「押さなきゃただじゃ済まさないぞ!」
「スタンプを押せぇぇぇっ!」
「押せ」 「押せ」 「押せ」 「押せ」 「押せ」 「押せ」 「押せ」 「押せ」
ザッザッザッザッザッ…
男「あ……あ、ああ……あああ……」
男「く、来るな……来るなァッ!」
うわあぁぁぁぁぁ……!!!
77: VIPがお送りします 2017/08/06(日) 20:44:34.764 ID:n0rDdgBx0
……
…………
友人(そういやあいつ、どうしてるかなー。最近会ってないけど)
友人(今日もみんなからスタンプ目当てで親切にしてもらってるのかな)
テレビ『昨日、ある男性が大勢の人間に踏み潰されて死亡する、という痛ましい事件が発生しました』
テレビ『事件が起こった詳しい原因はまだ分かっておりません』
テレビ『目撃者の証言によると、遺体には無数の足跡がつき、体はぺしゃんこになっており』
テレビ『まるでスタンプカードのようだったと……』
― 終 ―
…………
友人(そういやあいつ、どうしてるかなー。最近会ってないけど)
友人(今日もみんなからスタンプ目当てで親切にしてもらってるのかな)
テレビ『昨日、ある男性が大勢の人間に踏み潰されて死亡する、という痛ましい事件が発生しました』
テレビ『事件が起こった詳しい原因はまだ分かっておりません』
テレビ『目撃者の証言によると、遺体には無数の足跡がつき、体はぺしゃんこになっており』
テレビ『まるでスタンプカードのようだったと……』
― 終 ―