委員長♀「学級裁判を始めますッ!」

2019年07月30日
委員長♀「学級裁判を始めますッ!」

1: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 10:15:16.218 ID:qw/9KRS90.net
委員長「皆さんに集まって頂いたのは他でもありません」

委員長「先日、女ちゃんのおパンツが何者かに盗まれましたッ」

委員長「詳しく説明するならば――先日の体育の時間です」

委員長「私たちの学校ではこの時期の体育は『男子→女子』の順番でプールの授業があります」

委員長「先日は女子がプールの授業でした」

委員長「男子は校庭で球技」

委員長「ちなみに、事件当日は学校全体で休んだり遅刻した生徒はいませんでした」

委員長「教師陣も同様」

委員長「他の学年やクラスで、その時間だけ席を外していた生徒もいないとの報告が出ています」

委員長「ということは――犯人がいるとしたら我々のクラス」

委員長「守衛さんに聞いたところ『怪しい人物を校内で見た』などの報告も特にありません」

委員長「外部の人間の可能性は限りなく低い」

7: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 10:20:08.245 ID:qw/9KRS90.net
委員長「というわけで――皆さん」

委員長「皆さんがここに招集された理由は……分かりますね?」

ヤンキー「つまり、俺たちの中に犯人がいるって言いたいわけだろ?」

ギャル「っつーか何でアタシが呼ばれたわけ?」

メガネ「……」

体育教師♀「何で私まで……」

フツ男「くっ……!」

女「あのぅ……」

委員長「どうしました?」

女「あの、こんな取り締まりみたいなことしなくてもぅ……」

委員長「何を言っているんですかッ!」

女「ひ、ひぃぃ――!」

委員長「あなたのパンツが盗まれたんですよッ!?」

委員長「これは立派な窃盗ですし、異常な性癖を持った変質者が我々の学校にいるってことですッ!」

委員長「これを放っておいたら大変なことになりますッ!」

女「う、うぅ……」

ギャル「あのさぁ、それじゃさっさと始めてよ。アタシ早く帰りたいしー」

委員長「そうですね……。それでは、まず一人ずつアリバイを聞きましょう」

ヤンキー「いやさ、俺たちが疑われてるってことは分かるけどよ」

ヤンキー「まずはその訳を教えてくれてもいいんじゃねー?」

委員長「確かに……」

10: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 10:26:28.927 ID:qw/9KRS90.net
委員長「それではまず、あなた――ヤンキーくんから」

委員長「あなたは事件当日の体育の時間、校庭でソフトボールの試合をしていた」

委員長「間違いありませんね?」

ヤンキー「ああ」

委員長「しかし、あなたは途中で控えの生徒と交代した」

委員長「その後『トイレに行ってくる』と数分間席を外している」

ヤンキー「待てよ。俺はその通りトイレに行っていただけで――」

委員長「アリバイはこの後聞きます」

ヤンキー「お、おお……」

委員長「ちなみに――フツ男くんとメガネくんも同様の理由で数分間席を外しています」

フツ男「う、うむ……」

メガネ「……」コクリ

委員長「そしてギャルさんは、当日のプールの授業は体調不良で見学していましたね?」

ギャル「うん」

委員長「その際、お手洗いには行きましたか?」

ギャル「授業中、一回だけ行ったけど……」

委員長「そして先生」

体育教師♀「あの、何で私までここにいるのかしら……」

委員長「当日、当日もいつもの通り……授業の終盤は自由時間になりましたね?」

体育教師「ええ、そうね」

委員長「その際、先生は『体育教官室へ行ってくる』と言って少しの間席を外していました」

11: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 10:30:54.172 ID:qw/9KRS90.net
体育教師「ええ、あれは――」

委員長「ともかく」

委員長「ここに招集された皆さんは、何かしらの理由で数分間席を外していました」

委員長「クラスメートから聞き込みをしたところ、他に一人もしくは複数で席を外していた人間はいない、とのことです」

委員長「この場合の『席を外す』は、誰からの視線も一時的に受けなかった人のことを言います」

委員長「Do you understand?」

フツ男「Y……Yes, I do……」

委員長「よろしい」

委員長「それでは――アリバイを聞きましょう」

委員長「まずはヤンキーくんから、どうぞ」

ヤンキー「だから俺はトイレに行ってただけだって」

委員長「どこのトイレですか?」

ヤンキー「第二体育館の近くの……渡り廊下のトイレだよ」

ヤンキー「用を済ませたらすぐ戻った」

ヤンキー「怪しいと思うなら他の奴に聞いてみろ」

委員長「そうですか……」

委員長「その時間、ソフトボールの試合は確か3回の裏だったと聞いています」

委員長「ヤンキーくんのチームは守備についていましたね?」

ヤンキー「お、おう……」

委員長「ソフトボールの授業は5回裏までで、時間が来るまでそのルールで回していた」

委員長「男子の授業を看ていた『ゴリ先生』からそのように聞いています」

委員長「あなたは一試合目の3回裏から交代し、その後お手洗いへ行った」

委員長「戻ってきたのは5回の表辺りだったと『他の奴ら』から聞きましたが」

委員長「時間にすれば結構かかっていますね」

委員長「本当に『すぐ戻った』のですか?」

12: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 10:35:24.184 ID:qw/9KRS90.net
ヤンキー「……」

ヤンキー(クソ……。委員長の野郎ッ……!)

ヤンキー(まずい……! ど、どうすりゃ……!)チラッ

メガネ「……」

メガネ(任せろ)

委員長「ヤンキーくん、あなたは本当に――」

メガネ「すまない」

委員長「――ッ!?」

メガネ「一つ、いいか?」

委員長「どうしました? メガネくん」

メガネ「時間だけで推理を展開していくのはまずいのではなかろうか」

委員長「と、いいますと?」

メガネ「委員長さん、あなたは一つ大事な部分を見落としている」

委員長「……ッ!!」

ヤンキー(め、メガネッ……!!)

委員長「ど、どういうことでしょうか」

メガネ「確かに、トイレにしては時間がかかり過ぎている」

メガネ「しかし――もし彼がウ○コをしていたのだとしたら?」クイッ

ヤンキー「……ッ!!」

フツ男「う○……こ……だとッ!?」

ギャル「えー、ウケる」

体育教師「……」

委員長「し、しかし……! その、大きい方だったとしても」

委員長「時間がかかり過ぎているのでは……!」

13: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 10:39:53.705 ID:qw/9KRS90.net
メガネ「それはあなたの主観ですよ」

メガネ「もし彼が下○や便○の状態だったとしたら」

メガネ「時間がかかるのは当たり前でしょう」

委員長「しかし、彼は『すぐ戻った』と!」

メガネ「それは彼にとって『すぐ戻った』ということでしょう」

メガネ「ねっ――」クイッ

ヤンキー「お、おう……。そうだ!」

ヤンキー「あの日俺は腹を下し気味だった」

ヤンキー「なんとか我慢していたが……。このままじゃ漏れる」

ヤンキー「そう思った俺は、交代を申し出てすぐにトイレへ行った」

ヤンキー「そして全て出し切った後すぐにトイレを出たッ!」

ヤンキー「つまり俺の中では『用を済ませたらすぐに出た』というわけだ」

ヤンキー「俺の中では最短のタイムだったッ!」

ヤンキー「下○していたのにも関わらず……だッ!」

ヤンキー「だから他の奴にとっては時間がかかっていたとしても、俺の中ではそれがベストタイムだったわけだ!」

ヤンキー「下○だった中で、あれ以上タイムを短くするのは無理だ! 俺はベストを尽くしたッ! それ以上早くできなかったのかと聞かれれば、それは『新記録を出した選手にもう一度新記録を出せ』と言うようなもんだろうがッ!」

委員長「……」

委員長「そ、そうですか……。すみません、私の情報が足りなかったようですね……」

ヤンキー(すまねぇ、メガネ)

メガネ(お安い御用だ)クイッ

委員長「そ、それでは――メガネくん」

14: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 10:44:19.442 ID:qw/9KRS90.net
メガネ「――ッ!?」

委員長「あなたも授業中席を外していました」

メガネ「そうだな」

委員長「あなたもお手洗いということで……よかったですか?」

メガネ「ああ、そうだ」

メガネ「俺も確か3回の裏だ。ヤンキーくんとは敵同士だった」

メガネ「つまり俺は3回の裏……味方の攻撃の時間に控えの生徒と交代した」

メガネ「その際にトイレへ行った」

委員長「ええ、そのように聞いています」

委員長「それで、あなたはどちらのトイレへ?」

メガネ「俺は第二体育館のトイレだ」

委員長「第二体育館……?」

委員長「距離的に見れば、ヤンキーくんが行っていた渡り廊下の方が近いはずですが」

委員長「何故、わざわざ第二体育館のトイレへ……?」

ヤンキー(お、おい……!)

メガネ「そ、それはですね……」

委員長「……」

メガネ「紙が――なかった」

ヤンキー「……ッ!!」

委員長「紙が……なかった!?」

メガネ「ああ」

ヤンキー「た、確かにそうだ……!」

委員長「どういうことですか、ヤンキーくん!」

ヤンキー「二つある大便所のうち、あの時確かに……片方の便所の紙が切れていたッ!」

15: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 10:48:51.013 ID:qw/9KRS90.net
委員長「な――」

委員長「つ、つまり……」

委員長「時間的に見ても、あなたたちが同じトイレにいたのだとしたら」

委員長「戻ってきた時間から考えて……面識があった可能性も0ではないッ」

委員長「そう、ヤンキーくんは五回の表」

委員長「メガネくんは五回の裏辺りに戻ってきたと聞いています」

委員長「そう、ならばトイレ内で面識があった可能性もあるッ!」

委員長「しかしあなたたちはそれをここで報告しなかったッ!」

委員長「ということは――」

メガネ「そう、紙がなかったのは事実ッ!」

メガネ「そしてもう一つの大便所は使用中だった――ヤンキーくんが先にッ!」

メガネ「なので俺は第二体育館のトイレへ向かったわけだッ!!」クイッ!

委員長「しかし、先程も言った通り……。あなたも時間がかかり過ぎているッ!」

メガネ「そう」

メガネ「しかし、こう言ったらあなたは疑いますか――委員長さん」

委員長「……ッ!?」

委員長「も、もしかしてあなたも……!!」

メガネ「そう、俺も――下○だった」

委員長「――!!」

ヤンキー「そう……だったのか……!?」

フツ男「なん……だと……」

ギャル「きったねー」

体育教師「……」

委員長「そ、そんな……!!」

委員長「しかし、いくらなんでも……。二人の生徒が同時にお腹を下していたなどと!」

16: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 10:54:00.094 ID:qw/9KRS90.net
メガネ「証拠としては不十分かもしれんが、これを見てくれ――」サッ

委員長「こ、これは……?」

メガネ「とあるラーメン屋の、スープまで完食したことを表すスタンプ券だ」

メガネ「そして、その際のレシート」

メガネ「日付を見てくれ」

委員長「この日付は、事件前日の夜ですね……」

委員長「しかし、これだけでは証拠とは言い難いですが」

メガネ「そうだな」

メガネ「だが――このラーメン屋を知っている者はいるか?」スッ

委員長「……?」

ヤンキー「猛虎タンメン……」

ギャル「猛虎タンメン岡本……?」

体育教師「まさか……」

フツ男「こ、これはッ!!」

メガネ「知っていたか、フツ男くん」

委員長「ど、どういうことですかッ!?」

フツ男「真っ赤な激辛地獄スープ」

フツ男「それで有名なラーメン屋だ」

フツ男「辛いもの好きでも唸りを上げるほどの辛さで」

フツ男「下手すりゃ翌日翌々日まで体調不良を起こす者もいるとか……」

フツ男「ネットの情報曰く、その辛さは『ケツから火を噴く』らしい……」

委員長「そのラーメンを、あなたは……」

メガネ「辛いものは得意だと自負していたのだが――迂闊だった」クイッ

メガネ「じわじわと体を蝕まれ」

メガネ「その翌日、ちょうど体育の時間にピークを迎えた」

メガネ「そして、俺はトイレへ駆け込んだ……というわけだ」

委員長「そ、そうでしたか……」

委員長「す、すみません。私の配慮が足りていませんでした」

委員長「これ以上追及するのは無粋ですね……」

18: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 10:58:49.161 ID:qw/9KRS90.net
委員長「ヤンキーくんとメガネくんの言い分については理解しました」

ヤンキー(あ、危なかったぜ……)

メガネ(乗り切ったな)

ヤンキー(あれがバレるわけにはいかねぇ……!)

メガネ(俺たちの――ヘヴンをッ!!)カッ!

 [ヤンキーとメガネの回想]

ヤンキー(第二体育館の二階、トレーニングスペース)

ヤンキー「ここで、いいんだよな――メガネ」

メガネ「ああ、ここが我々の天国(ヘヴン)だ」

メガネ「長居すると怪しまれる……。短い時間だがしっかりとその目に焼き付けておけ」

ヤンキー「ああ……」

メガネ「それじゃ、ほれ」

ヤンキー「単眼鏡……。ありがとよ」

メガネ「ああ」

ヤンキー「それじゃあ」

メガネ「ヘヴンへ――行こうではないか」

 [回想終わり]

ヤンキー(そう、俺たちは女ちゃんのパンツなんて知ったこっちゃねぇが)

メガネ(第二体育館の二階から女子のプール授業を覗いていたことがバレると)

ヤンキー(社会的に死ぬ)

メガネ(だから――)

ヤンキー&メガネ(絶対に負けられない戦いが、ここにはある)キリッ

委員長「それでは――次はギャルさんのアリバイを」

19: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:02:00.220 ID:qw/9KRS90.net
ギャル「えー……」

ギャル「もぅ、しょーがないなー」

ギャル「だから、私もお手洗いに行ってただけだしー」

委員長「あなたは確か……先生が自由時間の合図を出した直後に『お手洗いへ行く』と言ったそうですね?」

ギャル「うん」

委員長「先生も、それで間違いなかったですか?」

体育教師「ええ、そうね」

委員長「そして、クラスメートからの証言によれば『戻ってくるのが遅かったように感じた』ようですが……」

ギャル「うん」

委員長「も、もしかしてあなたも――」

ギャル「それ、女の子に聞いちゃう?」

委員長「……」

委員長「そ、そうですね……。すみません」

ギャル「だいたい同じ女の子の私が、女ちゃんのパンツを盗むと思う?」

委員長「で、ですが……」

委員長「それでは、なぜ戻りが遅かったのかここでハッキリ理由を述べた方がいいと思います」

ギャル「――ッ!!」

委員長「その方が、あなたにとってもいいと思いますが」

ギャル(ちっ……! なかなかしぶといっ!)

ギャル(ここで負けるわけには――)

ギャル(どうする……。どうするッ!)

委員長「どうしました……?」

ギャル「……」

ギャル「ちょっと待ってよ」

委員長「……?」

ギャル「私、友達から聞いた話なんだけどさ」

委員長「どういうことですか?」

ギャル「先生……。ちょっと『そっちの趣味』があるらしいって……」

21: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:05:39.629 ID:qw/9KRS90.net
体育教師「――ッ!!」

委員長「そっちの趣味……?」

体育教師(こ、この小娘がッ!!)

委員長「それは……どういう……?」

ギャル「つまり……その、友達曰く『百合』ってゆーか『ガールズラブ』ってゆーか」

委員長「……ッ!!」

ヤンキー「ファッ!?」

メガネ「ほう……」クイッ

フツ男「ま、まじっすか……?」

ギャル「友達に『オタ女』ってゆー娘がいるんだけど、その娘と先生が」

ギャル「そーゆー雑誌とかの情報をやり取りしてるって……」

委員長「つ、つまり何が言いたいのでしょうか……?」

ギャル「だから、もし先生が本当にそーゆー人だったら」

ギャル「女の子が恋愛対象って可能性もあるし……」

ギャル「女ちゃんのパンツを盗んだのも――」

体育教師「お、横暴だわッ!」

体育教師「そんなのこじつけもいいところよッ!」

体育教師「もしそうであったとしても、そうじゃなかったとしても」

体育教師「私が盗った証拠はないわよねッ!?」

体育教師(この小娘ッ!!)

ギャル「そ、それはぁー……」

ギャル(ちっ……!)

委員長「こほんっ」

委員長「静粛に」

委員長「先生の話は置いておいて、まずはギャルさんです」

22: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:09:06.354 ID:qw/9KRS90.net
委員長「あなたはお手洗いへ行っていた――それは本当ですよね?」

ギャル「う、うん」

委員長「それでは『戻ってきた時間が遅かった』ということについては」

委員長「何か補足はございますか?」

ギャル(くぅー……! これまでか……)

ギャル(あれを正直に言うしか――いや、それは駄目ッ!)

ギャル(あれを話すわけには……!!)

 [ギャルの回想]

ギャル「遅かったじゃない」

フツ男「あ、あのー……」

フツ男「○時○分頃に校舎裏へ来い――って、一体何の用かな?」

ギャル「あんた、分かってるよね?」

フツ男「……?」

ギャル「こ、この前――アタシのパンツ見たでしょッ!?」

フツ男「――ッ!!」

フツ男「そ、それはっ……! ギャルさんのスカートがめくれていてっ!」

フツ男「それで……。ギャルさんは気付いていなかったから!」

フツ男「あのまま登校したら……大変なことになると思ってさ……」

ギャル「た、確かにあんたが忠告してくれたのは助かったケド……」

ギャル「で、でも――少なからずあんたはアタシのパンツ見たじゃん!」

フツ男「そ、それは……! そうだけど……」

ギャル「だったら――あんたも見せなさいよ」

24: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:13:22.160 ID:qw/9KRS90.net
フツ男「――へっ?」

ギャル「あ、あんたもパンツ見せなさいよッ!」

フツ男「は、はぁあああああああ!?」

ギャル「こ、これで平等だしっ!」

フツ男「いや、それはおかしいって!」

ギャル「いいから見せなさい! じゃ、じゃないとあんたがパンツ見たこと言いふらすわよっ!?」

フツ男「そ、そんなぁっ!?」

 [数分後]

フツ男「こ、これでいいだろ……もう……」

ギャル「あ、あんたトランクスなんだ――熊柄の」

フツ男「そ、そんなに見ないでくれ……。お嫁に行けない……うぅ……」

ギャル「あ、あのさー」

フツ男「もう、もういいだろ……?」

ギャル「その、それも脱ぎなさいよ」

フツ男「ファッ!?」

ギャル「よくよく考えれば男のパンツ姿と女のパンツ姿じゃ釣り合わないッ!」

フツ男「何を言っているんだ君はッ!?」

ギャル「そうよ! そう!」

ギャル「あんたが全部脱いではじめて釣り合う!」

フツ男「いやいやいや! それはおかしいって!」

ギャル「だったら――ほら!」バッ

27: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:17:08.198 ID:qw/9KRS90.net
フツ男「へあっ!?」

フツ男「ぎぎぎぎ、ギャルさんッ!! ズボン戻してッ!!」

フツ男「パンツ丸見えだよパンツがッ!!」

ギャル「こ、これでどうッ!?」

ギャル「さぁ、早くあんたもそれを脱ぐんだよ早くッ!」

フツ男「いやいやいやいやッ!」

フツ男(ロォ、ローライズパンツゥッ!?)

フツ男(ヤバイよヤバイよヤバイよッ! これはマジでヤバイって!!)ムクリ

フツ男「あっ――」エレクションッ!

フツ男「……」

フツ男「haha」

ギャル「――ッ」

ギャル「い、いやああああああああああああああああああああああああああ」ダッ

 [回想終わり]

ギャル(あれを話すわけには……!!)

ギャル(くそぅ……。フツ男の奴ッ!)

ギャル(なんか助けなさいよっ!)

フツ男「……」←ゲンドウポーズ

ギャル(なんでだよ父さん!!)

委員長「あの……。ギャルさん……?」

ギャル「……」

ギャル(もう、やるしかないわね……)

ギャル(これだけはやりたくなかったけど――もう降参ってことね)

ギャル「そうよ……そう……」

委員長「……?」

ギャル「分かったわ。私も全てを打ち明ける」

28: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:21:17.371 ID:qw/9KRS90.net
委員長「ギャルさん……」

ギャル「私はお手洗いへ行っていた」

委員長「ええ。そ、それで……」

ギャル「戻って来る時間が遅かった。ええ、それは事実よ」

ギャル「なぜなら」

委員長「……」ゴクリ

ギャル「なぜなら――私もウ○コしていたからッッッッ!!!!」

 ウ○コシテイタカラッ ウ○コシテイタカラッ ウ○コシテイタカラー←エコー

委員長「……」

ヤンキー(おい、こいつもウ○コかよ……)

メガネ(ギャルのウ○コ……。ほう……)クイッ

体育教師(なによこの快便学級)

フツ男「……」←ゲンドウポーズ

委員長「あの……。それは本当でー……」

ギャル「ええ……。あんた、女のアタシにここまで言わせておいて、まだ追及するつもり?」

ギャル「恥を承知で全てを晒したこのアタシに……」

委員長「……」

委員長「そ、そうですね……。私が浅はかでした……」

委員長「ごほんっ」

委員長「それでは――先生、先生も席を外しましたね」

体育教師「え、ええ……」

委員長「先程のギャルさんの話は本当ですか?」

体育教師「――ッ!!」

体育教師「違うわよ……! 私にそんな趣味はないわ!」

委員長「そうですか……」

委員長「先生は自由時間を宣言した後、席を外して体育教官室へ行ったとのことですが」

委員長「それはどうして?」

29: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:25:27.012 ID:qw/9KRS90.net
体育教師「それは――実は私、生徒の評価シートを忘れてしまって」

体育教師「ちょうど自由時間になったから……。その時に取って来て、それで残りの時間に生徒の授業評価をつけようと思ったの」

委員長「なるほど……」

体育教師「それだけよ」

委員長「ですが……。先生」

体育教師「……?」

委員長「体育教官室へ行って評価シートを取ってきたとしても」

委員長「距離的に考えて、5分もかかりませんよね?」

体育教師「――ッ!!」

委員長「それなのに、クラスメートの話によれば」

委員長「確かに5分以上は経っていた――ということですが」

体育教師「――ッ」

委員長「これはどういうことでしょうか?」

体育教師「そ、それはぁー……」

体育教師(ま、まずいわッ!!)

体育教師「それはぁー……。ほ、ほらっ!」

委員長「……?」

体育教師「私ったらガサツな女だから、評価シートがどこかへいっちゃってね……」

委員長「どこかへいった……」

体育教師「それで探していたのよ」

委員長「評価シートといえば、生徒の成績表を作成する上でとても大切な書類です」

委員長「それを『どこかへいっちゃった』となるのはあまり考えられませんね」

体育教師「それを言われるとー……返す言葉もございません……」

委員長「ガサツとおっしゃいましたが、普段の態度や聞いた話から見てもそれは想定できません」

委員長「先生はキッチリしていらっしゃいます」

体育教師(こ、この娘……! できる……!)

体育教師「評価シートを探していたのは事実よ!」

体育教師「教官室に待機していた他の先生に聞けば分かるはずよッ!」

委員長「そうですか……」

委員長「それでは、それはそういうことにしておきましょう」

32: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:29:41.487 ID:qw/9KRS90.net
委員長「ですが、私が以前教官室へ伺った際は……先生のデスクはキッチリ整理整頓されていました」

委員長「探していたとしても、そこまで時間を要するわけではないかと……」

委員長「当日もデスクがいつもとあまり変わらなかった状態だったら……ですが」

体育教師「最近ちょっと疲れがたまっててねぇ……。色々と散らかってたのよ」

委員長「そうですか……」

体育教師(まったく……。ヒヤヒヤさせるわね)

体育教師(教師として、人間として――あれを知られてはならないわ)

 [先生の回想]

体育教師(あらぁ^~、このクラスの『金髪ちゃん』かわいすぎィ!)

体育教師(はぁ^~、鮮やかな金髪、宝石のような瞳、スッと通った鼻筋)

体育教師(長い手足、珠のような肌、大きな胸、キュッとしまったお尻……)

体育教師(あぁ^~心のチ○コが勃○するんじゃあ^~)

体育教師(いけない……。最近疲れてて性○を持て余すッ)キリッ

体育教師「ん……。みんなー! それじゃ自由時間にするわよっ!」

体育教師「先生ちょっと教官室へ行ってくるから!」

体育教師「危ないことしちゃ駄目よっ! すぐに戻ってくるわねーっ!」

ギャル「あのー、センセーッ! アタシちょっとお手洗いへ……」

体育教師「あーはいはい、行ってらっしゃい!」

 [教官室]

体育教師(あれ……。評価シート……)

体育教師(あれ……。あれ……?)ガサゴソ

体育教師(あ、あった良かった!)

体育教師(さてと――)

35: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:34:18.535 ID:qw/9KRS90.net
[トイレ]

体育教師「……」

体育教師「あぁ^~」

体育教師「金髪ちゃん金髪ちゃん金髪ちゃん金髪ちゃん金髪ちゃん金髪ちゃん金髪ちゃん」

体育教師「ん゛っ! あんっ!」ゴソゴソ

体育教師「ん゛ん゛~っ! ん゛! ダメぇ……」

体育教師「そこはぁっ! も、もうっ!」

体育教師「い、イクイクッ! イキスギィ!」

体育教師「んあ~」

 [回想終わり]

体育教師(授業そっちのけでトイレでオ○ってたなんて言えないわ……!)

体育教師(絶対にバラしちゃだめよっ!)

委員長「それでは――先生の言い分もわかりました」

委員長「最後は……。フツ男くん」

フツ男「……ッ」

委員長「あなたも授業中に席を外しました」

委員長「確か……。話によるとちょうど一試合目が終わって二試合目に入る辺り」

委員長「その周辺で、席を外したそうですが」

フツ男「そうだね……。俺もトイレへ行っていた」

フツ男「トイレへ行って、あとはまっすぐ戻って来たよ」

ギャル「……」

委員長「ですが……。フツ男くん」

フツ男「……?」

委員長「聞いた話では……。あなたも、戻ってくるのが遅かったようですね」

委員長「チームメイトの○○くんとあなたを交代しよう、あなたを出場させようとしたらしいですが」

委員長「その時もあなたはまだ戻ってこなかったと」

フツ男「――ッ!!」

ギャル「――ッ」

フツ男「そ、それはぁ……」

36: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:38:19.860 ID:qw/9KRS90.net
フツ男(んあああああああああああああああああああああああああああああああああああ)

フツ男(ヤバイヤバイヤバイヤバイッッッッ!!!!)

フツ男(クソッ! なんて日だッ!)

フツ男(俺は被害者だ……。俺はギャルさんに呼び出されただけでッ!)

フツ男(だけど――ここでギャルさんとのことを正直に話したらどうなるッ!)

ギャル(……)ギロリ

フツ男(ご愁傷さまでした)

フツ男(言えるわけがねぇ!)

フツ男(だがどうするッ!? 言い訳なんて!)

フツ男(都合のいい、言い訳なんて……)

フツ男(俺も『下○ウ○コ』と宣言するかッ!?)

フツ男(いや……。ここに来てそれはッ!!)

フツ男(クソ……! 何で俺が最後なんだよッ!)

フツ男(もうウ○コカードは使えないッ!)

フツ男(さすがにそれは怪しまれるし……。他の奴らも同様に怪しまれる……!)

フツ男(グルなんじゃないか――とな)

フツ男(いや……。まてよ!?)

フツ男(グル……だと……!?)

フツ男(そうだ――まさかこいつらの中に)

フツ男(グルがいるんじゃ……)

フツ男(も、もしかしてこれは)

フツ男(人狼ゲームなのかッ!?)

フツ男(そうだ……。これはいわば人狼ゲームッ!)

フツ男(この中に女ちゃんのパンツを狩った狼がいるんだ!)

37: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:42:31.569 ID:qw/9KRS90.net
フツ男(俺、ヤンキー、メガネ、ギャル、先生……)

フツ男(ゲームバランスを考えるならば、人狼陣営が二人……いや、一人か?)

フツ男(村人陣営が三人か四人)

フツ男(このうち俺は無実で、ギャルさんもその可能性が高い)

ギャル「……」

フツ男(ということは――ヤンキー、メガネ、先生の中に狼がいるッ!)

フツ男(グル……一人とも限らないッ!)

フツ男(一番盗みやすいポジションは先生だが)

フツ男(パンツがなくなったらそれなりの騒ぎになって、その時点で先生へ報告するはず)

フツ男(それなのに先生はここにいる……。つまりパンツがなくなったことを後になって知った!)

フツ男(つまり、授業が終わった時点では関知していなかった!)

フツ男(そうなれば……)

委員長「あの、フツ男くん?」

フツ男「委員長――これは人狼ゲームですよ」

委員長「……?」

ヤンキー「へ?」

メガネ「ほう……」クイッ

ギャル「え?」

体育教師「うん?」

女「ぇ……」

委員長「あのー、フツ男くん?」

フツ男「そうなれば、話し合いが大切だッ!」

フツ男「まずは村人――じゃなくてウ○コ野郎は手を挙げろッ!!」

委員長「あの……。え……?」

フツ男「あの時ウ○コしてたやつは全員手を挙げろッ!!」

ヤンキー「お、おう……」スッ

メガネ「……」スッ

ギャル「え、うん……」スッ

フツ男「そして――俺もウ○コ野郎だッ!!」ドン

委員長「え――そうだったの!?」

39: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:47:11.031 ID:qw/9KRS90.net
フツ男「ああ、俺もウ○コしていた!」

フツ男(人狼ゲームはまず声を挙げないとダメだ。黙ってる奴は速攻吊られる)

フツ男「ヤンキーくん、メガネくん、俺、ギャルさんの四人はウ○コ野郎だ」

ギャル「その呼び方止めてくれない?」

フツ男「ということは!」

フツ男「可能性としては2パターンッ!」

フツ男「ウ○コ野郎の中にパンツハンターがいるかっ」

フツ男「それともここで一人残った先生かっ」

体育教師「……」

フツ男「しかし……。俺の予想では、ギャルさんは無実だ」

ヤンキー「なんでだよ」

フツ男「私的感情が入ってしまうが、恥を忍んで打ち明けたギャルさんの主張は本物だ!」

ギャル「フツ男……」

フツ男「また、パンツを盗む理由が到底思い浮かばないッ!」

メガネ「まぁ、君が言っていた通りこれが『人狼ゲーム』だとするならば」

メガネ「一番多数派の村人……いや、ウ○コ野郎の中から吊るのが妥当だ」

ヤンキー「そーだな。俺とメガネは既に無実が証明されてるよーなもんだ」

ヤンキー「アリバイはちゃんとしてる」

ヤンキー「ということは……」

フツ男(まずい……ッ!)

メガネ「ギャルさんの無実を信じるとして」

ヤンキー「俺とメガネも無実だし」

メガネ「フツ男くんか、先生になりますな……」クイッ

フツ男(しまった――)

体育教師「ちょ、ちょっと待ってよ!」

体育教師「私も無実だし! そうでしょ!?」

ギャル「でも先生は『百合厨』って噂があるからなー」

体育教師「なっ!?」

フツ男(よくやったギャルさん!)

40: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:51:19.300 ID:qw/9KRS90.net
メガネ「ふむ……」

ヤンキー「でもよー、フツ男がほんとにウ○コしてたかどうかはいまいち信憑性に欠けるよなー」

フツ男「そ、それは……!!」

フツ男(クソ……。墓穴を掘るとはこのことかっ)

フツ男(しかし、ここまで来たら吹っ切れるしかない!)

フツ男(墓穴を掘っても突き抜けたなら俺の勝ちッ!)

フツ男「ククク……」

メガネ「……!!」

ヤンキー「――ッ!?」

フツ男「まあ、俺を疑うなら吊ればいいさッ!!」

ギャル(それ一番やっちゃだめなやつっしょ)

フツ男「俺は村人……ウ○コ野郎だっ!」

フツ男「そして、君たちが『グル』って可能性もあるからな!」

メガネ「……ッ!!」

ヤンキー「な、なん……だと……?」

フツ男「おかしいと思わないかッ!?」

フツ男「三回の裏にウ○コしに行って、帰ってきたのが五回の表と五回の裏!」

フツ男「ちょっとタイミングが被り過ぎではないですかね……?」

フツ男「ほんとにウ○コしてたのかなぁ……?」

メガネ「なっ……」

ヤンキー「くっ……!」

体育教師「た、確かにっ」

ギャル「うん」

メガネ「俺は証拠まで出したはず」

ヤンキー(お、お前一人だけ抜け駆けかよっ!?)

ヤンキー「だったら先生も可能性があるんじゃないんですかねっ」

42: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 11:56:02.771 ID:qw/9KRS90.net
体育教師「な、なんでよっ」

ヤンキー「一番パンツを盗みやすいポジションにいたのは先生だっ!」

体育教師「だから私は評価シートを……!!」

フツ男「これは分かりませんねぇッ!」

フツ男「もしかすると――三人、という可能性もあるかもしれませんよ?」

委員長「さ、三人ッ!?」

フツ男「はい。先生と二人の内のどちらかが監視役になって」

フツ男「もう一人がパンツをハントした可能性だってある!」

体育教師「め、めちゃくちゃよ!」

ヤンキー「そーだ! それじゃアリバイの時間と矛盾してる!」

フツ男「いや、仮に二人が三回の裏の時間に潜入したとしましょーよ」

フツ男「その時間、先生は席を外してなかった」

体育教師「そ、そうよ! 私は授業の終盤に教官室へ行ったのだから!」

フツ男「だが、先生がもし監視役だとしたら……?」

フツ男「そう、二人が潜入している間は誰も更衣室へ寄せ付けないために」

フツ男「プールの授業をしている女子生徒がトイレへ行くのを制止する」

フツ男「その監視役だとしたら?」

メガネ「……」

ヤンキー「な……!」

体育教師「い、いくらなんでもそれはあり得ないわよっ!」

体育教師「だいたい三人で一つのパンツを盗んで何をするのよ」

フツ男「何でしょうねぇ」

ギャル「うーん、さすがに三人はないっしょ」

ギャル「二人はまだ考えられるけど……」

フツ男「ということは――時間的に被っている二人とか」

メガネ「だ、だから俺はっ……!」

ヤンキー「お、俺だって!!」

委員長「静粛に」

 シーン

46: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 12:01:22.097 ID:qw/9KRS90.net
フツ男「さあ委員長! 決めて下さい!」

フツ男「ヤンキーくんかメガネくん、もしくは二人がグルだったか!」

フツ男「もしくは先生の犯行だったか!」

フツ男「人狼ゲームでも、とりあえず村人側を吊って反応を見るっていう戦法があります!」

フツ男「さあ、決めて下さいッ! ゲームマスターッ!」

委員長「えぇ……」

委員長「そのゲームでは、ゲームマスターは進行係のはずじゃ……」

委員長「ど、どうしよう……」

フツ男(ゲームマスター――ゲームマスター!?)

フツ男(そうだ……。これは人狼ゲームではなかった!?)ガビーン

フツ男(錯乱していた……。そうだっ! これは学級裁判ッ!)

フツ男(進行係はいても、ゲームマスターは存在しないッ!)

フツ男(ということは――全員がプレイヤー!?)

フツ男「そうか……。分かりました」

委員長「え……?」

フツ男「これは人狼じゃない……」

フツ男「そう――ここにいる全員がプレイヤーなのですっ!」

フツ男「ということは……」

フツ男「委員長――あなたもプレイヤーですっ!」

47: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 12:05:07.943 ID:qw/9KRS90.net
委員長「なっ――」

ヤンキー「……!!」

メガネ「ほう……」

ギャル「え……」

体育教師「あーもうめちゃくちゃだよ」

フツ男「あなたが進行係なのは決まっている」

フツ男「誰もそれを疑わなかった!」

フツ男「しかし……。どうだろう」

フツ男「例え嘘であろうと、俺たちはアリバイを表明したッ!」

フツ男「だが――委員長」

フツ男「あなたは……まだ何も話していませんよね?」

フツ男「これはゲームでも舞台劇でもない。役柄なんてないんですよ」

フツ男「あなたは進行係だ。誰もそれを疑わなかった!」

フツ男「しかしそれが盲点だった!」

フツ男「もしこれが、スケープゴートを仕立てるための仮初の裁判だとしたら!」

フツ男「どうでしょうか?」

委員長「わ、私が犯人だって言いたいのッ!?」

フツ男「そうじゃーない。しかし、あなたも何かを話す権利があるはずですよ」

フツ男「このクラスの一員としてね」

フツ男「聞かせて下さい――この事件の発端、そして状況を!」

委員長「わ、分かったわ……」

委員長「女ちゃんのパンツが盗まれた――それが発覚したのは授業が終わったとき」

委員長「水着から着替えていたときよ。更衣室で」

フツ男「ほう……」

委員長「そのときは――」

48: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 12:08:15.083 ID:qw/9KRS90.net
フツ男「待ってください」

委員長「……?」

フツ男「その時の状況を、女ちゃんからも聞かせてもらいましょう」

女「――ッ!!」

女「う、うん……」

女「最初は委員長さんの言った通りで……」

女「あの……。私のパンツがなくて……」

フツ男「それに気付いたのは、あなたが最初だったということですね?」

女「え、それは――」

委員長「そうね。彼女が戸惑っていたから、私が声をかけたの」

フツ男「何て?」

委員長「どうしたの――ってね」

フツ男「そしたら女ちゃんは何て……?」

委員長「そしたら、彼女はパンツを履かずにそのまま体操着を履こうとしたの」

フツ男「――ッ!?」

フツ男「それは……。待ってください」

フツ男「最初にパンツがないことに気付いたのは、本当に女ちゃんなんですね?」

女「う、うん……」

フツ男「そして次に委員長が気付いた」

フツ男「それで『どうしたの?』と声をかけた」

フツ男「そしたら、いきなり女ちゃんはパンツではなく体操着……ハーフパンツを履こうとした! ノーパンのままッ!」

49: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 12:12:14.966 ID:qw/9KRS90.net
女「……//」

委員長「ええ」

フツ男「その後は?」

委員長「パンツがないのかって聞いたのよ」

フツ男「はい」

委員長「そしたら『うん』って言うから、もしかしたら盗まれたんじゃないのかって思って」

フツ男「それは……。女ちゃんが『盗まれた』と言い出したのではなく、委員長が?」

委員長「そうよ。パンツがないなんておかしいじゃない」

委員長「彼女は大人しくて優しい娘だから、きっと怖くて言い出せなかったのよ」

フツ男「……」

フツ男「それで『女ちゃんのパンツは盗まれた』ということになって」

委員長「ちょっと、盗まれた以外に何があるって言うのよ」

フツ男「いんや、待ってください」

フツ男「そしたら、その後は?」

委員長「その後は、先生に相談しに行ったわ」

委員長「そして、色々調べてもらったけど有力な情報が得られなかったから」

委員長「私も色々と調べて、そしてここにあなたたちを連れて来たってわけ」

フツ男「女ちゃん――あなたのパンツは盗まれた」

フツ男「本当にそれでいいんだね?」

委員長「だから、それ以外に何があるのよ」

女「……」

女「う、うん……」

フツ男「単になくしたとかじゃないってことだね?」

委員長「パンツをなくすわけがないじゃない」

女「う、うん……」

50: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 12:15:25.027 ID:qw/9KRS90.net
フツ男(パンツがなくなった)

フツ男(しかし、本人はそれを声には出さずに体操着を履くことでやり過ごそうとした)

フツ男(盗んだと言い出したのは委員長から……)

フツ男(待てよ……。これは……)

フツ男「分かりました――分かったよ」

フツ男「この事件の犯人がッ!!」

委員長「……ッ!!」

女「えっ……!!」

一同「――ッ!?」

フツ男「犯人は……」

委員長「だ、誰なの……?」

フツ男「犯人は――あなたですッ!!」

 シーン

52: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 12:18:34.807 ID:qw/9KRS90.net
フツ男「女ちゃんッ!!」

女「――ッ!!」

一同「な、なんだってーッ!?」

ヤンキー「ど、どういうことだよ」

メガネ「ほう……」

ギャル「いや、そりゃないっしょ」

体育教師「もうめちry」

委員長「いや、盗まれた本人が犯人っておかしいでしょ!!」

フツ男「そうですね」

フツ男「ですが――女ちゃんは一言も言っていない!!」

フツ男「私のパンツは盗まれたとッ!!」

委員長「いや、だからさっき『うん』って言ってたんじゃ……」

フツ男「パンツが盗まれた」

フツ男「そう言い出したのはあなたです委員長!」

委員長「私がホラを吹いたと言いたいのッ!?」

フツ男「そうですっ! あなたはホラッチョですホラッチョ!!」

委員長「えええええええええええっ!?」

フツ男「その証言を聞く限り、女ちゃんは自ら『パンツを盗まれた』とは言っていない」

フツ男「つまり、パンツが盗まれたと勘違いして、それをあなたは広めてしまった!」

委員長「じゃ、じゃあ盗まれた以外に何があるって言うのよ!?」

57: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 12:22:56.492 ID:qw/9KRS90.net
フツ男「簡単です」

委員長「――ッ!?」

フツ男「なかったんです」

委員長「え――」

フツ男「安心して下さい」

フツ男「最初からパンツなど履いてなかったんですッ!!!!」

一同「な、なんだってー」

委員長「意味が分からないわっ!!」

委員長「女ちゃんからも何か言ってあげなさいよッ!」

女「……」

委員長「ちょっと――あなたまさかっ!」

フツ男「そうなんでしょう? 女ちゃん」

女「……」

女「はい……//」

委員長「ええええええええええええええええええええええええ!?(CVマスオ)」

フツ男「そう、俺の独断だけど――あなたは最初からパンツなど履いていなかった」

フツ男「どうでしょうか?」

女「……」

女「はい……//」

委員長「ええええええry」

58: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 12:25:38.277 ID:qw/9KRS90.net
委員長「ちょ、ちょっと! 訳を聞かせなさいよ!」

女「あの……。皆さん本当にごめんなさいっ!!」

一同「……」

女「私、こんな大ごとになるとは思ってなくて……」

女「それで、怖くて……。言い出せなくて……」

女「最初からパンツを履いていなかったことを……」

委員長「何が、何があったのよ……」

女「あの……。あの日、私は学校に来る前に転んじゃったの……」

フツ男「転んだ?」

女「うん……。しかも水たまりに」

女「それで……スカートもパンツもびちゃびちゃになっちゃって」

女「それで、とにかく焦ってしまって。慌ててしまって」

女「だから体操着に着替えて……」

委員長「あ、確かにあなた……あの日は体操着姿だったわね」

フツ男「おーーーーーーーーーーーーーーーい(お茶)」

フツ男「いや、気付いてたのかよッ!!」

委員長「てへぺろ」

女「それで、そのまま体育の授業も――」

フツ男「……」

フツ男「これ、委員長のせいじゃね?」

委員長「いや、だって! さすがにパンツまでびちゃびちゃなんて知らなかったし!」

女「……//」

女「本当に……ごめんなさい……」

60: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 12:27:26.438 ID:qw/9KRS90.net



63: VIPがお送りします 2016/04/22(金) 12:30:22.658 ID:qw/9KRS90.net
 [そして]

テレッテッテッテテー テレレーテテテーテテーテー←コナン事件解決後のテーマ

フツ男「その後、委員長と女ちゃんは焼き土下座――もとい、土下座して事件は解決となった」

フツ男「せめてもの償いと、女ちゃんは純白のパンティーをレターパックで俺に寄越した」

フツ男「そして、委員長からは黒のストッキングが送られてきた」

フツ男「これをどうしろというのか」

フツ男「もしかしたらそれは、俺を新たな事件へと誘う挑戦状なのかもしれない」

フツ男「まあ――とんだ茶番といいますか、時間の無駄だったといいますか」

ギャル「ちょっと」

ギャル「あんた……。この間の覚えてるわよね?」

フツ男「あ、あははー……。何のことでしょーかー」

ギャル「私を傷物にしたこと……許さないからッ!!」

フツ男「き、傷物なんてそんなッ!! あれは不可抗力ってやつでして」

ギャル「問答無用ッ!!」

フツ男「に、にんげろ~いっ!(ルパン)」

ギャル「待ちなさあああああああああああああああいッ!!!!」

フツ男「たあああああああすうううううけえええええてええええええっ!!!!」


NEXTコナンズヒーンッ!! ピーポーピーポー!!
じゅんぱくぱんてぃー(CVコナン)


 終

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