勇者「魔王との戦いをネット配信してたら火事起こした」

2019年07月10日
勇者「魔王との戦いをネット配信してたら火事起こした」

1: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 17:41:11.63 ID:w9Lfbfeto
勇者「それじゃ、いよいよ魔王の部屋に乗り込みまーす」

勇者「視聴者の皆さん、応援よろしくお願いしまーす」

<ガンバレー

勇者「みんな、いくぞっ!」

戦士「おう!」

女魔法使い「準備オッケーよ!」

女僧侶「必ず魔王を倒しましょう!」

<ミンナカッコイー



2: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 17:45:06.33 ID:w9Lfbfeto
魔王「ついに来たか、勇者ども!」

勇者「あれが魔王でーす。いわゆるラスボスになりまーす」

<マオーコエー

<チョーツヨソー

勇者「魔王、この美しい世界をお前などに渡すものか!」チャキッ

<カッケー

魔王「ふん、青二才め。かかってくるがよい!」

3: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 17:48:04.00 ID:w9Lfbfeto
勇者「雷撃斬!」ブンッ

バリバリッ!

戦士「風鋭斬!」ブンッ

ビュアオッ!

魔王「ふっ……ぬるいぬるい」

<キイテネー

<コウカハイマヒトツノヨーダ

4: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 17:51:32.49 ID:w9Lfbfeto
女魔法使い「“激怒せし大地よ、敵を貫け”!」

ズゴゴォンッ!

魔王「この程度か、勇者ども! そろそろ、こちらからいくぞ!」

魔王「“闇の波動よ、脆弱なる者どもに安らかな死を与えよ”!」

ズアァァァァァ……!

<ヤベー

勇者「ぐっ……!」ガクッ

女僧侶「皆さん、回復します!」パァァァァァ…

<アブネー

<ソウリョグッジョブ

5: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 17:54:13.57 ID:w9Lfbfeto
<ドウヨ?

勇者「ちょっと……キツイです。挑むの早すぎたかも」

<ガンバレー

勇者「ありがとうございます。頑張ります」

勇者「だああああっ! 火炎斬!」ブンッ

ボワァッ!

魔王「おっと!」サッ

魔王「その胸を切り裂いてやる!」シャッ

ザシュッ!

<イタソー

6: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 17:57:28.51 ID:w9Lfbfeto
<デモサッキ、マオーヨケタヨネ?

<モシカシテ…

勇者「!」ハッ

勇者「そうか! 魔王の弱点は“炎”なんだ!」

戦士「なるほどな! いかにも炎に強そうな外見してたから気づかなかったぜ!」

女魔法使い「そうと決まれば、炎による攻撃を中心にして攻めていくわよ!」

7: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:00:22.09 ID:w9Lfbfeto
勇者&戦士「ダブル火炎斬!!!」ブンッ

ボワワワァッ!

女魔法使い「“悪しき者よ、煉獄の炎でその身を焼かれよ”!」

グワォッ!

魔王「ぐ、ぬ……!」

<イイゾイイゾー

勇者「教えてくれた人、ありがとうございます!」

<イエイエ

8: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:04:04.26 ID:w9Lfbfeto
勇者「このままガンガン攻めるぞ!」

ザシュッ! ボワァッ! キィンッ! ゴォォッ! ズオッ!

魔王「ぬうう……! この程度でワシがやられるものかぁっ!」

<マオーシブテー

<オシテルオシテル



メラメラ……

<アレ?

9: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:06:22.08 ID:w9Lfbfeto
勇者「はああっ! 火炎烈斬!」ブンッ

ズバシュッ!

<ウシロー

魔王「暗黒弾!」ボッ

ズドンッ!

<ウシロウシロー

勇者「ん?」

<カジー

勇者「あ、ホントだ。部屋の一部が燃えちゃってますね」



メラメラメラ……

10: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:09:12.33 ID:w9Lfbfeto
メラメラメラ……



勇者「みんな、少し戦闘を中断しよう。あそこが燃えてる」

戦士「お、ホントだ」

女魔法使い「なぁんだ、ちっさい炎じゃない。あんなのすぐ消せるわよ」

女僧侶「そうですね、ボヤにすらなってませんよ」

魔王「あの程度の炎、どうってことあるまい」

<ハヤクケシテー

勇者「分かりましたよ。それじゃ消しまーす」

12: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:12:41.87 ID:w9Lfbfeto
勇者「火って、上からなにか被せれば、酸素がなくなって消えるっていうし」

勇者「とりあえず、この余り物の木の盾でも乗せておくか」ポイッ

勇者「お、消えた」

<ナゼキノタテ

<ミズマホーツカエ

戦士「念のため、俺のも被せとこう」ポイッ

魔王「あっけない……あっさりと鎮火してしまったな」



メラメラメラメラメラ……!



勇者「!?」

15: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:16:33.26 ID:w9Lfbfeto
勇者「まずいな。木の盾に火が移って、炎が大きくなっちゃった」

女魔法使い「だけど、まだまだ小さいわよ。この程度なら、魔法ですぐ消せるわ」

<ミズマホーミズマホー

<ミズマホウヲツカウンダ

女魔法使い「“突風よ、吹き飛ばせ”!」

魔王「“魔界の風よ、吹き荒れろ”!」

ビュアオッ!!!



ゴォワァァァァァ……!



<コレヤバクネ?

<ヒガヒロガッタ

<ナゼカゼマホーツカタシ

17: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:19:57.71 ID:w9Lfbfeto
ゴォワァァァァァ……!



魔王「これ、まずいぞ」

勇者「どうしよう?」

魔王「あっちの部屋に水瓶があるから、そこから水を汲んでこよう」

勇者「そうだな」

<ミズマホーミズマホー

<ミズノマモノトカイナイノ?

19: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:23:08.63 ID:w9Lfbfeto
勇者「みんな、水を汲んだな?」

勇者「えいっ!」バシャッ

戦士「てやっ!」バシャッ

女魔法使い「よっと」パシャッ

女僧侶「水です!」バシャッ

魔王「むんっ!」バシャッ

<ヤケイシニミズジャン

<ミズマホーミズマホー



ゴォワァァァァァ……! メラメラメラ……!

20: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:26:06.53 ID:w9Lfbfeto
ゴォワァァァァァ……! メラメラメラ……! モクモクモク……



勇者「げほっ、げほっ、消えないな」

<ケムリスゴイ

<ナニモミエナイ

<ドウナッテルノ?

<ミズマホー



ゴォワァァァァァ……! メラメラメラ……! モクモクモク……

21: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:29:11.82 ID:w9Lfbfeto
ゴォワァァァァァ……! メラメラメラ……! モクモクモク……



ガラガラガラ……!

??「あっちの壁が崩れ……」

??「……出口……なくなっ……」




ゴォワァァァァァ……! メラメラメラ……! モクモクモク……

22: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:32:11.53 ID:w9Lfbfeto
ゴォワァァァァァ……! メラメラメラ……! モクモクモク……










――動画はここで途絶えた。

23: SS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 18:38:42.45 ID:w9Lfbfeto
後日、全焼した魔王城を人間と魔物の合同チームで捜索したところ、

かろうじて勇者らと魔王の生存が確認された。

さすがの生命力である。

この合同捜索がきっかけで、人と魔族は和解への道を歩み出すことになる。



しかし、一連の動画は人間界と魔界を含めた全世界に発信されてしまったため、

勇者たちはとんだ恥を晒すことになってしまった。



なお、すでにこの事件が遠い過去の話になった現在においても、火遊びをする子供には、

「勇者さんみたいになっちゃうわよ!」と叱るのがお決まりとなっている。







― END ―

24: ◆eTKNnQdeUc 2015/10/25(日) 18:39:19.46 ID:w9Lfbfeto
この物語はフィクションです
実在の人物や事件とは一切関係ありません

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