盲目少女「あの、空ってどんな色ですか？」ゴリラ俺「ウホッ？」

2019年07月30日

少女「今日の空は綺麗ですか？」

ゴリラ俺「ほっほっ(曇りだしまあまあかな)」

少女「はは、やっぱり目の見えない私に色を伝えるのなんて無理ですよね」

ゴリラ俺「うほ…」

少女「いえ、俺さんは悪くないです」

盲目少女「俺さん、でもやっぱり気になります。青空の色も、海の色も、俺さんの色だって…」

ゴリラ俺「ちょっと待ってろ」

少女「？」

10分後

ゴリラ「醤油ラーメンだ、食え」コト

少女「あ、あの…これは」

ゴリラ俺「いいから」

少女「はい、いただきます」ズルズル

ゴリラ俺「どうだ？」

少女「美味しいです」

ゴリラ俺「この醤油の味が黒だ」

少女「！！」

ゴリラ俺「食材にも色がある、味で色を覚えればいい」

少女「でも、空は食べられません」

ゴリラ俺「そうだな、週末あたり旅行にでも行くか」

少女「旅行とは」

ゴリラ俺「マチュピチュだ」

少女「…私にも楽しめるでしょうか」

ゴリラ俺「マチュピチュは確かに絶景だ、しかしそれを堪能できるのは視覚だけじゃない。残りの4感で楽しめばいいさ」

少女「はい」

週末

CA「それでは、快適な空の旅を」

少女「俺さん」

ゴリラ「ん？」

少女「いま空は綺麗ですか？」

ゴリラ「ああ綺麗だ、雲ひとつない真っ青な空だ」

少女「太陽はどんな色ですか？」

ゴリラ「とても暖かい色だよ」

CA「キャーっ！」

少女&ゴリラ「っ！？」ビクッ

CA達「ゴリラよ！ゴリラがいるわ！」

ゴリラ「はは…」

CA達「素敵だわー！」

ゴリラ「引っ張らんといて下さい、腕がもげてしまいやす」

少女「ぶー…」ジトー

ゴリラ「(嫉妬っ！？)」

マチュピチュ

ゴリラ「着いたな」

少女「そうですね」ムスッ

現地人「Bienvenidos, a la Machupicchu」

ゴリラ「日本語でおk」

現地人「マチュピチュヘヨウコソ、ソレデハアンナイシマス」

少女「俺さん、案内とは」

ゴリラ「それは後のお楽しみ」

ヘリ内

少女「このヘリコプターは何色ですか？」

ゴリラ「醤油ラーメンと同じ、黒だよ」

少女「食べたらしょっぱいんですかね」

ゴリラ「やめとけ腹下すぞ」

現地人「ハッハッハwジャパニーズジョークwハッハッハw」

ゴリラ「アンタは運転に集中してなさい」

現地人「ツキマシタ、オリテクダサイ」

少女「えっ、下りるってまだ…」

ゴリラ「ウホッ！(しっかり俺に掴まってろ)」

少女「えっ？えっ？」

ゴリラ「ウッホーッ！(裏声)」ダイブ

少女「ひゃぁぁぁーっ！！！」

空中

ゴリラ「これが空だ」

少女「聞こえないですっ」

ゴリラ「お前は今全身で空を感じてる」

少女「聞こえないです！」

ゴリラ「それは目で見るだけなのよりもずっと良いことなんだ！」

少女「いや、風の音でっ！」

パラシュート「ガバッ」

ゴリラ「怖かった？」ふわふわ

少女「は、はい…」ふわふわ

ゴリラ「これが空だ」

ゴリラ「お前は今全身で空を感じてる」

ゴリラ「それは目で見るだけなのよりもずっと良いことなんだ」

少女「俺さん…」

少女「空の色はもう分かりました、とても綺麗でドキドキする色です」

ゴリラ「ああ」

少女「でもこんどは、俺さんの色を知りたいです」

ゴリラ「少女」ダキ

ゴリラ「俺はお前から見てどんな色だ？」

少女「空みたいに綺麗でドキドキして、太陽みたいに暖かい色です」

ゴリラ「お前も俺から見たらそんな色だよ」

少女「っ！！嬉しいです」

ゴリラ「これからもたくさんの色を教えてやる、だから俺の側から離れるなよ」

少女「はいっ！」

END

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