女「サナダムシでダイエットしよっと!」サナダムシ「楽して痩せようというその性根……気に入らんな」
1: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 00:23:37.074 ID:ShHdn9kQ0.net
―会社―
女「…………」パクパクモグモグ
女「あ~、おいしー!」
女友「あんた、お昼はホントよく食べるねえ」
女「うん、だっておいしいんだもん!」
女友「でもさ……最近、ちょっと太ったんじゃない?」
女「え……!?」
女(そういえば、洋服がちょっときつくなったし……このままじゃまずい!)
女(ダイエットしなきゃ!)
女「…………」パクパクモグモグ
女「あ~、おいしー!」
女友「あんた、お昼はホントよく食べるねえ」
女「うん、だっておいしいんだもん!」
女友「でもさ……最近、ちょっと太ったんじゃない?」
女「え……!?」
女(そういえば、洋服がちょっときつくなったし……このままじゃまずい!)
女(ダイエットしなきゃ!)
5: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 00:27:12.850 ID:ShHdn9kQ0.net
―本屋―
女(なにかいいダイエット方法はないかな……)
女(食事制限? 運動? うーん、かったるい。もっと楽な方法は……)
女(なにこれ? サナダムシダイエット?)
女(サナダムシを腸内に寄生させるだけで、栄養を吸われるのでグングン痩せます!?)
女「これいい!」
女「サナダムシでダイエットしよっと!」
女(なにかいいダイエット方法はないかな……)
女(食事制限? 運動? うーん、かったるい。もっと楽な方法は……)
女(なにこれ? サナダムシダイエット?)
女(サナダムシを腸内に寄生させるだけで、栄養を吸われるのでグングン痩せます!?)
女「これいい!」
女「サナダムシでダイエットしよっと!」
9: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 00:30:09.341 ID:ShHdn9kQ0.net
―自宅―
女「ただいま、お兄ちゃん」
兄「お帰り、今日は遅かったな」
女「ちょっと買い物しててね」
兄「ふうん、なに買ってきたんだ?」
女「んーとね、サナダムシ」
兄「!?」
女「ただいま、お兄ちゃん」
兄「お帰り、今日は遅かったな」
女「ちょっと買い物しててね」
兄「ふうん、なに買ってきたんだ?」
女「んーとね、サナダムシ」
兄「!?」
12: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 00:33:30.565 ID:ShHdn9kQ0.net
兄「なんでそんなもんを……!」
女「今流行りのサナダムシダイエットをやるためよ」
兄「やめとけ、やめとけ! ああいうのは寄生虫に愛がなきゃできるもんじゃないぞ」
女「平気よ、そんなもんなくったって。痩せたいって気持ちさえあれば」
兄「あのなぁ、だいたいダイエットってのは、もっと地道に……」
女「お説教なんて聞きたくない! いくら兄妹二人暮らしとはいえ、あまり干渉しないでよね!」
女「もうお互い社会人なんだし!」
兄「ったく……」
女「今流行りのサナダムシダイエットをやるためよ」
兄「やめとけ、やめとけ! ああいうのは寄生虫に愛がなきゃできるもんじゃないぞ」
女「平気よ、そんなもんなくったって。痩せたいって気持ちさえあれば」
兄「あのなぁ、だいたいダイエットってのは、もっと地道に……」
女「お説教なんて聞きたくない! いくら兄妹二人暮らしとはいえ、あまり干渉しないでよね!」
女「もうお互い社会人なんだし!」
兄「ったく……」
13: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 00:36:29.282 ID:ShHdn9kQ0.net
女「じゃ、さっそく……お腹に入れましょうかね」
サナダムシ「俺で痩せようというのか?」
女「うわっ」
女「なにこいつ、しゃべれるの!?」
サナダムシ「まぁな」グネグネ
サナダムシ「そんなことよりもう一度聞こう。俺を使って痩せようというのか?」
女「そうよ! あんたを体内に宿して、体重落として、いくら食べても太らない体になるのよ!」
サナダムシ「楽して痩せようというその性根……気に入らんな」
女「な、なんですって!?」
サナダムシ「俺で痩せようというのか?」
女「うわっ」
女「なにこいつ、しゃべれるの!?」
サナダムシ「まぁな」グネグネ
サナダムシ「そんなことよりもう一度聞こう。俺を使って痩せようというのか?」
女「そうよ! あんたを体内に宿して、体重落として、いくら食べても太らない体になるのよ!」
サナダムシ「楽して痩せようというその性根……気に入らんな」
女「な、なんですって!?」
17: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 00:40:03.663 ID:ShHdn9kQ0.net
サナダムシ「寄生虫を用いて、手軽に痩せようとするなど、愚かな行為だ」
サナダムシ「ダイエットに近道はない。近道しようとすれば、落とし穴にはまるだけだ」
サナダムシ「そもそも体調管理というのは、自分の力で行わねば意味がない」
サナダムシ「なぜなら……」
女「寄生虫のくせにお兄ちゃんみたいに説教しないでよ!」
女「宿主に寄生してないと満足に生きてけないくせに!」
サナダムシ「む……」
サナダムシ「ダイエットに近道はない。近道しようとすれば、落とし穴にはまるだけだ」
サナダムシ「そもそも体調管理というのは、自分の力で行わねば意味がない」
サナダムシ「なぜなら……」
女「寄生虫のくせにお兄ちゃんみたいに説教しないでよ!」
女「宿主に寄生してないと満足に生きてけないくせに!」
サナダムシ「む……」
20: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 00:43:16.146 ID:ShHdn9kQ0.net
サナダムシ「……いいだろう、入ってやる」
女「なんだか不服そうね。腸内で悪さしないでしょうね」
サナダムシ「心配するな、役目は果たす」
女「なにが役目よ、栄養吸い取るだけのくせに」
サナダムシ「じゃ、入るぞ」グネグネ
女「頼んだわよ、あーん」
グネグネ…
女(ん~……腸に入ったわね。いよいよサナダムシダイエットの始まりだわ!)
女「なんだか不服そうね。腸内で悪さしないでしょうね」
サナダムシ「心配するな、役目は果たす」
女「なにが役目よ、栄養吸い取るだけのくせに」
サナダムシ「じゃ、入るぞ」グネグネ
女「頼んだわよ、あーん」
グネグネ…
女(ん~……腸に入ったわね。いよいよサナダムシダイエットの始まりだわ!)
22: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 00:48:32.945 ID:ShHdn9kQ0.net
次の日――
女「あっ!」
女「見て見て、お兄ちゃん! いきなり5kgも痩せてる!」
兄「サナダムシが頑張ってくれたおかげだな。少しは感謝しろよ」
女「ふんっ! あんな説教くさい奴に感謝するつもりなんかないよ!」
兄「…………」
女「よぉ~し今日から食べまくるぞぉ~!」
ガツガツ… モグモグ…
女「おいひぃ~!」
兄「おいおい……」
女「あっ!」
女「見て見て、お兄ちゃん! いきなり5kgも痩せてる!」
兄「サナダムシが頑張ってくれたおかげだな。少しは感謝しろよ」
女「ふんっ! あんな説教くさい奴に感謝するつもりなんかないよ!」
兄「…………」
女「よぉ~し今日から食べまくるぞぉ~!」
ガツガツ… モグモグ…
女「おいひぃ~!」
兄「おいおい……」
24: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 00:51:08.971 ID:ShHdn9kQ0.net
―会社―
女友「あれ? もしかして痩せた?」
女「ん、まぁねー」
女「あれから、ちょっと変わったダイエットしてさ」
女友「ねえ、どんなダイエットしてるの? 教えてよ」
女「ナ、イ、ショ」
女友「ずるーい!」
女友「あれ? もしかして痩せた?」
女「ん、まぁねー」
女「あれから、ちょっと変わったダイエットしてさ」
女友「ねえ、どんなダイエットしてるの? 教えてよ」
女「ナ、イ、ショ」
女友「ずるーい!」
26: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 00:54:20.270 ID:ShHdn9kQ0.net
ガツガツ… ムシャムシャ…
女「うん、おいしい」モグモグ…
女友「…………」
女友「そんなに食べて、大丈夫なの?」
女「平気平気、私はいくら食べても太らない体質になったの!」
女「だからたくさん食べないと損なの!」
女友「すごーい!」
女(うひょ~、サナダムシダイエット最高!)
女「うん、おいしい」モグモグ…
女友「…………」
女友「そんなに食べて、大丈夫なの?」
女「平気平気、私はいくら食べても太らない体質になったの!」
女「だからたくさん食べないと損なの!」
女友「すごーい!」
女(うひょ~、サナダムシダイエット最高!)
29: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 00:59:01.182 ID:ShHdn9kQ0.net
―自宅―
女(相変わらず、ベスト体重をキープできてるし……)
女「今日もいっぱい食べよっと!」
兄「……おい」
女「なに、お兄ちゃん?」
兄「そろそろ健康診断を受けるべきじゃないか」
女「ちゃんと会社の健康診断を受けてるわよ。全部異常なし!」
兄「お前じゃない、体内のサナダムシだ」
女「ハァ?」
女(相変わらず、ベスト体重をキープできてるし……)
女「今日もいっぱい食べよっと!」
兄「……おい」
女「なに、お兄ちゃん?」
兄「そろそろ健康診断を受けるべきじゃないか」
女「ちゃんと会社の健康診断を受けてるわよ。全部異常なし!」
兄「お前じゃない、体内のサナダムシだ」
女「ハァ?」
30: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:03:36.947 ID:ShHdn9kQ0.net
女「なんでこいつなんかに……」
兄「そのサナダムシはお前の暴飲暴食を支えるために、だいぶムリしてるはずだ」
兄「すぐ健康診断を受けさせてやれ」
女「嫌よ、めんどくさ――」
兄「寄生虫を大切にできない奴に、寄生虫を宿す資格はない」キッ
女「……分かったわよ」
女「じゃ、腸から出すよ」ウプッ
女「おえええええええっ!!!」
ドチャッ…
サナダムシ「…………」グネグネ
女「わっ、こんなにおっきくなってる!」
女「最初は1メートルぐらいだったのに、今は10メートル以上ある!」
兄「やっぱりな……明らかに食いすぎだ。診てもらった方がいい」
兄「そのサナダムシはお前の暴飲暴食を支えるために、だいぶムリしてるはずだ」
兄「すぐ健康診断を受けさせてやれ」
女「嫌よ、めんどくさ――」
兄「寄生虫を大切にできない奴に、寄生虫を宿す資格はない」キッ
女「……分かったわよ」
女「じゃ、腸から出すよ」ウプッ
女「おえええええええっ!!!」
ドチャッ…
サナダムシ「…………」グネグネ
女「わっ、こんなにおっきくなってる!」
女「最初は1メートルぐらいだったのに、今は10メートル以上ある!」
兄「やっぱりな……明らかに食いすぎだ。診てもらった方がいい」
34: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:07:29.408 ID:ShHdn9kQ0.net
―病院―
女「私のサナダムシの体調はいかがでしょう?」
医者「あまりよくないですな」
医者「余分な栄養を吸い取るどころか、お嬢さんの体調を整えるために無理をしすぎてるようです」
医者「コレステロールをコントロールしたり、血糖値が上がりすぎないようにしたり」
医者「風邪などの細菌やウイルスとも戦ってるようですしね」
女「そ、そんな……! そこまでしてくれてたなんて……!」
女「なんで……なんでずっと黙ってたのよ!」
サナダムシ「いっただろう、役目は果たすと」
女「――バカッ!」
女「私のサナダムシの体調はいかがでしょう?」
医者「あまりよくないですな」
医者「余分な栄養を吸い取るどころか、お嬢さんの体調を整えるために無理をしすぎてるようです」
医者「コレステロールをコントロールしたり、血糖値が上がりすぎないようにしたり」
医者「風邪などの細菌やウイルスとも戦ってるようですしね」
女「そ、そんな……! そこまでしてくれてたなんて……!」
女「なんで……なんでずっと黙ってたのよ!」
サナダムシ「いっただろう、役目は果たすと」
女「――バカッ!」
38: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:10:23.976 ID:ShHdn9kQ0.net
女「あんたがこんな目にあってるなら、私、あんなに食べなかった!」
女「誰かの犠牲で痩せても、私ちっとも嬉しくない!」
サナダムシ「しかし、俺が腹から出たら、体調が悪化してしまうぞ」
女「私……これからは自力で頑張る! 自分の力でダイエットする!」
サナダムシ「……そうか。ならば俺は精一杯フォローしよう」
女「誰かの犠牲で痩せても、私ちっとも嬉しくない!」
サナダムシ「しかし、俺が腹から出たら、体調が悪化してしまうぞ」
女「私……これからは自力で頑張る! 自分の力でダイエットする!」
サナダムシ「……そうか。ならば俺は精一杯フォローしよう」
45: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:13:48.087 ID:ShHdn9kQ0.net
―自宅―
兄「あれ? サナダムシを体から出したままなのか」
女「うん、これからは体内じゃなく体外で飼うって決めたの」
兄「ってことは体調管理は……」
女「自力でやることにしたの!」
サナダムシ「居候させていただきます。よろしくお願いします」ペコッ
兄「こちらこそ」ペコッ
兄(さすが俺の妹……よく目を覚ましてくれた!)
兄「あれ? サナダムシを体から出したままなのか」
女「うん、これからは体内じゃなく体外で飼うって決めたの」
兄「ってことは体調管理は……」
女「自力でやることにしたの!」
サナダムシ「居候させていただきます。よろしくお願いします」ペコッ
兄「こちらこそ」ペコッ
兄(さすが俺の妹……よく目を覚ましてくれた!)
48: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:17:37.006 ID:ShHdn9kQ0.net
女(ケーキを食べたい……けど!)
女「今日は我慢!」
サナダムシ「その意気だ」
女「うんっ!」
サナダムシ「偉いぞ」ナデナデ
女「寄生虫に頭なでられても、嬉しくないよ」
サナダムシ「む……」
女(なーんて、実は結構嬉しかったりして……)
女「今日は我慢!」
サナダムシ「その意気だ」
女「うんっ!」
サナダムシ「偉いぞ」ナデナデ
女「寄生虫に頭なでられても、嬉しくないよ」
サナダムシ「む……」
女(なーんて、実は結構嬉しかったりして……)
50: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:20:11.799 ID:ShHdn9kQ0.net
タッタッタッタッタ…
女「はっ、はっ、はっ……」
サナダムシ「大丈夫か?」グネグネ
女「まだいける!」
サナダムシ「ほら、ポカリだ」ポイッ
女「ありがと!」グビグビ
女「よぉ~し、あと1キロ!」
タッタッタ…
女「はっ、はっ、はっ……」
サナダムシ「大丈夫か?」グネグネ
女「まだいける!」
サナダムシ「ほら、ポカリだ」ポイッ
女「ありがと!」グビグビ
女「よぉ~し、あと1キロ!」
タッタッタ…
57: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:23:26.921 ID:ShHdn9kQ0.net
―プール―
ザバザバ…
サナダムシ「どっちが早く泳げるか、勝負だ!」グネグネグネ
女「負けないんだから!」ザバザバザバ
ザバザバザバザバ…
監視員「サナダムシと水泳する女性なんて、珍しいなぁ」
ザバザバ…
サナダムシ「どっちが早く泳げるか、勝負だ!」グネグネグネ
女「負けないんだから!」ザバザバザバ
ザバザバザバザバ…
監視員「サナダムシと水泳する女性なんて、珍しいなぁ」
60: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:28:13.030 ID:ShHdn9kQ0.net
しばらくして――
―自宅―
女「どぉう?」スラッ…
兄「おお……すごい!」
兄「サナダムシに頼らず自力で体を引き締めたからか、全身から自信と色気が漂ってる!」
兄「実の妹とはいえ、危うく惚れちゃうかもしれないところだ!」
女「ありがと、お兄ちゃん!」
サナダムシ(うむ、これでよかったのだ……)
―自宅―
女「どぉう?」スラッ…
兄「おお……すごい!」
兄「サナダムシに頼らず自力で体を引き締めたからか、全身から自信と色気が漂ってる!」
兄「実の妹とはいえ、危うく惚れちゃうかもしれないところだ!」
女「ありがと、お兄ちゃん!」
サナダムシ(うむ、これでよかったのだ……)
62: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:32:33.986 ID:ShHdn9kQ0.net
―会社―
ワイワイ… ガヤガヤ…
同僚男A「近頃、とてもキレイになったね!」
同僚男B「今夜、ぜひ食事にでも行かない?」
同僚男C「いやいや、ボクとデートを……」
女「みんな、ありがとう。でもパスさせてもらうわ」
女友「あんた、最近モテモテだね~。ま、同性のあたしから見てもキレイになったけどさ」
女友「まだダイエットやってるの?」
女「うん……だけど今は普通のやり方でね。運動したり、食事制限したり……」
女友「やっぱりダイエットに近道なし、か」
ワイワイ… ガヤガヤ…
同僚男A「近頃、とてもキレイになったね!」
同僚男B「今夜、ぜひ食事にでも行かない?」
同僚男C「いやいや、ボクとデートを……」
女「みんな、ありがとう。でもパスさせてもらうわ」
女友「あんた、最近モテモテだね~。ま、同性のあたしから見てもキレイになったけどさ」
女友「まだダイエットやってるの?」
女「うん……だけど今は普通のやり方でね。運動したり、食事制限したり……」
女友「やっぱりダイエットに近道なし、か」
64: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:34:47.444 ID:ShHdn9kQ0.net
―自宅―
女「今日もみんなにモテモテだったの!」
女「どう? すごいでしょ! これもあんたのおかげよ!」
サナダムシ「……そうか」グネグネ
女「?」
女「なによ、その態度!」
女「今日もみんなにモテモテだったの!」
女「どう? すごいでしょ! これもあんたのおかげよ!」
サナダムシ「……そうか」グネグネ
女「?」
女「なによ、その態度!」
65: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:37:28.102 ID:ShHdn9kQ0.net
女「ねえ、サナダムシ!」
女「最近、ちょっと変じゃない?」
サナダムシ「俺は元々こういう性格だが?」
女「ウソ! 昔はもっと優しかったじゃない!」
女「モテたって報告したら、よかったじゃないか、ぐらいいってくれたじゃない!」
サナダムシ「よかったじゃないか。これでいいか?」
女「…………!」
女「最近、ちょっと変じゃない?」
サナダムシ「俺は元々こういう性格だが?」
女「ウソ! 昔はもっと優しかったじゃない!」
女「モテたって報告したら、よかったじゃないか、ぐらいいってくれたじゃない!」
サナダムシ「よかったじゃないか。これでいいか?」
女「…………!」
68: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:40:43.498 ID:ShHdn9kQ0.net
女(なによ……! サナダムシったら!)
女(ちょっとぐらいヤキモチ妬いてくれたっていいのにさ)
女(私がキレイになったのは、誰のためだと思ってるのよ!)
サナダムシ(俺としたことが人間の女に特別な感情を抱いてしまうとは……)
サナダムシ(このままではいかん。お互いのためにならぬ)
サナダムシ(こうして関係を悪化させ、静かにこの家を去るとしよう)
女(ちょっとぐらいヤキモチ妬いてくれたっていいのにさ)
女(私がキレイになったのは、誰のためだと思ってるのよ!)
サナダムシ(俺としたことが人間の女に特別な感情を抱いてしまうとは……)
サナダムシ(このままではいかん。お互いのためにならぬ)
サナダムシ(こうして関係を悪化させ、静かにこの家を去るとしよう)
70: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:44:03.925 ID:ShHdn9kQ0.net
兄「今日は俺がメシ作ったんだ! さ、二人とも食べよう!」
シ~ン……
女「…………」モグモグ
サナダムシ「…………」ムシャムシャ
兄「二人とも、最近どうしたんだ? メシ時に全然しゃべらなくなっちまったが」
女「なにもない」モグモグ
サナダムシ「なんでもない」ムシャムシャ
兄「そ、そうか」
シ~ン……
女「…………」モグモグ
サナダムシ「…………」ムシャムシャ
兄「二人とも、最近どうしたんだ? メシ時に全然しゃべらなくなっちまったが」
女「なにもない」モグモグ
サナダムシ「なんでもない」ムシャムシャ
兄「そ、そうか」
73: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:46:28.724 ID:ShHdn9kQ0.net
女「今日からは別々の布団で寝ましょ」
サナダムシ「そうだな」
女「おやすみ」モゾッ
サナダムシ「ふん」ゴロン…
兄(いつも同じ布団に寝てたのに……いったいどうしちまったっていうんだ)
サナダムシ「そうだな」
女「おやすみ」モゾッ
サナダムシ「ふん」ゴロン…
兄(いつも同じ布団に寝てたのに……いったいどうしちまったっていうんだ)
75: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:50:24.628 ID:ShHdn9kQ0.net
女(なによ! サナダムシのヤツ!)
女(せめて寝る時ぐらいは一緒にいようではないか、っていって欲しかったのに!)
女(結局、私のことは宿主としてしか見てなかったんだわ!)
サナダムシ(あの娘のぬくもり……恋しいといえば恋しい)
サナダムシ(しかし、これでいい……これでいいのだ……)
サナダムシ(俺たちは相容れぬ仲なのだ……)
………………
…………
……
女(せめて寝る時ぐらいは一緒にいようではないか、っていって欲しかったのに!)
女(結局、私のことは宿主としてしか見てなかったんだわ!)
サナダムシ(あの娘のぬくもり……恋しいといえば恋しい)
サナダムシ(しかし、これでいい……これでいいのだ……)
サナダムシ(俺たちは相容れぬ仲なのだ……)
………………
…………
……
76: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:54:43.042 ID:ShHdn9kQ0.net
ある日のこと――
―自宅―
兄「いただきます!」
兄「って、また二人はだんまりか」
女「…………」モグモグ
サナダムシ「…………」ムシャムシャ
兄「しょうがない奴らだ――うっ!?」
兄「あいたたたたたたた……! 腹が! 腹がぁっ!」
女「どうしたの、お兄ちゃん!?」
―自宅―
兄「いただきます!」
兄「って、また二人はだんまりか」
女「…………」モグモグ
サナダムシ「…………」ムシャムシャ
兄「しょうがない奴らだ――うっ!?」
兄「あいたたたたたたた……! 腹が! 腹がぁっ!」
女「どうしたの、お兄ちゃん!?」
82: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 01:59:02.690 ID:ShHdn9kQ0.net
兄「腹が……痛いんだッ! 痛くてたまらない! 助けてくれぇ……!」
女「お兄ちゃん、お兄ちゃん!」ユサユサ
サナダムシ「うかつに動かしてはならん!」
女「う、うんっ!」
サナダムシ「ちょっとお腹をさわってみよう」グネ…
兄「あいたたたたたたたた……!」
サナダムシ「これは……腹部に異物があるな」
女「ええっ!?」
女「お兄ちゃん、お兄ちゃん!」ユサユサ
サナダムシ「うかつに動かしてはならん!」
女「う、うんっ!」
サナダムシ「ちょっとお腹をさわってみよう」グネ…
兄「あいたたたたたたたた……!」
サナダムシ「これは……腹部に異物があるな」
女「ええっ!?」
87: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 02:04:02.543 ID:ShHdn9kQ0.net
兄「し、死ぬ……! 死んでしまうぅっ!」
女「どうしたらいいの!? サナダムシ、助けて!」
サナダムシ「腹のあたりを押して、異物を吐き出させるしかあるまい。しかし、俺一人の力では――」
女「だったら二人で押し出しましょう! 二人ならできる! 共同作業よ!」
サナダムシ「うむ!」
兄「た、頼む……」
サナダムシ「胃袋のあたりを、二人で押すのだ!」
女「せーのっ!」
グンッ
兄「うぷっ!」
女「もっかい!」
グンッ
兄「うぼぉっ……!」
女「どうしたらいいの!? サナダムシ、助けて!」
サナダムシ「腹のあたりを押して、異物を吐き出させるしかあるまい。しかし、俺一人の力では――」
女「だったら二人で押し出しましょう! 二人ならできる! 共同作業よ!」
サナダムシ「うむ!」
兄「た、頼む……」
サナダムシ「胃袋のあたりを、二人で押すのだ!」
女「せーのっ!」
グンッ
兄「うぷっ!」
女「もっかい!」
グンッ
兄「うぼぉっ……!」
88: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 02:05:03.704 ID:kU6qZ+rv0.net
今後サナダムシがイケメンに見えてくるだろうスレ
90: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 02:07:40.772 ID:ShHdn9kQ0.net
兄「ゲボォォォォォォッ!」ウゲェェェェェッ
アニサキス「…………」ドチャッ…
サナダムシ「…………!」
女「これは……巨大アニサキス!」
女「そっか! お兄ちゃんだから、アニサキスに寄生されてたのね!」
女「兄だから、アニサキス!」
女「兄だから、アニサキス!!」
女「 兄 だ か ら 、 ア ニ サ キ ス ! ! ! 」
アニサキス「…………」ドチャッ…
サナダムシ「…………!」
女「これは……巨大アニサキス!」
女「そっか! お兄ちゃんだから、アニサキスに寄生されてたのね!」
女「兄だから、アニサキス!」
女「兄だから、アニサキス!!」
女「 兄 だ か ら 、 ア ニ サ キ ス ! ! ! 」
96: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 02:10:14.431 ID:ShHdn9kQ0.net
兄「ふっ、よくやったな。演技したかいがあった」
女「え?」
兄「見事なコンビネーションだった。やはりお前たち二人はお似合いだよ」
兄「俺たちのようにな……」
女「ど、どういうこと?」
アニサキス「ふふっ、久しぶりね」
サナダムシ「姉さん……ッ!!!」
女「え?」
兄「見事なコンビネーションだった。やはりお前たち二人はお似合いだよ」
兄「俺たちのようにな……」
女「ど、どういうこと?」
アニサキス「ふふっ、久しぶりね」
サナダムシ「姉さん……ッ!!!」
100: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 02:14:09.770 ID:ShHdn9kQ0.net
兄「へえ、二匹は姉弟だったのか」
アニサキス「まぁね。種族は違うんだけど、姉弟の関係なのよ」
サナダムシ「まさか、こんなところで会えるなんて……」
アニサキス「あたしは彼の体内から、ずっとあなたを見てたけどね」
女「お兄ちゃんに寄生してたアニサキスは、サナダムシのお姉ちゃんだったなんて……」
女「アニサキスだけどお姉ちゃん!」
女「アニサキスだけどお姉ちゃん!!」
女「 ア ニ サ キ ス だ け ど お 姉 ち ゃ ん ! ! ! 」
アニサキス「まぁね。種族は違うんだけど、姉弟の関係なのよ」
サナダムシ「まさか、こんなところで会えるなんて……」
アニサキス「あたしは彼の体内から、ずっとあなたを見てたけどね」
女「お兄ちゃんに寄生してたアニサキスは、サナダムシのお姉ちゃんだったなんて……」
女「アニサキスだけどお姉ちゃん!」
女「アニサキスだけどお姉ちゃん!!」
女「 ア ニ サ キ ス だ け ど お 姉 ち ゃ ん ! ! ! 」
103: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 02:18:35.715 ID:ShHdn9kQ0.net
女「そっか、お兄ちゃんはずっとアニサキスを寄生させてたのね」
女「どうりでサナダムシの体調を見抜いたし、寄生虫に詳しいわけだわ……」
兄「ああ、五年前からな。うっかり古い刺身を食べた時に、寄生されてしまったんだが」
兄「だんだんと愛し合うようになっちまってな……」
アニサキス「懐かしいわね」
兄「だからお前がサナダムシを寄生させるって時は驚いたよ。これも血筋かなって」
兄「だけどお互い素直になれないみたいだから、一芝居打ったってわけだ」
女「…………」
兄「もう分かっただろう。お前たち、自分の心に素直に生きろ!」
兄「お前たちは俺たちに劣らない、最高のカップルだ!」
アニサキス「その通りよ」
女「…………」
サナダムシ「…………」グネッ
女「どうりでサナダムシの体調を見抜いたし、寄生虫に詳しいわけだわ……」
兄「ああ、五年前からな。うっかり古い刺身を食べた時に、寄生されてしまったんだが」
兄「だんだんと愛し合うようになっちまってな……」
アニサキス「懐かしいわね」
兄「だからお前がサナダムシを寄生させるって時は驚いたよ。これも血筋かなって」
兄「だけどお互い素直になれないみたいだから、一芝居打ったってわけだ」
女「…………」
兄「もう分かっただろう。お前たち、自分の心に素直に生きろ!」
兄「お前たちは俺たちに劣らない、最高のカップルだ!」
アニサキス「その通りよ」
女「…………」
サナダムシ「…………」グネッ
104: VIPがお送りします 2017/07/20(木) 02:22:19.695 ID:ShHdn9kQ0.net
女「私……もう自分の気持ちをごまかすのはやめる! 正直に生きる!」
女「ダイエットだって、正々堂々やるようになったんだから!」
女「サナダムシ……だーい好きっ!」
サナダムシ「……俺もお前も好きだ」
チュッ
おわり
女「ダイエットだって、正々堂々やるようになったんだから!」
女「サナダムシ……だーい好きっ!」
サナダムシ「……俺もお前も好きだ」
チュッ
おわり