大男「お会計10万円になります」女「ビール一杯飲んだだけなのに……!」
1: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 21:41:12.917 ID:QN2oVIV60.net
大男「お客さん」
女「なーに?」
大男「お会計10万円になります」
女「そんな……ビール一杯飲んだだけなのに……!」
大男「ああ、たしかに“一杯”飲んでくれたな、在庫の分のビールまで全部!」
大男「しかも、ビールだけじゃない! 高級酒のボトルも全部空けやがって!」
女「あれれ、そうだっけ?」
女「なーに?」
大男「お会計10万円になります」
女「そんな……ビール一杯飲んだだけなのに……!」
大男「ああ、たしかに“一杯”飲んでくれたな、在庫の分のビールまで全部!」
大男「しかも、ビールだけじゃない! 高級酒のボトルも全部空けやがって!」
女「あれれ、そうだっけ?」
7: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 21:45:00.823 ID:QN2oVIV60.net
大男「あんたを止めようとした、俺の手下は半殺しにされたし……」
手下「…………」ピクピク…
女「あっ、ごめんなさーい!」
大男「はじめての客だからおまけしてやるけど、はっきりいって10万でも安いくらいだ!」
女「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!」
女「今すぐATMでお金おろしてきます!」
手下「…………」ピクピク…
女「あっ、ごめんなさーい!」
大男「はじめての客だからおまけしてやるけど、はっきりいって10万でも安いくらいだ!」
女「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!」
女「今すぐATMでお金おろしてきます!」
8: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 21:47:35.513 ID:QN2oVIV60.net
女「あーあ、またやっちゃった……私っていつもこう……」ガックリ…
大男「…………」
大男「やっぱATMはいい」
女「え?」
大男「それよりもう夜も更けてきた、家まで送っていくよ」
女「いいんですか?」
大男「ああ、このまま追い出して外でまた暴れられても困るしな」
手下「大男さん、相変わらず女に甘いんだから……」
大男「…………」
大男「やっぱATMはいい」
女「え?」
大男「それよりもう夜も更けてきた、家まで送っていくよ」
女「いいんですか?」
大男「ああ、このまま追い出して外でまた暴れられても困るしな」
手下「大男さん、相変わらず女に甘いんだから……」
11: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 21:50:30.706 ID:QN2oVIV60.net
― マンション ―
女「ここが私の部屋よ」
大男「ほう、結構いいマンションに住んでるじゃねえか」
女「うん、それなりに稼ぎはあるから」
大男「ってことは部屋も当然キレイってわけだ?」
女「う……それは……」
ガチャッ
女「ここが私の部屋よ」
大男「ほう、結構いいマンションに住んでるじゃねえか」
女「うん、それなりに稼ぎはあるから」
大男「ってことは部屋も当然キレイってわけだ?」
女「う……それは……」
ガチャッ
14: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 21:53:20.329 ID:QN2oVIV60.net
グチャッ…
大男「!?」
大男「――きったねえ! なんだこの部屋!?」
女「部屋で一人でお酒を飲んでると、こうなっちゃうの……」
大男「この光景だけ見ると、虎かなんか飼ってるのかって思っちゃいそうだぜ」
大男「しかし、よく苦情が来ないな?」
女「幸い、このマンションは防音がしっかりしてるから……」
大男「!?」
大男「――きったねえ! なんだこの部屋!?」
女「部屋で一人でお酒を飲んでると、こうなっちゃうの……」
大男「この光景だけ見ると、虎かなんか飼ってるのかって思っちゃいそうだぜ」
大男「しかし、よく苦情が来ないな?」
女「幸い、このマンションは防音がしっかりしてるから……」
15: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 21:57:26.486 ID:QN2oVIV60.net
女「他には会社でも……」
課長『いいじゃないか、一杯だけ飲もう』
女『いえ、私は……』
課長『俺の酒が飲めねえってのか!?』
女「じゃあ一杯だけ……」
……
女『……あら?』
課長『ひ、ひいいい……許して下さい……!』
女「こんなこともあったりして……」
大男「こりゃだいぶ重症だな……」
課長『いいじゃないか、一杯だけ飲もう』
女『いえ、私は……』
課長『俺の酒が飲めねえってのか!?』
女「じゃあ一杯だけ……」
……
女『……あら?』
課長『ひ、ひいいい……許して下さい……!』
女「こんなこともあったりして……」
大男「こりゃだいぶ重症だな……」
16: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:01:05.504 ID:QN2oVIV60.net
女「私、バーに通うくらいだし、お酒は好きなの」
女「だけど、こんな酒乱じゃうかつに飲めないし、人付き合いもままならなくて……」
大男「…………」
大男「だったら病院行こう」
女「!」
大男「病院に行けば、きっとあんたの酒乱の原因が分かるさ」
女「でも……」
大男「悪いところがあって病院行くのは決して恥ずかしいことじゃねえ。俺も一緒に行ってやるから!」
女「分かった……行ってみる!」
女「だけど、こんな酒乱じゃうかつに飲めないし、人付き合いもままならなくて……」
大男「…………」
大男「だったら病院行こう」
女「!」
大男「病院に行けば、きっとあんたの酒乱の原因が分かるさ」
女「でも……」
大男「悪いところがあって病院行くのは決して恥ずかしいことじゃねえ。俺も一緒に行ってやるから!」
女「分かった……行ってみる!」
17: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:04:20.865 ID:QN2oVIV60.net
― 病院 ―
医者「えー、精密検査の結果、身体に全く異常はありません」
医者「むしろ、この検査結果だとお酒にはだいぶ強いはずなんですがねえ」
医者「なんで酒乱になってしまうのか……」
女「そうですか……」
大男(異常がないのはなによりだけど、結局原因は分からないままか……)
医者「えー、精密検査の結果、身体に全く異常はありません」
医者「むしろ、この検査結果だとお酒にはだいぶ強いはずなんですがねえ」
医者「なんで酒乱になってしまうのか……」
女「そうですか……」
大男(異常がないのはなによりだけど、結局原因は分からないままか……)
18: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:08:05.769 ID:QN2oVIV60.net
大男「とりあえず、禁酒するしかねえな」
女「うん……」
女「だけど、私一人暮らしだから、寂しくなるとついつい飲んでしまうの……」
大男「家族はいないのか?」
女「うん、幼い頃、父と別れてから、親戚の家を転々として今では一人ぼっち……」
女「父との記憶も全然ないわ。今はどこでどうしてるのか……」
大男「そっか……」
女「うん……」
女「だけど、私一人暮らしだから、寂しくなるとついつい飲んでしまうの……」
大男「家族はいないのか?」
女「うん、幼い頃、父と別れてから、親戚の家を転々として今では一人ぼっち……」
女「父との記憶も全然ないわ。今はどこでどうしてるのか……」
大男「そっか……」
19: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:10:03.242 ID:QN2oVIV60.net
大男「だったら、毎晩うちに来いよ。お安くしてやるぜ」
女「え、でも、お酒飲んだらまた……」
大男「なぁに、うちはソフトドリンクだってあるんだぜ?」
大男「うちでパーって騒いでいきゃ、家に帰っても寂しいってことねえだろ」
女「大男さん……ありがとう……」
女「え、でも、お酒飲んだらまた……」
大男「なぁに、うちはソフトドリンクだってあるんだぜ?」
大男「うちでパーって騒いでいきゃ、家に帰っても寂しいってことねえだろ」
女「大男さん……ありがとう……」
21: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:14:32.441 ID:QN2oVIV60.net
― バー ―
大男「ほら、ウーロン茶だ」
女「…………」グビッ
女「わぁっ、おいしい! これなら酒乱になる心配はないわね!」
手下「もう暴れないで下さいよ~」
女「分かってるってぇ~」
アハハハハ… ウフフフフ…
大男「ほら、ウーロン茶だ」
女「…………」グビッ
女「わぁっ、おいしい! これなら酒乱になる心配はないわね!」
手下「もう暴れないで下さいよ~」
女「分かってるってぇ~」
アハハハハ… ウフフフフ…
22: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:17:01.801 ID:QN2oVIV60.net
酔客「おう、姉ちゃん」
女「は、はい?」
酔客「さっきから見てるけどよ、全然酒飲まねえじゃねえか」
女「私は下戸なので……」
酔客「バーにいるのに、酒飲まねえってのは礼儀違反じゃないのかい?」
酔客「酒飲んで、俺といいことしようぜ~」
女「や、やめて……!」
大男「お客さん」ズイッ
酔客「ひっ!?」
大男「うちの店は下戸でもウェルカムです」パキポキ
酔客「す、すみませんでした……」
女「は、はい?」
酔客「さっきから見てるけどよ、全然酒飲まねえじゃねえか」
女「私は下戸なので……」
酔客「バーにいるのに、酒飲まねえってのは礼儀違反じゃないのかい?」
酔客「酒飲んで、俺といいことしようぜ~」
女「や、やめて……!」
大男「お客さん」ズイッ
酔客「ひっ!?」
大男「うちの店は下戸でもウェルカムです」パキポキ
酔客「す、すみませんでした……」
23: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:19:28.257 ID:QN2oVIV60.net
女「ありがとうございました……」
大男「なに、俺はみんなに楽しく過ごして欲しいだけさ」
女「大男さんって見た目は粗暴そうだけど、中身は誠実なのね」
大男「褒められてるのか、それって……」
女「ご、ごめんなさい!」
女「ところで、大男さんはどうしてこの店を?」
大男「俺は……元々ぼったくりバーで雇われてたんだ」
女「え……」
大男「なに、俺はみんなに楽しく過ごして欲しいだけさ」
女「大男さんって見た目は粗暴そうだけど、中身は誠実なのね」
大男「褒められてるのか、それって……」
女「ご、ごめんなさい!」
女「ところで、大男さんはどうしてこの店を?」
大男「俺は……元々ぼったくりバーで雇われてたんだ」
女「え……」
24: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:22:46.912 ID:QN2oVIV60.net
大男「法外な値段を請求して、俺が出ていって睨みつけるだけで客はみんな金を払っちまう」
大男「だけど、ある日バカらしくなって辞めた」
大男「そして、俺はぼったくりなんかしない、みんなが明るく楽しく飲めるバーを開店することにしたんだ」
女「そうだったんだ……」
女「いつかあなたとも楽しくお酒を酌み交わしたいな」
大男「俺なんかと飲んだって全然面白くないぜ?」
女「そんなことないって」
大男「いずれにせよ、あんたの酒乱が治ってからだな」
女「うふふっ、そうね! 早く治さないと……」
大男「だけど、ある日バカらしくなって辞めた」
大男「そして、俺はぼったくりなんかしない、みんなが明るく楽しく飲めるバーを開店することにしたんだ」
女「そうだったんだ……」
女「いつかあなたとも楽しくお酒を酌み交わしたいな」
大男「俺なんかと飲んだって全然面白くないぜ?」
女「そんなことないって」
大男「いずれにせよ、あんたの酒乱が治ってからだな」
女「うふふっ、そうね! 早く治さないと……」
25: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:25:03.603 ID:QN2oVIV60.net
スタスタ
女「やっと会社終わった! 今日もバーに行こうっと!」
「あの……君……」
女「はい?」
女「やっと会社終わった! 今日もバーに行こうっと!」
「あの……君……」
女「はい?」
26: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:27:01.387 ID:QN2oVIV60.net
紳士「君は……」
女「なにかご用ですか?」
紳士「もしかしたら、君は私の娘ではないのかね?」
女「ええっ!?」
紳士「よろしければ、身分証明できるものを見せ合いたいのだが……」
女「は、はい!」
女「なにかご用ですか?」
紳士「もしかしたら、君は私の娘ではないのかね?」
女「ええっ!?」
紳士「よろしければ、身分証明できるものを見せ合いたいのだが……」
女「は、はい!」
28: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:30:03.539 ID:QN2oVIV60.net
紳士「間違いない……君は私の娘だ」
女「あなたが……お父さん……!」
紳士「会いたかったよ……」
女「私も、私もよ!」
紳士「それではさっそく、私の自宅へ――」
女「あ、できれば先に寄りたいところがあるんだけど……」
紳士「ああ、いいとも」
女「あなたが……お父さん……!」
紳士「会いたかったよ……」
女「私も、私もよ!」
紳士「それではさっそく、私の自宅へ――」
女「あ、できれば先に寄りたいところがあるんだけど……」
紳士「ああ、いいとも」
29: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:33:14.956 ID:QN2oVIV60.net
― バー ―
大男「へぇ~、まさに運命の再会ってやつだな」
女「うん!」
紳士「面影があったから声をかけたのですが、こんなに美しく成長していたとは……」
女「美しいだなんて……」
紳士「どうか、お前を手放してしまったことは許して欲しい」
女「もちろん! また父娘としてやり直しましょう!」
大男「へぇ~、まさに運命の再会ってやつだな」
女「うん!」
紳士「面影があったから声をかけたのですが、こんなに美しく成長していたとは……」
女「美しいだなんて……」
紳士「どうか、お前を手放してしまったことは許して欲しい」
女「もちろん! また父娘としてやり直しましょう!」
30: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:36:25.966 ID:QN2oVIV60.net
女「それじゃ大男さん、今日はこの辺で!」
紳士「後は父子水入らずで過ごさせていただきます」
手下「毎度ー!」
大男「…………」
手下「いやー、よかったですねえ。彼女、親父さんと再会できて」
大男「おい」
手下「はい?」
大男「ちょっと出かけてくるから、店番頼む」
紳士「後は父子水入らずで過ごさせていただきます」
手下「毎度ー!」
大男「…………」
手下「いやー、よかったですねえ。彼女、親父さんと再会できて」
大男「おい」
手下「はい?」
大男「ちょっと出かけてくるから、店番頼む」
31: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:40:32.918 ID:QN2oVIV60.net
― 父の家 ―
紳士「美しく成長したねえ。死んだ母さんにそっくりだ」
女「ありがとう」
紳士「ところで、子供の頃、私と暮らしてた時のことは覚えてるかい?」
女「ごめんなさい……それが全然覚えてないの」
紳士「そうか……どうりで。ならば、好都合だ」
女「え?」
紳士「だって、あの頃のことを覚えてたら、私を見たらすぐ逃げ出すはずだからなァ!!!」
紳士「美しく成長したねえ。死んだ母さんにそっくりだ」
女「ありがとう」
紳士「ところで、子供の頃、私と暮らしてた時のことは覚えてるかい?」
女「ごめんなさい……それが全然覚えてないの」
紳士「そうか……どうりで。ならば、好都合だ」
女「え?」
紳士「だって、あの頃のことを覚えてたら、私を見たらすぐ逃げ出すはずだからなァ!!!」
33: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:43:39.283 ID:QN2oVIV60.net
紳士「ほら、酒を飲め!」グイッ
女「うっ!」ゴボッ
紳士「もっともっとぉ! 酔い潰してやる! あの頃のようになァ!」
女「ガバッ、ゴボッ、ゲボッ!」
紳士「ふひひひひ……! 泥酔した我が子を好き放題するのはこの世で一番の快楽だァ!!!」
女(この光景……思い出した!)
女「うっ!」ゴボッ
紳士「もっともっとぉ! 酔い潰してやる! あの頃のようになァ!」
女「ガバッ、ゴボッ、ゲボッ!」
紳士「ふひひひひ……! 泥酔した我が子を好き放題するのはこの世で一番の快楽だァ!!!」
女(この光景……思い出した!)
34: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:46:47.710 ID:QN2oVIV60.net
女(私は子供の頃、こいつに酒を毎晩無理矢理飲まされて、その後……!)
女(あまりに嫌な思い出だから、今まで封印されてたんだ……!)
紳士「おっ、そのツラ、ようやく思い出したようだな」
紳士「あの時は失敗だった……近所の奴に通報されて、お前と引き離されてしまったからな」
紳士「だが、もう逃がさんぞ! たっぷり可愛がってやる!」
女「や、やめっ……」
紳士「ほら、飲めよぉ! ぐでんぐでんになるまでよォ! そしたらたっぷり楽しんでやるゥ!」
女「ひいいっ……!」
女(あまりに嫌な思い出だから、今まで封印されてたんだ……!)
紳士「おっ、そのツラ、ようやく思い出したようだな」
紳士「あの時は失敗だった……近所の奴に通報されて、お前と引き離されてしまったからな」
紳士「だが、もう逃がさんぞ! たっぷり可愛がってやる!」
女「や、やめっ……」
紳士「ほら、飲めよぉ! ぐでんぐでんになるまでよォ! そしたらたっぷり楽しんでやるゥ!」
女「ひいいっ……!」
35: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:48:35.434 ID:QN2oVIV60.net
ピンポーン…
紳士「!」
女「た、助けて!」
紳士「無駄だ、外にはなにも聞こえねえよ」
紳士「たとえ警察が来たって、あのドアをこじ開けることはできねえ!」
紳士「さあ、酒を飲め! 酔っ払って俺の人形になるんだァァァ!!!」
紳士「!」
女「た、助けて!」
紳士「無駄だ、外にはなにも聞こえねえよ」
紳士「たとえ警察が来たって、あのドアをこじ開けることはできねえ!」
紳士「さあ、酒を飲め! 酔っ払って俺の人形になるんだァァァ!!!」
36: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:51:24.129 ID:QN2oVIV60.net
ガチャガチャ
紳士「?」
メキメキ…
紳士「え?」
女「ドアが力ずくで……」
紳士「バカな! あのドアは頑丈に作ってあるんだ! できるわけが――」
メキメキメキメキメキ… ドカァンッ!!!
紳士「?」
メキメキ…
紳士「え?」
女「ドアが力ずくで……」
紳士「バカな! あのドアは頑丈に作ってあるんだ! できるわけが――」
メキメキメキメキメキ… ドカァンッ!!!
38: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:54:24.936 ID:QN2oVIV60.net
大男「お邪魔するぜ」ズイッ
女「大男さん!」
紳士「お前はさっきの……! どうしてここに!?」
大男「これでも客商売してるんで、人を見る目にゃ自信があるんだよ」
大男「さっきバーで見たお前の目、ありゃ実の娘を愛してる目じゃなかった」
大男「ただの欲情したオスの目だった」
紳士「くっ!」
女「大男さんっ!」ダッ
大男「もう大丈夫だからな」
女「大男さん!」
紳士「お前はさっきの……! どうしてここに!?」
大男「これでも客商売してるんで、人を見る目にゃ自信があるんだよ」
大男「さっきバーで見たお前の目、ありゃ実の娘を愛してる目じゃなかった」
大男「ただの欲情したオスの目だった」
紳士「くっ!」
女「大男さんっ!」ダッ
大男「もう大丈夫だからな」
39: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 22:58:21.390 ID:QN2oVIV60.net
紳士「何しに来やがった! ヒーローを気取ったつもりか!?」
大男「ヒーロー? 俺は代金を請求しに来ただけだ」
大男「この女が欲しかったら……お会計10万円になります」
紳士「ふざけるなっ! なんで実の娘を手に入れるのに金を払わなきゃならんのだ! ぼったくりだ!」
大男「払えないんなら……体で払ってもらうことになりますねえ」パキポキ
紳士「おのれ……!」
大男「ヒーロー? 俺は代金を請求しに来ただけだ」
大男「この女が欲しかったら……お会計10万円になります」
紳士「ふざけるなっ! なんで実の娘を手に入れるのに金を払わなきゃならんのだ! ぼったくりだ!」
大男「払えないんなら……体で払ってもらうことになりますねえ」パキポキ
紳士「おのれ……!」
40: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 23:01:11.305 ID:QN2oVIV60.net
紳士「くそぉぉぉぉぉ!!!」
ガンッ!
大男「…………」
女「きゃっ!」
紳士「このっ! このっ! このぉっ!」
バキッ! ドカッ! ゴッ!
大男「…………」
紳士「び、ビクともしない……」
ガンッ!
大男「…………」
女「きゃっ!」
紳士「このっ! このっ! このぉっ!」
バキッ! ドカッ! ゴッ!
大男「…………」
紳士「び、ビクともしない……」
42: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 23:04:35.212 ID:QN2oVIV60.net
大男「本当は10万発ぐらい殴りたいとこだが――」
紳士「あ、あわわ……」
大男「一発で勘弁しといてやるよ。ただし、とびきり重いヤツをなァ!」
ドゴォッ!!!
紳士「ぎゃばぁぁぁぁぁっ……!」ドサッ…
紳士「あ、あわわ……」
大男「一発で勘弁しといてやるよ。ただし、とびきり重いヤツをなァ!」
ドゴォッ!!!
紳士「ぎゃばぁぁぁぁぁっ……!」ドサッ…
44: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 23:08:07.183 ID:QN2oVIV60.net
大男「ケガはないか?」
女「うん……ありがとう」
女「だけど、せっかく父に再会できたのに……こんな人だったなんて……」グスッ…
大男「…………」
大男「こいつはあんたの父親でもなんでもねえ。ただのクズだ」
大男「きっと今までも大勢の女をここに連れ込んで、ひどい目にあわせてきたんだろう」
大男「通報して、ブタ箱にブチ込んでもらおう。そしたらもう、こんな奴のことは忘れちまえ」
女「うん……」
女「うん……ありがとう」
女「だけど、せっかく父に再会できたのに……こんな人だったなんて……」グスッ…
大男「…………」
大男「こいつはあんたの父親でもなんでもねえ。ただのクズだ」
大男「きっと今までも大勢の女をここに連れ込んで、ひどい目にあわせてきたんだろう」
大男「通報して、ブタ箱にブチ込んでもらおう。そしたらもう、こんな奴のことは忘れちまえ」
女「うん……」
46: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 23:11:21.042 ID:QN2oVIV60.net
― バー ―
大男「さ、飲みな。こういう時は飲むのが一番だ」
女「お酒? でも、また暴れたら……」
大男「暴れたら、俺が止めてやるさ。さ、飲むんだ」
女「うん……いただきます」チビ…
女「…………!」
女「おいしい……」
手下「あれ、酒乱にならない?」
女「どうしてだろ……」
大男「さ、飲みな。こういう時は飲むのが一番だ」
女「お酒? でも、また暴れたら……」
大男「暴れたら、俺が止めてやるさ。さ、飲むんだ」
女「うん……いただきます」チビ…
女「…………!」
女「おいしい……」
手下「あれ、酒乱にならない?」
女「どうしてだろ……」
47: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 23:14:13.914 ID:QN2oVIV60.net
大男「多分……あんたが酒乱になる原因は、さっきのクズ野郎が原因だったんだ」
大男「酒を飲まされると、子供の頃のトラウマがよみがえって暴れちまったんだ」
大男「だが、トラウマの元凶であるあいつはもうぶっ飛ばしてやった。だから――」
女「酒乱も治ったってわけね……」
女「大男さん、本当にありがとう!」
大男「礼をいわれることなんかねえ。俺はただお客に当然のサービスをしただけさ」
大男「酒を飲まされると、子供の頃のトラウマがよみがえって暴れちまったんだ」
大男「だが、トラウマの元凶であるあいつはもうぶっ飛ばしてやった。だから――」
女「酒乱も治ったってわけね……」
女「大男さん、本当にありがとう!」
大男「礼をいわれることなんかねえ。俺はただお客に当然のサービスをしただけさ」
48: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 23:18:21.734 ID:QN2oVIV60.net
女「あ、そうだ!」
大男「ん?」
女「今の私なら、もう酒乱にならないし、あなたとお酒を酌み交わせるじゃない!」
女「ぜひ一緒に飲みましょ!」
大男「あ、いや、俺はまだ仕事中だし――」
女「……お願い」
大男「分かったよ、じゃあ飲ませてもらうよ」
女「それじゃ私たちのこれからの仲を祝って、カンパーイ!」
大男「乾杯!」
ゴクッ ゴクッ
大男「ん?」
女「今の私なら、もう酒乱にならないし、あなたとお酒を酌み交わせるじゃない!」
女「ぜひ一緒に飲みましょ!」
大男「あ、いや、俺はまだ仕事中だし――」
女「……お願い」
大男「分かったよ、じゃあ飲ませてもらうよ」
女「それじゃ私たちのこれからの仲を祝って、カンパーイ!」
大男「乾杯!」
ゴクッ ゴクッ
49: VIPがお送りします 2019/03/06(水) 23:20:15.911 ID:QN2oVIV60.net
女「おいしい! ねえ、大男さ――」
大男「…………」
大男「ボクは大男です! よろしくお願いします!」シャキーンッ
女「あらら……?」
手下「大男さんは酒飲むとこうなっちゃうんですよ。“逆酒乱”とでもいうべきかな」
女「これは……治せるのかなぁ?」
―おわり―
大男「…………」
大男「ボクは大男です! よろしくお願いします!」シャキーンッ
女「あらら……?」
手下「大男さんは酒飲むとこうなっちゃうんですよ。“逆酒乱”とでもいうべきかな」
女「これは……治せるのかなぁ?」
―おわり―