女「今日も一緒に帰ろう!」
1: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)12:37:16 ID:MME
男「うん……わかった」
女「それじゃアタシ、部活だから終わるまでまっててね」
男「うん……」
女「それじゃアタシ、部活だから終わるまでまっててね」
男「うん……」
2: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)12:38:42 ID:MME
部室
女「おつかれー」
女友「うん、おつかれ。合唱コンクール近いし、頑張ろう!」
女「そうだね、まずはもう一度全体で合わせよっか!」
教室
男「女さんが部活終わるまでどうしよう……」
男「僕は携帯電話も持ってないし」
男「宿題でもやろう」
女「おつかれー」
女友「うん、おつかれ。合唱コンクール近いし、頑張ろう!」
女「そうだね、まずはもう一度全体で合わせよっか!」
教室
男「女さんが部活終わるまでどうしよう……」
男「僕は携帯電話も持ってないし」
男「宿題でもやろう」
3: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)12:45:17 ID:MME
部室
顧問「よし、今日は終わり!」
女「はあー疲れた」
女友「今日も頑張ったねー」
女友2「そういえば、この間さー」
女「えーマジで!? ヤバい!」
女友「もしかしてあれなんじゃない?」
ワイワイ……
校門
男「……」
男「女さん遅いなあ……」
男「宿題終わっちゃったよ……」
顧問「よし、今日は終わり!」
女「はあー疲れた」
女友「今日も頑張ったねー」
女友2「そういえば、この間さー」
女「えーマジで!? ヤバい!」
女友「もしかしてあれなんじゃない?」
ワイワイ……
校門
男「……」
男「女さん遅いなあ……」
男「宿題終わっちゃったよ……」
4: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)12:47:53 ID:MME
一時間後
女「あ! 男くん!」
男「女さん……終わったの?」
女「あーそれでさ、今日は部活の友達とカラオケ行くことになったから」
男「え?」
女「また明日ね、バイバイ」
男「うん……」
女「あ! 男くん!」
男「女さん……終わったの?」
女「あーそれでさ、今日は部活の友達とカラオケ行くことになったから」
男「え?」
女「また明日ね、バイバイ」
男「うん……」
5: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)12:49:57 ID:MME
翌日
帰り道
女「それでさー、女友がさー」
男「うんうん」
女「そうだったのよ。ヤバくない!?」
男「うん、わかるよ」
女「あはは、やっぱり男くんは面白いね!」
男「あ、ありがとう」
女「じゃあまた明日、一緒に登校しよ!7時に駅で待ち合わせね」
男「うん……(早いなあ)」
帰り道
女「それでさー、女友がさー」
男「うんうん」
女「そうだったのよ。ヤバくない!?」
男「うん、わかるよ」
女「あはは、やっぱり男くんは面白いね!」
男「あ、ありがとう」
女「じゃあまた明日、一緒に登校しよ!7時に駅で待ち合わせね」
男「うん……(早いなあ)」
7: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)13:11:16 ID:MME
翌日
男「まずい、待ち合わせに遅刻した!」
女「ちょっと、男くん?」
男「はい……」
女「待ち合わせに遅れるなんて、どういうつもり? アタシ10分も待ったんだけど?」
男「ごめん……」
女「罰として、お昼奢ってね」
男「え!?」
女「なに? そっちが悪いんでしょ?」
男「はい……」
男「まずい、待ち合わせに遅刻した!」
女「ちょっと、男くん?」
男「はい……」
女「待ち合わせに遅れるなんて、どういうつもり? アタシ10分も待ったんだけど?」
男「ごめん……」
女「罰として、お昼奢ってね」
男「え!?」
女「なに? そっちが悪いんでしょ?」
男「はい……」
9: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)13:21:00 ID:MME
昼休み
女「じゃあアタシは、A定食ね」
男「はい……僕はうどんで……」
女「あ、女友ー!」
女友「あ、女? 一緒に食べない?」
女「うん、わかった!」
男「え?」
女「それじゃ、そういうことだから。食券もらうね」
男「あ……」
女友「それでさー」
女「えー本当!?」
男「……」
女「じゃあアタシは、A定食ね」
男「はい……僕はうどんで……」
女「あ、女友ー!」
女友「あ、女? 一緒に食べない?」
女「うん、わかった!」
男「え?」
女「それじゃ、そういうことだから。食券もらうね」
男「あ……」
女友「それでさー」
女「えー本当!?」
男「……」
12: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)15:08:33 ID:MME
放課後
女「じゃあ今日も待っててね」
男「あの……」
女「なに?」
男「今日、みたいテレビがあるんだけど……」
女「は?」
男「……」
女「じゃあ今日も待っててね」
男「あの……」
女「なに?」
男「今日、みたいテレビがあるんだけど……」
女「は?」
男「……」
13: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)15:17:35 ID:MME
女「なに? テレビが見たいっていう理由でアタシと帰るのを断るの?」
男「いや、その」
女「テレビなんていつでも見られるでしょ? 録画でもすればいいし。それより、それともアタシのこと、友達と思ってないの?」
男「そ、そんなことないよ!」
女「じゃあ、待っててくれるよね?」
男「はい……」
男「いや、その」
女「テレビなんていつでも見られるでしょ? 録画でもすればいいし。それより、それともアタシのこと、友達と思ってないの?」
男「そ、そんなことないよ!」
女「じゃあ、待っててくれるよね?」
男「はい……」
14: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)16:37:11 ID:MME
土曜日
男「出掛けてくるよ」
母「あら、今日も女ちゃんと遊ぶの?」
男「……うん」
母「いいわねえ、あんな可愛い娘が遊びに誘ってくれるなんて。あんた友達いないんだから、女ちゃんに感謝しなきゃダメよ?」
男「わかった……」
母「いってらっしゃい」
男(そうだ、せっかく女さんが誘ってくれるんだから、喜ばないと……)
男「出掛けてくるよ」
母「あら、今日も女ちゃんと遊ぶの?」
男「……うん」
母「いいわねえ、あんな可愛い娘が遊びに誘ってくれるなんて。あんた友達いないんだから、女ちゃんに感謝しなきゃダメよ?」
男「わかった……」
母「いってらっしゃい」
男(そうだ、せっかく女さんが誘ってくれるんだから、喜ばないと……)
16: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)18:31:04 ID:MME
繁華街・待ち合わせ場所
男「女さん遅いなあ。公衆電話から電話かけよう」
女「ああ、男くん?」
男「どこにいるの?」
女「××服屋だよ。繁華街の外れの」
男「女さん遅いなあ。公衆電話から電話かけよう」
女「ああ、男くん?」
男「どこにいるの?」
女「××服屋だよ。繁華街の外れの」
17: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)18:35:04 ID:MME
男「なんでそこにいるの?」
女「友達と会って話してた」
男「そうなんだ……」
女「じゃあ、こっちに来てくれる?」
男「え?」
女「店の前で待ってるからねー」
男「切れちゃった……」
女「友達と会って話してた」
男「そうなんだ……」
女「じゃあ、こっちに来てくれる?」
男「え?」
女「店の前で待ってるからねー」
男「切れちゃった……」
18: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)18:53:46 ID:MME
××服屋前
男「ここにいるはずなんだけどな。もう一度電話をかけよう」
女「もしもし、男くん?」
男「どこにいるの?」
女「買いたい本があってさ。それがすごい面白そうなの!」
男「うん」
男「ここにいるはずなんだけどな。もう一度電話をかけよう」
女「もしもし、男くん?」
男「どこにいるの?」
女「買いたい本があってさ。それがすごい面白そうなの!」
男「うん」
19: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)18:59:31 ID:MME
女「それでさ、女友とその本のことでメールしてたらいてもたってもいられなくてさ」
男「うん……それでどこにいるの?」
女「あー、待ち合わせ場所の近くにある本屋だよ」
男「そうなんだ……」
女「じゃあ、こっちに来てね」
男「え!? あ、切れちゃった……」
男「うん……それでどこにいるの?」
女「あー、待ち合わせ場所の近くにある本屋だよ」
男「そうなんだ……」
女「じゃあ、こっちに来てね」
男「え!? あ、切れちゃった……」
20: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)19:45:40 ID:MME
本屋
女「男くん遅い!」
男「だ、だって大分距離あったし」
女「ほら、今日は買いたいものいっぱいあるから、早く行くよ!」
男「うん……」
女「男くん遅い!」
男「だ、だって大分距離あったし」
女「ほら、今日は買いたいものいっぱいあるから、早く行くよ!」
男「うん……」
21: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)19:49:53 ID:MME
アクセサリーショップ
女「うーん、このペンダントもいいし、この指輪もいいな」
男「そうだね」
女「どっちが似合うかなあ?」
男「女さんには、こっちじゃない?」
女「アタシじゃなくて! 女友にあげるの! 男くんも真面目に考えてよ!」
男(女友さんにあげるって、初めて聞いたよ……)
女「うーん、このペンダントもいいし、この指輪もいいな」
男「そうだね」
女「どっちが似合うかなあ?」
男「女さんには、こっちじゃない?」
女「アタシじゃなくて! 女友にあげるの! 男くんも真面目に考えてよ!」
男(女友さんにあげるって、初めて聞いたよ……)
22: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)19:59:35 ID:MME
四時間後
女「今日は欲しいものいっぱい買えたね!」
男(僕は女さんに着いていっただけだったな……)
女「じゃ、明日も買い物に付き合ってね」
男「え?」
女「どうしたの?」
男「いや、明日はちょっと……」
女「今日は欲しいものいっぱい買えたね!」
男(僕は女さんに着いていっただけだったな……)
女「じゃ、明日も買い物に付き合ってね」
男「え?」
女「どうしたの?」
男「いや、明日はちょっと……」
24: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)20:02:36 ID:MME
女「何かあるの?」
男「ええと……(明日はゆっくりしたいな……)」
女「どうせ家でゴロゴロしてるんでしょ。だったら付き合ってよ」
男「あの……」
女「家でゴロゴロしてるより、外に出たほうが有意義だよ?」
男(でも、女さんに着いていっても、僕の行きたい場所には行ってくれないし……)
女「はい、決まり! また明日ね」
男「はい……」
男「ええと……(明日はゆっくりしたいな……)」
女「どうせ家でゴロゴロしてるんでしょ。だったら付き合ってよ」
男「あの……」
女「家でゴロゴロしてるより、外に出たほうが有意義だよ?」
男(でも、女さんに着いていっても、僕の行きたい場所には行ってくれないし……)
女「はい、決まり! また明日ね」
男「はい……」
25: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)20:12:04 ID:MME
男宅
男「ただいま」
母「お帰りなさい。楽しかったでしょ? あんな可愛い娘と遊びに行ったんだし」
男「えーと……」
母「何よ、楽しく無かったって言うの!? あんたねえ、あんな娘あんたには勿体ないくらいだよ! せっかく誘ってくれるんだから、もっと喜びなさい! 失礼よ!」
男「はい……」
部屋
男「そうだ、女さんが誘ってくれるんだし、明日も行かないとなあ……」
男「ただいま」
母「お帰りなさい。楽しかったでしょ? あんな可愛い娘と遊びに行ったんだし」
男「えーと……」
母「何よ、楽しく無かったって言うの!? あんたねえ、あんな娘あんたには勿体ないくらいだよ! せっかく誘ってくれるんだから、もっと喜びなさい! 失礼よ!」
男「はい……」
部屋
男「そうだ、女さんが誘ってくれるんだし、明日も行かないとなあ……」
27: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)20:54:13 ID:Dew
月曜日
男「今日も女さん遅いな……」
学級委員「あれ、男じゃん」
男「学級委員くん、まだ残ってたの?」
学級委員「ああ、委員会が長引いてな。あれ、お前帰宅部じゃなかったっけ? お前こそどうしたんだよ?」
男「うん、女さんを待ってるんだ……」
学級委員「え?」
男「今日も女さん遅いな……」
学級委員「あれ、男じゃん」
男「学級委員くん、まだ残ってたの?」
学級委員「ああ、委員会が長引いてな。あれ、お前帰宅部じゃなかったっけ? お前こそどうしたんだよ?」
男「うん、女さんを待ってるんだ……」
学級委員「え?」
28: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)20:59:52 ID:Dew
男「一緒に帰ろうって言われたんだ」
学級委員「あれ、女って合唱部だよな?」
男「うん」
学級委員「ということは、お前とは帰る時間違うよな?」
男「うん」
学級委員「……お前、誰かと話していてこの時間まで残ってたのか?」
男「いや、ずっと一人だったよ」
29: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)21:04:25 ID:Dew
学級委員「一応確認するけど、お前が一緒に帰ろうって言ったの?」
男「いや、女さんが部活終わるまで待っていてって」
学級委員「……」
男「……どうしたの?」
学級委員「……お前と女って付き合ってるの?」
男「ううん、友達だよ」
学級委員「お前……何も感じないの?」
男「え?」
学級委員「いや……女は自分の都合でお前をこの時間まで残らせているんだぞ? それについて何も感じないの?」
31: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)21:06:44 ID:Dew
男「でも、女さんが一緒に帰ろうって誘ってくれたから……」
学級委員「そうじゃなくてさ、お前はどうしたいの?」
男「え?」
学級委員「だって、放課後は自由に使える時間のはずだぜ? お前だって、今までの時間で部活なりバイトなり出来たはずだ。それを自分の都合で奪った女に何も感じないの?」
男「そ、それは……」
学級委員「まあ、お前がいいんだったらそれでいいけどさ。少し考えた方がいいぜ」
男「……」
学級委員「そうじゃなくてさ、お前はどうしたいの?」
男「え?」
学級委員「だって、放課後は自由に使える時間のはずだぜ? お前だって、今までの時間で部活なりバイトなり出来たはずだ。それを自分の都合で奪った女に何も感じないの?」
男「そ、それは……」
学級委員「まあ、お前がいいんだったらそれでいいけどさ。少し考えた方がいいぜ」
男「……」
32: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)21:12:52 ID:Dew
十分後
女「男くーん!」
男「女さん……」
女「さて、帰ろうか」
男「うん……」
女友2「……」
女「男くーん!」
男「女さん……」
女「さて、帰ろうか」
男「うん……」
女友2「……」
33: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)21:16:40 ID:Dew
帰り道
女友2「ねえ、女友」
女友「ん、なに?」
女友2「女と男くんって付き合ってるの?」
女友「いや、友達だって言ってたよ」
女友2「そうなの? なんかおかしくない?」
女友「なにが?」
34: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)21:22:27 ID:Dew
女友2「だってさ、男くんって帰宅部でしょ? 部活も無いのに、この時間まで残って女を待ち構えているのって気味悪くない?」
女友「確かに……」
女友2「女って優しいからさ、友達にいない男くんにも手を差し伸べちゃったから、勘違いしてるんじゃない?」
女友「そうかも」
女友2「一度、私たちでビシっと言った方がよくない?」
女友「そうだね、明日二人で男くんに文句言おう」
35: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)21:24:21 ID:Dew
翌日
教室
男「今日も女さんは部活か……」
女友2「ちょっと男くん」
男「なに?」
女友2「話があるの、ちょっと来て」
男「う、うん」
36: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)21:26:34 ID:Dew
階段
男「話って?」
女友「あのさ、女に付きまとうの止めてよ」
男「は?」
女友2「は? じゃないわよ。部活も無いのにあんな時間まで残って、女のこと付け回してるんでしょ?」
男「い、いや、その……」
女友2「否定しないってことは、図星なんだ」
男「ち、ちが……」
女友2「ねえ、これ先生に言った方がよくない?」
38: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)21:29:04 ID:Dew
女友「そうだね」
男「あ、あの、待って……」
学級委員「おい、ちょっと待てよ」
女友2「なにアンタ? ちょうどいいわ、このストーカーを先生に突き出すから手伝ってよ」
男「あ、ああ……」
学級委員「待つのはお前らだよ。男はストーカーじゃないぜ」
女友「え?」
学級委員「こいつは女が待つように言ったから待っていただけだ。先生がその現場を見ていたらしいから間違いない」
女友2「そ、そうだったの?」
男「あ、あの、待って……」
学級委員「おい、ちょっと待てよ」
女友2「なにアンタ? ちょうどいいわ、このストーカーを先生に突き出すから手伝ってよ」
男「あ、ああ……」
学級委員「待つのはお前らだよ。男はストーカーじゃないぜ」
女友「え?」
学級委員「こいつは女が待つように言ったから待っていただけだ。先生がその現場を見ていたらしいから間違いない」
女友2「そ、そうだったの?」
39: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)21:32:22 ID:Dew
学級委員「だから、このまま男を突き出せば恥を掻くのはお前らだぜ?」
女友「あ、えーとその、ごめんね男くん。女友2があなたのこと疑うから……」
女友2「ちょっと、何人のせいにしてんのよ!?」
学級委員「あーもういいだろ。この話は終わり!」
女友2「わかったわよ! もう!」
女友「ごめんね本当に……」
女友「あ、えーとその、ごめんね男くん。女友2があなたのこと疑うから……」
女友2「ちょっと、何人のせいにしてんのよ!?」
学級委員「あーもういいだろ。この話は終わり!」
女友2「わかったわよ! もう!」
女友「ごめんね本当に……」
40: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)21:42:49 ID:Dew
昇降口
男「ありがとう、学級委員くん」
学級委員「あんな咄嗟のウソでも信じてしまうもんだな。さて、次はお前だぜ」
男「え?」
学級委員「さっきはお前ひとりじゃどうにもならなそうだから、手を貸した。だが、女との関係はお前ひとりで決着をつけるべきだ」
男「決着?」
学級委員「お前はどうしたい? 女とどういう関係になりたい? それを考えたうえで答えを出して女に伝えるべきだ」
男「僕の、答え……」
学級委員「俺はそれを応援することしか出来ない。だから、お前が答えを出せ」
男「……」
42: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)21:59:50 ID:Dew
放課後
女「なに? 話って」
男「……あのさ」
女「うん」
男「……僕はもう、女さんと一緒には帰らない」
女「え?」
男「僕は早く帰って、家でゴロゴロしたい。ゲームもしたい。漫画も読みたい。だから、女さんを待ってはいられない」
女「ちょっと待ってよ、そんなことのために早く帰るなら、アタシのことを待っていたって……」
男「違う!」
女「……!」
43: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)22:01:25 ID:Dew
男「どんなに外に出て行動したとしても、それが僕のための時間でなければ何の意味もない。僕は僕のために時間を使いたい。決して僕の時間は女さんの物じゃない!」
女「何よそれ。友達のために時間を使えないって言うの!?」
男「僕はそういう人間だったんだ。僕は友達のために時間を多く割きたくはなかった。もっと自分のために使いたかったんだ」
女「でも、人間関係を保つためにはお互いに合わせることだって必要……」
男「じゃあ、女さんは僕に何をしてくれたんだ!?」
女「……」
男「女さんは僕のためと言いながら、自分の時間に僕を巻き込んでいるだけじゃないか! 僕はもっと自分の時間を過ごしたい。女さんのための時間は過ごしたくない!」
女「……」
女「何よそれ。友達のために時間を使えないって言うの!?」
男「僕はそういう人間だったんだ。僕は友達のために時間を多く割きたくはなかった。もっと自分のために使いたかったんだ」
女「でも、人間関係を保つためにはお互いに合わせることだって必要……」
男「じゃあ、女さんは僕に何をしてくれたんだ!?」
女「……」
男「女さんは僕のためと言いながら、自分の時間に僕を巻き込んでいるだけじゃないか! 僕はもっと自分の時間を過ごしたい。女さんのための時間は過ごしたくない!」
女「……」
44: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)22:02:42 ID:Dew
男「だから僕はもう、君と一緒には帰らない」
女「……わかったわ、アンタがそんな人間だとは思わなかった」
男「……」
女「そんな……自分の意見をはっきり言える人間だとは思わなかった」
男(女さんが……笑った?)
女「今までごめんなさい。……さよなら」
45: ◆BEcuACNawuaE 2015/05/14(木)22:03:53 ID:Dew
数日後
男(それから、僕は女さんと一緒に帰ることはなくなった)
男(女さんは合唱部の練習に精を出し、僕は学校が終わったらすぐ、家でゲームをやる毎日を過ごしている)
男(これが、有意義な時間かどうかはわからない)
男(でも、僕は今すごく……気分がいい)
男(そして……)
女「男くん、合唱部のコンサートがあるんだけどさ」
男「うん」
女「もし良かったら、見に来てくれないかな……」
男(……僕は合唱にはあまり興味が無い)
男(でも女さんの歌声を、一回は聞いてみたいなとは思った)
完