金髪ピアスゲーマー「へへ、ガチャに3000万円課金するぜぇ~」妻「やめてー!」

2019年07月02日
金髪ピアスゲーマー「へへ、ガチャに3000万円課金するぜぇ~」妻「やめてー!」

1: SS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 16:57:50.86 ID:JV2Nhr8e0

――夜のベッド

金髪ピアスゲーマー「今夜こそ当ててやるぜ!オラッ!孕めっ!」ガチャガチャ

妻「やめてー!」アンアン

金髪ピアスゲーマー「オレの精子を相手のホールにシュゥウウウウトッ!!」ずぶっ

妻「あんっ!」ビクビク

ドピュドピュドビュッシー!



金髪ピアスゲーマー「・・・へへ、5億くらいのオレの種を注ぎ込んでやったぜ」




2: SS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 16:58:37.66 ID:JV2Nhr8e0

――十月十日後

ガチャガチャ

――ポンッ!

助産師「産まれました!」

金髪ピアスゲーマー「オ? Nか? SRか? それともURかあああっ!?」

赤子「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!」



妻「それで、息子は・・・」

医師「・・・申し上げにくいのですが、このお子さんは」

医師「障害をもっています」

医師「目も見えず、耳も聞こえないようです」

金髪ピアスゲーマー「!!」

3: SS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 16:59:30.03 ID:JV2Nhr8e0

妻「そんな・・・」じわっ

妻「あんまりよ」ぐすぐす

医師「全盲に加えて全聾、この確率は数万分の1の確率で・・・」

赤子「あうあうあー(^q^)」


金髪ピアスゲーマー「・・・すげぇ」


医師「え?」

金髪ピアスゲーマー「コイツはウルトラレアなんてもんじゃねえ!ミラクルレアだぜ!」

金髪ピアスゲーマー「人生っていう世界一でけぇオンラインゲームに、まさか」

金髪ピアスゲーマー 「"二重縛りプレイ"でエントリーしてくるだなんてな!すっげぇ気合だぜ!」

金髪ピアスゲーマー「天国からやってきたに違ぇねぇ!」

金髪ピアスゲーマー「オイ妻よくやった!いっしょにコイツを育成すっぞ!」

妻「・・・はい、あなたとなら」にこ


――全盲全聾の赤子は、金髪ピアスゲーマーによって『堕天使(ルシファー)』と名付けられた

4: SS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 17:03:58.24 ID:JV2Nhr8e0

――ある日

妻「大変よあなたっ!」


金髪ピアスゲーマー「あん?」コチョコチョ

全盲全聾のルシファー「きゃっきゃ」パタパタ


妻「ルシファーの眼のドナーが見つかったのよ!」

金髪ピアスゲーマー「ほーん」

妻「でもその移植手術にかかる費用は3000万円・・・」

金髪ピアスゲーマー「うちのギルドじゃゴールドが足りねぇなぁ」

妻「そうよね・・・うちは貧しいし」


金髪ピアスゲーマー「おいルシファー聞け。いや聞こえねぇけど、聞け」

金髪ピアスゲーマー「おめぇは縛りプレイでこのゲームにログインしたわけだからよぉ」

金髪ピアスゲーマー「それがお前の戦型なんだろ? 尊重するわ」

ルシファー「あうあうあー」


妻「・・・」ぐす


金髪ピアスゲーマー「でもよぉ・・・うちのカミさん、めっちゃ美人なんだわ」

金髪ピアスゲーマー「一回おめぇに自慢してぇから」ペチペチ

ルシファー「あう?」

金髪ピアスゲーマー「妻の顔見て、そんでまた戻りてぇってんなら」

ルシファー「あーうー」

金髪ピアスゲーマー「今度は目隠し、買ってやっから」



――金髪ピアスゲーマーは日勤を務めた後、別の職場で夜勤をするようになった

――同僚の間では「あいつは大好きなゲームもやらなくなったらしい」と噂になった

6: SS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 17:06:09.56 ID:JV2Nhr8e0

――数年後

妻「あなた、ルシファーを少しでもいい学校に入れたい気持ちはわかるけど」

妻「近くに安くてそこそこよさそうな学校にだって、特別支援学級があるのよ?」

妻「・・・眼の手術のとき組んだ医療ローンだって、まだ」


金髪ピアス「ぶぁあっかやろぉてめぇオイ」

金髪ピアス「せっかく引いたミラクルレア、教育に課金しないでどぉすんだよバカ」

金髪ピアス「こういう育てゲーの基本はな、最初からいいギルメンが集まったトップギルドにぶち込むことだ」

金髪ピアス「多少のゴールドを惜しむポイントじゃねーよソコ、むしろ俺らの食料コストでもなんでも減らしゃぁ済むことだ」


金髪ピアス『・・・おい、そう思うだろ、お前も』(手話)


全聾のルシファー『父さん、ぼくは、お父さんたちにもっとまもとなものをたべてほしいです』(手話)

金髪ピアス『全聾学校はおめぇとおんなじ、縛りプレイで人生挑んでる気合入った奴ばっかのすげぇギルドだ』

金髪ピアス『てめぇも調子のってんじゃねぇ』

ルシファー『・・・やすいところがいいです』


金髪ピアス『交渉決裂か。これはデュエルしかねーな』

ルシファー「?」

金髪ピアス『決闘の勝者の意見が通るってことだよ、そんなことも知らねーのかよ少しはゲームくらいやれ』



――おやこげんか が はじまった!

――かつて格ゲーで全一を修めた金髪ピアスは しょうぶにかった!


――言葉のいらない 単純な 親子の肉体同士のぶつかりあいだった――

7: SS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 17:07:03.42 ID:JV2Nhr8e0

――数十年後 病院の一室にて


ピーッ・・・ピーッ・・・

白髪ピアスおじいちゃん(86)「(大好きなゲームがやりてぇなぁ・・・)」スーハー

ピーッ・・・ピーッ・・・

白髪ピアス「(好きだったソフトをいくつか、もう一度だけでいいからよぉ・・・)」

白髪ピアス「腕も持ち上がらねぇんじゃ、無理か」ごほっ


――バターン!


ルシファー「おうあんっ!!(父さんっ!! 意識が戻ったのですか!?)」

白髪ピアス「ああ、最期にちょっとだけ、な」

白髪ピアス「手話もできねぇから、おめぇと会話はできねぇけどよ」


ピーッ・・・ピーッ・・・


ルシファー『父さんの唇くらい、読めます』(手話)

白髪ピアス「ハッ!てめぇ、その歳で読唇術とか、中二、か、よ・・・」

ルシファー『それに通訳だって連れて来ました』


ピーッ・・・ピッ・・・


――たたたっ

孫娘「おじいちゃんっ!」

白髪ピアス「おうエンジェル、せっかく、遠くからきてもらったけどよ、」ごほっごほっ

白髪ピアス「オレぁもうそろそろ、強制ログアウトの時間みてーだ」

白髪ピアス「だからさいごに、ルシファーに伝えてぇことがあんだ、通訳してくれや」

エンジェル「わ、わかった・・・!」


白髪ピアス「おい、ルシファ」

エンジェル『おい、ルシファー』(手話)

ルシファー「・・・見えていますよ、父さん」

8: SS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 17:09:40.03 ID:JV2Nhr8e0

白髪ピアス「おれの、なげぇゲーマー人生で、一番うれしかった瞬間ってのはな」

ルシファー「・・・」こくり


 ピッ・・・ピッ


白髪ピアス「ガチャで、てめぇを、引けた、ときだ」

ルシファー「・・・」じわっ

ルシファー「お"う"あ"ん"(父さん)・・・っ!!」ぽたぽた


 ピッ・・ピッ・・


白髪ピアス(あれ・・・? ルシファーとエンジェルの顔が見えねぇ)


白髪ピアス「わりぃルシファ、もう目がロスったみてーだ」

白髪ピアス「ゲームスタートしたときのお前といっしょだなぁ・・・」


 ピッ・・・ピッ・・・


白髪ピアス(なんも見えねぇ、すげぇ暗闇だ)

ルシファー『~~~!? ~? ~~!』(手話)

白髪ピアス(ルシファが必死に手話してるのがわかる。手ェ振り回し過ぎだ)


白髪ピアス「あーあぁ、ゲームオーバーかぁ」

白髪ピアス「エリクサーは使いきったから後悔しねぇ・・・」

白髪ピアス「・・・そう思ってたけど、やっぱゲームオーバーは悔しいな」


 ピッ・・・・ピッ・・・・


エンジェル「おじいちゃん! おとうさんがね! ・・・伝えるよ」


『お父さんはゲームオーバーなんかじゃありません』

『全クリです。フルコンです。おめでとうございます』

『父さん、愛してます。そしてありがとうございました』

『いまは一度だけログオフされるようですが』

『またインしたら、また一緒にギルド組みましょう』



エンジェル「・・・ってさ」ぽろぽろ

エンジェル「おじいちゃん、エンジェルもおじいちゃん大好き、ありがとう、ありがとう・・・」ぐすぐす


白髪ピアス(そうか、オレは・・・)


 ピッ・・・・


白髪ピアス(こいつらの故郷に、行くだけなのか)


   ピー――――――――・・・・・・

9: SS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 17:10:14.44 ID:JV2Nhr8e0
おわり

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