拷問官「吐けぇっ! 吐いちまえ! ――うぷっ」犯人「吐くから吐かないでぇぇぇ!!!」
1: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 21:46:29.432 ID:loCRcva10.net
第一話『プロ拷問官』
刑事「なかなか肝心なところを吐かないな、あの容疑者」
新米「ええ、どうします? あいつだけ捕まえても事件が解決したとはいえませんよ」
刑事「こうなったら拷問官に頼るしかないか」
新米「ご、拷問官!? そんなのがいるんですか!?」
刑事「ああ……日本で唯一のプロ拷問官だ。もちろん秘匿された存在だがな」
新米「いったいどんな拷問を……? 鞭で打ったり、爪ひっぺがしたりとか……?」
刑事「オイオイ、ここは日本だぞ? そんな拷問許されるわけないだろうが」
新米「じゃあ、どうやって……?」
刑事「奴は……相手の体に一切傷をつけることはない。だが、吐かせてしまうのさ」
刑事「なかなか肝心なところを吐かないな、あの容疑者」
新米「ええ、どうします? あいつだけ捕まえても事件が解決したとはいえませんよ」
刑事「こうなったら拷問官に頼るしかないか」
新米「ご、拷問官!? そんなのがいるんですか!?」
刑事「ああ……日本で唯一のプロ拷問官だ。もちろん秘匿された存在だがな」
新米「いったいどんな拷問を……? 鞭で打ったり、爪ひっぺがしたりとか……?」
刑事「オイオイ、ここは日本だぞ? そんな拷問許されるわけないだろうが」
新米「じゃあ、どうやって……?」
刑事「奴は……相手の体に一切傷をつけることはない。だが、吐かせてしまうのさ」
4: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 21:49:40.120 ID:loCRcva10.net
―取調室―
拷問官「これより取り調べを始める。しっかり記録を取っておけよ」
助手娘「はいっ!」
犯人「へっ、なにも吐かないぜ!」
拷問官「吐けっ!」
犯人「吐けで吐いたら、黙秘権なんていらないぜ」
拷問官「吐けぇっ! 吐いちまえ! ……う」
犯人「だから吐かないって……え?」
拷問官「――うぷっ」
犯人「ちょっ!?」
拷問官「ううううっ……! うぷぷぷっ……!」
犯人「やめろバカ! こんなところで……! 吐くから吐かないでぇぇぇ!!!」
拷問官「これより取り調べを始める。しっかり記録を取っておけよ」
助手娘「はいっ!」
犯人「へっ、なにも吐かないぜ!」
拷問官「吐けっ!」
犯人「吐けで吐いたら、黙秘権なんていらないぜ」
拷問官「吐けぇっ! 吐いちまえ! ……う」
犯人「だから吐かないって……え?」
拷問官「――うぷっ」
犯人「ちょっ!?」
拷問官「ううううっ……! うぷぷぷっ……!」
犯人「やめろバカ! こんなところで……! 吐くから吐かないでぇぇぇ!!!」
5: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 21:52:07.646 ID:loCRcva10.net
刑事「……おかげで助かったよ」
拷問官「しぶといのが出たら、いつでも呼んでくれ」
拷問官「さ、行くぞ」
助手娘「はい!」
拷問官「……うっ」オエッ
助手娘「先生?」
拷問官「あれやると、しばらく逆流性食道炎みたいになるんだよなぁ……」
助手娘「胃薬、胃薬!」ゴソゴソ
拷問官「拷問はやる方もツライ、とはよくいったもんだ」
拷問官「しぶといのが出たら、いつでも呼んでくれ」
拷問官「さ、行くぞ」
助手娘「はい!」
拷問官「……うっ」オエッ
助手娘「先生?」
拷問官「あれやると、しばらく逆流性食道炎みたいになるんだよなぁ……」
助手娘「胃薬、胃薬!」ゴソゴソ
拷問官「拷問はやる方もツライ、とはよくいったもんだ」
6: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 21:55:25.338 ID:loCRcva10.net
……
―取調室―
刑事「自分のブログでやってる食レポをけなされたから、お前は被害者を殺したんだ」
新米「そうなんだろう!?」
食通「……ふん」
新米「くっ!」
新米「あの容疑者も、なかなかしぶといですね!」
刑事「うーむ、またしても拷問官に来てもらうしかないか」
―取調室―
刑事「自分のブログでやってる食レポをけなされたから、お前は被害者を殺したんだ」
新米「そうなんだろう!?」
食通「……ふん」
新米「くっ!」
新米「あの容疑者も、なかなかしぶといですね!」
刑事「うーむ、またしても拷問官に来てもらうしかないか」
8: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 21:58:33.648 ID:loCRcva10.net
拷問官「……あんた、ずいぶんな食通らしいな」
拷問官「あんたのやってるブログ、ものすごいアクセス数らしいじゃないか」
助手娘「はい、あたしも読んだことあります! とってもオシャレなブログなんですよ!」
食通「新しいのが来たと思ったら、今度はおだてて吐かせる作戦? 見え透いてるねえ」
食通「弁護士を通じてじゃなきゃ、俺はなんも喋らないよ」
拷問官「食通ってことは、当然うまいものに目がないよな?」
食通「?」
拷問官「そこで今日はこんなものを用意してみた」
拷問官「あんたのやってるブログ、ものすごいアクセス数らしいじゃないか」
助手娘「はい、あたしも読んだことあります! とってもオシャレなブログなんですよ!」
食通「新しいのが来たと思ったら、今度はおだてて吐かせる作戦? 見え透いてるねえ」
食通「弁護士を通じてじゃなきゃ、俺はなんも喋らないよ」
拷問官「食通ってことは、当然うまいものに目がないよな?」
食通「?」
拷問官「そこで今日はこんなものを用意してみた」
9: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:00:33.337 ID:loCRcva10.net
拷問官「……カツ丼だ」
食通「!」
助手娘「わぁっ、おいしそー! 取り調べといったらカツ丼ですもんね!」
拷問官「このカツ丼は俺行きつけの穴場から出前したものでね。あんたも食ったことないはず」
拷問官「食いたいだろ?」
食通「食いたいなら自白しろ、と? バカバカしい!」
拷問官「いやいや、そんなことしたら賄賂みたいなもんになっちまうからな」
拷問官「これは俺が食わせてもらう」
食通(うまそうに食って自白させる作戦か? ……乗るかってんだよ!)
食通「!」
助手娘「わぁっ、おいしそー! 取り調べといったらカツ丼ですもんね!」
拷問官「このカツ丼は俺行きつけの穴場から出前したものでね。あんたも食ったことないはず」
拷問官「食いたいだろ?」
食通「食いたいなら自白しろ、と? バカバカしい!」
拷問官「いやいや、そんなことしたら賄賂みたいなもんになっちまうからな」
拷問官「これは俺が食わせてもらう」
食通(うまそうに食って自白させる作戦か? ……乗るかってんだよ!)
10: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:03:29.381 ID:loCRcva10.net
拷問官「耳塞いでおけよ」
助手娘「はい、先生」サッ
食通「?」
拷問官「じゃ、いただきまーす」
拷問官「クッチャクッチャグッチャクチャクチャクチャグッチャクチャクチャグッチャクチャクチャ」
食通「!?」
拷問官「クッチャクッチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャグッチャグチャクチャクチャニチャクチャクチャ」
食通「うわあああ!?」
助手娘「はい、先生」サッ
食通「?」
拷問官「じゃ、いただきまーす」
拷問官「クッチャクッチャグッチャクチャクチャクチャグッチャクチャクチャグッチャクチャクチャ」
食通「!?」
拷問官「クッチャクッチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャグッチャグチャクチャクチャニチャクチャクチャ」
食通「うわあああ!?」
11: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:06:17.011 ID:loCRcva10.net
クチャグチャグチャグチャクチャクッチャグッチャクッチャクチャクチャクチャクチャチャグッチャグチャニチャニチャグッチャグッチャ
食通「ひいい!?」
クッチャクチャペチャペチャクッチャグチャクッチャクッチャグチャクチャクチャグッチャクチャクチャクチャクチャクチャグッチャグッチャ
食通「や、やめろ……」
グッチャクッチャクッチャグチャグチャクッチャクッチャクチャグッチャグッチャリクチャクッチャクッチャニチャニチャグチュグチュクチャクチャ
食通「やめてくれ……! この音は嫌いなんだ……!」
食通「何もかも喋るから、やめてくれえええええええ……っ!!!」
食通「ひいい!?」
クッチャクチャペチャペチャクッチャグチャクッチャクッチャグチャクチャクチャグッチャクチャクチャクチャクチャクチャグッチャグッチャ
食通「や、やめろ……」
グッチャクッチャクッチャグチャグチャクッチャクッチャクチャグッチャグッチャリクチャクッチャクッチャニチャニチャグチュグチュクチャクチャ
食通「やめてくれ……! この音は嫌いなんだ……!」
食通「何もかも喋るから、やめてくれえええええええ……っ!!!」
12: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:08:43.381 ID:loCRcva10.net
助手娘「お疲れ様でしたー」
拷問官「おう」
拷問官「奴のブログ見てたら、音立てて食事する奴が大嫌いだってのがすぐ分かったからな」
拷問官「責め方もすぐ決まった」
助手娘「耳栓しててもすごかったですもん! 先生のクチャ音」
助手娘「それじゃ、さっきはカツ丼でしたから、今度は天丼です!」コトッ
拷問官「いただきまーす」
拷問官「うん……うまい」モグモグ
拷問官「やっぱり飯は静かに食うに限るな」
おわり
拷問官「おう」
拷問官「奴のブログ見てたら、音立てて食事する奴が大嫌いだってのがすぐ分かったからな」
拷問官「責め方もすぐ決まった」
助手娘「耳栓しててもすごかったですもん! 先生のクチャ音」
助手娘「それじゃ、さっきはカツ丼でしたから、今度は天丼です!」コトッ
拷問官「いただきまーす」
拷問官「うん……うまい」モグモグ
拷問官「やっぱり飯は静かに食うに限るな」
おわり
13: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:12:20.604 ID:loCRcva10.net
第二話『黒歴史ノート』
―取調室―
青年「…………」
拷問官「…………」
助手娘(先生、今日はどう責めるつもりなんだろ?)
拷問官「君のことは少し調べさせてもらったが――」
拷問官「君は中高生の頃、自分で架空のキャラやストーリーの設定を作るのが好きだったらしいな」
青年「だからなに?」
―取調室―
青年「…………」
拷問官「…………」
助手娘(先生、今日はどう責めるつもりなんだろ?)
拷問官「君のことは少し調べさせてもらったが――」
拷問官「君は中高生の頃、自分で架空のキャラやストーリーの設定を作るのが好きだったらしいな」
青年「だからなに?」
14: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:15:11.179 ID:loCRcva10.net
拷問官「それで……ノートにオリジナル設定を書き溜めるのが趣味だったとか」
青年「それがどうしたってんだよ」
拷問官「実はな……」
拷問官「ここに一冊のノートがある」サッ
青年「!!!」
青年「まさか……まさか……!」
拷問官「ふっふっふ……そのまさかさ」
青年「それがどうしたってんだよ」
拷問官「実はな……」
拷問官「ここに一冊のノートがある」サッ
青年「!!!」
青年「まさか……まさか……!」
拷問官「ふっふっふ……そのまさかさ」
15: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:17:17.968 ID:loCRcva10.net
拷問官「ふむふむ……」ペラペラ
拷問官「架空の物語やキャラクターの設定がいっぱい書いてあるな」
拷問官「さて、こいつをどうしてくれようか?」ニヤ…
青年「まさか……読み上げるつもりか!?」
拷問官「ピンポーン」
青年「やめろォ! なんの権利があって――」
拷問官「じゃ、読み上げまーす」
拷問官「架空の物語やキャラクターの設定がいっぱい書いてあるな」
拷問官「さて、こいつをどうしてくれようか?」ニヤ…
青年「まさか……読み上げるつもりか!?」
拷問官「ピンポーン」
青年「やめろォ! なんの権利があって――」
拷問官「じゃ、読み上げまーす」
16: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:20:23.331 ID:loCRcva10.net
拷問官「物語は――産声から始まる」
青年「!」
拷問官「魔炎王フレイムと氷女王アイスンの間に生まれた炎と氷の申し子セキドー」
青年「あああっ……」
拷問官「炎と氷の力を併せ持つセキドーは、やがて竜皇帝の一人娘ミナと恋に落ちる」
拷問官「時を同じくして、宇宙大帝ゼロ=オヴラートが次元の彼方から蘇る」
拷問官「ゼロ=オヴラートに立ち向かえるのは、セキドーとミナの二人だけ」
拷問官「果たして二人の運命は!? ゼロ=オヴラートの唱える≪零計画≫とは一体……!?」
青年「うわああああああああっ……!!!」
青年「!」
拷問官「魔炎王フレイムと氷女王アイスンの間に生まれた炎と氷の申し子セキドー」
青年「あああっ……」
拷問官「炎と氷の力を併せ持つセキドーは、やがて竜皇帝の一人娘ミナと恋に落ちる」
拷問官「時を同じくして、宇宙大帝ゼロ=オヴラートが次元の彼方から蘇る」
拷問官「ゼロ=オヴラートに立ち向かえるのは、セキドーとミナの二人だけ」
拷問官「果たして二人の運命は!? ゼロ=オヴラートの唱える≪零計画≫とは一体……!?」
青年「うわああああああああっ……!!!」
17: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:23:26.515 ID:loCRcva10.net
青年(ってちょっと待てよ?)
青年(セキドーだとか、ゼロなんちゃらだとか、僕書いた記憶がないぞ……?)
拷問官「オリジナルモンスター≪スラーレム≫」
拷問官「HPは3000、攻撃力は1700、防御力300」
拷問官「スライムの軟体とゴーレムの剛力を併せ持つ、A級モンスターである」
青年(スラーレムってなに!?)
拷問官「スラーレムの特殊能力≪軟体回避≫――相手の攻撃を30%の確率で……」
青年「ちょっと待って、ちょっと待って」
拷問官「なんだ」
青年(セキドーだとか、ゼロなんちゃらだとか、僕書いた記憶がないぞ……?)
拷問官「オリジナルモンスター≪スラーレム≫」
拷問官「HPは3000、攻撃力は1700、防御力300」
拷問官「スライムの軟体とゴーレムの剛力を併せ持つ、A級モンスターである」
青年(スラーレムってなに!?)
拷問官「スラーレムの特殊能力≪軟体回避≫――相手の攻撃を30%の確率で……」
青年「ちょっと待って、ちょっと待って」
拷問官「なんだ」
18: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:26:30.845 ID:loCRcva10.net
青年「さっきから読んでるそれ、なんなんだ!?」
拷問官「ああ、これ? これは……俺が書き溜めてきたノートだ」
青年「は?」
拷問官「まだまだたっぷりあるから、是非聞いてってくれよな!」
青年「えええ……」
拷問官「邪悪聖竜ヴァリアブルエクスタシー、HP75000、攻撃力8000、防御力……」
拷問官「私立ホメロス学園で、俊樹と美奈は恋に落ちる……」
拷問官「ネオ江戸で、正義の忍者クロフネは、ジャスティス忍術で悪を成敗……」
青年(ひいいいいっ……! ある意味、自分の黒歴史を披露されるよりキツイ!)
青年「もういい! ギブアップ! 自白するから許して下さいっ!」
拷問官「なんだ、まだ20冊以上あるのに」
青年(冗談じゃねえ!)
拷問官「ああ、これ? これは……俺が書き溜めてきたノートだ」
青年「は?」
拷問官「まだまだたっぷりあるから、是非聞いてってくれよな!」
青年「えええ……」
拷問官「邪悪聖竜ヴァリアブルエクスタシー、HP75000、攻撃力8000、防御力……」
拷問官「私立ホメロス学園で、俊樹と美奈は恋に落ちる……」
拷問官「ネオ江戸で、正義の忍者クロフネは、ジャスティス忍術で悪を成敗……」
青年(ひいいいいっ……! ある意味、自分の黒歴史を披露されるよりキツイ!)
青年「もういい! ギブアップ! 自白するから許して下さいっ!」
拷問官「なんだ、まだ20冊以上あるのに」
青年(冗談じゃねえ!)
19: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:29:30.600 ID:loCRcva10.net
刑事「よく吐かせてくれた。まさかお前の黒歴史ノートで、自白させるとはな……」
拷問官「黒歴史? なにいってんだ?」
刑事「え?」
拷問官「俺は書き溜めたノートを恥ずかしいだなんて思ったことは一度もないぞ」
助手娘「そうです! 先生は今でも自分の考えた設定がアニメ化、ゲーム化することを夢見てるんですから!」
刑事「マジで……?」
拷問官「大マジだよ。今日も帰りにこのノートを、アニメ制作会社に持ち込むつもりだ」
助手娘「今日こそ門前払いされないといいですね!」
刑事(万が一こいつの考えた物語がアニメ化されたら、それこそ凄まじい拷問器具になりそうだ……)
おわり
拷問官「黒歴史? なにいってんだ?」
刑事「え?」
拷問官「俺は書き溜めたノートを恥ずかしいだなんて思ったことは一度もないぞ」
助手娘「そうです! 先生は今でも自分の考えた設定がアニメ化、ゲーム化することを夢見てるんですから!」
刑事「マジで……?」
拷問官「大マジだよ。今日も帰りにこのノートを、アニメ制作会社に持ち込むつもりだ」
助手娘「今日こそ門前払いされないといいですね!」
刑事(万が一こいつの考えた物語がアニメ化されたら、それこそ凄まじい拷問器具になりそうだ……)
おわり
23: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:33:27.172 ID:loCRcva10.net
第三話『お袋の声で』
立てこもり犯「10億円と逃走手段をすぐ用意しろ! でないと人質を撃ち殺す!」ジャキッ
刑事「今回の相手は、あの立てこもり犯だ」
拷問官「俺は拷問官であって、交渉人じゃないんだがな」
刑事「分かってるさ。お得意の拷問術で、奴に少しだけスキを作ってくれればいい」
刑事「そうすれば、近くに潜んでる特殊部隊を突入させられる」
拷問官「仕方ないな……引き受けるよ」
刑事「私に出来ることはあるか?」
拷問官「一つだけ」
立てこもり犯「10億円と逃走手段をすぐ用意しろ! でないと人質を撃ち殺す!」ジャキッ
刑事「今回の相手は、あの立てこもり犯だ」
拷問官「俺は拷問官であって、交渉人じゃないんだがな」
刑事「分かってるさ。お得意の拷問術で、奴に少しだけスキを作ってくれればいい」
刑事「そうすれば、近くに潜んでる特殊部隊を突入させられる」
拷問官「仕方ないな……引き受けるよ」
刑事「私に出来ることはあるか?」
拷問官「一つだけ」
24: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:35:18.008 ID:loCRcva10.net
拷問官「犯人のお袋さんの電話番号を教えてくれ。それくらい調べてるだろ?」
刑事「母親を呼び出すつもりか? 無理だ、犯人の母親は遠方で暮らしている」
刑事「それに情に訴えて通用する犯人では……」
拷問官「いいから。一言でも声を聞ければいいんだ」
刑事「分かった。えぇっと、電話番号は――」
刑事「母親を呼び出すつもりか? 無理だ、犯人の母親は遠方で暮らしている」
刑事「それに情に訴えて通用する犯人では……」
拷問官「いいから。一言でも声を聞ければいいんだ」
刑事「分かった。えぇっと、電話番号は――」
25: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:38:23.294 ID:loCRcva10.net
拷問官「じゃ、始めるか」コホンッ
拷問官「もうやめて! お願いだから!」
立てこもり犯「!?」
立てこもり犯(お袋の声!?)
拷問官「立てこもりなんてやめてええええ! お母さん、泣いちゃうわ!」
立てこもり犯「ふん、やめるか! 大した声真似だが、お袋の声で説得しようとしたって無駄なんだよ!」
立てこもり犯「先にいっとくが、お袋本人に説得されたってやめねえぜ!」
拷問官「…………」
拷問官「もうやめて! お願いだから!」
立てこもり犯「!?」
立てこもり犯(お袋の声!?)
拷問官「立てこもりなんてやめてええええ! お母さん、泣いちゃうわ!」
立てこもり犯「ふん、やめるか! 大した声真似だが、お袋の声で説得しようとしたって無駄なんだよ!」
立てこもり犯「先にいっとくが、お袋本人に説得されたってやめねえぜ!」
拷問官「…………」
26: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:41:16.898 ID:loCRcva10.net
拷問官「……好き」
立てこもり犯「え?」
拷問官「愛してる」
立てこもり犯「ひっ!」ゾクッ…
拷問官「あたし、あんたのこと好きなの……」
拷問官「愛してしまったの……チュッ」
立てこもり犯「うげええええ……」
立てこもり犯「やめろっ! お袋の声で愛の告白なんてやめてくれえええええええ!!!」
立てこもり犯「え?」
拷問官「愛してる」
立てこもり犯「ひっ!」ゾクッ…
拷問官「あたし、あんたのこと好きなの……」
拷問官「愛してしまったの……チュッ」
立てこもり犯「うげええええ……」
立てこもり犯「やめろっ! お袋の声で愛の告白なんてやめてくれえええええええ!!!」
27: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:43:19.196 ID:loCRcva10.net
刑事「よし、今だ! 突入してくれ!」
ダダダダダッ ダダダダダッ
隊員「うおおおおおっ!」
立てこもり犯「し、しまった!」
ドタン! バタン! ドタン! バタン!
隊員「立てこもり犯を確保しましたァ!!!」
ダダダダダッ ダダダダダッ
隊員「うおおおおおっ!」
立てこもり犯「し、しまった!」
ドタン! バタン! ドタン! バタン!
隊員「立てこもり犯を確保しましたァ!!!」
30: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:46:22.503 ID:loCRcva10.net
刑事「……また助けられたな」
拷問官「こういうのはこれっきりにしてくれよな」
刑事「それにしても、まさか声帯模写までできるとはな」
拷問官「大切な人の声で尋問されるってのは、結構ダメージを与えられるからな。当然身につけてる」
刑事「ところで……一つ頼みがあるんだが」
拷問官「?」
刑事「アイドルの○○ちゃんの声で『刑事さん、好き』っていってくれないか?」
拷問官「……お前のお袋さんが聞いたら泣くぞ」
おわり
拷問官「こういうのはこれっきりにしてくれよな」
刑事「それにしても、まさか声帯模写までできるとはな」
拷問官「大切な人の声で尋問されるってのは、結構ダメージを与えられるからな。当然身につけてる」
刑事「ところで……一つ頼みがあるんだが」
拷問官「?」
刑事「アイドルの○○ちゃんの声で『刑事さん、好き』っていってくれないか?」
拷問官「……お前のお袋さんが聞いたら泣くぞ」
おわり
32: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:50:25.911 ID:loCRcva10.net
第四話『虫の居所が悪い日』
―取調室―
女「ふん、吐かないわよ!」
拷問官「……くっ! なんてしぶとい女だ!」
拷問官「これは長期戦になる! 助手、お茶持ってこい!」
助手娘「はいっ!」
―取調室―
女「ふん、吐かないわよ!」
拷問官「……くっ! なんてしぶとい女だ!」
拷問官「これは長期戦になる! 助手、お茶持ってこい!」
助手娘「はいっ!」
33: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:53:31.962 ID:loCRcva10.net
拷問官「…………」イライラ
助手娘「お茶です」コトッ
拷問官「遅いぞ、バカ!」
助手娘「すみません……」
拷問官「俺はとろい奴が嫌いなんだ……」グビッ
拷問官「ぶっ!」
拷問官「なんだ、このぬるさは!? お前、まともに茶も入れられねえのか!?」
助手娘「いえ、そんな……」
拷問官「俺はお湯を沸騰させたぐらいのが好きなんだよ! 今すぐ入れ直してこい!」
助手娘「はいっ!」
助手娘「お茶です」コトッ
拷問官「遅いぞ、バカ!」
助手娘「すみません……」
拷問官「俺はとろい奴が嫌いなんだ……」グビッ
拷問官「ぶっ!」
拷問官「なんだ、このぬるさは!? お前、まともに茶も入れられねえのか!?」
助手娘「いえ、そんな……」
拷問官「俺はお湯を沸騰させたぐらいのが好きなんだよ! 今すぐ入れ直してこい!」
助手娘「はいっ!」
34: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:56:34.151 ID:loCRcva10.net
助手娘「入れ直してきました!」
拷問官「ったく……」グビッ
拷問官「ぶっ!」
拷問官「あっちーよ、バカ! 俺をヤケドさせる気かァ!? 口内炎できたらどうすんだァ!?」
助手娘「さっき、沸騰したのが好きだって……」
拷問官「たとえ話だっつうの! 普通少し冷ましてから持ってくるもんだろがよ!」
助手娘「じゃあ、また入れ直して……」
拷問官「もういいよ! いらねえよ!」
拷問官「ったく……」グビッ
拷問官「ぶっ!」
拷問官「あっちーよ、バカ! 俺をヤケドさせる気かァ!? 口内炎できたらどうすんだァ!?」
助手娘「さっき、沸騰したのが好きだって……」
拷問官「たとえ話だっつうの! 普通少し冷ましてから持ってくるもんだろがよ!」
助手娘「じゃあ、また入れ直して……」
拷問官「もういいよ! いらねえよ!」
35: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 22:59:16.351 ID:loCRcva10.net
拷問官「そもそも、この女が吐かないのも、全部お前が悪いんだ!」
助手娘「そんな……」
拷問官「クズ! カス! ゴミ! 使えねーんだよ、このバカ女!」
助手娘「ひ、ひどい……」
拷問官「ひどい? ひどいのはお前のツラだろうが、このボケェ!!!」
女「…………」プルプル…
助手娘「そんな……」
拷問官「クズ! カス! ゴミ! 使えねーんだよ、このバカ女!」
助手娘「ひ、ひどい……」
拷問官「ひどい? ひどいのはお前のツラだろうが、このボケェ!!!」
女「…………」プルプル…
37: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:03:06.035 ID:loCRcva10.net
女「もうやめてっ!」
拷問官「!」
女「もうパワハラをやめてぇっ!!!」
拷問官「…………」
拷問官「ってことは、やはり……?」
女「ええ、そうよ……私がやったのよ」
女「上司のパワハラに耐えかねて、殺してしまったのよ……」
女「うっ、うっ、うっ……」
拷問官「よく打ち明けてくれた、スッキリしただろ」
女「…………」コクッ
拷問官「……後は刑事たちに任せよう」
助手娘「……はい」
拷問官「!」
女「もうパワハラをやめてぇっ!!!」
拷問官「…………」
拷問官「ってことは、やはり……?」
女「ええ、そうよ……私がやったのよ」
女「上司のパワハラに耐えかねて、殺してしまったのよ……」
女「うっ、うっ、うっ……」
拷問官「よく打ち明けてくれた、スッキリしただろ」
女「…………」コクッ
拷問官「……後は刑事たちに任せよう」
助手娘「……はい」
38: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:05:10.194 ID:loCRcva10.net
拷問官「さっきはすまなかったな。吐かせるためとはいえ、罵詈雑言浴びせちまって」
助手娘「いえいえ」
助手娘「それに、先生にパワハラされるのって……結構快感でしたから」
拷問官「おいおい……」
おわり
助手娘「いえいえ」
助手娘「それに、先生にパワハラされるのって……結構快感でしたから」
拷問官「おいおい……」
おわり
39: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:10:14.452 ID:loCRcva10.net
第五話『拷問官の敗北』
刑事「今日はこの容疑者を何とか自白させてもらいたい」
拷問官「分かった」
刑事「いったいどう責めるつもりなんだ?」
拷問官「それは容疑者のデータを見てからだ。少し時間をくれ」
刑事「今日はこの容疑者を何とか自白させてもらいたい」
拷問官「分かった」
刑事「いったいどう責めるつもりなんだ?」
拷問官「それは容疑者のデータを見てからだ。少し時間をくれ」
40: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:13:36.756 ID:loCRcva10.net
拷問官「ふむふむ……」ジーッ
新米「我々よりも熟読してますね……」
刑事「当然だろうな。相手を傷つけず自発的に喋らせるってのは生半可な難易度じゃない」
刑事「取り調べの可視化も進む昨今、入念な下準備があって、初めて成し遂げられるんだからな」
新米「行き当たりばったりにやってると思ってましたが、全て計算されたものなんですね」
助手娘(真剣な先生の横顔……素敵だなぁ)
新米「我々よりも熟読してますね……」
刑事「当然だろうな。相手を傷つけず自発的に喋らせるってのは生半可な難易度じゃない」
刑事「取り調べの可視化も進む昨今、入念な下準備があって、初めて成し遂げられるんだからな」
新米「行き当たりばったりにやってると思ってましたが、全て計算されたものなんですね」
助手娘(真剣な先生の横顔……素敵だなぁ)
41: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:16:02.520 ID:loCRcva10.net
拷問官「――よし、責め方は決まった。この方法なら確実に吐かせることができる」
拷問官「取調室に行くぞ!」
助手娘「はいっ!」
刑事「お、ついに始まるか」
新米「今日はいったいどんな拷問を見られるんだろう……?」
拷問官「取調室に行くぞ!」
助手娘「はいっ!」
刑事「お、ついに始まるか」
新米「今日はいったいどんな拷問を見られるんだろう……?」
43: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:18:32.087 ID:loCRcva10.net
―取調室―
拷問官「さて、と……取り調べを始めさせてもらう」
男「……あの」
拷問官「どうした?」
男「ずっと考えてたんですけど、やっと自白する決心がつきました!」
拷問官「……え?」
男「さっそく、犯行の手口から……」
拷問官「ちょっと待ってくれ! せっかくこっちも色々と考えてきたのに……」
助手娘「先生、こらえて!」ガシッ
拷問官「まだ自白しないでぇぇぇ……!」
男「…………?」
拷問官「さて、と……取り調べを始めさせてもらう」
男「……あの」
拷問官「どうした?」
男「ずっと考えてたんですけど、やっと自白する決心がつきました!」
拷問官「……え?」
男「さっそく、犯行の手口から……」
拷問官「ちょっと待ってくれ! せっかくこっちも色々と考えてきたのに……」
助手娘「先生、こらえて!」ガシッ
拷問官「まだ自白しないでぇぇぇ……!」
男「…………?」
45: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:21:27.718 ID:loCRcva10.net
拷問官「ふぅ……」
助手娘「落ち込まないで下さい、先生! 次がありますって!」
新米「事件は迷宮入りにならずに済みそうですけど、あの人の心はしばらく迷宮入りっぽいですね」
刑事「拷問官にとって、初めての敗北かもしれんな……」
おわり
助手娘「落ち込まないで下さい、先生! 次がありますって!」
新米「事件は迷宮入りにならずに済みそうですけど、あの人の心はしばらく迷宮入りっぽいですね」
刑事「拷問官にとって、初めての敗北かもしれんな……」
おわり
46: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:26:05.368 ID:loCRcva10.net
第六話『VSゲーマー』
刑事「今日自白させて欲しい容疑者は、ゲーマーだ」
拷問官「ゲーマーね……。つまり、ゲームが得意ってことか」
拷問官「となると、責め方もゲームを用いた方法にするべきだろうな」
助手娘「ゲームを用いた方法……ですか」
助手娘「大音量でゲームをしたりとか? 怖いゲームをプレイしたりとか?」
拷問官「甘いな……」チッチッチッ
拷問官「俺が考えてる方法はもっとすごい方法だ」
刑事「今日自白させて欲しい容疑者は、ゲーマーだ」
拷問官「ゲーマーね……。つまり、ゲームが得意ってことか」
拷問官「となると、責め方もゲームを用いた方法にするべきだろうな」
助手娘「ゲームを用いた方法……ですか」
助手娘「大音量でゲームをしたりとか? 怖いゲームをプレイしたりとか?」
拷問官「甘いな……」チッチッチッ
拷問官「俺が考えてる方法はもっとすごい方法だ」
47: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:29:35.072 ID:loCRcva10.net
拷問官「奴の一番好きなゲームは?」
刑事「『セブンアドベンチャー』ってゲームだ。スピードクリアの世界記録も持ってるとか」
助手娘「知ってます! 大人気のアクションRPGですよね!」
拷問官「どんなストーリーなんだ?」
助手娘「えぇっと、凄腕の冒険者が七つのお宝を集めつつ、ヒロインの死や大災害などを乗り越え」
助手娘「最終的には竜魔王を倒し、世界を救うというお話です!」
拷問官「オーソドックスな冒険譚って感じか」
刑事「ちなみに、ゲーマーはこのゲームのヒロインが大のお気に入りだそうだ」
拷問官「…………」ピクッ
拷問官「よし、取り調べを始めよう」
刑事「『セブンアドベンチャー』ってゲームだ。スピードクリアの世界記録も持ってるとか」
助手娘「知ってます! 大人気のアクションRPGですよね!」
拷問官「どんなストーリーなんだ?」
助手娘「えぇっと、凄腕の冒険者が七つのお宝を集めつつ、ヒロインの死や大災害などを乗り越え」
助手娘「最終的には竜魔王を倒し、世界を救うというお話です!」
拷問官「オーソドックスな冒険譚って感じか」
刑事「ちなみに、ゲーマーはこのゲームのヒロインが大のお気に入りだそうだ」
拷問官「…………」ピクッ
拷問官「よし、取り調べを始めよう」
48: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:32:34.417 ID:loCRcva10.net
―取調室―
ゲーマー「なんで、テレビゲームなんて持ち込んでるの?」
拷問官「今から俺がこのゲームをプレイするからだ」
ゲーマー「あっ、それは……!」
拷問官「そう、ご存じ『セブンアドベンチャー』だ。これからお前の目の前でプレイさせてもらう」
拷問官「いっとくけど、アドバイスするんじゃないぞ。自力でクリアしたいからな」
ゲーマー「誰がするかよ」
ゲーマー「なんで、テレビゲームなんて持ち込んでるの?」
拷問官「今から俺がこのゲームをプレイするからだ」
ゲーマー「あっ、それは……!」
拷問官「そう、ご存じ『セブンアドベンチャー』だ。これからお前の目の前でプレイさせてもらう」
拷問官「いっとくけど、アドバイスするんじゃないぞ。自力でクリアしたいからな」
ゲーマー「誰がするかよ」
49: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:34:26.152 ID:loCRcva10.net
拷問官「…………」カチカチッ
拷問官「お、最初のボスだ」
助手娘「こいつはちゃちゃっと片づけちゃいましょう!」
拷問官「ああ、分かってる。なかなかかっこいいBGMだな」カチカチッ
ゲーマー(取り調べ中にゲームだなんて、なに考えてんだこいつ……?)
拷問官「お、最初のボスだ」
助手娘「こいつはちゃちゃっと片づけちゃいましょう!」
拷問官「ああ、分かってる。なかなかかっこいいBGMだな」カチカチッ
ゲーマー(取り調べ中にゲームだなんて、なに考えてんだこいつ……?)
50: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:38:49.648 ID:loCRcva10.net
ズガガーンッ
拷問官「またゲームオーバーかよ! こいつ、つええ!」
助手娘「頑張って下さい!」
拷問官「もちろんだ。こんな最初のボス如きでつまずいてたまるか!」カチカチッ
ズガガーンッ
拷問官「またやられた! なんで!?」
助手娘「先生、防御しないと防御!」
拷問官「防御ってどうやるんだっけ?」
助手娘「このボタンを押すんです!」
ゲーマー(なんでこんなチュートリアル戦闘で手こずってんだよ!)
ゲーマー(ゲーム中でされてる説明を全く読んでねえのか!?)
拷問官「またゲームオーバーかよ! こいつ、つええ!」
助手娘「頑張って下さい!」
拷問官「もちろんだ。こんな最初のボス如きでつまずいてたまるか!」カチカチッ
ズガガーンッ
拷問官「またやられた! なんで!?」
助手娘「先生、防御しないと防御!」
拷問官「防御ってどうやるんだっけ?」
助手娘「このボタンを押すんです!」
ゲーマー(なんでこんなチュートリアル戦闘で手こずってんだよ!)
ゲーマー(ゲーム中でされてる説明を全く読んでねえのか!?)
51: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:41:34.334 ID:loCRcva10.net
ズガガーンッ
拷問官「今ジャンプしただろォ!? ボタン押したってぇ!」カチカチッ
助手娘「先生、お茶をどうぞ」
拷問官「……ありがと」グビッ
拷問官「コントローラーが悪いんじゃないかな……新しいの買ってこようかな」
助手娘「これも新しいらしいですよ」
拷問官「マジで!? ってことは不良品か……?」
助手娘「さっきあたしがプレイした時は、特に異常はありませんでしたけど」
ゲーマー(とうとう道具のせいにし始めたぞ、こいつ……)
拷問官「今ジャンプしただろォ!? ボタン押したってぇ!」カチカチッ
助手娘「先生、お茶をどうぞ」
拷問官「……ありがと」グビッ
拷問官「コントローラーが悪いんじゃないかな……新しいの買ってこようかな」
助手娘「これも新しいらしいですよ」
拷問官「マジで!? ってことは不良品か……?」
助手娘「さっきあたしがプレイした時は、特に異常はありませんでしたけど」
ゲーマー(とうとう道具のせいにし始めたぞ、こいつ……)
52: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:44:57.351 ID:loCRcva10.net
拷問官「よし、もう一回……」
助手娘「次こそ勝てますよ!」
ゲーマー「もうやめてくれえええええ!!!」
拷問官「!」
ゲーマー「こんなド下手なプレイを見続けるくらいなら、とっとと白状した方がマシだ!」
拷問官「分かった……じゃあ通常の取り調べに戻ろうか」
助手娘(そうか、これを狙ってわざと下手くそなプレイをしてたんですね!)
助手娘「次こそ勝てますよ!」
ゲーマー「もうやめてくれえええええ!!!」
拷問官「!」
ゲーマー「こんなド下手なプレイを見続けるくらいなら、とっとと白状した方がマシだ!」
拷問官「分かった……じゃあ通常の取り調べに戻ろうか」
助手娘(そうか、これを狙ってわざと下手くそなプレイをしてたんですね!)
53: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:48:00.550 ID:loCRcva10.net
拷問官「…………」カチカチッ
助手娘「仕事は終わったのにまだプレイしてるんですか?」
拷問官「…………」カチカチッ
拷問官(本当は……ゲームを中盤ぐらいまでさっくり進めて)
拷問官(ヒロインが死ぬシーンを何度も見せるって拷問をやろうとしたんだけどなぁ……)
おわり
助手娘「仕事は終わったのにまだプレイしてるんですか?」
拷問官「…………」カチカチッ
拷問官(本当は……ゲームを中盤ぐらいまでさっくり進めて)
拷問官(ヒロインが死ぬシーンを何度も見せるって拷問をやろうとしたんだけどなぁ……)
おわり
55: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:51:24.327 ID:loCRcva10.net
第七話『冥土拷問』
メイド助手娘「ど、どうですかね?」ヒラヒラ
刑事「お~、似合ってるよ!」
新米「うん、可愛い!」
メイド助手娘「ありがとうございます!」
メイド助手娘「先生、いかがですか? メイド服姿のあたしは……」
拷問官「うん、バッチリだ」
メイド助手娘「ホントですか!」
拷問官「田舎のメイド喫茶にいそう」
メイド助手娘「それ、どういう意味ですか!」
メイド助手娘「ど、どうですかね?」ヒラヒラ
刑事「お~、似合ってるよ!」
新米「うん、可愛い!」
メイド助手娘「ありがとうございます!」
メイド助手娘「先生、いかがですか? メイド服姿のあたしは……」
拷問官「うん、バッチリだ」
メイド助手娘「ホントですか!」
拷問官「田舎のメイド喫茶にいそう」
メイド助手娘「それ、どういう意味ですか!」
56: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:53:50.891 ID:loCRcva10.net
―取調室―
メイド助手娘「いらっしゃいませ、ご主人様!」
キモオタ「…………!」
キモオタ「萌え~!」
キモオタ「いいねぇ~! メイド服に着られちゃってる感があるけど、それがまたいい!」
メイド助手娘「あ、ありがとうございます……」
キモオタ「じゃあさじゃあさ、リクエストに応えてくれない?」
メイド助手娘「なにをすればいいでしょう、ご主人様?」
メイド助手娘「いらっしゃいませ、ご主人様!」
キモオタ「…………!」
キモオタ「萌え~!」
キモオタ「いいねぇ~! メイド服に着られちゃってる感があるけど、それがまたいい!」
メイド助手娘「あ、ありがとうございます……」
キモオタ「じゃあさじゃあさ、リクエストに応えてくれない?」
メイド助手娘「なにをすればいいでしょう、ご主人様?」
57: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:57:08.132 ID:loCRcva10.net
キモオタ「両手でハートマークを作って……こっちに向けて!」
メイド助手娘「は、はい!」
メイド助手娘「こう……ですか?」サッ
キモオタ「いいよいいよー! もう最高!」
刑事「…………」
メイド助手娘「は、はい!」
メイド助手娘「こう……ですか?」サッ
キモオタ「いいよいいよー! もう最高!」
刑事「…………」
58: VIPがお送りします 2019/03/04(月) 23:59:19.061 ID:loCRcva10.net
刑事「……なぁ」
刑事「これのどこが拷問なんだ? ただ喜ばせてるだけじゃないか」
メイド拷問官「ここで俺の出番ってわけだ」ヒラヒラ
刑事「え゛」
刑事「お前、なんて格好してやがる!」
メイド拷問官「今あのキモオタは、メイドに扮した助手を見て、舞い上がってる」
メイド拷問官「そこへ俺が登場したらどうなる?」
刑事「天国から地獄だな……」
メイド拷問官「そういうことだ。あのキモオタを文字通り冥土に叩き落としてやるよ」
刑事「これのどこが拷問なんだ? ただ喜ばせてるだけじゃないか」
メイド拷問官「ここで俺の出番ってわけだ」ヒラヒラ
刑事「え゛」
刑事「お前、なんて格好してやがる!」
メイド拷問官「今あのキモオタは、メイドに扮した助手を見て、舞い上がってる」
メイド拷問官「そこへ俺が登場したらどうなる?」
刑事「天国から地獄だな……」
メイド拷問官「そういうことだ。あのキモオタを文字通り冥土に叩き落としてやるよ」
59: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:03:12.754 ID:Yn9C7jNG0.net
メイド助手娘「それじゃあたしはこれで……」
キモオタ「ええっ、もう行っちゃうの……?」
メイド助手娘「代わりに他のメイドが来ますから!」
キモオタ「ふうん、なら仕方ないか」
……
メイド拷問官「どうも~! 新しいメイドでーっす!」ガチャッ
キモオタ「!?」
メイド拷問官「吐いて下さいませ、ご主人様!」フリフリ
キモオタ「あ、あわわわ……」
キモオタ「ええっ、もう行っちゃうの……?」
メイド助手娘「代わりに他のメイドが来ますから!」
キモオタ「ふうん、なら仕方ないか」
……
メイド拷問官「どうも~! 新しいメイドでーっす!」ガチャッ
キモオタ「!?」
メイド拷問官「吐いて下さいませ、ご主人様!」フリフリ
キモオタ「あ、あわわわ……」
60: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:05:07.081 ID:Yn9C7jNG0.net
キモオタ「萌え~~~~~~~~~~!!!!!」
メイド拷問官「!?」
メイド拷問官「!?」
61: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:08:20.207 ID:Yn9C7jNG0.net
キモオタ「なんて斬新なメイドなんだ!」ガバッ
メイド拷問官「ちょっ、やめろ! こんなスネ毛の生えたメイドいるか!?」
キモオタ「そこがいいんじゃないか! 君のためなら今度の犯行を全部自供するよ!」
メイド拷問官「自供するのはいいけど……おい、やめろ! 抱きつくなァ!」
メイド助手娘「ひええ……取調室がすごいことになってます!」
刑事「……二人揃って冥土にでも旅立ってくれ」
おわり
メイド拷問官「ちょっ、やめろ! こんなスネ毛の生えたメイドいるか!?」
キモオタ「そこがいいんじゃないか! 君のためなら今度の犯行を全部自供するよ!」
メイド拷問官「自供するのはいいけど……おい、やめろ! 抱きつくなァ!」
メイド助手娘「ひええ……取調室がすごいことになってます!」
刑事「……二人揃って冥土にでも旅立ってくれ」
おわり
62: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:12:19.601 ID:Yn9C7jNG0.net
第八話『助手の戦い』
―取調室―
拷問官「……やるな」
頑固男「…………」ムスッ
拷問官(久しぶりに手強い相手だ……他の手を考える必要があるな)
拷問官「ちょっと休憩してくる。しばらくこいつの相手しててくれ」
助手娘「分かりました!」
―取調室―
拷問官「……やるな」
頑固男「…………」ムスッ
拷問官(久しぶりに手強い相手だ……他の手を考える必要があるな)
拷問官「ちょっと休憩してくる。しばらくこいつの相手しててくれ」
助手娘「分かりました!」
63: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:14:11.214 ID:Yn9C7jNG0.net
頑固男「…………」
助手娘「…………」
助手娘(どうしよう、二人きりになっちゃって……うーん……)
助手娘「あのー、肩でも揉みましょうか?」
頑固男「いらねえ」
助手娘「ですよね……ア、ハハ……」
頑固男「…………」
助手娘「…………」
助手娘(どうしよう、二人きりになっちゃって……うーん……)
助手娘「あのー、肩でも揉みましょうか?」
頑固男「いらねえ」
助手娘「ですよね……ア、ハハ……」
頑固男「…………」
64: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:17:19.789 ID:Yn9C7jNG0.net
頑固男「あんたはさっき出てった男のなんだ? 恋人か?」
助手娘「いえいえいえ、違います! ただの助手です、助手!」
助手娘「あ、でも、いつかは……だなんて思ってますけど」
助手娘「あーっ! 今の内緒! ナイショにして下さいね!」
頑固男「……喋らねえよ」
助手娘「よかった……あなたが口が固い人で」ホッ
助手娘「あ、でも口が固い人だから先生は苦戦してるのか。うーん、難しい……」
頑固男(ったく、おかしな娘だ……)
助手娘「いえいえいえ、違います! ただの助手です、助手!」
助手娘「あ、でも、いつかは……だなんて思ってますけど」
助手娘「あーっ! 今の内緒! ナイショにして下さいね!」
頑固男「……喋らねえよ」
助手娘「よかった……あなたが口が固い人で」ホッ
助手娘「あ、でも口が固い人だから先生は苦戦してるのか。うーん、難しい……」
頑固男(ったく、おかしな娘だ……)
65: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:20:20.177 ID:Yn9C7jNG0.net
頑固男「しかし、なんでまたあんた、さっきの男の助手に?」
助手娘「あたし、昔先生に助けられたことがあるんです」
頑固男「ほう?」
助手娘「あたし、悪い人に財布を盗まれて、追いかけて問い詰めたんですけど――」
『あたしの財布、返して下さい!』
『俺が財布を盗んだ? なんか証拠あんの? ないだろ? 証拠もないのに決めつけんなよォ~』
助手娘「こんな具合に開き直られてしまって……」
頑固男「ふん……俺がいえた義理じゃねえが、悪い奴もいたもんだな」
助手娘「そこへ先生が現れたんです」
助手娘「あたし、昔先生に助けられたことがあるんです」
頑固男「ほう?」
助手娘「あたし、悪い人に財布を盗まれて、追いかけて問い詰めたんですけど――」
『あたしの財布、返して下さい!』
『俺が財布を盗んだ? なんか証拠あんの? ないだろ? 証拠もないのに決めつけんなよォ~』
助手娘「こんな具合に開き直られてしまって……」
頑固男「ふん……俺がいえた義理じゃねえが、悪い奴もいたもんだな」
助手娘「そこへ先生が現れたんです」
66: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:23:13.658 ID:Yn9C7jNG0.net
助手娘「先生は一部始終を見ていたんでしょうね」
助手娘「すぐさまその悪い人から自白を引き出して、財布を取り戻してくれたんです」
『ありがとうございました! あの、あなたは……?』
『通りすがりの拷問官さ』
助手娘「さっそうと去っていった先生の姿に憧れて……あたしは先生の助手になったんです」
頑固男「ふうん……」
頑固男「あんた、不思議な子だな」
助手娘「あ、それミステリアスってことですか?」
頑固男「いや、単純にわけ分からん子だなってことさ」
助手娘「あらら……」
助手娘「すぐさまその悪い人から自白を引き出して、財布を取り戻してくれたんです」
『ありがとうございました! あの、あなたは……?』
『通りすがりの拷問官さ』
助手娘「さっそうと去っていった先生の姿に憧れて……あたしは先生の助手になったんです」
頑固男「ふうん……」
頑固男「あんた、不思議な子だな」
助手娘「あ、それミステリアスってことですか?」
頑固男「いや、単純にわけ分からん子だなってことさ」
助手娘「あらら……」
67: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:27:08.748 ID:Yn9C7jNG0.net
頑固男「ちょっと……肩揉んでくれねえか」
助手娘「はいっ!」モミモミ…
頑固男「ありがとよ」
頑固男「俺も昔結婚してて、別れた娘がちょうどあんたぐらいの年頃のはずだ」
助手娘「へぇ~、だったら会いに行きましょうよ!」
頑固男「いや俺、今まさに警察に捕まってるんだけど」
助手娘「あ、そうでした……」
頑固男「……ククッ」
頑固男「アハハハハハッ! おもしれえ娘だな、ホント!」
助手娘「ありがとうございます!」
頑固男「褒めてねえって」
助手娘「はいっ!」モミモミ…
頑固男「ありがとよ」
頑固男「俺も昔結婚してて、別れた娘がちょうどあんたぐらいの年頃のはずだ」
助手娘「へぇ~、だったら会いに行きましょうよ!」
頑固男「いや俺、今まさに警察に捕まってるんだけど」
助手娘「あ、そうでした……」
頑固男「……ククッ」
頑固男「アハハハハハッ! おもしれえ娘だな、ホント!」
助手娘「ありがとうございます!」
頑固男「褒めてねえって」
68: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:29:12.525 ID:Yn9C7jNG0.net
頑固男「……おう、娘さん」
助手娘「なんでしょう?」
頑固男「さっきの男か他の刑事を呼んできてくれ」
助手娘「へ、どうしてです?」
頑固男「なんか、全部吐き出したくなっちまったのさ。あんたと話してたらな」
助手娘「……はい! すぐ呼んできます!」
助手娘「なんでしょう?」
頑固男「さっきの男か他の刑事を呼んできてくれ」
助手娘「へ、どうしてです?」
頑固男「なんか、全部吐き出したくなっちまったのさ。あんたと話してたらな」
助手娘「……はい! すぐ呼んできます!」
69: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:32:09.873 ID:Yn9C7jNG0.net
拷問官「まさか、お前が奴を自供させるとはな! やるじゃんか!」
助手娘「向こうから話してくれただけなんですけど……」
拷問官「そんな奴じゃなかったろ、いったいどんな手を使ったんだよぉ~」
助手娘「いえ、あたしは普通にしてただけで……」
拷問官「いやいや、きっと俺も知らない拷問奥義を開眼したんじゃ?」
助手娘「本当ですってば~」
おわり
助手娘「向こうから話してくれただけなんですけど……」
拷問官「そんな奴じゃなかったろ、いったいどんな手を使ったんだよぉ~」
助手娘「いえ、あたしは普通にしてただけで……」
拷問官「いやいや、きっと俺も知らない拷問奥義を開眼したんじゃ?」
助手娘「本当ですってば~」
おわり
72: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:36:58.541 ID:Yn9C7jNG0.net
第九話『鞭を振るう時』
スタスタ…
拷問官「今日もいっぱい吐かせたな~」
助手娘「はい、お見事でした!」
拷問官「よかったら、どこかでメシ食うか? おごってやるよ」
助手娘「いいんですか、やったぁ!」
コソッ…
スタスタ…
拷問官「今日もいっぱい吐かせたな~」
助手娘「はい、お見事でした!」
拷問官「よかったら、どこかでメシ食うか? おごってやるよ」
助手娘「いいんですか、やったぁ!」
コソッ…
73: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:38:56.015 ID:Yn9C7jNG0.net
――ガシィッ!
助手娘「きゃっ!?」
元囚人「へっへっへ……」
拷問官「!?」
元囚人「おっとぉ、動くなよ! こいつのツラに傷がついちまうぜ?」ギラッ
助手娘「ひっ……!」
拷問官「お前は……!」
元囚人「覚えててくれたようだな」
助手娘「きゃっ!?」
元囚人「へっへっへ……」
拷問官「!?」
元囚人「おっとぉ、動くなよ! こいつのツラに傷がついちまうぜ?」ギラッ
助手娘「ひっ……!」
拷問官「お前は……!」
元囚人「覚えててくれたようだな」
74: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:41:28.268 ID:Yn9C7jNG0.net
元囚人「俺はあんたのせいで全部ゲロっちまって、三年もブタ箱に入るはめになった……」
元囚人「今こそその復讐をしてやるぜ!」
拷問官「復讐するなら俺をやれ。助手を放せ!」
元囚人「放さねえよ……こいつは利用価値がありそうだからな」
元囚人「なんだったら、あんたの目の前でこいつを傷つけるのが一番の復讐になるんじゃねえか?」
助手娘「先生、逃げて! あたしはどうなってもいいから!」
元囚人「大人しくしてろ!」グイッ
助手娘「あうっ!」
拷問官「…………」
元囚人「今こそその復讐をしてやるぜ!」
拷問官「復讐するなら俺をやれ。助手を放せ!」
元囚人「放さねえよ……こいつは利用価値がありそうだからな」
元囚人「なんだったら、あんたの目の前でこいつを傷つけるのが一番の復讐になるんじゃねえか?」
助手娘「先生、逃げて! あたしはどうなってもいいから!」
元囚人「大人しくしてろ!」グイッ
助手娘「あうっ!」
拷問官「…………」
75: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:44:23.548 ID:Yn9C7jNG0.net
拷問官「放すつもりはないのか?」
元囚人「ねえよ!」
拷問官「なら……これを使うしかないか」ヒュルンッ
元囚人「!?」
元囚人「なんだありゃ、鞭……!?」
助手娘(先生が鞭を……!? はじめて見た……!)
拷問官「いくぞ」ヒュルルルンッ
ヒュバァンッ! ヒュババァンッ!
元囚人「う!?」
元囚人(なんて鞭捌きだ! やべえ、あんなのでブッ叩かれたら……!)
元囚人「ねえよ!」
拷問官「なら……これを使うしかないか」ヒュルンッ
元囚人「!?」
元囚人「なんだありゃ、鞭……!?」
助手娘(先生が鞭を……!? はじめて見た……!)
拷問官「いくぞ」ヒュルルルンッ
ヒュバァンッ! ヒュババァンッ!
元囚人「う!?」
元囚人(なんて鞭捌きだ! やべえ、あんなのでブッ叩かれたら……!)
76: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:47:15.690 ID:Yn9C7jNG0.net
拷問官「はっ!」
バチィッ!!!
元囚人「ひえっ!」
元囚人「…………」
元囚人「…………?」
元囚人(あれ……痛くない……?)
拷問官「…………」ブシュッ…
元囚人「――え!?」
元囚人(こいつ、自分で自分を叩きやがった!)
助手娘「先生!?」
バチィッ!!!
元囚人「ひえっ!」
元囚人「…………」
元囚人「…………?」
元囚人(あれ……痛くない……?)
拷問官「…………」ブシュッ…
元囚人「――え!?」
元囚人(こいつ、自分で自分を叩きやがった!)
助手娘「先生!?」
77: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:50:42.547 ID:Yn9C7jNG0.net
ビシッ! バシッ! ベチッ!
拷問官「…………」
元囚人「な、なにやってんだお前!? なんで自分を!?」
拷問官「俺は相手を傷つけないのが信条なんでな。今この場ではこうすることしか思いつかなかった」
バチィッ!
拷問官「放してくれ……俺の助手を返してくれ……」
ベシィッ!
拷問官「頼む……」
ビシャァッ!
元囚人「どんどん傷が……」
助手娘「先生やめて! 死んじゃう!」
拷問官「…………」
元囚人「な、なにやってんだお前!? なんで自分を!?」
拷問官「俺は相手を傷つけないのが信条なんでな。今この場ではこうすることしか思いつかなかった」
バチィッ!
拷問官「放してくれ……俺の助手を返してくれ……」
ベシィッ!
拷問官「頼む……」
ビシャァッ!
元囚人「どんどん傷が……」
助手娘「先生やめて! 死んじゃう!」
78: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:53:12.414 ID:Yn9C7jNG0.net
元囚人「わ、分かったよ……行け」パッ
助手娘「!」
元囚人「もうあんたには手を出さねえよ……じゃあな」
拷問官「……ありがとう」
拷問官「ううっ……!」ガクッ
助手娘「先生、しっかりして! 死なないでぇぇぇ!」
助手娘「!」
元囚人「もうあんたには手を出さねえよ……じゃあな」
拷問官「……ありがとう」
拷問官「ううっ……!」ガクッ
助手娘「先生、しっかりして! 死なないでぇぇぇ!」
80: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:56:39.759 ID:Yn9C7jNG0.net
拷問官「……なーんてな」スクッ
助手娘「へ?」
拷問官「俺は拷問のプロだぞ? 死ぬような鞭の打ち方するわけないだろ」
拷問官「打ったらヤバイ箇所は打ってないし、傷跡もほとんど残ることはない」
助手娘「よかったぁ……」
助手娘「だけど、それでも自分を打つなんて……!」
拷問官「俺にとっちゃ、お前を傷つけられるなんてのは、一番の拷問だからな」
拷問官「それに比べりゃ、鞭程度どうってことない」
助手娘「先生……!」
助手娘「へ?」
拷問官「俺は拷問のプロだぞ? 死ぬような鞭の打ち方するわけないだろ」
拷問官「打ったらヤバイ箇所は打ってないし、傷跡もほとんど残ることはない」
助手娘「よかったぁ……」
助手娘「だけど、それでも自分を打つなんて……!」
拷問官「俺にとっちゃ、お前を傷つけられるなんてのは、一番の拷問だからな」
拷問官「それに比べりゃ、鞭程度どうってことない」
助手娘「先生……!」
81: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 00:58:18.866 ID:Yn9C7jNG0.net
助手娘「先生ーっ!!!」ギュッ
拷問官「いだぁ~~~~~~~~~い!!!!!」
助手娘「あっ、ごめんなさい!」
拷問官「危うくショック死するとこだった……」
おわり
拷問官「いだぁ~~~~~~~~~い!!!!!」
助手娘「あっ、ごめんなさい!」
拷問官「危うくショック死するとこだった……」
おわり
82: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 01:02:23.925 ID:Yn9C7jNG0.net
最終話『いつか吐かせてみせます』
―取調室―
拷問官「ご清聴ありがとうございましたー!」
拷問官「じゃあもう一曲歌います!」
チャラ男「もうやめてくれ……これ以上あんたのカラオケを聴きたくない!」
チャラ男「俺のやったこと、全て吐くよ……!」
拷問官(もっと歌いたかったなぁ……)
―取調室―
拷問官「ご清聴ありがとうございましたー!」
拷問官「じゃあもう一曲歌います!」
チャラ男「もうやめてくれ……これ以上あんたのカラオケを聴きたくない!」
チャラ男「俺のやったこと、全て吐くよ……!」
拷問官(もっと歌いたかったなぁ……)
83: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 01:05:35.506 ID:Yn9C7jNG0.net
拷問官「さて、今日はもう帰るか」
助手娘「は、はいっ!」
助手娘「…………」モジモジ
拷問官「? どうした? 最近、様子がおかしいぞ」
助手娘「いえ……」
拷問官「いいたいことがあるなら、はっきりいえよ。報・連・相ってやつだ」
助手娘「…………」
拷問官「よぉし、だったら吐かせてやるよ。俺はお前の弱点を知り尽くしてるからな」
助手娘「え……」
助手娘「は、はいっ!」
助手娘「…………」モジモジ
拷問官「? どうした? 最近、様子がおかしいぞ」
助手娘「いえ……」
拷問官「いいたいことがあるなら、はっきりいえよ。報・連・相ってやつだ」
助手娘「…………」
拷問官「よぉし、だったら吐かせてやるよ。俺はお前の弱点を知り尽くしてるからな」
助手娘「え……」
84: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 01:08:28.340 ID:Yn9C7jNG0.net
助手娘(いったいどんな拷問を……!?)
拷問官「とっておきの怖い話をしてやる」
拷問官「むかしむかし、あるところに……」
助手娘「キャーッ! あたし先生のことが好きです!」
拷問官「……へ」
助手娘「あ、す、すみませんっ! あっさり吐いちゃいました!」
拷問官「ふうん、そうだったのか……。お前、俺のことをねえ……」
助手娘「元々好きだったんですけど、この前の元囚人さんとの事件でさらに惚れちゃって……」
拷問官「…………」
拷問官「とっておきの怖い話をしてやる」
拷問官「むかしむかし、あるところに……」
助手娘「キャーッ! あたし先生のことが好きです!」
拷問官「……へ」
助手娘「あ、す、すみませんっ! あっさり吐いちゃいました!」
拷問官「ふうん、そうだったのか……。お前、俺のことをねえ……」
助手娘「元々好きだったんですけど、この前の元囚人さんとの事件でさらに惚れちゃって……」
拷問官「…………」
85: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 01:10:41.092 ID:Yn9C7jNG0.net
助手娘「あの……」
拷問官「ん?」
助手娘「へ、返事は? 先生は、あたしのことどう思ってますか?」
拷問官「そうだな……」
拷問官「ただ答えるのもつまらないから、お前も拷問官の助手なら俺に吐かせてみろ!」
助手娘「ええっ!?」
拷問官「ほら、どんな拷問でもいいからやってみな」
助手娘「よぉーし……」
拷問官「ん?」
助手娘「へ、返事は? 先生は、あたしのことどう思ってますか?」
拷問官「そうだな……」
拷問官「ただ答えるのもつまらないから、お前も拷問官の助手なら俺に吐かせてみろ!」
助手娘「ええっ!?」
拷問官「ほら、どんな拷問でもいいからやってみな」
助手娘「よぉーし……」
86: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 01:13:21.723 ID:Yn9C7jNG0.net
助手娘「くすぐり!」コチョコチョ
拷問官「へっちゃら」
助手娘「黒板を爪で引っかく!」キーキー…
拷問官「ダメダメ」
助手娘「耳に息を吹きかける!」フッ
拷問官「ぬるいぬるい」
助手娘「ビンタ!」バチンッ
拷問官「いだいっ!」
拷問官「へっちゃら」
助手娘「黒板を爪で引っかく!」キーキー…
拷問官「ダメダメ」
助手娘「耳に息を吹きかける!」フッ
拷問官「ぬるいぬるい」
助手娘「ビンタ!」バチンッ
拷問官「いだいっ!」
89: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 01:16:27.087 ID:Yn9C7jNG0.net
助手娘「はぁー、はぁー、はぁー……」
拷問官「こんなんじゃ、とても俺を吐かせることはできないな」
助手娘「うう……いつか吐かせてみせますから!」
拷問官「期待してるよ」スタスタ
助手娘(あーあ、はぐらかされちゃった)
助手娘(でも、吐かせた結果、答えが『俺はお前が嫌い』だったらどうしよう……)
刑事「よっ、助手ちゃん」
助手娘「刑事さん!」
拷問官「こんなんじゃ、とても俺を吐かせることはできないな」
助手娘「うう……いつか吐かせてみせますから!」
拷問官「期待してるよ」スタスタ
助手娘(あーあ、はぐらかされちゃった)
助手娘(でも、吐かせた結果、答えが『俺はお前が嫌い』だったらどうしよう……)
刑事「よっ、助手ちゃん」
助手娘「刑事さん!」
91: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 01:19:48.259 ID:Yn9C7jNG0.net
刑事「今あいつを拷問してたけど……」
刑事「あいつは拷問官だけあって、拷問への耐性も並大抵じゃないからな。きっと苦労するぞ?」
助手娘「ですよね……」
刑事「だけど、一つだけアドバイスだ」
助手娘「なんでしょう?」
刑事「あいつは人の嫌がることをやる仕事をしてるから、人にいい返事をする時は勿体ぶるとこがあるんだ」
刑事「ようするに照れ臭いんだな。いい年して子供みたいな奴だろ?」
助手娘「へ? それってどういう――」
刑事「おっと、これから事件現場に行くんだ。それじゃ頑張りなよ」
助手娘「はいっ!」
…………
……
刑事「あいつは拷問官だけあって、拷問への耐性も並大抵じゃないからな。きっと苦労するぞ?」
助手娘「ですよね……」
刑事「だけど、一つだけアドバイスだ」
助手娘「なんでしょう?」
刑事「あいつは人の嫌がることをやる仕事をしてるから、人にいい返事をする時は勿体ぶるとこがあるんだ」
刑事「ようするに照れ臭いんだな。いい年して子供みたいな奴だろ?」
助手娘「へ? それってどういう――」
刑事「おっと、これから事件現場に行くんだ。それじゃ頑張りなよ」
助手娘「はいっ!」
…………
……
92: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 01:22:37.011 ID:Yn9C7jNG0.net
……
拷問官「吐けぇ! 吐きやがれぇ!」
チンピラ「へっ、誰が吐くかよ」
拷問官「うぷっ! ううう……! うぷぷぷぷぷっ……!」
チンピラ「ひっ、やめろ! 分かった、吐くから吐くんじゃねえ!」
拷問官「……よし、それじゃ吐いてもらおうか」
チンピラ「ちくしょう……負けた」
拷問官「吐けぇ! 吐きやがれぇ!」
チンピラ「へっ、誰が吐くかよ」
拷問官「うぷっ! ううう……! うぷぷぷぷぷっ……!」
チンピラ「ひっ、やめろ! 分かった、吐くから吐くんじゃねえ!」
拷問官「……よし、それじゃ吐いてもらおうか」
チンピラ「ちくしょう……負けた」
93: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 01:25:30.944 ID:Yn9C7jNG0.net
拷問官「うぷっ、今日は迫真の演技をしすぎたな……マジで吐きそう」
助手娘「あ、そうだ。よかったら、今日は胃に優しい手料理をご馳走しましょうか?」
拷問官「え、いいの? 助かるよ!」
拷問官「もし、美味かったら、こないだの返事を吐いちゃうかもしれん」
助手娘「よーし、腕を振るいますよ! あ、だけど、あたしの料理は吐かないで下さいよ?」
拷問官「当たり前だろ」
拷問官「せっかくのお前の手料理、どんな拷問を受けたって吐くもんか」
おわり
助手娘「あ、そうだ。よかったら、今日は胃に優しい手料理をご馳走しましょうか?」
拷問官「え、いいの? 助かるよ!」
拷問官「もし、美味かったら、こないだの返事を吐いちゃうかもしれん」
助手娘「よーし、腕を振るいますよ! あ、だけど、あたしの料理は吐かないで下さいよ?」
拷問官「当たり前だろ」
拷問官「せっかくのお前の手料理、どんな拷問を受けたって吐くもんか」
おわり
94: VIPがお送りします 2019/03/05(火) 01:26:04.055 ID:Yn9C7jNG0.net
これで完結となります