男「当たり屋でもやるか!」子分「さすが兄貴!」

2019年08月25日
男「当たり屋でもやるか!」子分「さすが兄貴!」

1: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:07:08.500 ID:5B9pU85q0.net
― アパート ―

男「やべーな……ついに金が底を尽きちまった」

子分「兄貴、食いもんはないんすか……」グゥゥ…

男「さっき食ったパンと牛乳が最後だ。もうなんもねえ」

子分「マジっすか……」

男「こうなったらしょうがねえ……当たり屋でもやるか!」

子分「さすが兄貴!」

11: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:12:19.171 ID:5B9pU85q0.net
子分「ところで、当たり屋ってなんすか?」

男「おめえ、当たり屋も知らねえのかよ」

子分「すんません、なにせ最終学歴が小学校卒業なもんっすから」

男「へっ、まだまだだな。俺なんざ幼稚園中退だぜ!」

子分「マジっすか!?」

男「低温ヤケドってあるだろ? 低学歴も極めると、人をヤケドさせられるんだぜ!」

子分「すげえええええ! 兄貴かっけえええええ!」

12: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:15:21.587 ID:5B9pU85q0.net
男「で、当たり屋だったな。当たり屋っつうのはアレだ」

男「車がブーンときてキキーッてなって、ドカンってなって、オラオラァってやるだろ?」

男「んでもってヒャッホーイってことだよ」

子分「ようするに、乗用車とわざと接触事故を起こして」

子分「できれば大きな騒ぎにしたくないって相手の弱みにつけ込んで、金品を脅し取るってことっすか!」

男「そういうこった! おめえはバカだけど、たまには理解が早いな!」

子分「これも兄貴の教育のおかげっすよ!」

16: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:18:03.196 ID:5B9pU85q0.net
男「んじゃ、さっそく当たり屋しに行くぜ!」

子分「どこでやるんすか?」

男「このあたりなら、駅前の大通りがいいだろ。交通量も多いからな!」

子分「なぁるほど!」

19: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:21:48.772 ID:5B9pU85q0.net
― 大通り ―



ブロロ…… ブロロ……



男「見ろよ、この交通量の多さ! 絶好の当たり屋スポットだぜ!」

子分「ホントっすね! 当たり屋界の聖地っすね! エルサレムっすね!」

男「俺の目には黄金の塊が道路を走り回ってるように見えるぜ」

子分「いや……黄金はあくまでも金属なんで、こんな風に走り回ったりしないっすよ」

男「……うん、そうだよね」

21: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:24:48.445 ID:5B9pU85q0.net
男「んじゃ、さっそく――」

子分「兄貴、危ないッ!」



ブロロォッ!



一台の乗用車が歩道にいた男に突っ込んできた。



ドゴォンッ!



男「ぐはぁぁぁっ!」ゴロゴロ…

24: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:28:32.332 ID:5B9pU85q0.net
子分「大丈夫っすか、兄貴!」

男「うぐ、ぐ……」ゲホッ…

車から一人の青年が降りてきた。

青年「す、すみませんっ……! だ、大丈夫ですかっ!?」

青年「ぼく、ペーパードライバーなので、ハンドルを切りすぎてしまって……」

子分「ふざけんじゃないっすよ! こうなりゃ金、金を出すっすよ!」

青年「うう……お金で済むのなら……」

男「……待て」

27: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:31:32.549 ID:5B9pU85q0.net
子分「兄貴!?」

男「俺はまだ、当たり屋をスタートする前だった」

男「つまり、今こいつを脅したら、始業時刻前に働くみたいになっちまって損だ!」

男「よって今俺をひいたお前、許してやるからとっとと消えろ」

青年「えええええ!?」

子分「さすが兄貴! 損得勘定が冴えてるっす! 勘定奉行にお任せあれっす!」

男「だろ?」ニヤッ

29: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:35:28.700 ID:5B9pU85q0.net
青年「待って下さい!」

男「ん? まだ許され足りないってのか?」

青年「いえ、そうじゃなくて……いくら許されてもぼくがあなたをひいたのは事実!」

青年「このままじゃぼくの気が済みません! どうか罪滅ぼしをさせて下さい!」

男「いいだろう……」

男「だったらお前、俺の手下になれ!」

青年「ありがとうございます!」

男「じゃあ今から当たり屋スタートな!」

31: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:38:31.753 ID:5B9pU85q0.net
男「どの車にしようか――」

子分「兄貴、危ないッ!」



ブロロォッ!



一台の営業車が歩道にいた男に突っ込んできた。



ドゴォンッ!



男「ぐおぉぉぉぉっ!」ゴロゴロ…

35: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:42:54.094 ID:5B9pU85q0.net
子分「兄貴、しっかりして下さいっす! 傷は浅いっす!」

男「あががっ……!」

営業車からは一人のサラリーマンが降りてきた。

リーマン「すっ、すみません! 運転中に電話してて、それで……」

子分「ダメっすよ! 運転中に電話しちゃいけないなんて、オレだって知ってるっすよ!」

リーマン「しかし、どうしても急ぎの用だったもので……」

子分「とにかく早く金を出すっすよ! ほら、お医者さんの金! 医者料を出すっす!」

青年「子分さん、ちょっとどいてて下さい」

子分「へ?」

37: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:45:41.711 ID:5B9pU85q0.net
青年「オラオラオラァ! このホワイトカラーの兄ちゃんよう!」

青年「とっととゼニ出さなテメェんとこの会社にこのこと全部ブチまけたるど!」

青年「そうなったらテメェ懲戒だぞ!? このご時世ハローワークか? あぁん?」

リーマン「ひいいっ……! す、すみませんっ!」

青年「すんませんで済んだら、警察も消防も税務署も市役所もいらねんだよォ!!!」

リーマン「あ、あわわ……」ジョボボボ…

男「……待て」

41: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:49:27.485 ID:5B9pU85q0.net
青年「なんですか!? こんなヤツ、ぼくがガンガン追い込んですぐ廃人に――」

男「だからやめろっての」

青年「どうして!?」

男「謝ってんだから、許してやれよ」

青年「ハァ? なにいってんですか! すんませんで済んだら警察は――」

男「いるよ」

男「だって警察がなくなったら、おまわりさんが困るじゃん」

青年「ぐっ……たしかに……」

子分「さすが兄貴!」

42: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:52:30.309 ID:5B9pU85q0.net
男「ってわけだ。許してやるから、とっとと会社に戻れよ」

リーマン「いえ……私、会社には戻りません!」

男「どうして?」

リーマン「だって……謝ったら許してくれた人なんて、生まれて初めて出会ったから……」

男「あんたんとこの上司は許してくれないのか」

リーマン「はい、ちょっとミスをするとすぐ人をパンツ一丁にして鈍器で殴るんです」

男「そりゃひでえな」

子分「ブラック企業を通り越して、ダークっす! ダーク企業っす!」

リーマン「どうか、私を仲間に入れて下さい!」

男「いいよ」

リーマン「ありがとうございます!」

45: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:55:30.674 ID:5B9pU85q0.net
男「仲間が増えたところで、当たり屋再開だ」

男「しかし、だいぶ時間をロスしちまった。こうなりゃ、もっとビッグな車に――」

子分「ビッグな車が来たっすぅぅぅぅぅ!」



ブロロロロロォッ!



一台のダンプカーが歩道にいる男めがけて突っ込んできた。



ドガッシャァァァン!



男「ぐごほぉぉぉぉっ!」ゴロゴロ…

49: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 21:59:23.763 ID:5B9pU85q0.net
ダンプカーから降りてきたのは――

大富豪「いやぁ、すまんすまん。大丈夫かね?」スタッ

男「うう……」ピクピク…

子分「大丈夫なわけないっすよぉ! 複雑骨折っすよ!」



リーマン「あっ、あれは!」

青年「だれなんですか?」

リーマン「世界一の大富豪だよ! ……その総資産は100兆円ともいわれてる!」

青年「100兆円!?」

50: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:02:57.587 ID:5B9pU85q0.net
大富豪「私は総資産1000兆円の、世界一の大富豪だ」

大富豪「ヒマだったので普通免許しか持ってないのにダンプを運転したら、こんなことになってしまった」

大富豪「お詫びに10兆円ほど差し上げよう」

男「……10兆円ってどのぐらいだ?」

子分「10円の1兆倍っすね」

男「そりゃすげえな!」

子分「1兆円の10倍でもあるっす」

男「そう考えると全然大したことない金額に思えてくるな。いらねえや」

青年&リーマン「ええええええええええ!?」

52: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:05:50.454 ID:5B9pU85q0.net
青年「せめて、治療費はもらっといた方が……」

リーマン「そうですよ! 骨が折れてるんですから!」

男「平気さ……なぜなら俺は今、嬉しくて仕方ないからだ」

子分「どうしてっすか?」

男「だって俺、今複雑骨折してるんだろ?」

男「いつも単純単純ってバカにされてた俺が……初めて“複雑”になれたんだ……」

子分「兄貴……」ブワッ

男「こんなに嬉しいことはない!」シャキーン

男の体は完全回復した!

子分「さすが兄貴!」

56: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:09:28.617 ID:5B9pU85q0.net
大富豪「とりあえず10兆円はキミの口座に振り込んでおいたよ」

男「いらねえってのに」

男「暗証番号忘れちゃったから、どうせ下ろせねえしな!」

リーマン「あなたなら誕生日にしてそうですけど」

男「誕生日も忘れちゃった!」テヘッ

子分「さすが兄貴! さす兄!」

男「おいおい略すなよ。キムタクや国連と同格になったみてえで照れ臭いじゃねえか」

子分「いやいや、兄貴はキムタクや国連よりも上っすよ!」

男「ったく、お世辞がうまくなりやがって!」



ハッハッハ……

58: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:13:34.458 ID:5B9pU85q0.net
男「他に何か持ってねえのか?」

大富豪「ダイヤモンドはどうかね?」キラキラ…

男「ダイヤモンドってなんだっけ? ド忘れしちゃった」

子分「ようは炭素っす。鉛筆の芯と同じっすよ」

男「いらね。俺、シャーペン派だし」

男「それより、なにか飲むものねえか? ずっとひかれてたら、ノド渇いちゃった」

大富豪「ようするに液体があればいいんだね? どれどれ……」

大富豪「原油しか持ってねえ!」

男「んなもん飲めるか! ったく、使えねーな……あんた」

大富豪「すまん……」

61: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:16:47.763 ID:5B9pU85q0.net
男「ようし、今度こそちゃんと当たり屋を――」



ブロロォッ!



歩道から身を乗り出した男に、左からスーパーカーが突っ込んできた。



ズガァンッ!



男「ぎゃはわぁぁぁっ!」ゴロゴロ…

子分「なんで左から!? 逆走じゃないっすか!」

67: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:20:55.778 ID:5B9pU85q0.net
スーパーカーから降りてきたのは、一人の老人であった。

老人「ほっほっほ、すまんすまん、大丈夫かのう?」

男「いだだ……」

子分「なんてことするんすか! 逆走なんて! 兄貴をひく以前の問題っす!」

老人「いやぁ~ワシ、実はちょいとアルツってるんじゃが、つい車を運転したくなってのう」

子分「運転しちゃダメっすよ!」

青年「ですが、老人なら年金をたんまり持っているはずですよ!」

リーマン「つまり絶好のカモといえますな!」

大富豪「うむ、搾取のチャンス! レッツ資本主義!」

男「……待て」

69: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:24:47.785 ID:5B9pU85q0.net
子分「なにを待つんすか!? こんなじいさん、慈悲は無用っすよ!」

男「慈悲じゃない……共感だ」

子分「共感……?」

男「じいさん、あんたが逆走した気持ち、よく分かるぜ」

男「俺もガキの頃、マリオカートで負けが確定するとすぐ逆走してたからな……」

子分「兄貴に……そんな過去が……!?」

男「だけど、何十周も何百周も逆走しまくってるうちに……」

男「友達はなくなったけど、町内のマリオカート大会で優勝する腕前になってた」

子分「さすが兄貴!」

男「というわけだ、同じマリオカート仲間同士、仲良くしようぜ!」

老人「どっちかっていうと、ワシF-ZERO派なんじゃけどね」

70: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:27:49.381 ID:5B9pU85q0.net
男「よし子分、いい車が走ってきたら知らせろよ!」

子分「へい!」



しばらくして――



子分「兄貴、いいのが来たっすよ!」

男「どんな車だ?」

子分「戦車っす!」

男「よっしゃ!」

72: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:32:04.737 ID:5B9pU85q0.net
男「いくぜぇ!」バッ



道路を走る戦車の前に立ちはだかる男。



ボゴォォォォォンッ!!!



男「ぎゃばっふぅぅぅぅぅ!」ゴロゴロ…

74: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:35:44.442 ID:5B9pU85q0.net
戦車から一人の兵士が降りてきた。

兵士「我が革命の邪魔をするとは、何者だ!?」

子分「なんで革命するんすか!?」

兵士「私は働くのが大嫌いでね、働かないでも生きていける社会を作るためだ!」

子分「この戦車はどうやって手に入れたんすか!?」

兵士「働いて貯金した金で買ったんだ!」

子分「……えらい!」

77: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:39:13.009 ID:5B9pU85q0.net
男「ふん……働かないでも生きていける社会か。バカじゃねえのか」

兵士「なんだと!?」

男「そんなもん目指してたらなぁ……俺や子分みたいになっちゃうぜ!」



兵士「うぐあぁぁぁぁぁっ!」ガクッ…





青年&リーマン&大富豪&老人(すごい説得力だ……!)



子分「そもそも戦車一台で革命とか、はなから無理な話っすよね」

78: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:42:48.534 ID:5B9pU85q0.net
兵士「どうか……私もあなたの軍勢に加えて下さい」

男「おう、しっかりついてこいよ!」



すると――



ヒュルルル……



子分「兄貴ッ! 空からUFOがッ!」



グシャァンッ!

81: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:47:24.335 ID:5B9pU85q0.net
男「いだだだ……!」

UFOから宇宙人が降りてきた。

宇宙人「〒+*&÷%~>÷@∞+! &☆★&¥>□*!?」

男「ん、ああ……#&$+■¥<○、=∞↑%:$」

宇宙人「#&%△+>@*▼$#%&☆*+:@#$#×%&◎▲*+凸>¥|#□%=★◎」

男「おう、=@¥+〒∞▽」



キィィィ……ンン……



UFOは宇宙に飛び立っていった。

83: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:50:52.551 ID:5B9pU85q0.net
青年「なにか話されてましたけど、どんな会話をしてたんですか?」

男「だいたいこんな感じだ」



男『いだだだ……!』

宇宙人『誰もいないところに着陸しようとしたのに失敗しました! 大丈夫ですか!?』

男『ん、ああ……これぐらいどうってことねえよ、気にすんな』

宇宙人『実は私は資源が豊富な地球を滅ぼすためにやってきたのですが、
    あなたのようないい人がいる星は滅ぼせません。宇宙に帰ります』

男『おう、気をつけて帰れよ』



子分「すげえええええ! てかなんで兄貴、宇宙語をしゃべれるんすか?」

男「こう見えて宇宙語検定一級だからな」

子分「さすが兄貴!」

男「履歴書に書いてもなんの意味もない資格だけどな」フッ

85: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:54:18.540 ID:5B9pU85q0.net
男「……ふぅ、結局まともに当たり屋ができなかったなぁ」

子分「手に入ったのは10兆円と、変な仲間ぐらいっすねえ」

男「変な仲間って、お前がいうな」

子分「てへっ!」ペロッ

男「うーん、当たり屋って難しいなぁ……」



コツンッ!



男「――いてっ」

子供用のおもちゃの車が、男にぶつかった。

88: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 22:57:20.706 ID:5B9pU85q0.net
おもちゃの車を運転してたのは女の子であった。

幼女「ねーねー、おじちゃん」

男「なんだ?」

幼女「いまきいたけど、おじちゃん、“あたりや”なんでしょ?」

男「おう、まだ新米だけどな」

幼女「だったら、“あたり”がついてるアイスをうってちょうだいよ」

男「――――!」ハッ

89: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 23:00:53.211 ID:5B9pU85q0.net


子供の頃……

男(8歳)「おじさん、アイス売っておくれよ!」

おっさん「あいよ」

男(8歳)「ペロペロ……やったーっ! 当たったーっ! もう一本だーっ!」

おっさん「チッ!」





男(アイスの当たりで喜んでた俺が……今やわざと車に当たって他人から金を脅し取ろうとしてる)

男(なんてバカなことをしてたんだ、俺は……)

男(ふっ、こんな子供に自分がバカなことしてるって教えられるなんてな)

91: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 23:04:15.332 ID:5B9pU85q0.net
男「ありがとよ、お嬢ちゃん」ナデナデ…

幼女「?」

男「おかげで俺は、大切なものを取り戻すことができた!」

男「俺は……当たり屋を廃業する!」

子分「ええっ!? じゃあオレたちはどうなるんすか!?」

男「当然、このチームも解散だ!」



ザワッ……

96: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 23:08:31.858 ID:5B9pU85q0.net
男「――だけど勘違いすんな!」

男「チームは解散しても、俺たちは仲間だ! いつだって会える!」

男「つらくなったら……いつでも俺んとこに来い! 俺がお前らの代わりに当たって砕けてやるからよ!」



青年「ううっ……!」グスッ…

リーマン「あのクサレ上司に立ち向かう勇気ができました……!」

大富豪「金よりも大切なものにようやく出会えたよ……」グスッ…

老人「おお……感動でワシの脳年齢が全盛期に戻ってゆく……」シュゥゥ…

兵士「私の心があなたのおかげで“革命”されました!」ビシッ

幼女「アイスは?」キョトン





男「“チーム当たり屋”……解散!!!」

98: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 23:12:24.599 ID:5B9pU85q0.net
……

…………

………………



子分「……みんな行っちゃったっすね」

男「ああ、だけどあいつらなら、それぞれの道をしっかり歩んでいくだろうさ」

男「俺たちも歩んでいこうぜ……当たり屋なんてやらなくても生きていける道をよ!」

子分「へいっ! オレはどこまでも兄貴についていくっす!」

男「行くぞ……! 希望に満ちあふれた未来へっ!」

子分「さすが兄貴!」

103: VIPがお送りします 2016/03/02(水) 23:16:01.364 ID:5B9pU85q0.net
男「…………」ギュルル…

子分「…………」ギュルル…

男「腹が……痛い!?」ギュルルル…

子分「今朝食ったパンと牛乳、古かったっすから……あたっちまったみたいっすね……」ギュルルル…

男「とりあえず……未来に行く前にトイレ行こっか」







~おわり~

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