【ズートピアSS】ジュディ「ニック・ワイルドの家宅捜査開始!」

2019年02月05日
【ズートピアSS】ジュディ「ニック・ワイルドの家宅捜査開始!」

1: SS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 01:00:17.72 ID:7+0nBlAF0
ニック「おい、やめろ! プライバシーの侵害だぞ!」

ジュディ「私の下着の盗難届が出てるわ。開けなさい」ガッチャガッチャ

ニック「盗ってない!」

ジュディ「冗談よ。とにかくちょっと部屋見せてよ。ほら地元のにんじん酒買ってきたから」

ニック「今は散らかってるからダメだ。飲みならつき合うから車で待ってろ。いい店知ってるぞ」

ジュディ「いつもそう言って入れてくれないじゃない。なんか見られて困るもんでもあるの?」

ニック「い、いやそういうわけじゃないけど……」

ジュディ「ならいいじゃない。開けて開けて」ガチャガチャガチャガチャ

ニック「あーもう! 分かった分かった!」ガチリ

ジュディ「お邪魔しまーす!」ガチャッ ピョーン!

ニック「はぁ……」



2: SS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 01:15:19.08 ID:7+0nBlAF0
ジュディ「うわっ超綺麗じゃない! この嘘つき狐……。観葉植物まであるし。それに何このオブジェ?」チョンチョン

ニック「あんまり触るなって」

ジュディ「あ、ふかふかベッドだわ!」バフン

ニック「勝手に他人のベッドで寝るな! そういうことされたら自分だってやだろ?」

ジュディ「へ? なんで?」

ニック(これだから田舎育ちは……)

ジュディ「あーなんか凄い匂いする。獣臭い」クンクン

ニック「そりゃそうだろーよ! ///」

3: SS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 01:29:29.71 ID:7+0nBlAF0
ジュディ「あれ、シーツの下になんか入ってる。なにコレ?」サワサワ

ニック「何でもない! ソファーに座ってろ! ///」

ジュディ「エロ本?」

ニック「デリカシー無いなお前!! ///」

ジュディ「あはは、一人暮らしの男なら普通よ。パパのベッドの下なんかポルノ図書館だったし」

ニック「知るか! とにかくあまり俺のプライベートに踏み込まないでくれ、頼むから」

ジュディ「さーて、どのページがくっついてるかなー?」バラバラ

ニック「やめろおおお!」

ジュディ「あ……兎……///」

ニック「嘘!? ///」

ジュディ「嘘よ」ケタケタケタ

ニック「……。返せ馬鹿! ///」パシッ

5: SS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 01:50:10.92 ID:7+0nBlAF0
ジュディ「にんじん酒飲むでしょ? グラスどこ?」

ニック「今出すから大人しく座ってろ。ていうかにんじん酒ってなんだ? にんじんでもワインが作れるのか?」

ジュディ「高麗人参をお酒につけたものだけどね」ドン

ニック「薬酒かよ! 渋っ!」

ジュディ「体が温まっていいのよ?」スポンッ

ニック「臭っ!」

ジュディ「これこれ///」クンクン

ニック「蓋しめろ。ワイン開けるから」

ジュディ「あとおつまみににんじんスティックがあると嬉しい」

ニック「はいはい……」

6: SS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 02:03:50.30 ID:7+0nBlAF0
ジュディ「乾杯!」チン グイッ

ニック「乾杯」チン

ジュディ「うーん、なかなか良い味じゃない! 結構高いでしょこれ?」グビリ

ニック「一人で楽しむつもりで奮発したからな」チビリチビリ

ジュディ「またまた……ホントは私と飲めて嬉しいくせに」フフフ

ニック「誰が……」ハァ

ジュディ「だって美人と飲むお酒は何百倍も美味しいってママが言ってたもの」

ニック「……お父さんは?」

ジュディ「『パパの隠してたウィスキーが……』って泣いてた」

ニック「ほら見ろ」チビリチビリ

7: SS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 02:20:53.41 ID:7+0nBlAF0
ジュディ「はぁ……それにしてもいい部屋ね。私の部屋とは大違いだわ」

ニック「まぁそれなりに稼いできたからな。風呂が広いのが自慢だ」

ジュディ「私と二人で入れるくらいに?」

ニック「一人用だ///」

ジュディ「でも、あのベッドはちょっと小さすぎるかもね?」

ニック「そうか? 十分だと思うけどな……」

ジュディ「私としてはやっぱりダブルベッドの方がいいわ」

ニック「何でお前が寝る前提になってんだ」

ジュディ「まぁ今日は仕方ないから狭くても我慢するけど」

ニック「ソファーで寝ろ」

8: SS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 02:37:44.17 ID:7+0nBlAF0
ジュディ「……そろそろ私も引っ越そうかなぁ」グビッ

ニック「でも職場に近いんだろ? いいじゃないか」

ジュディ「今住んでるアパート、隣がゲイのカップルでさ。毎晩盛るもんだから眠れないの」

ニック「おぅ……」

ジュディ「興奮して///」

ニック「……」

ジュディ「……」

ニック「……」

ジュディ「ここは静かでいいわね……」

ニック「ああ……」

ジュディ「……」

ニック「……」

ジュディ「あそこに私の鏡台を置いたらいい感じだわ」

ニック「……ダメだぞ」

ジュディ「……ここに越してきたホップスです。よろしく」

ニック「ダメだってば!」

9: SS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 02:50:18.07 ID:7+0nBlAF0
ジュディ「何で? 家賃は半分で済むし、可愛い兎と同棲できる。最高すぎて鼻血出ない?」

ニック「最悪すぎて吐血しそうだよ。俺は一人の時間を大切にしたいんだ」

ジュディ「まさか! 傍に大切な人がいつもいることほどの幸せはないのよ? これママの受け売りだけど」

ニック「お父さんは何て?」

ジュディ「『無人島に行きたい……』って」

ニック「まぁつまりそういうことだ」

ジュディ「ママと無人島で二人きりになりたいなんてパパ、ロマンチック💛」

ニック「ポジティブだな、お前……」

10: SS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 17:48:04.59 ID:7+0nBlAF0
ジュディ「まぁ荷物もそんなにないから、すぐに終わると思うわ。週末にでも引っ越しを手伝ってくれる? 確かバンを持ってたでしょ」

ニック「嫌だって言ってんだろ!」

ジュディ「署のデータベースでニック・ワイルドを検索したら怪しい案件が出るわ出るわ。これ全部調べて立証したら懲役10年じゃ済まないかもね」

ニック「もう詐欺師からは足を洗ったって!」

ジュディ「残念ながら過去は消せません」

ニック「ぐぬぬ……」

ジュディ「ささ、飲んで飲んで」トクトクトク

ニック「うぅ……」シクシク

11: SS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 18:09:47.61 ID:7+0nBlAF0

***

ジュディ「あーん酔っちゃったあ///」スリスリ

ニック「おひ寄るな。あざといろ///」ヒック グイッ

ジュディ「なんでよう。少しは喜びなさいよう///」

ニック「種族が違っらら興奮なんか出来るかっれ///」

ジュディ「だって署長もトムソンガゼルに欲情してるしい……。署長のやつ、いつも私を馬鹿にしやがって……。死ね署長! ///」ガンガン

ニック「死ねとまれ言うか……///」

ジュディ「パワハラの容疑で絞首台に送ってや……うおぶるおぼぼぼぼぼえッ! ///」ビチチチチチチチ

ニック「吐いれんじゃねえ! ///」

ジュディ「ごめん、なんか拭くもの拭くもの……。あ、ここに良さげなシャツが……///」

ニック「うわあ! やめれ! ///」

ジュディ「あひゃひゃ、ジョークジョー……おぼるぶるえれッ! ///」ビチチチチチチチ

ニック「俺のシャツが! ///」

12: SS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 18:28:15.81 ID:7+0nBlAF0

***

ジュディ「ごめん……本当にごめん……///」

ニック「わかったわかった。もう気にしてないって……///」

ジュディ「本当? あなたにまで嫌われちゃったら私、ズートピアで生きてけない///」シクシク

ニック「大げさだなジュディ///」

ジュディ「だって友達が居ないもの! 上司には強く当たられ、取り締まったら悪態をつかれ、家に帰ったら隣人のギシアンを壁にコップ当てて聞くだけの毎日。もう実家に帰りたい……///」ポロポロ

ニック「実家に帰ったらいいじゃないか。ズートピアじゃなくても警察は出来るだろ? ///」

ジュディ「でもせっかくいい宿を見つけたし……///」

ニック(ちくしょう……)シクシク

16: SS速報VIPがお送りします 2016/05/10(火) 02:24:44.72 ID:77OigjNY0
ジュディ「あのベッドも実家のより寝心地いいし……。あーやば……眠くなってきた……///」

ニック「意外と酒に弱いな。今毛布出してやる」

ジュディ「その前にシャワー浴びさせて……。今日も炎天下の中取り締まりまくって汗臭いの」

ニック「風呂は玄関横の扉だ。っていうか汗臭いの分かってんならここ来る前に浴びて来い。さっきから臭かったぞお前」

ジュディ「特に脇なんかほら! 嗅いでみて? すごいから!」

ニック「臭いのは分かったから、さっさと行け!」

ジュディ「じゃあお先に」ガチャ バタン

ニック「やれやれ……」

ジュディ「覗いちゃだめよ?」ガチャッ

ニック「うるさいっ! 誰が覗くかっ! ///」

ジュディ「かっこつけちゃって///」バタン

ニック「つ、疲れる……」

17: SS速報VIPがお送りします 2016/05/10(火) 02:42:13.45 ID:77OigjNY0

***

ジュディ「♪おっおっおっおおー(^ω^ ≡ ^ω^)」シャワー

ニック(音痴だなあいつ……)

ジュディ「♪おっおっおっおおー(^ω^ ≡ ^ω^)」シャワー

ニック(……)

ジュディ「♪おっおっおっおおー(^ω^ ≡ ^ω^)」シャワー

ニック(……)

ジュディ「♪おっおっおっおおー(^ω^ ≡ ^ω^)」シャワー

ニック(……)

ジュディ「♪おっおっおっおおー(^ω^ ≡ ^ω^)」シャワー

ニック(早よ歌えよ!)イライラ

18: SS速報VIPがお送りします 2016/05/10(火) 02:45:58.43 ID:77OigjNY0

***

10分後

ジュディ「♪おっおっおっおおー(^ω^ ≡ ^ω^)」シャワー

ニック(頭痛くなってきた……。いつまで待ってもサビが来ねえ……)

ジュディ「♪やーってみるぅの……」キュッ

ニック「終わっちゃったよ!」

ジュディ「何がー?」ゴシゴシ

ニック「いや、何でもない……」

19: SS速報VIPがお送りします 2016/05/10(火) 03:01:14.15 ID:77OigjNY0
ジュディ「ふぅ気持ちよかった!」ガチャッ

ニック「そりゃよか……服着ろオイ! ///」

ジュディ「なんで? 種族違ったら興奮しないんでしょ?」ゴシゴシ

ニック「モラルの問題だ! 風呂上がりに裸でうろつくとかオッサンかお前! ///」

ジュディ「だって私たち毛皮着てんのよ? 暑すぎていつも服着てベッドになんか入んないわ。そもそも今、着替え持ってないし」

ニック「マジか……田舎者ってすげえな……」

ジュディ「あ、今日はソファーで寝るんだった。毛布はいいや」バサッ

ニック「わー待て待て! ベッドで寝ていいからせめて体は隠せ! ///」

ジュディ「いいの!? わあお!」ピョン

ニック(もう絶対にこいつは家に入れてやらん……)

20: SS速報VIPがお送りします 2016/05/10(火) 20:28:43.85 ID:77OigjNY0

***

ニック「さっぱりした……」ゴシゴシ

ニック「あ、電気消えてる……。おいジュディ、まだ起きてるか?」

ジュディ「zzz」スピースピー

ニック「……」

ニック(俺も寝るか……)ドカッ バサッ

ジュディ「zzz」|ω・`)チラ

ニック「zzz」グオオオ

ジュディ「zzz」スピースピー

ニック「zzz」グオオオ

ジュディ「zzz」|ω・`)チラ

ニック「zzz」グオオオ

21: SS速報VIPがお送りします 2016/05/10(火) 20:47:22.46 ID:77OigjNY0

***

PM3:00

ジュディ「据え膳でしょうがっ!! ///」ガバッ

ニック「ふがっ!? な、何だ!?」ガバッ

ジュディ「全裸の! 女の子が! ベッドイン! 据え膳でしょうがっ!! なんで普通に寝てんのよっ! ///」

ニック「し、知らねえよっ! いつも裸で寝てんだろうが!」

ジュディ「んなわけないわよっ! パジャマ着てるに決まってるでしょ! ///」

ニック「んなこと言われても……」

ジュディ「私を焦らしているんだとドキドキしながら寝たふりしてた3時間を返せっ! ///」

ニック(とんでもない我がまま野郎だコイツ……)

ジュディ「もういいっ! 私帰る!」

ニック「お、おい帰るって今3時だぞ? だいたい酒も抜けてないのにどうやって運転するつもりだ?」

ジュディ「こんな真夜中に検問なんてやってないわよ! じゃあねっ!」ガチャッ バタンッ

ニック「あいつ、本当に警察官かよ……」

22: SS速報VIPがお送りします 2016/05/10(火) 21:14:57.61 ID:77OigjNY0

***

翌朝

ニック「ふあ~あ……ジュディのせいで全然疲れが取れてないな……」シャコシャコシャコシャコ

ニック「まったく女心って奴はわからん……」ピッ

アナウンサー「えー今日未明、ズートピア警察署警察官のジュディ・ホップス容疑者が酒気帯び運転、及びわいせつ物陳列の容疑で逮捕されました」

ニック「」

アナウンサー「ホップス容疑者は『まさか検問してるとは思わなかった』と述べており……」

ニック「」ピッ

23: SS速報VIPがお送りします 2016/05/10(火) 21:46:19.55 ID:77OigjNY0

***

数日後

ジュディ「……」

ニック「げ、元気か……?」

ジュディ「……この前のことは忘れて」ボソッ

ニック「お、おう……」

ジュディ「実はあの日、あなたの家に行く前から少し飲んでたの……」

ニック「だと思ったよ。明らかに言動が変だったし」

ジュディ「だから全部口から出まかせを言ってただけなの……。信じて……?」

ニック「……」

ジュディ「信じて、お願い……」ギュッ

ニック「痛たたた! 信じるって!」

ジュディ「本当?」ギチギチギチ

ニック「信じる信じる! だからその手を放してくれ!」

ジュディ「良かった!」パッ

ニック「おお痛え……」スリスリ

ジュディ「とにかく私があんなふしだらな女じゃないってことだけ分かってもらえたらそれでいいから」

ニック「じゃあ前言ったことは全部嘘なんだな?」

ジュディ「もちろん」

ニック「……ならその荷物は何だ?」

ジュディ「あ、引っ越しの件は本当」

ニック「何だよソレ!」




おしまい

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